2018年1月17日 (水)

堅調な伸びを示す機械受注!

本日、内閣府から昨年2017年11月の機械受注が公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比+5.7%増の8992億円と2か月連続でプラスを記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注5.7%増 11月、非製造業の発注伸びる
内閣府が17日発表した2017年11月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)が前月比5.7%増の8992億円だった。増加は2カ月連続。受注額は08年6月以来、9年5カ月ぶりの大きさとなった。非製造業からの受注が伸びた。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。
非製造業の発注は4808億円と9.8%増えた。車両を発注した運輸業・郵便業が伸び、卸売業・小売業では流通設備の大型案件が発生。省力化投資が続く建設業も建設機械を注文した。
製造業は0.2%減の4206億円だった。減少は2カ月ぶり。化学工業が前月に発注を増やした反動が出た。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、船舶・電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの前月比で▲1.6%減と予想されていましたし、前月統計では前月比で+5.0%の伸びを示していましたので、2か月連続の+5%に達する伸びにはちょっとびっくりしました。引用した記事にもある通り、製造業で前月比マイナスなんですが、10月統計で前月比+7.4%増と大きく伸びた後、11月統計の▲0.2%減ですから、水準としてはかなり高いものがあり、マイナスだからといって悲観する必要はないものと考えています。10月に前月比+82.1%増と大きなプラスを記録した化学工業が11月には反動減もあって▲43.3%を記録し、同様に、10月に+88.9%増だった石油製品・石炭製品が11月に▲26.3%減と落ちています。非製造業は卸売業・小売業で10月+10.0%増に続いて11月も+59.6%増を記録し、建設業でも10月▲4.1%減を盛り返して11月+24.9%増、運輸業・郵便業でも10月+26.2%増に続いて11月も+5.0%増など、いかにも人手不足の影響が大きいと見られている産業で受注が伸びている印象です。
先行きについても、上のグラフに見られる通り、コア機械受注の外数ながら先行指標となる外需の伸びが、世界経済の順調な拡大を背景に、堅調な伸びを見せており、製造業の設備投資や機械受注に追い風となっていますし、非製造業では人手不足の影響からの設備投資の増加が期待されます。もちろん、積極的な能力増強投資が実施されるとは考え難く、伸びは緩やかなものにとどまる可能性が高いものの、引き続き堅調な推移となるものと見込んでいます。

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2018年1月16日 (火)

企業物価(PPI)のヘッドラインとなる国内物価は+3%超の上昇を続ける!

本日、日銀から昨年2017年12月の企業物価 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は前月統計からやや上昇幅を縮小して+3.1%を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

17年の企業物価、3年ぶり上昇 世界景気拡大がけん引
日銀が16日に発表した2017年通年の企業物価指数(2015年=100)は98.8で16年比2.4%上昇した。前年比での上昇は14年(3.1%上昇)以来3年ぶり。14年の消費増税の影響を除くと上昇率は08年(4.5%上昇)以来の高水準だった。米国・中国を中心とする世界景気の拡大に伴う需要増が国際商品価格の上昇を通じて国内の企業物価を押し上げている。
企業物価指数は企業間で売買するモノの価格動向を示す。品目別では石油・石炭製品や非鉄金属、化学製品が指数の上昇に寄与した。世界的な需要増や産油国の減産で原油相場が上昇するなど、国際商品市況の回復や外国為替市場での円安の進展が影響した。このほか都市部での再開発や東京五輪に向けた建設需要を背景に国内の鉄鋼価格も上昇している。
公表している744品目のうち、前年比で上昇したのは367品目、下落は315品目で、上昇した品目が下落を52品目上回った。16年では前年から下落した品目が上昇を224品目上回っていた。
同日発表した17年12月の企業物価指数(2015年=100)は100.1で前年月比で3.1%上昇した。前年比での上昇は12カ月連続。前月比でも0.2%上昇した。昨年末の原油高で石油・石炭製品などの価格が上昇したことが寄与した。

12月統計が出て2017年通年データが利用可能となりましたので、ついつい年データに重点を置いた報道となっていますが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは以下の通りです。上のパネルから順に、上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、PPIのうちヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率で+3.2%と予想されていましたので、ほぼジャストミートしたと受け止めています。12月統計の前年同月比で見て、石油・石炭製品は+14.8%と11月統計の+19.3%から上昇幅を縮小させたものの、引き続き高い上昇率を示しています。国内物価の11月統計と12月統計を比べると、非鉄金属11月+17.3%、12月+11.2%、また、鉄鋼11月+9.7%、12月+8.9%と、石油をはじめとする資源や素材系が上昇幅を縮小させつつも大きな上昇を続けています。ただし、報道で注目されている年統計については、石油・石炭製品は2016年の▲16.4%下落から2017年には+18.2%の上昇であり、非鉄金属も2016年▲12.9%、2017年+12.6%ですから、2017年の企業物価(PPI)の国内物価農地の資源関連品目の上昇率は2016年の下落分を取り戻しただけ、という見方も出来ます。もっとも、総平均では国内物価は2016年▲3.5%の下落から2017年は+2.4%でしたので、2017年の上昇幅は前年の下落幅に届かなかったことになります。この先も、金融政策よりも国際商品市況における石油などの資源価格に敏感な物価動向が続きそうな気もします。

最後に、昨日、見逃していたんですが、日銀支店長会議にて2018年1月の「地域経済報告」、すなわち、「さくらリポート」が明らかにされています。以下の通りいくつかの地域では景気判断が上方修正されています。「足取りをより確かなものとしつつ」をつけると景気判断の引き上げとなるなど、独特の日銀文学は私には理解不能なものもありますので、念のため。

 【2017年10月判断】前回との比較【2018年1月判断】
北海道回復している回復している
東北緩やかな回復基調を続けている緩やかな回復を続けている
北陸緩やかに拡大している拡大している
関東甲信越緩やかに拡大している緩やかに拡大している
東海拡大している拡大している
近畿緩やかに拡大している足取りをより確かなものとしつつ、緩やかに拡大している
中国緩やかに拡大している緩やかに拡大している
四国緩やかな回復を続けている緩やかな回復を続けている
九州・沖縄緩やかに拡大している緩やかに拡大している

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2018年1月15日 (月)

1月も半ばを迎えて正月太りはそろそろ解消されたか?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、1月4日付けでウェザーニュースから正月太り全国平均1.6kg増の調査結果が明らかにされています。調査そのものは2014年のお正月に実施されているところで、決して最新ではないんですが、中年にはとても気になるトピックであり、グラフを含めて簡単に取り上げておきたいと思います。

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まあ、お正月は食べてばかりで、私なんぞは家でゴロゴロしているだけですので、当然に太りがち、というか、体重の増加が容易に生じがちになります。「太った」と実感した人が52%、「太ってない」が48%となり、全国平均で1.6kgの体重増加の申告があり、年代的には中年で「太った」と実感した人が高い比率を占めているようです。

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2018年1月14日 (日)

先週の読書は大量に読んで計7冊!

先週の読書は私のとっても気にしている子供の問題に関する専門書をはじめ、京都本も含めて計7冊です。昨日、自転車で近隣の図書館を回って予約の本を回収に当たったんですが、今週の読書も1日1冊のペースくらいで、どうも大量になりそうな予感です。そのうちに、ペースダウンしたいと思います。

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まず、末冨芳[編著]『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店) です。編著者は日大勤務の研究者であり、京都大学教育学部の出身ですから、たぶん、教育関係がご専門だと受け止めています。本書は、研究者と実務者の合計十数名からなる執筆陣により、タイトルの通り、子どもの貧困に対する対応策としての教育支援をテーマに議論を展開しています。2部構成であり、第1部が教育支援の制度・政策分析をテーマとし、主として研究者の執筆によっており、第2部では当事者へのアプローチから考える教育支援をテーマとして取り上げ、主として実務者の視点から議論しています。どうしても第1部と第2部で差があって、第2部は物足りない、というか、やや視野の狭さを感じてしまうんですが、それはそれで、現場の実情を把握するという意味もあるような気がします。ということで、我が国に置いてはいっわゆるシルバー民主主義のために、社会福祉の財政リソースが大きく高齢者や引退世代に偏っており、家族や子供に対する社会福祉の政策がそのしわ寄せを受けているのは広く知られています。特に、子どもの貧困については親の責任のように主張されることも少なくなく、高齢世代への手厚い社会保障給付の言い訳にされたりしています。私の従来の主張ですが、平均余命を考えても考えなくても、貧困な高齢者は社会保障で支援されても10年後も貧困な高齢者のままである可能性が高いのに対して、貧困な子どもはしっかりと支援すれば10年後は納税者になることができます。本書では生活面というよりは、学習面、特に学校に子どもたちを包摂する先進的な事例や最新の取組みも紹介し、子どもの貧困に関する多角的な視点を提供してくれています。最後に、日経新聞に掲載された斯界の権威である阿部彩教授による本書の書評へのリンクを置いておきます。

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次に、デヴィッド・ハーヴェイ『資本主義の終焉』(作品社) です。著者は英国生まれで米英の大学で研究者をしていた地理学者なんですが、明確にマルクス主義に基づく研究を行っています。2008年には『資本論』の講義の動画がアップされ、世界中からアクセスが殺到したと記憶しています。なお、私は2012年のゴールデンウィークに同じ出版社から邦訳が出ている『資本の<謎>』を読んで、このブログに読書感想文らしきものをアップしています。ということで、かなりしっかりしたマルクス主義経済学による現在の資本主義の分析といえます。3部構成となっており、第1部が資本の基本的な矛盾、第2部が運動する資本の矛盾、第3部が資本にとって危険な矛盾、とそれぞれ題されています。見ても明らかな通り、「矛盾」がキーワードとなっており、本書の冒頭でマルクス主義的な矛盾や物心論に関する簡単な解説がなされています。そして、私にとって感激的であったのは、フランス的なポスト構造主義が階級構造の分析を避けているとして批判されている点です。ソーカル事件を持ち出すまでもないでしょう。ただ、矛盾をキーワードとし資本の運動をひも解こうとしているんですから、マルクス主義経済学の視点から何が最大の矛盾であるかについては指摘が欲しかった気がします。すなわち、マルクス主義的な唯物史観において最大の矛盾とは、生産様式が生産力の桎梏、ないし、制約条件となる、というのが最大の矛盾と私は考えています。奴隷制から農奴による封建制へ、さらに、資本制へと生産様式を進化させてきたのは、それぞれの生産様式が生産力を制約するようになったからであり、その意味で、さらに生産力を資本制の制約から解き放つのが次の段階と考えるべきです。そして、その段階は19世紀的には社会主義ないし共産主義であろうと想定されてきたんですが、ソ連型社会主義の崩壊から生産手段の国有化と市場ではない中央司令型の資源配分による計画経済は資本主義の次の段階としては想定されなくなりました。マルクスやレーニンなどの想定ではなく、何らかの新しい生産様式が必要とされ、その生産様式を下部構造とする上部構造のあり方が議論される必要があります。私ごときでは計り知れない未来が待っていると期待しています。

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次に、永江朗『ときどき、京都人。』(徳間書店) です。著者は編集者であり、東京と京都の両方にお住まいを持つお金持ちのようです。ただ、ご出身はどちらなのか、明記はされていませんが、何かで旭川出身との略歴を見た記憶があります。ということで、上の表紙画像に見える副題に「二都の生活」とありますが、本書の中身に東京はまったくといっていいほどかんけいしません。すべて京都だけの「一都物語」と考えるべきです。ただ淡々と京都の生活を追っているだけです。ですから、私が昨年12月に京都を訪れた際に気づいた東京の警視庁管内の自転車ナビマークと京都の府警管内のナビラインの違いについても、後者の写真が掲載されているにも関わらず、東京と京都の比較、というか、違いには一切触れられず、ひたすら京都事情だけに特化しています。それだけに、逆に、京都に関する記述は正確で豊富な内容を含んでいたりします。私も本書の著者とほど同様に今年還暦なんですが、人生の前半を京都で過ごし、後半は東京住まいです。ですから、35年以上も前の京都にしか住んだことがなく、本書絵及んで京都市動物園がリニューアルしたことを知ったりしています。年に何冊かは京都本を読んで京都に関する知識をアップデートしているつもりですが、なかなか追いつきません。昨年2017年は学会出席のついでと京大の恩師の偲ぶ会で2度上京しましたが、それくらいでは不足なんでしょう。最後に、本書を読んだ感想を2点だけ上げると、著者の京都通の度合いが本書執筆の間にも上昇しているのが手に取るように理解できます。例えば、前半では京都のお住いの近くらしいものの、「荒神口橋」なる珍妙な橋の名が出てきますが、終わり近くには正確に「荒神橋」と訂正されています。もう1点は京都の南が苦手そうだという点です。伏見こそ取り上げられていますが、天神さんの蚤の市は本書に収録されていても、東寺で開催されている弘法さんはご存じないようです。私自身は伏見で生まれて、宇治で育っていますので、鄙なる土地の洛外育ちで、中学高校と奈良の学校に通っていましたので南の方に親しみがあります。最後の最後に、本書でも触れられている井上先生の『京都ぎらい』には七条は「ひちじょう」である、と出て来ますが、本書では質屋の話題があり、京都人は「ひちや」と読みますし、少なくとも私の小学生くらいまでは質屋ののれんに平仮名で「ひちや」と書いてあるお店があったと記憶しています。何ら、ご参考まで。

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次に、辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社) です。何かのメディアで、『スロウハイツの神様』を超えた辻村深月の最高傑作、のように評価されていたので買ってみましたが、出版社の宣伝文句に踊らされただけなのか、やや物足りない思いをしました。私の感想としては、辻村作品をすべて読んでいるわけではありませんが、やっぱり『スロウハイツの神様』が現時点での最高傑作だと考えます。そして、それに次ぐのは『冷たい校舎の時は止まる』とか、『凍りのくじら』などの高校生から大学生にかけての青春小説だと思っています。もちろん、もっと小さい子が主人公ながら『ぼくのメジャースプーン』が捨てがたいのは理解しています。ということで、この作品では中学生が主人公です。そして、主人公の女子中学生と同じように、学校に行けない、というか、一般用語の不登校とは少し違うものの、要するに中学校に行けない子供達が鏡を通して移動して集まる、というストーリーです。私のような年齢に達した人間からすれば、不登校っぽく中学校に行っていない少年少女を主人公にしているだけで、少しばかり理解が届かなさそうな気もしますし、パラレル・ワールドでなくて、中学生たちの集められ方も不自然ですし、オオカミさまの正体や喜多嶋先生の実像などについても、なかなかよく考えられているとはいえ、ここまで作為的な構成やキャラの配置をしてしまうと、両極端の反応を生みそうな気がします。ものすごく感情移入が進んで感激して読むファンと、私のように辻村作品のファンでありながら物足りなさや違和感を覚える読者です。平たくいえば、当たり外れが大きい作品だと思いますし、それだけ何かを賭けているようにも感じなくもありません。デビュー作の『冷たい校舎の時は止まる』のように超常現象を盛り込んだファンタジーなんですが、不自然の度合いが大き過ぎるような気がします。この内容であれば、買うんではなくて順番待ちをしてでも借りておいた方がよかった気がします。期待が大きかっただけに、少し残念な読書でした。

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次に、貴志祐介『ミステリークロック』(角川書店) です。作者はなかなか売れているホラーやミステリの作家なんですが、我が母校の京都大学経済学部で私の後輩だったりします。それはさて置き、この作品は防犯探偵・榎本径のシリーズの最新中短篇集です。収録されているのは、「ゆるやかな自殺」、「鏡の国の殺人」、表題作の「ミステリークロック」、「コロッサスの鉤爪」の4作品であり、最初の短篇を除いて、残りの3作品は弁護士の青砥純子の視点からの記述となっています。すなわち、青砥弁護士がワトスン役を演じているわけです。ということで、まあまあの密室ミステリといえますが、実は、この作品も直前に取り上げた辻村深月『かがみの孤城』と同じく、借りたのではなく買いましたので、その意味では、少し物足りなかった気がします。特に、東野圭吾のガリレオのシリーズですっかり崩壊したノックスの十戒のうちの、一般にはそれほど理解されていない難解な科学的知識を要求する謎解きがいくつか含まれます。冒頭の短篇「ゆるやかな自殺」が飛び抜けて短いんですが、私は明らかに何かのアンソロジーで読んだ記憶があり、ミステリ作品の出来としては本書の中で最高です。この作品を読む限り、密室のトリックについては、この作家は限界という気がします。ですから、この榎本シリーズも最後に近づいているように思えてなりません。何だか、ミステリの謎解きというよりも、青砥弁護士のオチャメな仮説提示を笑い飛ばすコメディ小説のような気すらします。それなりに、榎本と青砥弁護士のかけ合いは小説としても楽しめるかもしれません。青砥弁護士はどんどんおバカになっていくような雰囲気で、私の記憶が正しければ、テレビドラマでは戸田恵梨香が配されていたわけですから、それはそれで合っているのかもしれませんが、弁護士なんですから、ペリー・メイスンのように、とまではいわないとしても、もう少し考えた方がいいように受け止めています。最後の最後に、どうでもいいことながら、一般の普通名詞のミステリー・クロックは、私はカルティエの時計しか見たことがないんですが、とても不思議なものです。ムーブメントなどの本体は下の土台部分に隠されているんでしょうが、どうやって針が、特に短針が動いているのか、文系の私にはまるで謎だったりします。

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次に、森博嗣『ダマシ×ダマシ』(講談社ノベルス) です。著者はご存じの新本格派のミステリ作家です。もっとも、新本格派は京都や大阪が拠点だと私は勝手に思っているんですが、この作品の作者は名古屋です。『イナイ×イナイ』、『キラレ×キラレ』、『タカイ×タカイ』、『ムカシ×ムカシ』、『サイタ×サイタ』と続いてきたXシリーズの第6話にして最終話になります。シリーズの主人公は本書でも小川令子という探偵社勤務の30代の女性探偵です。そして、この作品は結婚詐欺のお話です。で、今回のエピグラフがマインドコントロールについてみたいなことで、そこに書かれていることや作品に書かれていることから、人の心は難しいもので、どうしてもそうなっちゃうところはあるよね、とか、一般論ではなく結婚詐欺のお話に絞れば、他の人は騙されたけど、もちろん、私も騙されたけど、でもちょっぴり、あの人はまだ私を想ってくれていたかもしれない、みたいな話が書かれていて、私自身はバカなんじゃないの、と思ったりしつつも、女心の理解しがたさを思い浮かべたりしていました。シリーズ最終話ですから、いろいろとかっきてきなしんてんもあります、すなわち、椙田は小川に事務所を譲りますし、探偵社のアルバイトの留年大学生だった真鍋瞬市は大学を中退して、めでたくも就職し、そして、一足早く就職していた永田絵里子と結婚する予定です。オールスター・キャストで西之園萌絵も意味なく登場したりします。私はこの冊書の主要なミステリはすべて読んでいるつもりなんですが、こういったシリーズ最終話の終わり方は初めてではないかという気もします。もっとも、私のことですから忘れているだけかもしれません。


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最後に、伊藤公一朗『データ分析の力』(光文社新書) です。著者は米国シカゴ大学に勤務する研究者であり、副題は『因果関係に迫る思考法』となっています。本書はサントリー文藝賞を授賞されています。以前にこの読書感想文のブログでも取り上げた中室牧子・津川友介『「原因と結果」の経済学』と重複しますが、因果関係について今さら、という気もしつつ読み進みました。もちろん、因果関係を考える上でとてもよい入門書なんですが、本書の読者のレベルを考えてか、操作変数法が取り上げられていないのはまあいいとしても、2点だけ補足しておきたい事実があります。まず、ビッグデータの時代にあっては因果関係よりも相関関係が重視される可能性が高いという事実です。詳しくは、例えば、 ビクター・マイヤー=ショーンベルガー/ケネス・クキエによる『ビッグデータの正体』などに譲りますが、悉皆調査に近いビッグデータの分析では相関関係で十分、というのも考えられます。もちろん、そうでなく、やっぱり、因果関係が重要、という説が成り立つこともあり得て、例えば、薬効や医学治療では相関関係では許されない場合も考えられますが、政策分析やマーケティング調査くらいでは相関関係で十分な気もします。もうひとつは、対象者の独立性についてもう少し詳細に検討して欲しい気がします。最後の付録には少しだけ触れられているんですが、例えば、マーケティングのシーンでは、カスケード現象やバンドワゴン的な大流行を引き起こそうとしている場合もあるわけで、マーケティングでは消費者間の影響力も無視しえない、特に、SNSでの拡散を視野に入れると、対象者間の独立性がどこまで確保されるかは疑問ですし、独立でなくして大流行を狙う、というマーケティングもありだという気がします。

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2018年1月13日 (土)

今日から始まるセンター試験、がんばれ受験生!

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今日から2日間の予定で、大学入試センター試験が始まります。私は受験したことはありませんが、大学教授をしていた際に、試験監督をした経験はあります。なお、上の合格招き猫の画像はArtBankのサイトから借用しています。
我が家の下の倅も受験しています。大学全入はまだ先の話でしょうから、合格だけを祈念するのは無責任と考えますので、後悔のないように持てる実力のすべてを出し切ることを願っています。

がんばれ受験生!

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2018年1月12日 (金)

5か月振りに悪化した景気ウォッチャーと黒字が積み上がる経常収支!

本日、内閣府から12月の景気ウォッチャーが、また、財務省から11月の経常収支が、それぞれ公表されています。景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲0.2ポイント低下して53.9を、先行き判断DIも▲0.7ポイント低下して52.7を、それぞれ示し、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1兆3473億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

17年12月の街角景気、現状判断指数が5カ月ぶり低下 家計が悪化
内閣府が12日発表した2017年12月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は前月比0.2ポイント低下の53.9と、5カ月ぶりに悪化した。家計動向のマインド悪化が目立った。内閣府は基調判断を「緩やかに回復している」で据え置いた。
指数を部門別にみると、家計動向が前月比0.4ポイント低下の52.3となった。小売り、飲食のほかサービスの悪化が目立った。雇用は60.7と引き続き高水準だったが、前月に比べると0.6ポイント低下した。一方で、企業動向は55.7と0.4ポイント上昇した。
街角では、家計動向について「前月まで好調に推移していた紳士及び婦人防寒衣料が若干失速している」(東北の百貨店)との声があった。「宝飾品や高級ブランド品、美術品といった高額品の販売単価が落ちてきている。さらに、販売量も減少している」(近畿の百貨店)、「イベントを実施したが首都圏のファミリー層の集客が弱い」(甲信越の遊園地)との指摘もあった。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は0.7ポイント低下の52.7だった。悪化は2カ月連続。家計動向、企業動向、雇用の全てが低下した。企業動向について「運送業者の手配が困難である」(東海の化学工業)といった声があった。
17年11月の経常収支、1兆3473億円の黒字 貿易黒字は縮小
財務省が12日発表した2017年11月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆3473億円の黒字だった。黒字は41カ月連続だが、黒字額は前年同月に比べて795億円縮小した。対前年同月のマイナスは5カ月ぶり。輸入の増加で貿易収支が黒字額を縮小したことが響いた。
貿易収支は1810億円の黒字となり、黒字額が前年同月に比べて1591億円縮小した。原油価格の持ち直しで原粗油などの輸入が伸び、輸入全体で17.6%増加した。半導体製造装置などの好調で輸出も13.9%伸びたが、輸入の伸びが上回った。
サービス収支は417億円の黒字と、黒字幅が前年同月比218億円縮小した。昨年あった大口案件の受け取りがなくなり、「その他業務サービス」の赤字幅が拡大したことが響いた。旅行収支は1485億円の黒字と同月としては過去最高の黒字となった。
海外企業から受け取る配当金や投資収益を示す第1次所得収支は1兆3298億円の黒字となり、黒字幅が1249億円拡大した。円安で海外子会社から受け取る配当金が増えた。米金利の上昇を背景に債券利子の受け取りも増加した。

いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。

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ということで、景気ウォッチャーの現状判断DIは昨年2017年7月以来5か月振りの低下を示しましたが、依然として50を上回って高い水準にあります。3つのコンポーネントのうち、家計動向関連が前月から▲0.4ポイント低下し、雇用関連も▲0.6ポイント低下しています。企業動向関連は製造業が+2.1ポイント上昇した一方で、非製造業は▲1.3ポイント低下し、全体として+0.4ポイントの上昇を見せています。現状判断DIが5か月振りに低下したとはいえ、まだ高い水準にありますので、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「緩やかに回復」に据え置いています。
ただし、注意すべき点を指摘すると、引用した記事にも強調されている通り、家計部門の停滞感です。最近の長期にわたる景気拡大において、国民の間での景気拡大の実感が伴わない要因のひとつとして、企業部門に比較して家計部門の消費が伸び悩んでおり、その大きな原因が低調な賃上げとそれに起因する所得の停滞にあると、昨日のブログでも指摘しましたが、この景気ウォッチャーの家計動向関連DIと企業動向関連DIの水準にも、かなり明確にこの傾向が現れています。すなわち、2015年11月から2年余りに渡って家計動向関連DIが企業動向関連DIを下回って推移しています。しかも、その2年余りの間で昨年2017年10月が家計と企業の差が最も大きく、▲6.2ポイントに達しています。好調な企業部門から賃上げという形で家計部門に購買力を移転しなければ、国民の間での景気の実感は上がらないおそれを指摘しておきたいと思います。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。そのひとつとして、経常収支は昨年2017年10月から11月にかけて、季節調整していない原系列の統計でも、季節調整済みの系列でも、いずれも黒字幅を縮小させているんですが、家に引用した記事ではいかにも、国際商品市況における石油価格の上昇による貿易収支の黒字幅の縮小のような印象を受けますが、季節調整済みの系列では貿易収支よりはサービス収支の赤字拡大の方が大きいことが上のグラフの緑色の積み上げ棒グラフから、やや細かいので見にくいものの、読み取れるんではないかと思います。詳細な季節調整済みの統計を見ると、むしろ、2017年10月の統計においてサービス収支のうちの知的財産権等使用料がイレギュラーにプラスになっていた、と指摘されています。それが、2017年11月には元のマイナスの赤字に戻った、ということのようです。いずれにせよ、経常収支は黒字幅が縮小したとはいえ、震災後のような形ではなく、特に懸念すべき材料ではないと私は受け止めています。

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2018年1月11日 (木)

11月の景気動向指数はさらに上昇し景気拡大はいざなぎ景気を越えて60か月に到達!

本日、内閣府から11月の景気動向指数が公表されています。景気動向指数のうち、CI先行指数は前月比+2.1ポイント上昇して108.6を、CI一致指数も+1.7ポイント上昇して118.1を、それぞれ記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数、2カ月連続で上昇 11月、基調判断「改善」で維持
内閣府が11日発表した11月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.7ポイント高い118.1だった。上昇は2カ月連続。一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断は「改善を示している」で据え置いた。
鉱工業用生産財出荷指数や投資財出荷指数(輸送用機械を除く)などの改善が寄与した。有効求人倍率(学卒除く)は重荷になった。
数カ月先の景気を示す先行指数は2.1ポイント高い108.6と、3カ月ぶりに上昇した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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CI一致指数に対する寄与度で大きかった項目を上げると、プラス寄与では大きい順に鉱工業用生産財出荷指数、投資財出荷指数(除輸送機械)、商業販売額(小売業)(前年同月比)、耐久消費財出荷指数、生産指数(鉱工業)となり、CI先行指数では、これもプラス寄与の大きい順に鉱工業用生産財在庫率指数(逆サイクル)、中小企業売上げ見通しDI、新規求人数(除学卒)、新設住宅着工床面積、東証株価指数などが上げられています。少なくとも、統計的に確認できる範囲で、昨年中に景気の山が来ていたとはとても考えられませんから、景気動向指数が利用可能な範囲だけで見ても、昨年2017年11月までで現在の景気拡大は60か月に及ぶことになり、高度成長期のいざなぎ景気を超えたことは明らかであろうと考えるべきです。なお、いざなぎ景気は1965年11月から1970年7月まで57か月間続いています。また、戦後最長の景気拡大期間は米国のサブプライム・バブルに対応した期間であり、2002年1月を景気の底とし、2002年2月から2008年2月の山まで73か月間続いており、単純に計算すれば、来年2019年1月まで現在の景気拡大が続けば74か月に達するので、これを抜くこととなります。
おそらく、景気拡大期間が長くなった一方で、景気拡大の実感が薄い理由としては、企業部門中心の景気拡大であり、家計部門の消費の伸びが物足りないためではないかと考えられます。すなわち、企業部門の、例えば、法人企業統計に見る企業余剰金の大きな伸びに対して、11月統計の景気動向指数では商業販売統計のうちの小売業販売額や耐久消費財出荷指数が入っているものの、個人消費の伸びが不十分なためであろうと私は考えています。逆からいえば、高度成長期のような2ケタ成長は望むべくもありませんから、せめて、景気拡大の果実を国民に均霑するためには、企業サイドで内部留保を溜め込むのではなく、賃金上昇という形で国民に広く還元する必要が大きくなっている、といえるんではないでしょうか。

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2018年1月10日 (水)

マクロミルによる2018年新成人に関する定点調査結果やいかに?

今年の新成人やいかに。マクロミルによる2018年新成人に関する定点調査結果が昨年2018年12月28日に明らかにされています。まず、調査結果のTOPICSをマクロミルのサイトから7点引用すると以下の通りです。

TOPICS
  • 将来の夢がある新成人は、過去最低の54%
  • 「日本の未来は明るい」34%。2014年がピークで2015年からほぼ横ばい
  • 将来就きたい職業、2位の「わからない」が28%で、1位の「会社員」31%に迫る
  • スマホ所有率、「iPhone」が「Android」を大きく引き離し、その差は22%に
  • SNS利用率、1位「LINE」96%、2位「Twitter」80%で、いずれもこの6年で最高。「Instagram」が躍進、51%で「Facebook」の2倍に
  • 社会潮流に対する考え、"AI"は半数弱が不安を抱く、"グローバル化"は半数弱がグローバル人材になりたいが8割が「英語に不安」
  • >活躍を期待する2018年新成人ランキング 1位フィギュア「宇野昌磨」、2位モデル・タレント「藤田ニコル」、3位プロ野球「オコエ瑠偉」

包括的ながら、とても長くてアンケートの要約としてはいかがなものかという気はします。私の方ではトピックとして3つほどに絞りたいと思います。ということで、下のグラフは日本の未来が明るいか、明るくないか、の時系列的な推移を示しています

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ということで、上のグラフはマクロミルのサイトから、日本の未来は明るいか暗いか、に関して、最近10年間の時系列の推移を示しています。いわゆるリーマン・ショックの前後から「明るい」との回答は20%付近で低迷していた後、2014年の新成人は何があったのか、「明るい」が大きな比率を占めましたが、その後は今年に至るまで大雑把に⅓が「明るい」、⅔が「暗い」との回答になっているような気がします。グラフは引用しませんが、「将来の夢がある」かどうかについての問いがあり、これは2014年の新成人のような特異値もなく、傾向的に低下しているように私には見えます。まあ、いろいろあるんでしょう。

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次に、上のグラフはマクロミルのサイトから、デジタル端末所有率のグラフを引用しています。ここ数年では、パソコンについてはノートもデスクトップも傾向的に低下してきており、今年の新成人については iPhone の所有率がほぼほぼノートパソコンに並びました。また、最初のTOPICSにあった通り、iPhone の所有率が61%まで増加した一方で、Android は36%に減少しており、その差は25%ポイントまで開いています。また、これもグラフは引用しませんが、SNSの利用に関しては、1位がLINEで96%、2位がTwitterで80%となり、いずれもこの6年で最高を記録しています。3位はInstagramが大きく伸びて51%を占め、、4位のFacebookの26%の約2倍となっています。まあ、そうなんでしょうね。

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最後に、上のグラフはマクロミルのサイトから、AI(人工知能)化に対する考え/グローバル化に対する考えのグラフを引用しています。AI(人工知能)化の進展については、大雑把に、やや不安の方が強いのかもしれないと私は受け止めています。他方で、グローバル化については英語に不安があるという情けない回答がかなりの比率を占めています。ご本人たちの問題というよりも、日本の教育の問題なんでしょうが、グローバル化は否応なく進みそうな気もしますので、目を背けることなく対応する必要がありそうな気もします。

我が家では、上の倅が昨年の新成人で、下の倅は来年です。今年はそういう意味で、我が家については谷間の新成人のいない年なんですが、マクロミルの定点調査ですので、簡単に取り上げてみました。

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2018年1月 9日 (火)

やや低下したものの高い水準を示す消費者態度指数と久し振りに実質賃金が増加した毎月勤労統計!

本日、内閣府から昨年2017年12月の消費者態度指数が、また、厚生労働省から11月の毎月勤労統計が、それぞれ公表されています。消費者態度指数は前月から▲0.2ポイント低下し44.7を記録した一方で、毎月勤労統計の名目賃金指数は季節調整していない原数値の前年同月比で+0.9%の上昇を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者態度指数0.2ポイント低下 17年12月、ガソリン高など重荷に
内閣府が9日発表した2017年12月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比0.2ポイント低下の44.7だった。低下は4カ月ぶり。ガソリン価格やレタスなど一部の生鮮野菜が上昇し、消費者心理を冷やした。内閣府は消費者心理の基調判断を「持ち直している」で据え置いた。
消費者態度指数を構成する4項目のうち「暮らし向き」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」が前月に比べて低下した。「収入の増え方」は前月と同水準だった。
消費者態度指数に含まれない「資産価値」の意識指標は44.5と前月比2.3ポイント低下した。
1年後の物価見通し(2人以上世帯)について「上昇する」と答えた割合(原数値)は前月より1.4ポイント高い80.0%だった。上昇は5カ月連続。「低下する」は前月比0.3ポイント高い4.0%、「変わらない」は12.5%と2.0ポイント低下した。
調査基準日は17年12月15日。調査は全国8400世帯が対象で、有効回答数は5841世帯(回答率69.5%)だった。
名目賃金、17年11月は0.9%増 4カ月連続プラス 毎月勤労統計速報
厚生労働省が9日発表した2017年11月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、名目賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は前年同月に比べて0.9%増の27万8173円だった。4カ月連続で増加した。
内訳をみると、基本給にあたる所定内給与は前年同月比0.4%増だった。残業代など所定外給与は2.6%増、ボーナスなど特別に支払われた給与は7.5%増と大きく伸びた。
物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.1%増加した。プラスは16年12月以来11カ月ぶり。消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は0.7%上昇したものの、名目賃金の伸びが上回った。
パートタイム労働者の時間あたり給与は前年同月比1.5%増の1109円だった。パートタイム労働者比率は0.27ポイント低下の30.69%だった。厚労省は賃金動向について「基調としては緩やかに増加している」との見方を示した。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、消費者態度指数のグラフは上の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。また、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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消費者態度指数を構成する4項目のコンポーネントについて、12月統計を前月差で詳しく見ると、「収入の増え方」だけが前月と変わらずだったほかは、軒並み低下を示し、「暮らし向き」が前月差で▲0.3ポイント低下、「雇用環境」も▲0.3ポイント低下、「耐久消費財の買い時判断」が▲0.2ポイント低下を示しています。9~11月の3か月連続で4項目すべてが上昇を示していて、消費者態度指数としては9月+0.6ポイント、10月も+0.6ポイント、11月が+0.4ポイントと大きく上昇を続けていましたので、12月統計ではガソリンや一部の生鮮食品などの値上がりが消費者マインドの低下につながりましたが、この3か月の反動もあって、指数の水準としては40を超えて、それなりに高い状態が続いており、まだ悪くはないと考えるべきです。ですから、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直し」で据え置いています。先行きも、賃金と物価と株価の見合いで変化しそうな気もします。デフレから脱却する段階では賃金に先駆けて物価が上昇し、実質賃金が低下することから雇用が増加するという段階を経ますので、その先にある賃金上昇に到達するまで、少しラグがあることも考えられます。

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続いて、毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上から順に、1番上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、次の2番目のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額ときまって支給する給与のそれぞれの季節調整していない原系列の前年同月比を、3番目のパネルはこれらの季節調整済み指数をそのまま、そして、1番下のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用の前年同月比の伸び率の推移を、それぞれプロットしています。いずれも、影をつけた期間は景気後退期です。賃金に着目すると、名目賃金は前年同月比で上昇しています。ただ、本格的なデフレ脱却はまだながら消費者物価(CPI)が上昇していることから、実質賃金に引き直せば上昇幅は前年同月比で+0.1%増とわずかですが、それでも、ほぼ1年振りに近い11か月振りの実質賃金の上昇です。加えて、上のグラフのうちの最後のパネルに見られる通り、パートタイム労働者の伸び率がかなり鈍化して、フルタイム雇用者の増加が始まっているように見えます。ですから、労働者がパートタイムからフルタイムにシフトすることにより、マイクロな労働者1人当たり賃金がそれほど上昇しなくても、マクロの所得については、それなりの上昇を示す可能性が大きいと私は受け止めています。もちろん、企業が収益力を高める一方で労働分配率は低下を続けていますから、上のグラフの3番目のパネルに見られる通り、季節調整済みの系列で賃金を見ても、なかなかリーマン・ショック前の水準に戻りそうにありません。先行きに関しては、人手不足の進行とともに非製造業などで賃金上昇につながる可能性も大きくなっており、消費を牽引する所得の増加に期待が持てると私は考えています。消費者態度指数に示されているマインドはかなり高い水準にあり、賃金上昇による所得のサポートあれば消費はさらに伸びを高める可能性があると私は期待しています。

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2018年1月 8日 (月)

花粉症は年齢とともに軽くなるのか?

とても旧聞に属する話題なんですが、ロート製薬から昨年2017年12月25日のクリスマスに花粉症に関するアンケート調査結果が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。私なんぞの聞いたことのない副鼻腔炎なるロート製薬が薬を出している炎症についても聞いていますが、中でも奇っ怪な問いは、「年齢を重ねるにつれて楽になってきたと感じる」に対して一定の割合で yes と回答されている点です。私は還暦を迎える今年まで、年々、花粉症が悪化することはあれ、症状が改善されたと感じたことはありません。専門医のアドバイスとして、「免疫」、「環境」、「食生活」が関係している可能性が指摘されています。私の症状もそのうちに改善されるんでしょうか。間もなく花粉症の季節を迎えて、戦々恐々としている今日このごろです。

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