2017年6月23日 (金)

首位攻防戦にもかかわらず力の差を見せつけられて広島にボロ負け!

  RHE
阪  神001000020 3111
広  島30208000x 13170

首位攻防戦にしては力の差が大きく、広島にボロ負けでした。中盤までに投手陣が崩壊しました。
7時半過ぎに帰宅した時点で、5回ウラの広島攻撃中で、すでに9-1と試合の大勢は決まっていましたが、さらにダメを押すようなグランドスラムを見せつけられて、完全に試合が壊れてしまいました。終盤の反撃が明日につながることを期待します。

明日は能見投手を盛り立てて、
がんばれタイガース!

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リクルート・ワークス研のシンポジウムを拝聴する!

今日は午後から外出して、リクルートワークス研が主催する「働き方改革の進捗と評価」JPSEDシンポジウムを聞いて来ました。少し前の6月9日にに全国就業実態パネル調査(JPSED)2016年調査に基づくリポート「Works Index 2016」が公表されており、その内容に関するお披露目といえます。なお、6月9日にはデータ集も明らかにされています。

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まず、Works Index なんですが、同一人物を追ったパネルデータであり、データとしてはまだ2015-16年の2時点しかありません。コンポーネントとなるインデックスとインディケーターは上の通りであり、「Works Index 2016」の p.4 から引用しています。今年の特徴としては2点上げられており、第1に、2015年から2016年にかけて、Works Index は▲1.2ポイント低下しています。平たくいえば、労働条件が悪化しているわけです。特に、上のインデックスの中の5番目のディーセントワーク(DW)が▲1.2ポイント低下しており、女性より男性が、また、男性の中では比較的若い世代が、それぞれ低下幅が大きいことから、人手不足の影響が職場における業務負荷の増加につながっている点が今後の課題と分析されています。同時に、人手不足に起因する業務負荷増のため、ディセントワークの項目以外でも、休暇が取れないとか、OJTの機会が減少しているなどの指摘もありました。下の一連のグラフはリポートから p.5 Works Index と前年との比較 を引用しています。

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もうひとつは、最近我が国の一貫した傾向ですが、労働所得は長期的に低下のトレンドにあり、Works Index でも2015年から16年にかけて▲1.6%の減少を示しています。ただし、継続就業者の労働所得は増加しています。すなわち、2015-16年にかけて継続して同一企業に就業している人に限ると、労働所得の増減率が+2.0%と増加しています。逆から見て、2016年に入職した新規就業者や転職者の労働所得は継続就業者よりもかなり低く、新卒者のみならず中途入社者の処遇の低さが課題として指摘されています。

昨年の第1回のシンポジウムも拝聴に行った記憶があるんですが、パネルデータでありながら第1回の結果でしたので1時点だけではパネルにもならず、今年の結果や来年の結果などから、徐々に研究目的の利用が広がるかもしれません。

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2017年6月22日 (木)

MM総研によるITデジタル家電購入意向調査(2017年夏ボーナス商戦編)やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、MM総研から6月13日に「ITデジタル家電購入意向調査 (2017年夏ボーナス商戦編)」と題するリポートが公表されています。まず、MM総研のサイトから調査結果の要約を3点引用すると以下の通りです。

  • ボーナス支給額は引き続き改善傾向、購買意欲は昨夏・昨冬とほぼ同水準
  • 商品・サービス別の購入意向はITデジタル家電、健康・美容家電が増加
  • ITデジタル家電は薄型テレビが1位。スマートフォン(3位)が人気上昇

ということで、夏のボーナスはまずまず好調で、それにしたがって、IT家電の購買意欲も悪くない、という内容です。いくつか図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、MM総研のサイトから ボーナスの増減率と購買意欲の推移 に関して一連の図表を引用すると上の通りです。ボーナス支給についてはまずまず良好な見通しが得られており、購買意欲についてもリーマン・ショック以降では、少なくとも、「上がった」+「変わらない」の比率はもっとも高くなっています。このブログでもすでに、4月17日付けの記事で今年の夏季ボーナスの予想を取りまとめているところですが、まずまず期待できそうだという感触かもしれません。

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次に、上のテーブルはMM総研のサイトから 夏のボーナスの具体的な使い途 のついての問いの回答です。夏のボーナスの具体的な使い途について複数回答での問いに対する回答であり、目立って増加したのは、ITデジタル家電と健康・美容家電となっています。特に、ITデジタル家電は昨夏の28.7%から今夏は40.4%と+11.7%ポイントも上昇を見せています。さらに、煩雑になるのでテーブルの引用はしませんが、ITデジタル家電の購入意欲ランキングは、薄型テレビが全体の11.1%を占めてトップとなり、次いでノートパソコンが2位の10.2%、スマートフォンが3位の8.9%、デスクトップパソコンが4位の6.1%、デジタルカメラとタブレット端末がともに5位の4.1%となっています。とても興味深い内容です。我ら公務員も来週6月30日にボーナスが支給されますが、果たして、今夏のボーナス商戦やいかに?

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2017年6月21日 (水)

東洋経済オンライン「社会人が転職したい会社」300社ランキングやいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、東洋経済オンラインから6月10日付けで「社会人が転職したい会社」300社ランキングと題する転職先人気企業が特集されています。以下の画像の通りです。

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実は、6月5日付けで転職サービス「DODA」のインテリジェンスから「転職人気企業ランキング 2017」が公表されているんですが、やっぱり、というか、当然のように、1位トヨタ、2位グーグル、3位ソニー、とバッチリ一致しています。東洋経済オンラインでは、学生の新卒の就職では人気投票のように、金融業界に目が行きがちな一方で、ビジネス社会で活動中のビジネスパーソンは、転職の際にはメーカーや外資系企業を評価している、と分析しています。なかなか興味深い結論です。

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2017年6月20日 (火)

東証上場企業の株主総会集中日6月29日(木)はとうとう30%を割り込む!

とても旧聞に属する話題かもしれませんが、今月6月9日付けで3月決算企業の株主総会の集中率に関するグラフが東証から公表されています。下に示した通りです。いわゆる総会屋の排除などを目的としたご当局からの指導もあって、かつては90%を超えた集中を見せていたんですが、長期低落傾向の中で今年はとうとう30%を下回って29.6%となっています。東証のサイトから引用しています。

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2017年6月19日 (月)

輸出入とも順調に拡大する貿易統計の先行きやいかに?

本日、財務省から5月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比+14.9%増の5兆8514億円、輸入額は+17.8%増の6兆547億円、差引き貿易収支は▲2034億円の赤字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の貿易収支、4カ月ぶり赤字 2034億円
資源関連の輸入増

財務省が19日発表した5月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2034億円の赤字だった。貿易赤字となるのは4カ月ぶり。QUICKがまとめた市場予想の中央値は730億円の黒字だった。5月は大型連休の影響で輸出が伸び悩む傾向があり、主に資源価格の上昇を背景とした輸入の増加幅が上回った。
輸出額は前年同月比14.9%増の5兆8514億円と6カ月連続で増加した。4月の為替レート(税関長公示レートの平均値)が1ドル=111.47円と前年同月に比べて円安になったことに加え、輸出数量全体も堅調に推移した。輸入の増加幅は下回ったものの、伸び率は2015年1月(16.9%増)以来の大きさとなった。財務省では「(昨年の)熊本地震からの反動増という面もあるだろう」とみている。
米国向けの自動車輸出が好調だったほか、メキシコ向けフラットロールをはじめとした鉄鋼などの伸びが目立った。地域別では対米国が11.6%増、対アジアが16.8%増となった。対欧州連合(EU)もイタリア向けに船舶の輸出があったことなどが寄与し、19.8%増と伸びた。
輸入額は17.8%増の6兆547億円となった。資源価格の上昇に伴い、原粗油や石炭の輸入額が増加した。いずれも数量ベースでの輸入は前年同月から減少している。オーストラリアを襲ったサイクロンの影響で同国からの石炭の供給が滞り、インドネシアや中国からの輸入が増加。液晶デバイスなどの輸入も増え、対中貿易は3カ月連続の赤字となった。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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まず、季節調整していない原系列の統計の貿易収支ですが、ほぼ赤字を脱却した2015年10-12月期の後も、年2-3月くらいは貿易赤字を計上することが経験的にありましたので、少なくとも悲観する必要はありません。前回の貿易赤字は今年2017年1月ですから、中華圏の春節効果による統計の歪みだったと私は受け止めています。昨年2016年4-5月についても熊本地震の影響があり、今年5月の輸出が大きく伸びたのも反動増の要因が含まれていると考えるべきです。加えて、国際商品市況の石油価格の上昇を受け、今年に入って原油輸入価格指数が季節調整していない前年同月比でプラスに転じ、2-3月には+75%の上昇を示しています。このため、5月の輸入のうち鉱物性燃料の輸入額は前年同月比で+41.5%の伸びを示し、輸入額の伸び+17.8%に対する寄与度で+7.0%に上っています。加えて、引用した記事にもある通り、為替が前年同期に比べてやや円安に振れていますので、その昔はJカーブ効果と称された円安初期の輸入額押上げ効果により、さらに輸入額が膨らみ貿易収支の赤字化の方向への圧力となっています。また、輸入額指数を価格指数と数量指数で分解して寄与度を求めると、輸入額の前年同月比伸び率+17.8%のうち、価格は+11.8%、数量は+5.4%の寄与となっています。我が国経済の順調な回復・拡大も輸入数量の増加をもたらしていることはいうまでもありません。ですから、このブログでも私が何度か主張した通り、輸入については「要るモノは要る」というのが私の考えであり、この程度の赤字であれば我が国のマクロ経済には何ら問題なはいと考えています。さらに、トレンドで見る際に有益な季節調整済みの系列では、2015年11月から一貫して貿易黒字を計上している点も忘れるべきではありません。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。順調な回復・拡大を見せる海外経済に応じて、我が国の輸出数量も拡大を示しています。上のグラフのうちの一番上のパネルを見ても、最近数か月では輸出額の伸びのうち、青い価格の寄与よりも赤い数量の寄与の方が大きくなっているのが見て取れます。下の2つのパネルからも、先進国や中国のOECD先行指数の上昇に伴った我が国からの輸出の拡大が示されています。先行き、我が国経済も世界経済も順調な回復・拡大を続けると予想されていることから、為替や米国などの通商政策次第の面もあるものの、順調に貿易も拡大すると予想して差し支えないものと私は考えています。

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2017年6月18日 (日)

岸投手に抑え込まれてルーキー小野投手を援護できず楽天に競り負ける!

  RHE
楽  天000001000 150
阪  神000000000 0100

レベルの高い投手戦ながら、岸投手を打てずに楽天に競り負けました。ルーキー小野投手に援護がありませんでした。
3時過ぎに帰宅した時点で、まだ両チーム得点なく投手戦の様相を呈していました。その後、6回に不運な当たりで失点したものの、先発小野投手は7回1失点の文句なしのQSだったんですが、打線の方はチャンスありながら得点できず、パ・リーグ首位の楽天に競り負けてカード負け越しでした。6回表ウラの攻防が試合を分けたのかもしれませんが、終盤のチャンスをことごとく逃したのも敗因かもしれません。

敵地での広島との首位攻防戦を楽しみに、
がんばれタイガース!

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2017年6月17日 (土)

リリーフ投手が打ち込まれて8回に試合が壊れ楽天にボロ負け!

  RHE
楽  天101000060 8100
阪  神000200000 281

8回に試合が壊れて楽天にボロ負けでした。終盤8回にリリーフ投手があそこまで打たれては仕方がありません。
4時過ぎに帰宅した時点で、7回2-2の同点でした。リリーフ陣は阪神も盤石と思っていましたが、8回のマテオ投手が失点し、松田投手は火に油を注いでグランドスラムを献上し、試合が完全に壊れました。タイガースの得点シーンは見られませんでした。誠に残念。

明日は小野投手の初勝利を期待して、
がんばれタイガース!

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今週の読書はややペースアップしてしまって計8冊!

先週は関西出張後で少し体調が低下していたんですが、今週はかなり読書しました。でも、仕事がそれなりに忙しいので、本調子になればもっと読みそうな気もして少し怖いです。

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まず、ザカリー・カラベル『経済指標のウソ』(ダイヤモンド社) です。著者はコンサルタント、コメンテータ、ライターといったことになるんでしょうが、博士号を持ったエコノミストです。英語の原題は The Leading Indicators であり、2014年の出版です。国勢調査、GDP統計や国民経済計算、失業率、インフレ率など、政府が統計として作成・公表している経済指標について、主として米国を舞台に、その歴史や考案された意図、限界などを丁寧に解説しつつ、一定の疑問を集大成しています。すなわち、SNAのマニュアルの改定により研究開発(R&D)を投資に含めるようになり、米国や日本のGDPが一気にカサ上げされた事実、あるいは、失業の定義の曖昧さから失業率統計の意味に対する疑問、また、サービスを含まない海外取引のバランス収支がどこまで意味があるか、などなど、なんですが、これらの経済指標が個人や企業の意思決定にどこまで影響を与えるかとなると、それほど大きなものではないような気もします。ただ、本書では意図的にか、雰囲気でか、取り上げているようなマクロ経済指標とマイクロな個々人や各企業と行ったレベルでの経済的な状態や意思決定の問題を混同しているきらいがあります。例えば、マクロ経済のレベルでは失業率が大いに低下して低水準にある経済社会でも、どうしようもなく失業している人入る可能性があるわけですし、GDPの成長率が高くて好景気に沸く時期でも倒産する企業はあります。確かに本書が指摘する通り、GDPは1950年台の地図であって、時系列的な比較可能性を維持するために、古い基準で作成されているわけですが、途上国などではその国連やIMFやILOなどの基準が有り難い場合もあります。最後に、邦訳の疑問ですが、第10章の「自由財」は free goods で、ホントは「無料財」なんでしょうか?

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次に、エヤル・ヴィンター『愛と怒りの行動経済学』(早川書房) です。著者はイスラエルのエコノミストであり、本書はもともとヘブライ語で書かれていたようで、本書はその英訳本を底本として翻訳しているようです。英語のタイトルは Feeling Smart であり、2014年の出版です。ということで、実験経済学とゲーム理論を合体させたような、かなりありきたりな内容なんですが、本書のはしがきでも取り上げられている通り、アリエリー教授やセイラー教授らの行動経済学や実験経済学における限定合理性や非合理的行動は、私もやや極端な印象があり、どこかに何らかの正解がありそうな気がしていました。本書がその正解であるとは思いませんが、基本的なスタンスには共感します。同時に、従来から、怒りや悲しみ、妬みといった感情は理性とは両立しないとされてきた感情論も克服しようと試みています。共感や信頼とGDPの相関、チメドリも含めた他人を助けることによる自分自身の生存確率の向上、などなど、理論的なモデルをゲーム理論で数学的に構築した上で、実際にラボで実験経済学的な実証を行うという手法は、私のようなシロートの目から見てもとてもリーズナブルですし、統計的計量的な処理がどこまで正確になされているかは不明ですが、そこをキチンとクリアしていればOKだろうという気もします。ただ、生物学的な進化に結びつける理論建てはやや疑問が残ります。すなわち、単なる学習と進化を混同している恐れがあります。1度失敗したら、次は失敗しないようにうまくやる、というのは進化ではなく学習効果と一般にはいわれるような気がするからです。

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次に、ヤン=ヴェルナー・ミュラー『ポピュリズムとは何か』(岩波書店) です。著者はドイツ生まれで英国オックスフォード大学で博士号を取得し、現在は米国の大学の政治学の研究者です。ドイツ語のタイトルは Was ist Populismus? であり、2016年の出版です。かなりコンパクトなパンフレットのような体裁で、学術書っぽくはありません。しかし、それにしても、ポピュリズムの定義も曖昧なまま議論が進められており、やや精彩を欠きます。本書のひとつの特徴は、ポピュリズムとは単に反エリート、あるいは、本書の用語では反エスタブリッシュメントだけでなく、自己自身を唯一の人民の代表と考える、という視点なんですが、それがどうした、という気もします。私は大使館勤務の外交官として南米の雰囲気を知っていますし、ポピュリズムといえばアルゼンティンのペロンとその妻のエビータを思い浮かべてしまいますが、本書とはかなり異なる印象です。本書でも認めている通り、米国トランプ大統領が典型として、ポピュリズムの支持者は学歴の低い男性が多いんですが、中南米のポピュリズムはまったく異なります。本書のモチーフは英国のBREXITと米国のトランプ大統領でしょうから、その後の大陸欧州でのポピュリズムの後退、あるいは、ベネズエラのチャベス大統領の頃までくらいの中南米のポピュリズム、その典型はペロン大統領ですが、そういったアングロサクソン以外のポピュリズムに対する理解の低さが如実に見られる箇所がいくつかあります。極めて残念ですが、書き出しから反ポピュリズムの姿勢も戦闘的に、「ポピュリズムといかに戦うか」の処方箋は示されません。ポピュリズムの一つの特徴として反多元主義を上げていますが、そんな反多元主義なんて、全体主義をはじめとしていっぱいあります。ファシズムやナチズムは本書の著者の見方ではポピュリズムなんでしょうか、違うんでしょうか。特に、最近の動向を考え合わせても、さほど有益な読書だったとは思えません。誠に残念。

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次に、岡本健『ゾンビ学』(人文書院) です。著者は北海道大学出身で奈良県立大学の研究者です。専門分野は観光学らしいです。なお、出版社は人文系のとてもまじめな学術書を手がけているところで、京都に本部があったように記憶しています。ということで、タイトルそのままです、ハイチのブードゥー教に由来するゾンビについて考察していますが、地域的には欧米と日本に限定しています。中国にはもっとゾンビがいっぱいいると私は考えているんですが、映画や映像系のメディアを中心に考察を進めているので、中国はスコープに入っていないようです。キョンシーなんかはダメなんですかね。十分にゾンビだと私は思います。ということで、私がゾンビに興味を持ったのは、本書でも特筆大書されている「バイオハザード」がきっかけです。ただ、ゲームの方ではなく、ミラ・ジョボビッチ主演の映画の方です。本書では、「バイオハザード」のゾンビは、実は診断ではなくてウィルスに感染されているだけであるとし、ホントのゾンビではない可能性を指摘していますが、まあ、ゾンビでしょう。私は決してゾンビは好きではないんですが、すでに高校を卒業してしまった立派な大人なんですが、下の倅が小さいころからホラーやゾンビを好きだったもので、親としてさりげない視線を注いでいたわけです。ということで、とてもよく出来た学術書の体裁を取った本書ながら、それでも、本書で欠落している点を1点だけ上げると、ハイチのブードゥー教に由来するとはいえ、西欧社会のキリスト教信仰との接点が抜け落ちています。すなわち、第1に肉体と魂の分離です。仏教では、特に、私の信仰する浄土真宗では肉体ごと西方浄土に往生する、という感があるんですが、キリスト教では死とは魂が肉体から分離することのように捉えられています。ホントはどうか、私はよく知らないんですが、その魂の抜けた肉体がゾンビとなるわけで、ですから、動きが鈍かったり、うつろな表情だったりするのがデフォルトになっているわけです。そしてキリスト教との関係では第2に、キリスト教では最後の審判の際の復活がありますので、復活させるためには肉体を残しておく土葬にならざるを得ない、という点が重要です。我が国のように火葬にしてしまえばゾンビとしての復活はあり得ないんですが、土葬であればキリスト教的な最後の審判における復活でも、ゾンビとしての復活でも、復活はあり得るわけです。この点から、キリスト教徒ゾンビの関係をより明らかにする研究を私は強く求めます。

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次に、相場英雄『不発弾』(新潮社) です。著者はファンも多いエンタメ小説作家であり、本書では東芝の不適切会計の事案を巡って、バブル経済の後処理の時点までさかのぼって、警察と証券会社出身の金融ブローカーとの暗闘を描き出そうと試みています。もっとも、エンタメ小説ですので、私がノッケに「東芝の不適切会計事案」と書きましたが、すべては架空の企業名や個人名ですが、ちゃんと読めば、東芝やヤクルトやミノルタのことだと判るようになっています。もちろん、エンタメ小説ですから、ノンフィクションのルポルタージュと違って、歌舞伎の忠臣蔵と同じように小説らしく架空の脚色が数多くなされていることはいうまでもありません。もっとも、私はバブル経済期にはすでに官庁エコノミストでしたし、バブル経済には懐疑的な視点を向けていて、バブル経済末期には海外の大使館に飛ばされたような立場ですから、ホントにバブル経済やその崩壊後の混乱期に、その裏側で何が起こっていたのか、行われていたのかは、詳細については把握できる立場にはありません。でも、作者の筆力というか、腕がいいのか、こういった小説に取り上げられているような事実がいくつか、少なくともいくつかはあったんだろうと想像させるに足る内容だという気はします。バブル経済の時期に「財テク」と称される金融操作で大儲けをし、そのバブル経済の崩壊で発生した大損を外資系の投資銀行に単に短期間付け替えるだけで、実は中長期的にはさらなる損失を招いた事例は山ほどあるんだろうと私も想像しています。その昔に、黒木亮の『巨大投資銀行』について、リスクを引き受ける商業銀行・市中銀行とリスクをスルーする投資銀行なのに、前者を国内銀行、後者を外資系と意図的に混乱させる書き方であると指摘した記憶がありますが、本書はそういった混乱もなく、単に外資系投資銀行が我が国の投資銀行である証券会社はもとより、事業会社や年金運用機関などよりも、複雑怪奇なデリバティブなどの金融商品について各段に詳しかった、という点を強調している気がします。オマハの賢人バフェット氏が「金融版大量破壊兵器」と呼んでいたデリバティブなんですから、私の理解を超えていて、論評もここまでとします。

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次に、宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』(角川書店) です。作者は新進気鋭のSF作家で、私も大いに注目して、出来るだけフォローするようにしています。この作品は、中央アジアのアラルスタンなる沙漠の小国を舞台にしたSF小説です。スターリン時代に塩湖を干拓してできたアラルスタンでは、ソ連崩壊後に独立した際の初代大統領が、その昔には側室を囲っていた後宮=ハレムを将来有望な国内外の女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所のない少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいたんですが、主人公である大和撫子の日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せていました。後宮にも若い世代とその昔からの世代の「お局さま」がいるんですがその中の若い衆のリーダーであるアイシャ、また、姉と慕う面倒見のいいジャミラとともに気楽な日々を送っていたんですが、現職の人望あふれる大統領が暗殺され、イスラム武装勢力が蜂起したことから、国家の中枢にいた男たちが我先にと国外へ逃げ出す中、後宮にいた日本人のナツキら若い女性たちがアイシャをリーダーに国を運営すべく立ち上がるという、荒唐無稽なストーリーです。なお、繰り返しになりますが、ナツキはJICA専門家として派遣されていた父親と母親を15年前の5歳のころに亡くした日本人で臨時政権の国防相となりますし、臨時大統領を務めるアイシャはチェチェンからの難民だったりします。前作の中編「カブールの園」も、この中央アジアのあたりを舞台にしていましたし、何らかの作者の思い入れがあるのかもしれません。武装蜂起したテロリスト・グループを蹴散らしたり、唐突ながら、預言者生誕祭の夜に国民広場で演じられる恒例の閣僚総出演の歌劇でのドタバタ、最後は、臨時政権の力量により平穏を取り戻した国内に国会議員が戻り、国会にて象限を求められる臨時政権の幹部が、弾劾っぽい雰囲気から徐々に臨時政権の承認へと向かうあたりが読ませどころだという気がします。私はこの作者の作品はほぼすべて読んでいるつもりですが、現時点では最高傑作かもしれません。

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最後に、佐伯泰英『声なき蝉』上下(双葉文庫) です。ご存じ、昨年51巻をもって終了した居眠り磐音の江戸草紙シリーズの後継です。主人公は坂崎磐根の嫡子である空也です。父子ともに武士らしくない名前だと思います。ということで、磐根の豊後関前への里帰りから、空也だけ両親と妹と分かれて武者修行に出るわけですが、とても無謀にも薩摩を目指します。その顛末がこの2冊に収録されています。当時の薩摩は他国者を入国させることにかけては、本書の表現を借りれば、「鎖国の中の鎖国」といった状況であり、特に公儀隠密と一行門徒の入国には気を使っていました。坂崎空也は年齢を別にすれば幕府お声がかりで再興なった尚武館道場の道場主の嫡子ですから、そうでなくても幕府とのつながりは強いわけで、公儀隠密と見なされる可能性もあります。どうでもいいことながら、薩摩が一向宗の布教を禁じ弾圧していたのは有名な話で、石山本願寺に立てこもって織田信長と武力闘争に及んだわけですから、当然かもしれません。しかしながら、明治期になって与謝野鉄幹が一向宗の布教のために薩摩に入ったのは余り知られていません。話が逸れましたが、この2冊については、私としても大いに悩んだ末に買い求めました。でも読んでみて、坂崎磐根の物語と違って、公儀幕府の動きとは何の関係もなく、若侍の武者修行の様子が延々と続くわけですので、やや失敗したかもしれないと思い始めました。もうすぐ出版されるようですが、次からは図書館から借りるような気がします。

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2017年6月16日 (金)

「セイコー時間白書2017」に見る時間感覚やいかに?

去る6月10日は、その昔の天智天皇に由来するともいわれる時の記念日で、その前日の6月9日に、「セイコー時間白書2017」と題して、生活者の時間について意識や実態を探る調査結果が明らかにされています。まず、リポートから主な調査結果を引用すると以下の通りです。

主な調査結果
  • 時間の価値
    • 最も時間に追われているのは「社会人」ではなく「学生」
    • 1時間の価値オンタイムは3,669円、オフタイムは6,298円
    • 最も大切にしている時間は「金曜日の22時」次いで「月曜日の5時」、「月曜日の6時」の朝時間
  • 時間と気持ち
    • 「ひとりの時間」を大切にしているけど「誰かといる時間」も増やしたい
    • 会えない時間の気持ちをつなぐデジタルコミュニケーション

これだけを見れば、何が何やら理解不能な向きもありそうな気もしますし、こういったアンケート調査結果の取りまとめが少し下手な気もしますが、私の興味ある範囲に限って、いくつか図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから 時間に追われていると感じますか? との問いに対する回答を引用しています。この結果から、社会人よりも学生の方が時間に追われている、との結論が引き出されています。私もやや意外でしたが、我が家で実際に感じる限り、浪人生の下の倅を別にすれば、確かに、大学生の上の倅よりも私の方に時間的な余裕がありそうな気がします。ただ、私は間もなく定年退職で、それなりに結構な身分の国家公務員ですから、そうなのかもしれません。でも、マクロでこういった結果が出ている理由もあるんだろうと想像しています。

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次に、上のグラフはリポートから 自分の1時間の価格 との問いに対する回答を引用しています。私の実感と合致して、オンタイムよりもオフタイムの方により大きな価値を認め、女性よりも男性が、また、若い世代ほど高い価値を認めているのは、まったくこの通りだろうという気がします。ただ、30代の時間価値が低いのがやや意外ですが、理由は私には不明です。

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最後に、上のグラフはリポートから 最も大切にしている時間帯ヒートマップ を引用しています。週末の金曜日や土曜日の夜の時間帯が大切というのはとてもよく判りますが、月曜日の早朝というのは私にはまったく理解不能です。私は、そこそこ仕事が重要であり、責任ややりがいも感じてきたつもりですが、1週間のうちで仕事を始める直前の時間帯をここまで大切と感じたことはありませんでした。

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