2026年5月17日 (日)

才木投手がポテンヒットの1点に泣く

  RHE
広  島000000100 151
阪  神000000000 050

【広】 岡本、高、ハーン、中崎 - 持丸
【神】 才木、及川、岩崎 - 梅野

一昨日に続いて、広島に完封負けでした。
先発才木投手ナイスピッチングだったんですが、ポテンヒットの1点で負け投手になりました。阪神投手陣は広島を5安打に抑え込みましたが、阪神打線もも5安打で、得点を上げることが出来ませんでした。

次の中日戦は、
がんばれタイガース!

| | コメント (0)

2026年5月16日 (土)

ナイスピッチングの村上投手が1か月半ぶりの勝利

  RHE
広  島000000001 150
阪  神20010000x 370

【広】 森下、鈴木、塹江、益田 - 持丸
【神】 村上、ドリス - 坂本

村上投手のナイスピッチングで広島に勝利でした。
9回の最後にドリス投手の救援を仰いで、悔しそうな表情でしたが、何といっても、先発村上投手のピッチングが最大の勝因のひとつであることには確かです。打線も、初回に佐藤輝選手のタイムリーと大山選手の犠牲フライで2点を先制し、4回にも佐藤輝選手のホームランで中押しをしています。ダメ押しはなりませんでしたが、今日の村上投手のピッチングなら3点で十分でした。最後に、相変わらず、ちびっこインタビューは微笑ましくて、私は大好きです。

明日も、
がんばれタイガース!

| | コメント (0)

今週の読書は日本経済に関する経済書をはじめ計6冊

今週の読書感想文は以下の通りです。
まず、星岳雄・松島斉[編著]『日本経済 信頼からの再生』(日本経済新聞出版)では、故宇沢弘文教授による『社会的共通資本』や『自動車の社会的費用』(いずれも岩波新書)などから議論を展開・拡張させていて、自然環境、社会インフラ、制度などのテーマの研究成果を取りまとめています。マーセル・ディルサス『独裁者の倒し方』(東洋経済)の特徴は、独裁者個人に着目するのではなく、システムの中で機能する独裁者を理解しようとしている点であり、冒頭で、独裁システムを走り続ける必要のあるランニングマシンに例えています。膨大な独裁政権やクーデタに関するデータに基づく議論です。栗林文夫『廃仏毀釈はなぜ起きたのか』(山川出版社)では、明治維新期の廃仏毀釈について、特に徹底的にすべての寺院が廃寺され、すべての僧侶が還俗させられた鹿児島の例を歴史学の観点から、『市来四郎日記』などの史料に基づいて解明しようと試みています。平石さなぎ『ギアを上げて、風を鳴らして』(集英社)では、宗教団体「荻堂創流会」の近畿支部で創父=開祖の生まれ変わりである「降り子」として信徒から崇拝の対象となっている吉沢癒知と転勤族の父親について何度も転校を繰り返してきた渡来クミの2人の小学4年生女子を主人公にしています。前田安正『AIに書けない文章を書く』(ちくまプリマー新書)は、生成AIが急速な発展を見せて、生成AIの助けを借りた文章もいっぱい目にするようになった現在、人間の思考や感情に立ち入ることも、表現することもできない生成AIには不可能な文章を書くという作業について考えています。林真理子『マリコ、アニバーサリー』(文春文庫)では、大雑把に2023年中の「週刊文春」に連載されているコラムを取りまとめていて、連載40周年と著者の古希のダブルアニバーサリーだそうです。セレブな著者ながら、決して嫌味にならない上品なトピックでエッセイを盛り上げています。
今年2026年の新刊書読書は、1~4月に合わせて97冊、5月に入ってから先週までの13冊と今週の6冊を加えて合計116冊となります。これらの読書感想文については、別途読んだ学術論文などとともに、できる限り、FacebookやX(昔のtwitter)、あるいは、mixi、mixi2などのSNSでシェアしたいと予定しています。

photo

まず、星岳雄・松島斉[編著]『日本経済 信頼からの再生』(日本経済新聞出版)を読みました。編著者は、2人とも東京大学経済学部教授です。本書は、三井住友信託銀行の委託研究「社会的共通資本と信託」の成果を取りまとめているようです。委託研究のタイトルから想像される通り、故宇沢弘文教授による『社会的共通資本』や『自動車の社会的費用』(いずれも岩波新書)などから議論を展開・拡張させています。序章と終章を別にして3部構成となっており、第1部で自然環境に着目して気候変動や森林などを取り上げ、第2部では社会インフラとして都市や暗号資産を取り上げ、第3部で制度として医療、教育、金融に焦点を当てています。詳細は読んでみてのお楽しみなのですが、第3部に着目したいと思います。いつもの私の主張ですが、市場に商品として供給され、価格による効率的に配分される通常財だけで世界が成り立っているわけではありませんから、医療をはじめとする社会保障あるいは教育については、一定のコントロールを受けた価格により、何らかの社会的必要に応じて供給されることが重要です。典型的には、医療では保険制度が日本では導入され、医療費全額を患者が負担することなく、保険や公費で賄われている部分があります。高額医療だけでなく一般医療も価格に対する制限があり、薬についても保険調剤であれば、需給に基づく自由な価格設定という形にはなっていません。教育についても同様であり、高い購買力を持つ者に高度な教育が提供されるわけではなく、義務教育は憲法の定めにより無償で、義務教育でなくても中等教育の範囲の高校もかなり無償に近いような形で提供され、高等教育である大学については、一定、教育を受ける準備が整っていると試験などで判断された学生に対して提供されています。国公立大学は言うに及ばず、私が勤務する私大に対しても、以前からものすごく減少したとはいえ、一定程度の公費負担がなされています。こういった形の市場における価格付けに基づかない財やサービスの提供を、ピケティ教授が脱商品化と呼んでいるのだろうと私は解釈しています。そして、こういった市場の価格付けに基づかない供給の増加はコモンの拡大と称されるものなのであろうと私は考えています。ただ、本書では、第6章p.195で日本の医療について、「世界でも類を見ない自由放任主義的な体制」と評価している点は付け加えておきたいと思います。さらなる脱商品化の余地が大きいという主張です。他方で、教育については、本書では第7章p.219以下でコモンズとしての公教育の可能性を議論していたりもします。最後に、本書は当然に日本を前提にしていますから、「信託」はtrustであり、custodianではありません。custodianは枯渇性資源、典型的には石油や鉱物資源といったいわゆる天然資源の管理、特に、途上国での経済発展にどのように天然資源を用いるべきか、といった視点を提供します。英国オックスフォード大学のコリアー教授などが提唱しています。私のような開発経済学にも興味あるエコノミストとしては、本書のスコープ外とはいえ、そういったcustodianの信託という視点もどこかで言及してほしかった気がしています。

photo

次に、マーセル・ディルサス『独裁者の倒し方』(東洋経済)を読みました。著者は、ドイツ人のようで、ドイツのキール大学安全保障政策研究所の客員研究員だそうです。ただし、本書は英国で英語の出版が最初のようで、英語の原題は How Tyrants Fall であり、2024年の出版です。本書のひとつの特徴は、独裁者個人に着目するのではなく、システムの中で機能する独裁者を理解しようとしている点です。その昔の「天皇機関説」になぞらえれば、「独裁者機関説」とも言えるかもしれません。まず、独裁システムをランニングマシン(普通は、トレッドミルだと思うのですが、ダメなんでしょうか)に例えています。走り続けないとかえって危険、周囲の政権エリートや軍人が反旗を翻しその座を奪いに来る、というわけです。トレッドミルから下りて、首尾よく亡命できたとしても送還・処刑されるおそれがあります。ただ、独裁者1人では独裁体制が維持できるはずもありません。当然です。ですから、本書では独裁者が必要とする3グループを明らかにしています。第1に、理論上大切な人々、あるいは、名目上の選挙母体、第2に、真の選挙母体、第3に、勝利連合、すなわち、真の選挙母体の中から選ばれる少数者、例えば、キャスティングボードを握る人たち、と指摘しています。そして、側近からの支持や忠誠が独裁者には必要であって、金品や何らかの利益を分与するわけですが、その側近が強力に台頭して独裁者の地位を脅かすことは避けねばなりません。ここにジレンマがあるという指摘です。加えて、軍隊からの支持も必要なのですが、クーデタを防止することにも配慮する必要があります。そして、本書のもうひとつの特徴は、かなり膨大な独裁政権やクーデタに関するデータベースを構築し、構造的あるいはシステム的な分析にとどまらず、他の研究成果からの引用も含めて、それなりのデータに基づく分析をしている点です。例えば、私が選挙とともに重視しているチェノウェス教授が提唱する3.5%ルールについては、失敗の例外を2件指摘していたりしますし、暗殺の確率について1910年代に1%あったが、21世紀の現在では0.3%を下回る、といった指摘もしています。最後に、独裁者の政権交代の難しさを取り上げています。私自身の1990年代前半における在チリ大使館の勤務の直前のピノチェット将軍からの民政移管は大きな例外と感じています。第8章では、外国による政権交代が失敗する理由をいくつか上げています。ただ、私自身の感想としては、たとえ独裁者であろうとも外国の武力介入による政権交代については、疑問を持つべきではないか、と考えています。最後の最後に、本書のテーマはいうまでもなく独裁、ないし、独裁者なのですが、第1に、民主化への道筋を探るという観点も忘れてはいません。第2に、現在の日本の高市内閣や米国のトランプ政権なども含めて、権力というものの本質が本書の分析からいくつか垣間見えます。私は専門外ですし、そういった読み方はしませんでしたが、こういった観点からの読書も十分できる良書だと思います。

photo

次に、栗林文夫『廃仏毀釈はなぜ起きたのか』(山川出版社)を読みました。著者は、鹿児島県歴史・美術センター黎明館調査史料室長です。本書は、明治維新期の廃仏毀釈について、特に、すべての寺院が廃寺され、すべての僧侶が還俗させられた鹿児島の例を歴史学の観点から解明しようと試みています。タイトルはwhyの理由に焦点を当てていて、その回答は、p.195以下に取りまとめてあって、いわゆる「熱しやすく冷めやすい県民性」をはじめとして4点上げられています。ここは、レビューですべてを明らかにしてしまうことは不適当ですので、読んでみてのお楽しみです。本書が典拠としているのは、もちろん、多くの歴史書や史料が上げられていますが、私の目から見て、『市来四郎日記』と木脇啓四郎による『万留』が興味深いところでした。調べてみると、前者は、まさにご著者が勤務する鹿児島県歴史・美術センター黎明館で所蔵されているようです。実は、本書を読んでみようと思い立ったのは個人的な事情があります。すなわち、浄土真宗との関連です。本書では軽く言及されているだけで、まったく重視されていないながら、廃仏毀釈の揺り戻しとして、仏教空白地帯となった鹿児島に対して明治10年1877年の西南の役が終結した後に仏教各宗派の布教団が大挙して押し寄せています。その結果、これは本書でも言及ありますが、一向宗=浄土真宗の信者が大きく増加しています。これまた本書で言及されているところで、そもそも、江戸期から島津藩ではキリスト教はもちろん一向宗=浄土真宗もご禁制でした。ですので、藩主が帰依したり、祈願していたりした臨済宗をはじめとする禅宗や真言宗をはじめとする密教系の仏教が鹿児島では中心的な地位を占めていましたが、「隠れ念仏」は少なくなかった、と本書でも指摘していますので、浄土真宗信者が増える素地はあったといえるかもしれません。そして、実は、その鹿児島に派遣された中の1人が与謝野鉄幹の父でした。鉄幹自身も短期間ながら父親とともに幼少期に鹿児島に滞在しているようです。なお、与謝野鉄幹は西本願寺で得度していますが、私のばあさんもご同様に西本願寺で得度して法名をいただいていましたので、この得度がどの程度のものかは、私には不明です。私のひいばあさん、当然ながら、私の父から見たばあさん、もしくは、私のばあさんの義母は与謝野晶子と交流があり、その縁は浄土真宗だったと私の父は推測していました。そのあたりの興味もあって本書を読んでみた次第です。まあ、個人的な興味範囲でしたので、廃仏毀釈についてはそれほど理解が進んだわけではありません。悪しからず。

photo

次に、平石さなぎ『ギアを上げて、風を鳴らして』(集英社)を読みました。著者は、作家なのでしょうが、この作品で第38回小説すばる新人賞を受賞しています。主人公は、いずれも小学4年生女子の吉沢癒知と渡来クミの2人です。それぞれの視点からのストーリーが交互に進みます。2人は、当然、同じ小学校に通っていますが、クミが普通のクラスであるのに対して、癒知は支援学級であるわかごま学級に通学しています。どうしてかというと、癒知は全国に20万人の信者を有する新興宗教団体「荻堂創流会」の近畿支部において、「降り子」と呼ばれる創父=開祖の生まれ変わりとして信徒たちから崇拝の対象となっている存在であり、頭はいいもののコミュニケーション能力に難があって、他の児童と問題を起こしがちなもので、わかごま学級に通っています。世話役の森田はもちろん、近畿支部長や支部幹部の母親の加奈からでさえ「癒知さま」と呼ばれ、定期的に「浄器の儀」という儀式を司り、教戒に従って食べ物にも制限があり、普通の小学生女子がスイーツを食べて「う~ん、しあわせ」という感覚は理解できません。儀式の折を別にして母親とすら肌を接することを禁じられていて、そういった教戒を破る破戒行為は創父の怒りをかって地獄に落ちるといわれています。宗教団体「荻堂創流会」は全国に20万人の信者を有し、在家のほかに、家族や親族と離れて教団の支部に住まいする信者も少なくありません。「浄器の儀」の儀式では、いかにも多額の玉串料が払われているようです。他方、父親の頻繁な転勤により、クミが関西の片田舎の梢が丘に引っ越してきて、教団近畿支部の癒知を見かけ興味を抱き、学校で接触を試みるところからストーリーは始まります。小学校を離れても、古い山城の隙間の空間を見つけて、まあ、男子小学生でいえば「秘密基地」のようにして2人いっしょに遊んだり、その近くの公園で癒知がクミの助けを得て自転車の練習をしたりするのが前半ストーリーとなります。4月の学年始まりから1年もしない晩秋になって、転勤族である父親の転勤で、クミも転校するのと同じタイミングから、後半ストーリーが大きく展開します。タイトルと表紙画像はリンクしていて、主人公である吉沢癒知と渡来クミが自転車で逃げているところです。なぜ、逃げているか、また、後半ストーリーの展開などは読んでみてのお楽しみです。何分、新興宗教が根底にある小説ですから、好み、というか、好き嫌いがあると思います。でも、しあわせとは何か、家族や親子の関係などなど、いろいろと深い意味も読み取れます。万人へのオススメは出来ませんが、読めば何かが得られる可能性のある小説です。

photo

次に、前田安正『AIに書けない文章を書く』(ちくまプリマー新書)を読みました。著者は、文章コンサルティングファーム「未來交創株式会社」代表取締役だそうですが、長らく朝日新聞社で校閲のお仕事に携わってこられたようです。本書のタイトルを見て、たいそう大上段に振りかぶって力みかえった印象を受けますが、まあ、半分は売上げを意識した編集者の意向を反映しているんではないか、と私は想像しています。よく読めば、「現在の技術水準では」といった趣旨の但し書きが見つかると思います。はい、そのうちに、というか、ここ2-3年でAIの文章能力は多くの人間を凌駕するんだろうと思いますから、本書の賞味期限は短い可能性があります。ということで、生成AIが急速な発展を見せて、人間が自ら考えて文や文章を書くだけでなく、生成AIの助けを借りた文章もいっぱい目にするようになった現在、人間の思考や感情に立ち入ることも、もちろん、表現することもできない生成AIには不可能な文章を書くという作業について考えさせられる奥の深い本だといえます。加えて、私のように、大学生には卒論を、大学院生には修士論文を指導することが多い教師の身としてはとても参考になる部分があります。もちろん、本書で考えている対象は学術論文というよりは、事実関係だけでなく感情的なものも含めたリポート的な文章、それも、それほど長くない文章、という感じだと思います。私独特の本書の読み方かもしれませんが、やや学術論文やリポートの書き方に引きつけてレビューしたいと思います。まず、文章を構成する文は短く、というのはすべてに共通していることと思います。学術論文やリポートでも「一文一義」を大学では教えています。本書でもシンプルな文をオススメしているように見受けます。そして、少し学術論文やリポートとは異なりますが、本書では、よく言及されている5W1Hについては、往々にしてwhyが抜けている、と指摘しています。でも、少なくとも学術論文では、論文で取り上げたテーマについてのwhy=理由は必須です。私は授業の際にジョークとして、どうして卒業論文を書くのかといえば、卒業の必修単位だからというのがホントのところだけれど、そのように書くわけには行かない、と教えています。当然です。そして、本書でも同じですが、かなり曖昧な概念的な用語については注意して、場合によっては定義を明確にするように、あるいは、比較級の形にして、「AはBよりxx的」と書くように、私は注意を促す場合があります。例えば、効率的、多様性、合理的、近代化などです。そういったものを含めて、文や文章を書く上で、とても参考になる良い本だとオススメできます。ただ、私が本書と違う見方をしているのは、良い文章を書くためには、良い文章を読むことが良いトレーニングになるという点です。本書はこの点は必ずしも重視していないようです。ほかに、文章の定義が、冒頭第1章で「大辞林」から引いている定義と第3章の「日本大百科全書」で大きく異なっている点も気にならないわけではありませんし、最初に書いたように、AIはそのうちに軽く人間の文章能力を超えるでしょうし、本書と逆の視点でAIにしか書けない文章もあるでしょうし、いろいろと指摘しておきたいポイントはありますが、文や文章を書く人は読んでおいて損はないと思います。

photo

次に、林真理子『マリコ、アニバーサリー』(文春文庫)を読みました。著者は、エッセイスト、直木賞作家であるとともに、日本大学の理事長職も務めています。本書は、「週刊文春」に連載されているコラムを取りまとめて、単行本として2024年に出版され、そして、今年2026年に文庫本として出版されています。タイトルに見られるように、何でも、コラムの連載開始40年で著者も古希を迎えたダブルアニバーサリーだそうです。なお、大雑把に2023年の「週刊文春」に収録されたコラムですが、2023年5月からの感染法上の分類変更がなされたコロナについては、それほど注目されていない印象でした。著者は、そもそも、文句なしにセレブでしょうし、年齢的にも自慢話が多くなるお年ごろなのだと思いますが、決して嫌味にならない上品なトピックでエッセイを盛り上げています。ですので、私なんぞがうかがいしれないセレブの世界を気軽に垣間見ることが出来ます。例えば、会食には手土産を持っていることが習慣になりつつある、なんてのは、気の置けない仲間との飲み会くらいしか参加しない田舎教師には初めてのお話でした。最後の方の「謦咳に接する」というタイトルのエッセイでは、私くらいの年配者から見ても神様クラスの作家がズラリと登場します。こういった神様クラスの作家の「謦咳」に本書のご著者は接しているんだ、と実感させられました。また、「週刊文春」収録のコラムといいつつ、「週間朝日」や「AERA」や「週刊新潮」やといった同業他誌に堂々と言及しているのも、いいのか、という気がしましたが、私も立命館大学に勤務してお給料をもらいつつ、同業他大学の同志社大学や龍谷大学などにもいっぱい話題にしているので、まあこんなものか、と受け止めています。巻末に収録されているコラム外の皇室モノについては、私はこのご著者の『李王家の縁談』は読んだものの、ちょっと嫌味ではないか、と感じる読者がいそうな一方で、逆に、心から感激する読者もいそうな気がします。いずれにせよ、週刊誌コラムを取りまとめていますので、ちょっとしたスキマ時間のお供に最適です。

| | コメント (2)

2026年5月15日 (金)

栗林投手を打てずに広島に完封負け

  RHE
広  島000101000 281
阪  神000000000 011

【広】 栗林 - 持丸
【神】 大竹、石黒、及川、椎葉 - 坂本

栗林投手にわずか1安打に抑え込まれて、広島に完封負けでした。
先発大竹投手は中5日ながら、中盤6回まで2失点とクオリティスタートでしたが、打線がまったくふるいませんでした。初回に4番大山選手の1安打でノーヒットノーランを免れるのがやっとでした。まあ、これくらいハッキリした負けだと清々しい気すらします。

明日は、
がんばれタイガース!

| | コメント (0)

+4.9%の上昇と国内物価が跳ね上がった4月の企業物価指数(PPI)

本日、日銀から4月の企業物価 (PPI) が公表されています。統計のヘッドラインとなる国内物価は前年同月比で+4.9%の上昇となり、先月3月統計の+2.9%から上昇率が大きく加速しています。2021年3月に前年同月比上昇率がプラスに転じてから62か月、すなわち、5年余り連続の上昇です。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

国内企業物価、4月は前月比2.3%上昇 中東情勢不安定化の影響で
日銀が15日に発表した4月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数は前月比2.3%上昇と、3月(1.0%上昇)からプラス幅を大幅に拡大した。中東情勢の不安定化やホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、石油・石炭製品や化学製品など幅広い品目の価格が上昇した。
石油・石炭製品は前月比11.8%上昇。3月下旬以降の原油市況の上昇を反映し、ナフサ、軽油、B重油・C重油などの価格が上昇した。
化学製品は同6.1%上昇。ホルムズ海峡の事実上の封鎖を背景としたナフサ供給懸念の高まりを受け、エチレン、プロピレン、キシレンをはじめ石油化学基礎製品の多くが値上がりした。
非鉄金属は同2.7%上昇。イランの攻撃を受けたことでアルミニウム生産拠点の操業度が低下し、供給懸念が高まったことなどからアルミニウム市況が上昇、アルミニウム合金・同二次合金地金やアルミ圧延製品が値上がりした。
<国内企業物価の前年比上昇率、23年5月以来の高い伸び>
国内企業物価指数の前年比は4.9%上昇となった。3月(2.9%上昇)から大幅にプラス幅を拡大。ウクライナ情勢の影響が表れた2023年5月(5.4%)以来の大きな伸びとなった。
全515品目中、前年比で上昇したのは386品目、下落は106品目。日銀の担当者は、原油・ナフサ市況の上昇が幅広い品目に波及しつつあると説明した。
同時に発表された輸入物価指数(円ベース)は前年比17.5%上昇と、3月(8.0%上昇)からプラス幅を拡大した。2022年12月以来の高い伸びとなった。原油やジェット燃料油、ナフサなどが押し上げ方向に影響した。
ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比3.0%上昇、前月比0.7%上昇だった。

インフレ動向が注目される中で、長くなってしまいましたが、いつもながら、的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価指数(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下のパネルは国内物価指数そのものを、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期を示しています。なお、ちょっと見づらいかもしれませんが、下のパネルの指数水準が急にスティープになったのは先月の2026年3月からです。

photo

まず、企業物価のうちヘッドラインとなる国内物価上昇率は、引用した記事の最後のパラにあるように、ロイターのによる市場の事前コンセンサスは+3.0%でしたし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも同じく+3.0%でした。ですので、実績の+4.9%は大きく上振れしていて、ちょっとしたサプライズと私は受け止めています。なお、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスのレンジ上限は+3.7%でしたから、実績上昇率は軽く+1.0%ポイントを超えて上振れしました。ヘッドラインとなる国内物価だけでなく、輸出物価は+18.9%、輸入物価も+17.5%の2ケタ上昇を示しています。市場の事前コンセンサスを大きく超える上昇率となった理由は、引用した記事にもあるように、米国とイスラエルによるイラン攻撃から引き起こされた中東情勢の不安定化、それに伴う石油価格の上昇です。

photo

上のグラフは、企業物価指数のうちの輸入物価の中から原油価格上昇率の推移をプロットしています。円建てと契約通貨建ての2本の折れ線です。ただ、2021年5月と6月は、それぞれ、円建てで+243.9%と+177.0%という途方もない上昇率でしたので、縦軸のスケールを調整しています。実は、円建ての原油価格上昇率は一昨年の2024年9月から今年2026年3月までほぼ1年半に渡って前年同月比でマイナスを続けていました。しかし、4月統計では一気に+16.8%の上昇率となっています。上のグラフからは、それほど大きな上昇率との印象は受けませんが、1年半に渡って前年同月比マイナスを続けてきた石油価格が急に2ケタ上昇となったのですから、それなりのショックと考えるべきです。私はエネルギー動向に詳しくないので、日本総研「原油市場展望」(2026年4月)を参考として見ておくと、WTI原油先物価格の先行き見通しについては、「イラン戦争の5月までの終結を前提とする標準シナリオでは、原油価格は100ドル前後で当面高止まりした後、緩やかに下落する見通し」としつつも、当然、5月に終わる可能性が大きいわけでもなく、「戦闘が再開すれば、価格が急騰するリスクも」と指摘しています。
企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価を品目別の前年同月比上昇率と下落率で少し詳しく見ると、まず、注目の石油・石炭製品は3月▲7.1%でしたが、4月統計では+5.3%の上昇となっています。これに伴って、化学製品も3月の+0.8%から4月には+9.2%に跳ね上がっています。ナフサについてはさらに品薄感が強まっているという報道も見かけました。電力・都市ガス・水道は政府の電気・ガス料金負担軽減支援事業により3月▲6.3%、4月▲1.3%と下落が続いています。加えて、農林水産物が3月の+17.5%から、4月も+12.5%と2ケタの高い上昇率を示しています。農林水産物の価格上昇に伴って、飲食料品の上昇率も4月は+4.1%と、前月3月の+4.3%と大きな違いはない上昇となっています。非鉄金属は3月+31.5%、4月+37.9%と、きわめて高い上昇率が続いています。しています。

| | コメント (0)

2026年5月14日 (木)

信頼性高い統計はどれくらいの価値があるのか?

全米経済研究所(NBER)から "The Value of Reliable Statistics" と題するワーキングペーパーが明らかにされています。米国のトランプ大統領が昨年2025年8月に米国労働省の労働統計局(BLS)の責任者(Commissioner)を解任(fire)した際に観測された不確実性の高まりがマクロ経済に及ぼす影響を計測しています。まず、論文の引用情報は次の通りです。

続いて、NBERのサイトからABSTRACTを引用すると次の通りです。

ABSTRACT
On August 1, 2025, President Trump fired the head of the U.S. Bureau of Labor Statistics (BLS) and claimed that the agency's data were "rigged." In the aftermath, measures of economic policy uncertainty rose sharply, consistent with the idea that reduced trust in official data increases uncertainty for investors, businesses, and households. We use an event-study design to estimate the effect of the firing on policy uncertainty, and then map that increase in uncertainty into implied macroeconomic outcomes. This yields a back-of-the-envelope estimate of the marginal value of public trust in official statistics. Our baseline estimate implies that preserving trust in the integrity and quality of official statistics generates economic benefits of about $25 for every $1 spent on the agency's budget.

まず最初に、論文では、トランプ政権から米国労働統計局(BLS)が無能であったり、データ操作がなされているという根拠はまったく示されていない "No evidence of incompetence or manipulated data at BLS has ever been presented by the Trump administration." 点が強調されています。ただし、この解任がいくつかの方法で不確実性を高めたと指摘し、具体的には3点上げています。第1に、トランプ政権の主張が直接に米国労働統計局(BLS)の統計のデータに対する客観性や正確性への疑問 "doubt on the objectivity and accuracy" に及ぼす影響です。これはトランプ政権への信頼が高い場合ですが、逆に、Commissioner解任前の米国労働統計局(BLS)への信頼の方が高い場合には以下の2点があると指摘しています。すなわち、第2に、信用できない責任者(Commissioner)が就任する可能性、さらに、第3に、米国労働統計局(BLS)が混乱を来たしてデータの品質が低下する "face turmoil going forward that could degrade data quality" 可能性です。論文では、トランプ政権への信頼が高くて不確実性が高まるのか、あるいは、米国労働統計局(BLS)への信頼が高くて不確実性が高まるのか、については特段の評価を下していませんが、結果として、引用したABSTRACTにあるように、統計の信頼性は米国労働統計局(BLS)の予算1ドルに対して約25ドルの価値があると結論しています。

photo

上のテーブルは、論文から Table 3. Estimated Economic Impacts of the Increase in Economic Policy Uncertainty Resulting from Erika McEntarfer's Firing を引用しています。Panel C. の -$19.30 をハイライトしたのは引用者です。論文 p.18 にはBLSの予算が704百万ドル "The BLS budget for FY2025 was $704 million" であるとされており、ベースラインの▲19.3十億ドルを分子にして、BLSの予算額の704百万ドルで除すと、BLSの予算額のの予算1ドル当たり27.4ドル、という結果が出ますが、論文では丸めて25ドル、すなわち、米国労働統計局(BLS)のデータの質と信頼性に対する信頼が限界的に低下することにより、米国労働統計局(BLS)への政府の直接的な支出1ドル当たり約25ドルの損失となる "the marginal erosion in public trust in the quality and integrity of BLS data cost the nation about $25 for every $1 of direct government spending on the agency." との結論を導いています。

私は日本の総務省統計局の消費統計の責任者=課長を務めましたが、正確な統計の重要性を改めて認識した気がします。ただ、すべてを金額に換算するのは少し抵抗もあります。その点は付け加えておきます。

| | コメント (0)

2026年5月13日 (水)

またまた桐敷投手が打ち込まれてヤクルトに逆転負け

  RHE
阪  神002000000 260
ヤクルト10000003x 471

【神】 高橋、湯浅、桐敷、モレッタ - 伏見
【ヤ】 山野、清水、荘司、キハダ - 鈴木叶

またまた桐敷投手が終盤に打ち込まれて、ヤクルトに逆転負けでした。
終盤まで2-1でリードし、7回表の攻撃で好投の高橋投手に代打を送り、阪神は継投に入ります。7回の湯浅投手は何とかゼロに抑えたものの、8回に桐敷投手がヤクルト打線に捉まり3点を奪われます。どうして昨夜も投げた桐敷投手だったのか。首位攻防戦でリリーフ投手をケチったのは理解できません。昨夜は終盤に大差がついて、岩崎投手とドリス投手を温存したのですから、1点差で両投手をつぎ込むべきではなかったか、と考えるのは私だけでしょうか?

甲子園に戻っての広島戦は、
がんばれタイガース!

| | コメント (0)

2か月連続で低下した4月の景気ウォッチャーと大きな黒字を計上した3月の経常収支

本日、内閣府から4月の景気ウォッチャーが、また、財務省から3月の経常収支が、それぞれ公表されています。統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは、季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲1.4ポイント低下の40.8となった一方で、先行き判断DIは+0.7ポイント上昇の39.4を記録しています。経常収支は、季節調整していない原系列の統計で過去最大の+4兆6815億円の黒字を計上しています。まず、それぞれの統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。

街角景気4月は1.4ポイント低下、中東情勢でマインド下押し 先行きは小幅上昇
内閣府が13日に発表した4月の景気ウオッチャー調査で現状判断DIは40.8となり、前月から1.4ポイント低下した。2カ月連続のマイナス。ウオッチャーの景気の見方は「中東情勢によるマインド面の下押しを中心に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」とした。
指数を構成する3部門では、家計動向関連が前月から1.2ポイント低下し40.5、企業動向関連が1.6ポイント低下し41.5、雇用関連は1.7ポイント低下し41.4となった。
2-3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは、前月から0.7ポイント上昇の39.4。3カ月ぶりのプラス。内閣府は先行きについて「中東情勢による不透明感がみられる」とまとめた。
経常黒字3月は4兆6815億円で過去最大、25年度年間も=財務省
財務省が13日に発表した国際収支状況速報によると、3月の経常収支は4兆6815億円の黒字だった。黒字幅は前年同月から1兆0562億円増えて過去最大。海外子会社からの配当受け取りなどの収入が伸長した。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は3兆5487億円程度の黒字だった。2025年度1年間の経常収支も最大の黒字幅で、34兆5218億円だった。
3月の内訳をみると、貿易・サービス収支は前年同月から12億円増え、5728億円の黒字だった。うち貿易収支は8305億円の黒字で、サービス収支の2578億円の赤字を相殺した。
2000年ごろから経常収支の稼ぎ頭になった「第1次所得収支」は、4兆6307億円の黒字だった。海外子会社からの配当受け取りなどの収入が増え、前年同月から7981億円増加した。第2次所得収支は5220億円の赤字だった。前年同月から赤字幅が2569億円縮小した。
同時に発表した25年度の経常収支は、34兆5218億円の黒字だった。前年度から4兆4902億円増加した。アジア向けに半導体など電子部品の輸出が伸び、貿易収支が黒字化した。貿易黒字は昨年度1兆3631憶円で、2020年度(3兆7853億円)以来5年度ぶりに黒字化した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気ウォッチャーのグラフは上の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしており、色分けは凡例の通りです。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

景気ウォッチャーの現状判断DIは、最近では昨年2025年10月統計の48.2まで6か月連続で上昇または横ばいを記録した後、今年2026年1月統計までジワジワと低下した後、2月統計で48.9、前月差+1.3ポイントと4か月ぶりに上昇したものの、米国とイスラエルによるイラン攻撃に起因する大幅なマインド低下により、3月統計ではでは前月から▲6.7ポイントと大きく低下して42.2となった後、本日公表の4月統計でもさらに▲1.4ポイント低下し、40.8を記録しています。ただ、4月統計の先行き判断DIは前月から+0.7ポイント上昇しています。これは、3月統計が前月差▲11.3ポイントと、あまりにも大きく低下した反動と考えるべきであり、先行き判断が改善した、と見なすのはやや軽率に過ぎるのではないか、と私は受け止めています。一応、本日公表の4月統計の季節調整済みの現状判断DIをより詳しく前月差で見ると、家計動向関連のうちでは、住宅関連が▲7.0ポイント、飲食関連が▲3.8ポイント、サービス関連も▲1.6ポイント、小売関連が▲0.2ポイント、すべてのコンポーネントが軒並み低下しています。企業動向関連では、非製造業は先月3月統計から▲1.8ポイント低下した一方で、製造業も▲1.6ポイント低下しています。家計も企業もすべて軒並みマインドを悪化させています。家計動向関連のうちの住宅関連が特に大きな低下を見せているのは、中東情勢に起因するナフサ由来の資材不足が原因なのかもしれません。もしそうなら、例の「カルビーポテチのパッケージのモノクロ化」が大きく報道されていますので、さらに、住宅関連以外でも低下する可能性があります。統計作成官庁である内閣府では基調判断を2月統計から「中東情勢によるマインド面の下押しを背景に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」に下方修正し、今月4月統計でも据え置かれています。経済政策だけではこのマインド悪化は手に余るような気がします。景気判断理由の概要については、記事で引用されているほかに、内閣府の調査結果の中から北陸地方の家計動向関連に着目すると、「石油関連の値上げが続いており、購買の心理的な負担になっている(衣料品専門店)。 」といった石油関連の見方もありました。

photo

続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。引用した記事の通り、ロイターによる市場の事前コンセンサスは+3.5兆円余りの黒字ということでしたし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも、同じように+4兆円近いの黒字の見込みでしたので、実績の+4.7兆円近い黒字はやや上振れした印象です。季節調整済み系列の統計でも、+3.9兆円余りの黒字を計上しています。ただし、1-2月の経常収支は季節調整していない原系列の統計はもちろん、季節調整がなされていても、旧暦で決まる中華圏の春節の日取りによって大きく変化します。ですから、季節調整以外の方法でも均して統計を見る必要があります。他方で、何といっても、日本の経常収支は第1次所得収支が巨大な黒字を計上していますので、貿易・サービス収支が赤字であっても経常収支が赤字となることはほぼほぼ考えられません。引用した記事の通りです。トランプ関税によって貿易収支や貿易・サービス収支の赤字が拡大したとしても、第1次所得収支で十分カバーできると考えるべきです。ただ、石油価格の動向については、米国とイスラエルのイラン攻撃からきわめて不透明といえます。2011年3月の東日本大震災から2015年いっぱいくらいまで貿易サービス収支が赤字を続けた期間もあります。いずれにせよ、対外不均衡の問題が経常収支にせよ、貿易・サービス収支にせよ、たとえ赤字であっても何ら悲観する必要はありません。エネルギーや資源に乏しい日本では消費や生産のために必要な輸入をためらうことなく、経常収支や貿易収支が赤字であっても何の問題もない、逆に、経常黒字が大きくても、日本の国際競争力が高いわけでもなく、ましてや特段めでたいわけでもない、と私は考えています。

| | コメント (0)

2026年5月12日 (火)

西勇投手のナイスピッチングで首位攻防戦初戦に大勝

  RHE
阪  神200000215 10100
ヤクルト000000000 050

【神】 西勇、桐敷、工藤、湯浅 - 伏見
【ヤ】 吉村、小澤、木澤、丸山翔、廣澤、拓也、オスナ - 古賀

西勇投手のナイスピッチングとホームラン攻勢で、ヤクルトとの首位攻防戦に先勝でした。
初回にアクシデントがあってヤクルトの吉村投手が降板し、大差がついた最終回はオスナ投手が登板しました。今回は2連戦ですので、連勝して首位固めと行きたいところです。

明日は2タテ目指して、
がんばれタイガース!

| | コメント (0)

2か月連続の上昇で基調判断が上方修正された3月の景気動向指数と2か月連続の実質マイナスとなった3月の家計調査

本日、内閣府から景気動向指数が、また、総務省統計局から家計調査が、それぞれ公表されています。いずれも3月の統計です。景気動向指数のヘッドラインとなるCI先行指数は前月から+1.3ポイント上昇の114.5、CI一致指数も2か月ぶりの上昇で+0.3ポイント上昇の116.5を記録しています。家計調査の方は、2人以上の世帯消費支出の前年同月比は、実質▲2.9%の減少、名目も▲1.3%の減少となりました。まず、統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。

景気一致指数3月は0.3ポイント上昇、基調判断1年10カ月ぶり上方修正
内閣府が12日公表した3月の景気動向指数速報(2020年=100)によると、足元の景気を示す一致指数が前月比0.3ポイント上昇の116.5で、2カ月ぶりのプラスとなった。一致指数から一定の計算式で決まる基調判断は、前回の「下げ止まりを示している」から「上方への局面変化を示している」に引き上げた。基調判断の上方修正は1年10カ月ぶり。
一致指数を押し上げたのは、輸出数量指数、鉱工業用生産財出荷指数、商業販売額(小売業)など。アジアや米国向けの輸出が増加。はん用・業務用機械や非鉄金属の出荷などが押し上げ要因となった。小型車や軽自動車などの販売も堅調だった。
一方、生産指数(鉱工業)は押し下げ要因になった。中東情勢緊迫化の影響などで化学製品や石油・石炭製品が減少した。
基調判断は上方修正されたものの、前月比の上昇は0.3ポイントと小幅にとどまっており、これから出てくるデータによっては今月下旬に発表される確定値でマイナスになったり横ばいになったりする可能性には留意が必要という。
先行指数は前月比1.3ポイント上昇の114.5と、10カ月連続でプラスだった。新規求人数や最終需要財在庫率指数、鉱工業用生産財在庫率指数などが押し上げた。
実質消費支出3月は2.9%減、中東情勢受け一部商品で買いだめも
総務省が12日に公表した3月の家計調査によると、物価変動を除いた1世帯(2人以上)当たりの実質消費支出は前年比2.9%減少した。食料品や自動車への支出減などで4カ月連続のマイナスとなり、下げ幅は昨年10月以来の大きさだった。一方、中東情勢の混乱を受け、一部商品には買いだめ傾向がみられた。
主な内訳では、酒類・外食など食料が前年比2.9%減少し2カ月連続のマイナス、自動車関連など交通・通信が16.8%減少し4カ月連続の前年割れとなった。
ロイターが集計した調査では、消費支出は前年比1.3%減と予想されていた。
一方、総務省の担当者によるとポリ袋、サランラップ、トイレットペーパーなどへの支出が増え、中東情勢の緊迫化で「買いだめの影響を受けている可能性がある」という。教養娯楽サービスでも外国パック旅行が減少する一方で国内旅行が伸びており、イラン情勢が影響している可能性があると分析している。
2025年度の実質消費支出は前年同期比0.1%増で、わずかながら3年ぶりのプラスとなった。食料品価格が高騰する中で、自動車関連支出やパック旅行がけん引したという。
消費支出に占める食費の割合であるエンゲル係数は、2024年度(28.3%)から伸長して28.8%となり、1980年度(28.9%)以来、45年ぶりの高水準となった。
SMBC日興証券シニアエコノミストの宮前耕也氏は、足元で実質賃金がプラスになるなど前向きな動きが出ているものの、消費の改善は「一時的な動き」になるかもしれないと分析する。
同氏は、家計消費の趨勢は「弱い」とみている。今後夏場に向けて、食料品やエネルギー価格の上振れが生じると、実質賃金のマイナスへの再転換を招き、消費の下押しになりかねない、と注意を促した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。ただし、統計公表直後の記事を引用していますので、その後、追加記事や差替え記事が出ている可能性があります。続いて、景気動向指数のグラフは次の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、CI一致指数が前月から+0.3ポイントの上昇、先行指数も同じく+1.3ポイントの上昇と予想されていました。実績の一致指数+0.3ポイント、先行指数+1.3ポイントのそれぞれ上昇はジャストミートしました。繰返しになりますが、3月統計のCI一致指数は、2か月ぶりの上昇となります。さらに、内閣府のプレスリリースによれば、3か月後方移動平均は+0.70ポイント上昇し、3か月連続の上昇となり、加えて、7か月後方移動平均も前月から+0.37ポイント上昇し、これは4か月連続の上昇となっています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、昨年2025年5月統計から「下げ止まり」に下方修正されていましたが、本日公表の3月統計で「上方への局面変化」に上方修正されています。ただし、基調判断は上方修正ながら、すでに「過去の数字」である可能性が否定できません。先行きに関しては、私はいろいろと紆余曲折を経つつも、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはない、と考えています。ただし、そもそも、米国経済でも日本経済でもまだまだインフレが高止まりしており、特に、日本ではすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありません。それにもまして、米国とイスラエルによるイラン攻撃から、先行きはまったく不透明になったと考えるべきです。石油価格は指標となるWTI先物がバレル当たり100ドル近辺で推移しています。東証の日経平均株価だけは最高値を記録しましたが、長期金利が2.5%超となっている中で、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めは景気を下押しすることが明らかです。日米同時リセッションの可能性が否定できません。
一応、本日公表の統計のうち、CI一致指数の前月差+0.3ポイント上昇への寄与度を見ておくと、引用した記事にもあるように、輸出数量指数の+0.36ポイントのほか、 商業販売額(小売業)(前年同月比)が+0.24ポイント、 商業販売額(卸売業)(前年同月比)が+0.20ポイントのそれぞれプラスの寄与度と、引用した記事のタイトルにもあるように、生産や出荷の押上げ効果が大きくなっています。

photo

続いて、家計調査のグラフは上の通りです。上のパネルは、名目及び実質の消費支出の前年同月比の推移であり、下は季節調整済みの名目指数及び実質指数です。いずれも影をつけた期間は景気後退期です。引用した記事の3パラ目にある通り、ロイターによる市場の事前コンセンサスは前年同月比で▲1.3%減でしたし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも、同じく、実質消費支出の前年同月比が▲1.3%減と予想されていました。実績の▲2.9%は大きく下振れした印象ながら、もともとが振れの大きな統計ですし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスのレンジ下限が▲4.3%減でしたので、大きなサプライズというほどのことはありません。それでも、下振れということは変わりありません。品目別に、これも引用した記事の4パラ目にある「ポリ袋、サランラップ、トイレットペーパー」への支出増は、「買いだめの影響を受けている可能性」が指摘されていて、中東情勢に起因する価格高騰やモノ不足の傾向に対して、政府が節約の要請や呼びかけを一切していないにもかかわらず、買いだめを示唆する消費行動が始まっている可能性がある、と私は受け止めています。加えて、私が注目していたのは食料なのですが、前年同月比で見て名目+0.6%増、実質▲2.9%減でした。食料支出の名目増加・実質減少は食費の支出が増えているにもかかわらず、購入できている量が減少している、ということです。引用した記事にもあるエンゲル係数の上昇とともに、国民生活が貧しくなっていることを、生活実感だけでなく統計からも確認された気がします。

| | コメント (0)

«世界の貧困削減はいかに進んだのか?