改善の基調判断が続く6月の景気動向指数と天候要因で落ち込んだした6月の家計調査
本日、内閣府から景気動向指数が、また、総務省統計局から家計調査が、それぞれ公表されています。いずれも6月の統計です。景気動向指数のヘッドラインとなるCI先行指数は前月から横ばいの116.4、CI一致指数は2か月ぶり+0.3ポイント上昇の118.2を記録しています。家計調査の方は、2人以上世帯の消費支出の前年同月比は、実質▲0.4%の減少、名目は+1.3%の増加となりました。まず、各統計のヘッドラインを報じる記事をロイターのサイトから引用すると以下の通りです。
景気一致指数6月は2カ月ぶり改善、卸売りや生産寄与 判断据え置き
内閣府が7日公表した6月の景気動向指数速報(2020年=100)によると、足元の景気を示す一致指数は前月比0.3ポイント上昇の118.2と2カ月ぶりに改善した。先行指数は同横ばいの116.4だった。基調判断は「改善を示している」で据え置いた。
一致指数を構成する各経済指標のうち、押し上げに寄与したのは卸売販売額や投資財出荷指数、鉱工業生産指数など。電子部品の中国向け輸出や韓国からの輸入、半導体製造装置の生産などが好調だった。
先行指数を押し上げたのは、中小企業売り上げ見通しや新設住宅着工床面積など。日経商品指数や鉱工業用生産財在庫率指数は押し下げた。
電気電子関連の中小企業売り上げ見通しが改善した一方、石油製品価格下落や電子デバイスの出荷減による在庫率悪化などが響いた。
実質消費支出6月は3.3%減、7カ月連続マイナス 台風など天候要因で
総務省が7日発表した6月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出は前年比3.3%減と、7カ月連続のマイナスとなった。台風、降雨量増加、低温などの天候要因で幅広い品目の支出が減少した。季節調整済み前月比では実質6.4%の減少だった。
ロイターの事前調査では前年比がプラス1.0%、前月比はマイナス3.1%と予想されていた。
統計によると、1世帯あたりの支出額は29万0886円で、名目ベースでは前年同月比1.5%の減少。6月は日曜日が前年と比べて1日少なかったことも影響した。
費目別では、航空運賃やガソリンなどが含まれる「交通・通信」が2カ月連続、飲料や外食などが含まれる「食料」が2カ月ぶりに、それぞれ実質減少となった。
洋服などの「被服及び履物」、電気代やガス代などの「光熱・水道」も実質減少に寄与した。
総務省の担当者は「昨年12月から所得から消費に回る割合が下がっている」と指摘。所得が貯蓄に回っている可能性があるとの見方を示した。
いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、景気動向指数のグラフは次の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、CI一致指数が前月から+0.2ポイントの上昇と予想されていました。実績の一致指数+0.3ポイントはコンセンサスをやや上回りました。繰返しになりますが、6月統計のCI一致指数は、2か月ぶりの上昇となります。さらに、内閣府のプレスリリースによれば、CI一致指数は、3か月後方移動平均は前月から+0.47ポイントの上昇、6か月連続の上昇となり、加えて、7か月後方移動平均は前月から+0.47ポイント上昇し、これも6か月連続の上昇です。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、「改善」で据え置かれています。先行きに関しては、私はいろいろと紆余曲折を経つつも、米国経済がソフトランディングに成功するとすれば、そう簡単には日本経済が景気後退局面に入ることはない、と考えています。ただし、そもそも、米国経済でも日本経済でもまだまだインフレが高止まりしており、特に、日本ではすでに景気回復・拡大局面の後半に入っている点は忘れるべきではありません。ただ、米国とイスラエルによるイラン攻撃から始まった中東の武力紛争は、一応の停戦合意を見ましたので、日米ともソフトランディングの確率が高まったと考えるべきです。石油価格は指標となるWTI先物がバレル当たり70ドル前後で推移しています。東証の日経平均株価は高値圏で推移していますが、長期金利が2.8%超となっている中で、多くのエコノミストが円高を展望して待ち望んでいる金融引締めは景気を下押しすることが明らかです。日米同時リセッションの可能性がまったく否定されるわけではありません。
一応、本日公表の統計のうち、CI一致指数の前月差+0.3ポイント上昇への寄与度を見ておくと、引用した記事にもあるように、 商業販売額(卸売業)(前年同月比)が+0.49ポイントがもっとも大きな寄与を示したほか、投資財出荷指数(除輸送機械)が+0.37ポイント、生産指数(鉱工業)が+0.22ポイント、有効求人倍率(除学卒)が+0.11ポイントのそれぞれプラスの寄与度となっています。CI先行指数については、中小企業売上げ見通しDI、新設住宅着工床面積、新規求人数(除学卒)などのプラス寄与が大きくなっています。

続いて、家計調査のグラフは上の通りです。上のパネルは、名目及び実質の消費支出の前年同月比の推移であり、下は季節調整済みの名目指数及び実質指数です。いずれも影をつけた期間は景気後退期です。引用した記事の2パラ目にある通り、ロイターによる市場の事前コンセンサスは前年同月比で▲3.1%減でしたが、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは、実質消費支出の前年同月比が+1.0%増と予想されていました。家計調査はもともとが振れの大きな統計ですし、実績の▲3.3%は微妙なところです。引用した記事にもあるよういに、台風、降雨量増加、低温などの天候要因による部分があるとはいえ、家計調査の現れている消費はやや弱いと見る向きが多そうです。ただ、被服及び履物が実質の前年同月比で▲19.9%源ですから、このあたりに天候要因が特に強く現れている可能性はあります。6月は一部ながらボーナスが出たこともありますが、消費性向が特に手介しています。すなわち、38.3%まで低下を示しており、前年同月は41.6%ありましたので、▲3.3%ポイントの低下ということになります。この消費性向の動きは、中東戦争の動向に関して前月に何らかの買いだめ行動があった反動という見方も示されていますが、現時点ではなんともいえません。今後も家計消費の動向には注意が必要です。


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