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2005年12月 5日 (月)

コンビニのネットワークはどこまで経営資源として活用できるか

最近読んだ何かに、コンビニのネットワークは極めて貴重な経営資源であるとか、セブン&アイ・ホールディングスの設立はイトーヨーカ堂が買収されることによってついでにセブン・イレブンまで買収されないようにするのが目的のひとつだった、とか書いてありました。

私はエコノミストながらマクロ経済が専門で、ミクロの産業経済には詳しくないのですが、マクロの成長の源泉となる産業界の動向にはそれなりに興味があります。世界経済の中で、日本がどのようなビジネスモデルに比較優位があるのでしょうか?

日本経済の国際化が進んで行く初期の段階では、総合商社のマルチな機能が注目されていました。海外現地の情報収集、プロジェクトファイナンス、などなどです。英語でもサムライなどとともに「ソーゴーショーシャ」でそのまま通じたりもします。華やかな海外駐在生活や高給与などから学生の就職先としても人気がありました。と言うか、今でも人気があると思います。
その総合商社もメーカーの海外進出が進み、また、バブル期に土地や住宅に手を出したりして、かなり淘汰が進みました。
しかし、いかにメーカーが直接海外に進出しようとも、依然として、総合商社のマルチな機能は日本が世界に対して有している比較優位であり続けているように思われます。

少し括りが大きいですが、製造業について考えると、日本経済の発展とともに、労働集約的な製造業から資本集約的あるいは技術・情報集約的な製造業に比較優位がダイナミックに移動して来ています。現時点での東アジアにおける国際分業は、ごく大雑把に言えば、日本で資本集約的なデバイスを製造し、それを中国に持ち込んで人海戦術でアセンブリーしている、と言ったところでしょうか。
日本人は賃金が高いので、コストに占める賃金の割合の低い製造業に比較優位があり続けるでしょう。これはこの先10年間くらいは変わりません。

金融は長らく護送船団方式で手厚く守られて来ましたので、完全に規制によって発生するレントをシークする産業構造となっており、国際的にはまったく競争力がありません。長期的には、最悪の場合、銀行・保険・証券などのかなり多くの企業が外資系に買収される可能性すらあります。
ジャカルタでも、香港でも、シンガポールでも、日本の金融機関は旗色が悪いように見受けました。
特に、今の日本で株取引を盛んに行っているのは、いわゆる団塊の世代より5-10歳くらい高齢の人たちです。このため、インターネット・トレーディングなどでもっと若年者層に株取引をしてもらわないことには、せっかく高まりつつある東京市場の個人投資家比率が、ご高齢の方々の株取引からの引退とともに大きく落ち込む危険があると私は感じています。
また、特に、保険業でブローカーが全然ビジネスとして成立していないのが不思議です。

この中で、コンビニのネットワークはどのように経営資源として活用されうるのでしょうか。
マスコミで盛んに報道された郵政民営化法案では、郵便局は郵便=流通、貯金=銀行、簡保=保険、とともにネットワークの4事業に分割されることになっています。コンビニよりももっと密に張り巡らされた郵便局のネットワークを経営資源として活用しようと言うことです。
銀行法が改正され、コンビニなどで銀行の支店業務の一部が行えるようになります。
コンビニは、銀行や物流の身近なターミナルとなりつつあります。しかし、ここでも最も遅れているのが行政です。住民票や各種手続きをコンビニで行えるようにしようとの動きは余り聞きません。

コンビニは当然ながら民間企業ですし、多くはフランチャイズ元から経営指導を受けて、家族経営・家族労働のある意味で過酷な経営形態です。コンビニのフランチャイズの組織形態を大いに生かして、ネットワークを経営資源として活用し、それでさらに収益が上がって人を雇えるようになるのであれば、地域の雇用促進と過酷な家族労働を緩和することに大いに寄与するでしょう。
ただし、フリーターを増やす結果にならないように、大いに注意する必要があると思います。

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