住宅はどちら向きに建てられているか?
女房が引越し先の宿舎を見てきて、概要を教えてもらったのは少し前なんですが、今日、職場の人からもらった周辺地図で改めて確かめたら、春休みに引っ越す引越し先の宿舎は東南を向いているようです。今まで、国内で宿舎を借りた杉並と松戸では、どちらも真南を向いており、公務員の官舎とはこんなもんなんだと思っていましたが、必ずしもそうではないようです。
もちろん、外国では事情は変わってきます。私が最初に外国生活をしたサンティアゴのアパートは1フロアに2室で、私は東側の部屋を借りていました。サンティアゴでは東側の部屋の方がいいとされていたんですが、その理由はアンデス山脈がよく見えるかららしいです。確かに、私の住んでいたアパートの風呂場も、アンデス山脈に向いた壁がガラスで、ブラインドを上げればアンデス山脈がよく見えたのは事実ですが、夜に入浴すると暗くて何も見えませんでした。当たり前です。
それから、チリのサンティアゴも、インドネシアのジャカルタも、南半球ですから、基本的には、太陽は北を回ります。日本のような北半球では太陽は南を回り、住宅も南向きが日当たりの点からいいとされていますが、南半球では逆で、サンティアゴでは北向きの部屋の日当たりがいいわけです。ジャカルタでも北東の角部屋に住んでいて、日当たりの点からはベストだったのかもしれませんが、ジャカルタはほとんど赤道直下の熱帯ですから、日当たりがよくてもあまり有り難がられなかったような気がします。ただし、ジャカルタは南半球でも赤道と南回帰線の間の赤道寄りに位置していますので、日本の冬に当たる11月から1月くらいは、南半球にあっても太陽は南側を回っていました。どういうことかというと、日本の冬至に当たる日には太陽は南回帰線の真上を通るわけで、南回帰線よりも北側にあるジャカルタでは、南半球にあっても日本の冬至周辺の日には、北向きの我が家には陽が差さないということになります。
いずれにせよ、太陽が北を回るので、北向きの部屋の日当たりがいい、ということについては、南半球が初めてだったサンティアゴに赴任した当初は考えがまったく及びませんでした。アパートを探し始めた着任2週間目ころに、現地の不動産屋さんからこの事実を知らされて、かなりショックを覚えた記憶があります。ただし、太陽が東から出て西に沈むのは、北半球も南半球も同じですので、念のため。
太陽が北を回るため、サンティアゴに赴任した直後では、時折、方向感覚がおかしくなったことも記憶しています。それに、自動車を運転していると、右側通行の左ハンドルですので、さらにいっそう方向感覚がおかしくなり、私はもともと方向音痴なものですから、地理も分からず、一体どこを走っているのか、ホントに適当に運転していたこともあります。取りあえず、アンデス山脈を越えるとアルゼンティン領に入ってしまうので、上り坂が続いていたり、山の方に入って行くのだけは避けようと気をつけていたのを覚えています。適当に運転していたのですが、外交官特権に守られて警官にも捕まらず、貧弱なスペイン語を操って、何とか、夜中の1時過ぎにアパートに帰り着いたことがあります。
ジャカルタでは昼間はほとんど常に太陽が真上にあり、これも方向感覚を狂わせる大きな要因でしたが、ジャカルタでは自分で運転するわけではなく、運転手さんが機嫌よく私を運んでくれましたから、大きな被害はありませんでした。太陽が真上にあるのはランチタイム周辺なんですが、私はランチにはほとんど常に同じ日本食レストランに通っていましたので、運転手さんも分かりやすかったのではないかと思います。
我が家では主として女房にやってもらっているのですが、住宅がどちらを向いているのかは洗濯物の乾き方に影響します。ただし、サンティアゴとジャカルタでは、あまり関係しませんでした。サンティアゴはほとんど砂漠の気候で湿度がとても低くて、日当たりに関係なく洗濯物は乾いてしまいます。南北のアメリカ大陸の太平洋側の気候は同じようなものらしいです。私は住んだことはないのですが、サンティアゴ周辺の気候は米国のカリフォルニアの気候にとてもよく似ているという人もいました。それから、ジャカルタでは雨が降ると熱帯性の強烈なスコールで、傘があっても何の役にも立ちません。その代わり、雨が降っても2-3時間で止んでしまい、1日中雨が降ることはありません。気温も高いものですから、1日のうちの2-3時間くらい雨が降っても、何とか洗濯物は乾いてしまいます。いずれにせよ、サンティアゴやジャカルタでは洗濯はメイドさんのお仕事ですから、とても手早く片付けてくれます。日本では住宅が建てられている向きやお天気に左右され、場合によっては、特に梅雨の季節なんかは衣類乾燥機に頼らねばならないこともあります。
いろんな国や地域で住宅事情、とついでに、洗濯事情はさまざまです。
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