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2006年5月31日 (水)

阪急ホールディングズによる阪神電鉄株の公開買付け(TOB)と村上ファンドの戦略

今夜の阪神タイガースは、せっかく、ウィリアムスが戻って来てくれて、昨年のJFKのパターンに持ち込んだにもかかわらず、Kがボロくも打ち込まれて、楽天相手に逆転負けを喫してしまいました。やっぱり、親会社がガタガタしていると、プロ野球球団の方も弱小チーム相手にヘンな戦い方になってしまうんでしょうか?
ということで、今夜のブログは阪急ホールディングズによる阪神電鉄株の公開買付け(TOB)について考えてみます。

報道によると、昨日、5月30日に阪急ホールディングズが阪神電鉄株の株式公開買付け(TOB)を開始しました。6月19日まで受け付け、1株当たりの価格は930円で、阪神電鉄株の45パーセントの購入を目指しているそうです。
昨日時点での朝日新聞の記事をそのまま引用すると以下の通りです。

阪急ホールディングス(旧阪急電鉄)による阪神電気鉄道株の株式公開買い付け(TOB)が30日、始まった。買い付け価格は1株930円で、6月19日まで受け付ける。阪神との経営統合を目指す阪急は、阪神の発行済み株式の45%以上の取得を目指す。
阪神株の買い付け総数が45%に満たない場合、阪急のTOBは失敗する。阪神株の約47%を保有する村上世彰氏率いる投資ファンド(村上ファンド)がTOBに応じるかどうかが焦点で、阪急は村上氏側に阪神株を売却するよう求めている。TOBが成功すると買い付け総額は1764億-3921億円となる。
30日の東京株式市場では、阪急株は前日終値より2円高い602円、阪神株は同5円安い943円で取引を終えた。

現時点で、報道が正しいとすれば、いわゆる村上ファンドが阪神電鉄株の47パーセントを保有していますので、ほぼ過半数保有に近い状況です。村上ファンド以外のすべての株主が現経営陣につくとは思えませんので、現時点では、村上ファンドが来月6月29日の株主総会で阪神電鉄の経営権を掌握するのはほぼ確実と考えられます。それに対して阪急がTOBをかけたんですが、村上ファンドとの話し合いは決着していないようで、要するに、阪急のオファーに村上ファンドが乗るかどうかでコトが決まるような雰囲気です。その村上ファンドを率いる村上世彰氏は、本日、シンガポールから中部国際空港(愛知県常滑市)に帰国したとの報道もあります。

TOBの価格の930円ですが、阪急側はかなり厳密な資産査定(デューディリジェンス)に基づくものであるとしていますが、マーケットではかなり高いのではないかと見る向きが多いようです。現時点での阪神電鉄株の市場価格は930円を少し上回るんですが、47パーセント保有する村上ファンドが売りに走れば大きく値を下げることは明白ですし、経営統合についてもしっかりした青写真を示すに至っていません。この時点で市場価格にとても近い値付けをするのはやや危険そうな気もします。阪急とて財務体質がとてもいいとはいえないとの意見もあります。
TOBですから、期限までに買付け総数が45パーセントに満たない場合は失敗することになります。すべてチャラです。ですから、村上ファンドがかなりの部分を手放すことが必要条件です。村上ファンドがまったく阪神電鉄株を手放すことなく、阪急が45パーセントを買い付けられるとはとても思えないからです。しかし、村上ファンドと阪急との交渉は価格面で決裂したようですから、村上ファンドがどの程度の株を手放すかはとても不透明です。
TOB期限の6月19日は株主総会の6月29日から逆算したんでしょうが、あと3週間しか残っていません。もちろん、先ほど指摘したように、一般からの買付けには限度があるでしょうから、要するに、村上ファンドが手放すかどうかが勝負となります。

先行きに関して、大胆に予測すれば、私は村上ファンドが阪急のTOBに応じるのではないかと、希望的観測も含めて、予想しています。危険回避的な予想ではあります。ただし、その場合、配当を受け取った後になる可能性もあります。どうして、村上ファンドがTOBに応じるかといえば、消去法です。すなわち、TOBに応じなければ、阪急が6月19日までに45パーセントの阪神電鉄株を買い付けることは不可能となり、TOBのオファーはすべてチャラになり失敗します。一般からTOBに応じて930円で売りたいと思っていた人の分まで含めて、すべてが白紙撤回されます。そうすると、株式市場での阪神電鉄の株価は930円を大きく下回って取引される可能性がとても高くなります。要するに、瀬戸際戦略ながら、阪急のTOBが失敗すると阪神電鉄株は暴落する可能性があるわけで、阪急としてはブラフをかけていることになります。
もちろん、阪神電鉄株が暴落しない可能性もありますが、阪神電鉄株が930円を割れてもこの水準に株価を復帰させるだけの企業価値の向上が出来るかどうかがポイントになります。村上ファンドが株価の低下水準と企業価値の向上の両方の観点から、TOBを失敗させても村上ファンドが損をしないと判断するかどうかがポイントとなります。村上ファンドは危険に対して中立的でしょうが、私は危険回避的な公務員ですから、930円で売り抜けるのが危険回避的な観点からは取るべき戦略ではないか、という気がしています。

村上ファンドを率いる村上世彰氏が帰国したチャンスですし、何らかの検察特捜部の想定外の行動がないとも限りませんが、割合と早い段階で阪急のTOBに関する村上ファンドの結論が出そうな気がしないでもありません。もっとも、少しでもいい条件を引き出すために、6月19日までギリギリの交渉が続く可能性もあります。
私は阪神電鉄にはほとんど乗ったこともなく、電鉄会社には何の利害関係もありませんが、阪神タイガース球団には大いなる興味がありますので、TOBの成行きを見守りたいと思います。

今夜のブログは無理やりに阪神タイガースの日記にしておきます。

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