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2006年7月18日 (火)

エコノミストの夏休みは長いのか?

海の日の3連休が明けて、いよいよ、小学校は明後日が終業式で、今週の金曜日から夏休みに入ります。我が家の子供達が通う小学校では、来週くらいまではプールなんかがあるようなんですが、8月に入れば本格的な夏休みで、小学生は毎日家にいることになります。専業主婦タイヘンな季節となります。

今日、大手証券会社系のシンクタンクのエコノミストとお話をしていて、国内経済政策的には、骨太2006歳入歳出一体改革で財政政策が一段落つきましたし、先週の金融政策決定会合でゼロ金利が解除されて金融政策も一山超えましたので、今週中に概算要求のシーリングが決まれば、大きなイベントはなさそうだ、と話をしていました。エコノミストの同業者ですから、夏休みの話も出たりします。今年の夏休みはエコノミストには長いかもしれません。
マーケットを見ても、今日は、株が売られて債券が買われました。円も売られて円安となり、中東情勢などを背景にした典型的な地政学的リスクの相場となりました。株が売られて債券が買われたのは質への逃避といえます。もっとも、原油を連想させる中東ではなく、北朝鮮などの極東の地政学的リスクが高まったのであれば、もっと日本には直接的な影響が出ることが考えられ、その場合は、質への逃避なんて生易しいことで終わらずに、株も債券も通貨も安くなることが考えられます。いわゆるトリプル安です。現状では、そこまでの地政学的リスクは認識されていないように見受けられます。要するに、中東の地政学的リスクに対して、12日から14日までニューヨーク市場が3日連続で100ドル超の下げを記録したことを背景としていると、私は考えています。
でも、エコノミストの中にはこの地政学的リスク日銀はもっと認識すべきだった、との批判をしている人もいます。実は、このような批判をしているエコノミストも私の知り合いなんですが、この人は、先週金曜日の日銀のゼロ金利解除の当日の夜の番組で、前回の2000年8月と今回と2回のゼロ金利解除の類似点をあげて、どちらもうだるように暑い日だった、といって爆笑をかっていました。でも、私の従来からの主張なんですが、個別のエコノミストが地政学的なリスクを考慮するのには限界があると思います。

おそらく、あくまで、おそらく、なんですが、株や債券などの金融市場に限らず、すべての財の市場において、もしも、市場が効率的であれば、すべての情報を踏まえて市場では価格付けがなされるハズです。というか、逆に、すべての情報を取り入れた形で価格付けがなされるのが効率的な市場である、と定義されます。ですから、効率的な市場によって決められる価格はランダムウォークします。逆にいうと、近所の商店街で相当の期間ずっと同じ価格が付けられている財は、価格がランダムウォークしていませんから、効率的な市場によって価格付けされていない可能性が高いです。
エコノミストは市場の分析をする際に、市場に取り込まれるべきすべての情報を考慮する必要があります。しかし、市場価格が決まる際、すべての情報が同じ大きさのパラメータを有しているわけではありません。効率的な市場価格が変化する場合、情報そのものの変化の大きさとその情報に係るパラメータの大きさをかけ合わせたが市場価格の変化となって、結果をもたらす、と私は考えています。積ですから、情報の変化の大きさか情報に係るパラメータか、どちらかがとても小さければ、この2つの積は小さくなってしまいます。情報の変化の大きさをに、パラメータをに例えることができると思っています。市場へのインパクトは量と質の積なわけです。なお、全然どうでもいいことですが、コミックの「ケロロ軍曹」でケロロ小隊が5人(匹?)そろった時に、ムツミが「地球侵略は掛け算だ。何人そろっても、元がゼロなら結果はゼロだ」といい切りましたが、これと同じです。
話を戻しますと、例えば、不謹慎な話かもしれませんが、人の死を考えて見ます。例えば、テロが起こった時などで、何人死んだのかが情報そのものの変化の大きさ、量です。その上で、誰が死んだのかでパラメータが変わってきます。質です。これまた、ヘンないい方ですが、あえて例えると、多数の重要な人物が死ぬと市場は大きな変化を示すわけです。どうも、量と質をうまく例えにすることが出来なかったので、人の死なんて情報を例にしてしまいましたが、不謹慎さを別にして、お考えいただきたいと思います。

いつものケロロ軍曹に脱線したりして、話が長くなってきてしまいましたが、要するに、市場を分析する場合、すべての情報が市場価格に反映されるとはいいながら、重視すべき情報とそうでない情報があるわけです。重視すべきかどうか、すなわち、市場価格に反映されるかどうかの観点は、情報そのものの変化の量と情報が価格に反映されるパラメータの大きさの質と2つの観点から判断されるべきです。情報の変化の量については、その時々の個別の事情で判断されるべきですが、パラメータの大きさについては、ある程度は、経験的・伝統的に決まってくる場合がありえます。
私は、まず、経験的・伝統的には地政学的リスクは市場価格に影響するパラメータは小さかったんではないかと考えています。もっと大きい要因がいくらでもあるからです。それから、次に、観測される量も観測する主体によって標準偏差が大きいような気がします。とても大きくて危ないと評価する人と、無視して差し支えないような小さな評価を下す人の差が激しいのではないかと思います。いずれにせよ、この観点は私が地政学的リスクを評価する専門家からほど遠いことを正直に反映しているように思います。
ひょっとしたら、最近のように、地政学的リスクがマーケットを動かす重要なファクターにでもなると、私のようなその方面に詳しくない旧態依然たるエコノミストお払い箱になるのかもしれません。でも、軍事専門家株や為替の予想をしているところも想像できません。

でも、それはそれとして、縦割りとすら呼ばれている日本政府のような分業体制のしっかりした組織で働く官庁エコノミストで、地政学的リスクのほほんとしていられる私のような人間は、夏休みが長く取れるのかもしれません。そして、専業主婦の女房にはツラい夏休みが来るのかもしれません。
今夜のブログは、一応、評論したと考えられるので、経済評論の日記に分類しておきます。今夜もプロ野球が降雨中止になり、とても残念です。

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