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2006年8月 1日 (火)

路線価に見る地域間格差

本日の朝日新聞の夕刊によると、全国平均の路線価が14年振りに上昇したそうです。主として、大都市圏の上昇によるもののようです。
いつもの通り、朝日新聞のサイトをそのまま引用すると、以下の通りです。

相続税や贈与税の算定の基準となる06年分の路線価(評価時点1月1日)が1日、国税庁から公表された。全国約41万地点の標準宅地の平均路線価は1平方メートルあたり11万4千円で、前年を0.9%上回り、14年ぶりに上昇した。地方はまだ下落が続いているが、景気が緩やかに回復する中で3大都市圏がいずれも上昇に転じ、全国平均を引き上げた。
圏域別の平均額は、東京圏が前年を3.5%上回り26万4千円となった。大阪圏は0.7%高い14万9千円、名古屋圏も2.1%上昇し9万8千円。都心部やその近接地でマンション需要が旺盛なことや、都市再開発で商業地の利便性が高まったこと、ブランド店の進出などで集客力が上がったことなどが要因とみられる。
その他の地方圏は5.7%下落の5万円だった。大規模商業施設の撤退による中心商業地の空洞化などが要因とされるが、下落幅は2年連続で縮小し、下げ止まりの傾向が強まった。
都道府県別でみると、千葉、東京、愛知、京都、大阪の5都府県が上昇した。13年ぶりに上昇した東京のみにとどまった前年に比べ、大幅に増加した。
都道府県庁所在都市の最高路線価は、6年連続で上昇した東京都中央区の銀座中央通りが1872万円で、21年連続のトップとなった。
上昇率が10%を超える都市は、前年のゼロから7都市に増えた。中でも名古屋市中村区の名駅通りが26.4%、銀座中央通りが23.8%と、2都市が20%を超える急上昇となった。
上昇したのは15都市。東京、名古屋、大阪など前年も上昇した6都市に、さいたま、神戸、静岡、広島など9都市が新たに加わり、前年の2.5倍に増えた。
地方都市の多くは依然として下落傾向が続いているものの、下落率が拡大した都市は盛岡、長野、山口、徳島、松山の5都市にとどまった。

さらに、朝日新聞では、静岡市と清水市、岐阜県の飛騨市を例に、社会面で平成の大合併により合併した市を取り上げ、行政機能の本庁機能を保持した地域の路線価は上昇し、これを失った地域はさびれているようなレポートもまとめています。たった2市だけですので、サンプルが極端に少ないような気もしますが、記事で取り上げているのですから、代表的な傾向なのかもしれません。いかにもありそうな話ですので、ストーリーとしても分かりやすいです。
都道府県単位では、平均路線価が上昇したのは東京都、千葉県、愛知県、京都府、大阪府の5都府県だけですが、県内でも県庁所在地などでは路線価が上がっているところが少なくないようです。日本国内で都道府県別の格差が拡大しているとともに、同一県内でも県庁所在都市とそうでない地域の格差が広がっている格好です。要するに、全国レベルでは大都市圏が地価上昇を支え、県内レベルでも県庁所在地で地価上昇しているところが少なくないわけです。その他の地域は地価の下落が続いています。
私はこの地域間格差が広がっているのは、圧倒的に、小泉政権の進める構造改革の下で公共事業を削減してきたことに起因すると考えています。ですから、先週7月28日のブログでも取り上げたように、地域間格差是正のために構造改革を止めよう、という政策割当ての観点から間違った議論が出て来る素地はあると考えられます。でも、小泉政権以前は地域間格差是正のために公共事業を割り当てきたのだとすれば、それはとても奇怪なことであると私は考えています。結果としてそうなっていた可能性は排除されないものの、田中総理のころの「日本列島改造論」なんて、実はよく知らなかったりするんですが、このタイトルだけからすれば、意識的に公共事業を地域間格差是正に割り当ててきたような気がしないでもありません。
さらに、この格差という表現も分かりづらいです。今年の4月17日のブログでも取り上げた、伊藤美咲の大好きな私の米国人の弁護士の友人にいわせると、通常、格差とはdifferenceとかgapの訳を充てればいいらしいんですが、現在、日本で問題視されている格差は、明らかに、名詞ならinequlityで、形容詞ならinequal、つまり、直訳すれば、不平等となる英語を充てるべきである、といっていました。確かに、格差というよりも、地域間の不平等といった方がより正しい日本語表現だという気がします。でも、私は公務員だから分かるんですが、絶対に、政府はそんな表現は取らないと思います。政府がそう表現しないので、マスコミもそうは報道しないと思います。良し悪しは別にして、それが現実だろうという気がします。

今日の午後は多摩地区の大学に外出していました。夕方に帰りの中央線で吉祥寺に向かう道すがら、その大学の親しい先生から「吉岡さんは春休みに青山に引っ越したんですよね。地価格差の頂点ですねえ」と無邪気にいわれてしまいました。でも、ホントは私じゃなくて、私が借りているところが地価格差の頂点なんでしょう。賃借人の私は家賃を値上げされるばかりで、土地の値上がりからは何の利益も受けません。

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