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2006年8月17日 (木)

インドネシアはどこに行くのか?

夏休みを終えて、今日から出勤しました。回覧物やメールなどが溜まっていました。着実にさばきます。
それらの中で、気にかかったのがインドネシアの動向です。何度もこのブログに書いた通り、前世紀末から今世紀初頭の2000年から2003年まで3年間、我が家はジャカルタで暮らしていました。そして、ここ3日間のファイナンシャル・タイムズで立て続けにインドネシアが取り上げられていました。一昨日の8月15日付けでは1面で投資家にもっと魅力的な投資環境の整備を進める必要があるとの記事があり、おそらく、この記事を基にしたんだと思うんですが、昨日の8月16日付けでは3本ある社説の1本目で改革の加速をうったえる社説が掲載され、最後に、今日の8月17日付けの1面の写真はユドヨノ大統領が政府予算案を国会で説明しているものでした。写真だけではなく、右端に記事もありました。海外投資の誘致をめぐる中国、インド、ヴェトナムなどとの競争に勝ち抜くために、投資環境整備の予算を大幅に増額する、というものでした。
ここで早くも脱線するんですが、私のようなエコノミストを自称する公務員も含めて、海外事情を把握するために日本国内の新聞では情報が不足すると考えられる場合、当然ながら、英字新聞に頼ることになります。語学力により英語以外の新聞も利用されるんでしょうが、まずは、英字新聞でしょう。私が引用したファイナンシャル・タイムズ(FT)以外にも、エコノミスト向けにはウォールストリート・ジャーナル(WSJ)、より一般向けにはヘラルド・トリビューンなどがあります。最後のヘラトリだけは私は目を通していないんですが、FTとWSJは出来る限り見るようにしています。在チリ大使館にいた時には、中南米のゲートウェイであるマイアミで発行されているマイアミ・ヘラルドも情報源として欠かせない新聞でした。
閑話休題
脱線した話を元に戻すと、私が2003年に帰国した後の2004年に初めての国民の直接投票で選ばれたのが現在のユドユノ大統領なんですが、元々の出身は軍のテクノクラートです。人口と領土だけでなく、後で詳しく述べるように、いろんな意味で東南アジアの大国であるインドネシアにおける調整能力は十分だと私は評価していました。2003年の帰国間際に当時のメガワティ大統領の次の大統領は調整大臣をしていたユドヨノ氏であると宣言していましたが、宣言の対象が私の運転手さんだったので、そんなに大した宣言ではありません。なお、私の運転手さんという表現に人道的配慮が足りないように見えますが、ジャカルタ在住当時の我が家には、私の勤め先の役所で雇われている私の通勤用の公用車を運転する運転手さんと、女房の買い物用などのために我が家が私的予算で買った自家用車を運転するために私的予算で雇っていた運転手さん、の2人の運転手さんがいましたので、それを区別するための表現ですので、ご容赦下さい。
再び、閑話休題
私は現在のユドヨノ大統領に調整能力があると評価していましたが、インドネシア政府に欠けているのは実行力を伴った強いリーダーシップだったのかもしれません。今日のファイナンシャル・タイムズでも、ジャカルタにある外資系銀行の幹部の発言として、政策そのものはいいのだが、それをimplementationすることが重要である、との記事を見受けました。私がジャカルタにいた時にも、同じような文脈で、enforcementが重要といわれていたものです。つまり、法律や何らかのシステムは表向きはキチンと出来上がっているんですが、実際に、それらのシステムが実行されず、絵に描いた餅に終わっているのがインドネシアの憂うべき現状なのかもしれません。

先に書いたように、インドネシア東南アジアの大国だと私は考えています。少なくとも、第2次大戦直後から1960年代くらいまでは大国であったと考えられます。戦争終了直後に非同盟諸国によるバンドン会議を主催したり、1967年8月に結成されたASEANの本部をジャカルタに誘致するのに成功したりしました。今でも、昔シーレンと呼ばれた中東から日本・中国・韓国へ原油を運ぶのに、とても重要な地政学的な位置を占めています。地政学的な位置というなら、日本などの北東アジアのシーレーンだけでなく、ある意味、オーストラリアも首根っこを押さえられているといえます。ですから、インドネシアとオーストラリアはとても仲が悪いです。いうまでもなく、人口の多さや領土の広さからいえば、インドネシアは世界有数の大きなサイズの国です。海洋国家であるとともに、石油を産出し、東南アジアで唯一のOPEC加盟国でもあります。もっとも、2004年に原油の純輸入国になりましたので、最近の原油高にはそれなりのダメージがあるようです。
日本にいれば、経済的にはBRICs、政治外交的には圧倒的なサイズの中国が近隣に控えていることから忘れられがちですが、我が家が3年間住んでいたからだけでなく、サイズの面からも、地政学的な意味からも、東南アジアの大国インドネシアがこれから進む方向が私には気にかかります。
今日のブログは無理やりに海外生活の思い出の日記にしておきます。

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