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2006年10月26日 (木)

格差の是正と教育再生

日本ハムが日本シリーズを制しました。おめでとう、新庄選手。
それはさて置き、教育再生会議が開始され、本格的に教育再生について議論されているようです。私は格差是正の観点から教育はとても重要だと考えています。しかし、格差の問題がとても大雑把にしか議論されていないので、今夜のエントリーでは、私が重要と考える観点から整理しておきたいと思います。
まず、教育再生の観点からは、大都市圏と地方圏の格差については、私の方で整理し切れていないこともあり、少し脇に置いておきます。申し訳ありません。私の方で地域間格差について考えがまとまれば、そのうちに、エントリーをアップしたいと思います。
地方間格差を別にして、所得格差では世代内格差と世代間格差をきちんと認識することが重要だと私は考えています。英語にすれば、intra-generationとinter-generationの格差です。世代内格差は1人の人が生きている間に、格差的ないい方をすれば、個人の生涯において低所得の階層と高所得の階層の間での移動可能性があるかどうか、別のいい方をすれば再チャレンジが可能かどうか、が問題になります。もちろん、低所得者層の底上げとして、適切なマクロ経済政策による経済成長の実現が重要なんですが、今夜のエントリーでは所得階層間の移動性を取り上げているので、経済成長については、取りあえず、置いておきたいと思います。それから、世代間格差は世代を経て格差が解消されるかどうか、あるいは、親の所得階層と子供の所得階層の間に移動可能性があるかどうか、が問題となります。直感的に理解できるように、後者の世代間格差の解消のためには教育が大きな役割を果たします。
さらに、格差の固定化が問題となる場合でも、世代内格差と世代間格差をきちんと理解する必要があります。世代内格差で格差を固定化しないためには、再チャレンジなどで高所得者になることが出来たり、フリーターやニートから正社員に登用される道を用意することが必要です。個人のレベルでの所得階層間での移動可能性を高めることが必要になるわけです。すなわち、職業訓練などを別にすれば、個人の努力企業や職場の体制の問題なんですが、世代間格差を是正するためには、低所得の親に生まれても高学歴を得られるような柔軟な教育システムが必要になります。少し前までは、これが国立大学というシステムで維持されており、学費を低く抑えながら高等教育を受けられるようになっていましたが、最近では、親の所得が高くなければ、逆に、いい大学に行けないようになってしまっています。これは、公教育の公立中等教育機関のレベルが落ちて、それなりの追加費用を要する付加的な教育を付与しなければならなくなったからです。これを子供の努力で対応するのはムリがある可能性が高いです。
また、格差については年齢とともに広がるのは当然です。生まれたばかりの赤ちゃんには遺伝的な要素を別にすれば、ほとんど格差はないといえますが、高齢者ではそれまでに歩んできた人生に従って、それなりに格差が大きいのが当然ともいえます。ですから、そんなに格差の広がっていない段階で、公教育のレベルを上げて、世代間格差を解消するような議論が教育再生には必要だと私は考えています。

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