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2006年10月13日 (金)

格差是正に関する雑感

今週から国会の衆議院予算委員会などで本格的な論戦が開始されました。
もちろん、安倍総理大臣の訪中・訪韓北朝鮮の核実験に関する質疑が多いような気がしますが、経済的な議論では格差問題が取り上げられているようで、私は注目しています。安倍総理とともに柳沢厚生労働大臣などが答弁に立っています。
格差といえば所得格差なんですが、2つのタイプの格差があるように見受けられます。ひとつめは職業や職種の間における格差です。正社員とフリーターの格差といってもいいかもしれません。もうひとつは地域間の格差です。東京に代表される大都市圏と地方圏の格差といえます。安倍総理なんかは前者の格差是正のために再チャレンジを主張しているようです。しかし、後者の格差是正は決め手に欠けるように見受けられます。
私は、今世紀に入って、小泉政権下で格差が広がったと実感されるようになった最大の原因はデフレ下のゼロ成長・低成長にあると考えています。すなわち、ニートやフリーターなんかもそうなんですが、低所得者層の所得の伸びがほとんどなかったことが格差を実感させる大きな原因であると考えています。ここでのポイントは、実際に格差が広がったことよりも、格差が実感されて問題視されるようになったことです。ですから、この低所得者層の底上げを図ることが重要なわけです。他方、福利厚生なんかも含めた正社員のコストが高過ぎるのも事実なんだろうと思います。
日本では新卒で採用した上で長期雇用を前提としたオンザジョブでの企業内トレーニング(OJT)を行う雇用システムが確立されていて、年金や医療保険などもこれに添う形で制度設計がなされていることから、デフレ期にこのシステムに入れなかった集団がニートやフリーターを形成しているのではないかと私は考えています。ですから、働く気がないとか、能力がないとかいって、ニートやフリーター自身の問題と捉えるのは少し間違っていると、私は思っています。ニートやフリーターなんかは、新卒期に不況やデフレによる超氷河期なんて称された就職難に直面して就職しそびれて、その後のオンザジョブトレーニング(OJT)なんかも受けられなかった、いわば、恵まれない集団なのだろうと思います。これらの集団に何らかの再チャレンジを可能にするような政策を立案することは、少子高齢化で労働力人口が減少する中でとても重要を考えられます。これを財政再建をにらみながら、ミクロの再チャレンジとマクロの高成長で実現しようとするのは経済政策的には正しい方向といえます。ただし、財政再建をにらむ必要があるわけですから、いわゆるバラマキ的な財政出動になるのは逆効果になる恐れすらあります。
もっと難しいのは東京をはじめとする大都市圏と地方圏の格差の問題です。金融業などのサービス産業は大都市圏立地に経済合理性が認められる場合があるとしても、基本的には、製造業配置はそれほどでもないわけですから、製造業立地の問題と考えられるんですが、現時点では、製造業が地方圏を飛び越える形で外国まで広がりを見せており、この流れは止まりそうもありません。
従来より、私はインフラ整備のための公共事業を地域間格差是正に割り当てる政策割当てを批判しています。資金は地方に流れるかもしれませんが、正社員的な職が地方にもたらされるわけでもありません。資金だけでなく、職を地方にもたらし、大都市圏に集積した人が地方にUターンやIターンするような政策が必要だと思っています。

何となく、まとまりに欠けますが、国会論戦を通じて私が得た格差問題に関する雑感です。

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