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2006年10月 2日 (月)

ダウンロードとアップロード

ここ1-2年でインターネットの使い方が大きく変化しているように思います。今世紀初めころまで、私のような一般庶民はインターネットを閲覧するだけで、自分からコンテンツをインターネット上に持つことはありませんでした。唯一の例外がメールで、インターネットから何かをダウンロードするだけでなく、インターネットの流れに何らかの情報を送り込んでいたのはメールの送信だけでした。もちろん、メールは一般にオープンな情報をアップロードしているわけではなく、あくまで特定の送信先に対するクローズな情報のアップロードです。
我が家では2002年の暮れあたりからホームページを運営しています。もともとは、ジャカルタ在住だったために、京都の両親に孫の写真を届ける代わりにホームページにアップロードしていたんですが、帰国直後に父親が往生したにもかかわらず、今でも、独自ドメインを取得して手広く子供達の画像を公開しています。その後、2004年に始まったmixiやGREEなどのSNSにはいち早く登録し、2005年にはブログを始め、今年2006年はYouTubeにも登録してジャカルタのころの子供の動画をアップロードしたりしています。来年も新たなアップロードのチャンスがあるのではないかと期待しています。
私は市場経済の枠組みの中で、昨年10月17日のエントリーでも取り上げたように、インターネット資源が希少性に欠けるため、ほぼ無料でインターネット資源を利用できることになり、ダウンロードに取って代わってではないにしても、アップロードが一般ユーザにも開放されたんだと考えていますが、トフラー夫妻のようにprosumer=生産消費者として、市場経済に対してフリーランチを提供していると考える向きもあります。正直なところ、トフラー夫妻の生産消費者のような概念を持ち出さなくても、伝統的な市場経済の枠組みの中で、私のように単なる希少性の欠如の問題と捉えても、何ら不都合はないように見受けられます。というか、少なくとも、生産消費者の出現により、市場が失敗しているとは考えられませんから、伝統的な市場メカニズムは健在であると考える方が自然だと思っています。
他方で、伝統的な商品がインターネットに一般ユーザがアップロードすることにより、大きく希少性を損なわれている例も散見されます。典型的には百科事典です。私が小さいころは京都の我が家に百科事典がありました。そのころ売り出された新しいタイプで、ハードカバーではなくペーパーバックの百科事典でした。しかし、青山の我が家には百科事典はありません。私は何か調べものがあると、ウィキペディアを検索します。ウィキペディアのメインページによると、現在、ウィキペディア日本語版には約266,461本の記事があるそうです。よく知られているように、ウィキペディアは誰でも記事を投稿したり編集したりすることが出来ます。ですから、インテリアとして見栄えはいいものの、高価で場所を取る百科事典は不要になりました。せいぜい、図書館に行って調べれば済むと考えられます。トフラー夫妻のいうところの生産消費者の一群がウィキペディアを作り上げ、今まで、百科辞典を執筆・編集して、その後、印刷製本し販売するリソースが開放されていると考えることが出来ます。私のように伝統的に考えれば、今まで百科辞典を執筆・編集・印刷・製本・販売するスキルは希少性が高かったが、インターネットの発達した現在では希少性が大きく欠如してしまったと考えることも可能です。
もちろん、一般ユーザと共存しているものもたくさんあります。我が家は子供達の写真を2000枚近くホームページにアップロードしていますが、引き続き、芸術としての写真の価値は大いに認めているつもりです。今年1月20日にはそういった趣旨のエントリーを書いたりしています。親バカで自己満足のために子供達の写真を撮ってホームページにアップロードするのと、被写体に対する深い洞察力に基づいてその被写体の真実の姿を明らかにするために写真を撮り発表するのとは、明らかに写真の果たす役割が異なると考えています。

などと、一部にエコノミストの視点も入れつつ、先週の秋のブログ3部作に続いて、芸術の秋っぽい終わり方のエントリーを書いて、引き続き、親バカの観点から子供達の写真を撮って、インターネットにアップロードし続ける私です。
今夜のエントリーは無理やりに経済評論の日記に分類しておきます。

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