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2006年12月 6日 (水)

来年度経済見通し

いろんな業界の知り合いのエコノミストに来年度経済見通しをお聞きしました。シンクタンクのエコノミストの他、証券会社のセルサイド、機関投資家のバイサイドなどです。おしなべて、来年年央に日本の景気は踊り場を迎えた後、世界経済の回復とともに年度後半には再び成長率を高める、とのシナリオがメインだった気がします。もちろん、中には、踊り場なしで経済成長が加速するとの意見もありましたし、逆に、踊り場からもう一歩踏み込んで、ピーク・ボトムをつける、との意見もありましたが、中心的な見通しは、来年年央に弱含んで踊り場を迎えるが、景気後退局面には入らず、年度後半は回復というカンジだったと思います。
見通しに強弱があるのは、ひとえに米国経済次第だからです。米国経済がソフトランディングして、来年2%半ばの成長を達成するとの前提なら、日本経済もそんなに落ち込むことはなく、米国経済が2%を割り込むようなハードランディングなら、日本経済もそれなりに落ち込む、との見通しだったような気がします。前者がメイン・シナリオのようでした。要するに、日本経済は米国次第というわけです。

メイン・シナリオに対して、景気が下振れするリスクは3点あります。第1は、日銀ががんばり過ぎて金利を大幅に上げることです。現時点では、今月中か来年明け早々にオーバーナイト・コールの金利を25ベーシス引き上げるとのシナリオが一般的でしたが、その後もがんばり過ぎて金利を引き上げるのであれば、日本経済は腰折れする確率が高まります。ただし、これは私の推測なんですが、オーバーナイト・コールを25ベーシス引き上げただけなら、実態経済に影響を与えるであろう長期金利はそんなに影響を受けずに、イールドカーブはフラット化するだろうと考えられるんですが、金利そのものではなく、為替が円高に振れることによるリスクの方が大きいような気がします。
第2は、米国経済のダウンサイドリスクです。大勢は2%台半ばでソフトランディング、とのシナリオを描いているようですが、1%台半ばのハードランディングとの意見もありますし、私なんかは1%近傍までの下振れリスクまでありえると思っています。私の考える1%近傍ということは、四半期別で見るとゼロ成長の期がありえる、ということです。でも、早ければ、春先にもFEDが利下げに転ずるでしょうから、本格的に米国経済がリセッションに陥るリスクは小さいと考えられます。
第3は、欧州経済です。欧州経済はようやくドイツが着実に景気回復を進めているんですが、これがやや怪しいと私は考えています。というのは、ドイツでは来年から付加価値税率を現行の16%から19%に引き上げることを決めており、現在の景気はその駆込み需要の可能性があることです。日本でも1997年4月に消費税が3%から5%に引き上げられ、1996年末から1997年1-3月期に駆込み需要が発生して、これを誤解したどこかの大臣が「桜の咲くころには景気回復」と発言して、大恥をかいたことがあります。今では財務大臣になっていらっしゃいますが、それはともかく、2%ポイントの引上げでもあれだけの駆込み需要があったんですから、3%ポイントの引上げなら、それ相応の駆込み需要があってしかるべきだと思います。でも、多くのエコノミストは忘れているような気がしてなりません。
知り合いのエコノミストに、3点のリスクに官庁エコノミストはどう対応するのか、と聞かれたんですが、日銀は政府から独立した中央銀行ですし、米国やドイツにいたっては完全な独立した主権国家ですから、政府に勤務する官庁エコノミストとしては手の打ちようがない、と冗談で答えておきました。

長くなってしまいましたので、今夜はこれまでとしますが、明日は、昨年12月にも出したなぞなぞを出したいと思います。昨年12月のなぞなぞは12月21日になぞなぞ3題として金融政策について出しましたが、はなはだしく詰めの甘い性格が災いして、結局、結論を得られませんでした。性格なんてそんなに変わりはしませんから、今年もそうなりそうな気がしますが、今年は景気循環について、明晩になぞなぞを出したいと思います。

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