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2007年1月29日 (月)

「日本経済の進路と戦略」を読む

今日の東京は夕方に陽射しが戻るまでが厚く垂れ込めて、気温が上がりませんでした。ここ数日は暖かだったんですが、カレンダー通りに真冬に戻ったような感じでした。

先日、このブログでもチラリと取り上げましたが、政府の経済財政諮問会議「日本経済の進路と戦略」が決定されました。2011年度までの経済や財政の見通しについて、「創造と成長」が実現された高成長とそうでない低成長の2ケース、さらに、歳出削減が14.3兆円と11.4兆円の2ケースの2x2で4ケースについての試算が示されています。高成長で14.3兆円の歳出削減がなされた場合には、2011年度に国と地方を合わせた財政のプライマリー・バランスは増税なしでも黒字化する姿が描かれています。今年秋から本格化する増税論議に影響することは明らかだと思います。
私の目についた第1のポイントは、いうまでもなく、この増税なき財政再建が可能である、ということです。経済成長を高めに見積もったものあるでしょうが、今年度や来年度にはかなりの規模の税収増が見込め、先行きに対して発射台が高くなったのが大きな要因だと考えています。特に、法人税なんかで、今までは赤字で法人税を払っていなかった企業も、今後は法人税を納めるようになれば、税収の弾性値が一時的にかなり高くなる可能性は否定できません。メディアの報道なんかで税収の自然増に依存しているとの批判も目にしましたが、今後、日本経済がデフレを本格的に脱却して、それなりの税収の伸びを見込むことは不可能ではありません。メガバンクが法人税を納める前から政治献金を開始するような姿勢を見せたこともあるわけですから、現時点で、税収が飛躍的に増加する分岐点に立っている可能性はあります。
第2のポイントは、財政再建については、14.3兆円とか11.4兆円とかの歳出削減の大きさよりも、経済成長が高成長であるか低成長であるかの方が、より大きく寄与するという点です。これもある意味で、当然の結論のように見えます。十分にあり得るし、許容できる結論だと思います。
第3に、私の目から見ればなのかもしれませんが、経済成長の見通しが両極端しか示されていないような気がして、少し不安を感じないでもありません。2011年度の名目成長率3.9%について、非現実的でバラ色の未来だと否定的に評価する向きもないではありませんが、物価でムリに押し上げた姿にはなっていませんし、私はそこまでは思いません。海外要因なんかもあって、単純ではありませんが、十分に達成可能な成長見通しであると考えています。しかし、低成長ケースの2%とがあり過ぎるのも事実だと思います。私の知り合いのいる民間シンクタンクなんかでは、この中間の3%くらいを考えているところもあるようです。
第4に、もっとも望ましいケースで2011年度に国と地方を合わせた財政再建が増税なしで達成されるとしても、依然として、国のプライマリー・バランスの赤字は残ることです。もっといえば、国の赤字を地方の黒字で埋め合わせて、国と地方の合計のプライマリー・バランスが黒字となるわけで、国債残高は増え続けることになります。この国と地方のアンバランスをどのように解消するのか、についても議論する必要が出てくるような気がします。

いずれにせよ、まだ新聞なんかの活字メディアで報道されていないので、十分には承知していませんが、今日の夕刻に開催された経済財政諮問会議ではマクロ経済運営について議論されましたし、安倍内閣の経済政策がいよいよ動き出したような気がします。

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