中国発で世界同時株安?
今日も東京はいいお天気の冬晴れでした。気温も上がったんだと思うんですが、風が強くて体感気温はそんなでもありませんでした。
昨日の上海市場の下げを受けて、世界中で株価が下がっています。今日の東証の日経平均の終値は前日比515円80銭安の1万7604円12銭で、率に直すと2.85%下げたことになります。昨年6月13日には614円41銭下げていますので、この時以来の大幅な下落を記録したことになります。日経新聞のサイトから引用すると、以下の通りです。
28日の東京株式市場は全面安で、日経平均株価は今年最大の下げ幅となった。終値は前日比515円80銭(2.85%)安の1万7604円12銭で、昨年6月13日の614円41銭安以来の大幅下落。前日の海外株式相場の下落を受け、幅広い銘柄に売りが出た。世界的に経済の先行きに不透明感が広がったほか、このところの上昇で利益確定の売りが出やすかった。外国為替市場で円相場が上昇したことも売り圧力になった。
私が何らかの異変に気づいたのは昨日の夕方で、職場の上司が円相場が高くなっていると言い出し、確かめると、対ドルレートで120円を割って119円台で推移していました。よく分からなかったので、為替のマーケットは24時間オープンとはいえ、夕方から薄商いになったところで輸出業者か何かがまとまったロットのドルを売ったんではないかと、暢気に答えておきました。その時点では、円の対ユーロ相場は158円台で、ドルの独歩安と見受けられたからです。
暢気な私のことですから、今朝のニュースで中国発の世界規模での株安を知りました。でも、引き続き、暢気にしています。少し前まではやっていた英語の表現を借りると、cautious optimismと言えるかもしれません。先月1月24日付けのこのブログのエントリーでも表明したように、少なくとも、その時点までの日本の株価の上昇ピッチは早過ぎて、いずれ、何らかの要因で調整局面に入ることは私には明白だったからです。エントリーを書いた後で、2月半ばくらいから米国の株式市場も高値を連発し、こちらも調整局面を迎えることはハッキリしていました。
調整局面入りとなった要因は中国で、上海総合指数は2月27日に前日比8.8%下落しましたが、2月26日までに年初来12.6%も上昇していたことを考えると、その反動とも見受けられます。一説には、当局がマーケットでの違法行為の取締りを強化するとの噂が発端とも言われていますが、真偽はともかく、違法行為の取締りで大幅に下げたんであれば、遅かれ早かれ下がって当然です。でも、年初来で考えると、まだ余力を残しているんですから、そんなに深刻な下げとも考えられません。
中国発ですから、太陽とともに西に回って、インドやロシアなんかのエマージング市場の株価を直撃した後、ヨーロッパと米国を経由して、今朝には日本に到着したわけです。上海市場の8.8%下げに対して、日本はその1/3くらいの下げでしかありません。米国でも3.3%の下げで止まっています。さらに、今日の上海市場は少し戻したりしています。
また、株価は世界的に下げたんですが、日本国内だけを見ると、質への逃避が見られたように思います。株は下げましたが、債券は買われたからです。金利は低下しました。外国への投資が見直されて国内へ向かった可能性があり、円は増価しています。ホントの最悪であるトリプル安にはほど遠い状況です。むしろ、米国が軽いトリプル安になっていたりします。
世界的なマネーフローの変調を指摘する向きもないではないんですが、世界や日本経済のファンダメンタルズが大きく変化する見通しもありませんし、結論として、私は株式市場については1-2四半期の調整局面を経て、年後半の景気再加速を見込むと、年央か秋口くらいからもう一度上昇するとの考えを変えていません。おそらく、各種指標を総合的に見て景気サイクルと重ね合わせると、世界的には次の景気後退局面は2009年ころになると私は考えていますので、何回かの短期的な調整を経て、もう2年くらいは株価が上昇する局面が続くんではないかと思います。でも、前の米国連邦準備制度理事会(FED)議長であるグリーンスパン氏が指摘したように、米国はthe later stages of a cycleに入っていますので、一定の注意が必要であることは言うまでもありません。
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