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2007年4月24日 (火)

ストラウド著バーティミアス・シリーズ全3巻を読み終える

今日は昨日と同じようにが広がって陽射しがなく、夜になって雨が降り出しました。季節なりに気温は上がり、外を出歩いていると少し汗ばむくらいでした。

我が家のおにいちゃんと競争しているわけではないんですが、同時並行的にストラウド著になるバーティミアスのシリーズを読み進んでいます。というか、私は第3巻まで読み終わりました。おにいちゃんは女房の買った新しい本を読み、私は赤坂図書館から借りて来て読んでいます。バーティミアスのシリーズは全部で3巻あり、第1巻「サマルカンドの秘宝」、第2巻「ゴーレムの眼」、第3巻「プトレマイオスの門」の構成です。邦訳は3巻とも理論社から出版されており、翻訳は金原瑞人さんと松山美保さんです。金原教授は子供向けのファンタジーの翻訳には定評のあるところかと思います。
まず、アマゾンのサイトから各巻の要約をコピペで引用すると以下の通りです。

  • (第1巻) 舞台は、魔法使いたちが支配する、現代のロンドン。魔法修業中の少年ナサニエルは、泣き虫だけど、負けず嫌いな12歳。少年は、ベテランの妖霊バーティミアスを呼び出した。目的は、邪悪なエリート魔法使いサイモンに復讐をするため、〈サマルカンドの秘宝〉を、盗み出すということ。はたして、ヒヨッコ魔法使いのナサニエルとちょっとまぬけなバーティミアスのコンビは、〈秘宝〉を手に入れ、強敵サイモンをやっつけることができるのか?今まで誰も体験したことのない、子どもから大人まで夢中になれる新しい世界。
  • (第2巻) “サマルカンドの秘宝事件”から2年、ロンドンの街はたびかさなる爆破事件に悩まされている。魔術師の支配に抵抗するレジスタンスのしわざなのか?若きエリート魔術師となった14歳のナサニエルは、捜査にのりだした。首謀者と目されたのは不思議な力をもつ少女キティとその仲間だった。魔術師に恨みをいだく彼らは、墓地に眠る“グラッドストーンの杖”を狙っている。無策な上司にかわって“妖霊による夜間パトロール”を指揮するナサニエルだが、たよれる妖霊がいない。悩んだ末、彼はふたたび、あのバーティミアスを召喚する…。いっぽう、正体不明の凶悪な化け物が、ロンドンを破壊しはじめた。何者かが、土くれの巨人ゴーレムの目に呪文をふきこみ、復活させたのだった。
  • (第3巻) 長びく戦争と魔術師の支配に、市民の不満は高まっている。「サマルカンドの秘宝事件」「ゴーレム事件」での活躍により、ジョン・マンドレイクことナサニエルは情報大臣にまでのぼりつめた。政府の要人らしいふるまいもすっかり板についたが、あの日ゴーレムから自分を救うために死んだキティという少女のことがいつも頭をはなれない。いっぽう、ひとりロンドンに潜伏するキティは、変わり者の魔術師の屋敷で働きながら、『プトレマイオスの門』という古い本にヒントを得た“ある計画”を着々と進めていた。ナサニエルに解放してもらえないバーティミアスの成分はもうぼろぼろ。古い友人との思い出をなつかしむ日々だ。そんなある日、初めての相手に召喚された。ペンタクルに立っていた人物はなんと―。この展開、このラスト、この感動…史上最強ファンタジー3部作ここに完結。

これだけで長くなってしまいました。なお、今夜のエントリーはネタバレがあるかもしれません。読み進む方はご注意下さい。
第3巻最後の「訳者あとがき」に金原教授は、「だらだら続編が続くことはまずありえない (たぶん)」と書いていますが、私は疑わしいと思います。著者は続編に未練を残しているように思われてなりません。でなければ、キティにプトレマイオスの門を永遠に閉めさせるのではないかと思うからです。プトレマイオスの門が閉まることにより、この物語は終わりそうな気がします。第3巻最後でヌーダが死んだのかどうか、ナサニエルが生きているのかどうかも不明です。
私は子供向けのファンタジーとしては一級品だと思います。私のような中年のオッサンでも各巻の最後の方は一気に読みたい衝動に駆られたりします。それでも、いくつか物足りない部分があります。少し辛口の批評になってしまうかもしれませんが、とってもオススメ出来る作品であることを前提に、以下の読書感想文をお読み下さい。また、どうしても、比較の対象として、ローリング女史のハリー・ポッターのシリーズと比べている部分もあります。単独の作品として読むべきなのかもしれませんが、これもご容赦下さい。
まず、このシリーズは三人称で書いている部分と主人公のバーティミアスの一人称で書いている部分とがあり、小学生も高学年くらいにならないと、少し難しいかもしれません。我が家のおにいちゃんくらいになると、バーティミアスが一人称で書いている部分には、バーティミアス自身が欄外に面白おかしい注釈を入れていたりするので、それはそれなりに楽しんでいたりします。主人公のバーティミアスが悪魔=妖霊なもんですから、人間だけでコトが進むような場面もあって、すべてのシーンに登場するわけにもいかないので、仕方のない面はあるものの、でも、読み難いことは確かです。
それから、現実とファンタジーがちゃんと区別がつくくらいの年齢に達するまで、難しいような気がします。一例を上げると、英国の名宰相であるグラッドストーンが登場するんですが、これは明らかに実在の人物です。でも、物語ではとっても優秀な魔術師として大英帝国を支配したように描かれています。プラハを攻めたりもしています。我が家のおにいちゃんには解説をしていたりしますが、親の解説なしに小学生が読めば、もう少し大きくなって世界史なんかを習ったりする時に混乱しそうな気がしないでもありません。徹頭徹尾、フィクションで固めているハリー・ポッター・シリーズと比べて構成力に差があると感じました。
最後に、先週4月15日のエントリーでも指摘したんですが、バーティミアスに次ぐ準主人公のナサニエルやキティがローティーンからハイティーンのころの物語なんですが、ハリー・ポッターがホグワーツという学校に通って、寮生活を送り、ロンやハーマイオニなどの友人、あるいは、ダンブルドア校長やマクゴナガル副校長やハグリッドなどの先生、その他の仲間との交流や協力して問題解決に当たるような、この年代特有の学校や家庭、あるいは、寮なんかの生活の基盤というものがありません。人間と悪魔=妖霊の交流の頂点としてプトレマイオスが配置されているんですが、説得力に欠けると思います。

最初に書いたように、少し辛口の批評になってしまいましたが、世界のベストセラーなんでしょうし、とってもオススメできるファンタジーなんでしょう。でも、子供さんに与える場合、出来ることであれば、親といっしょに読み進む方がいいのかもしれません。

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