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2007年4月 2日 (月)

日銀短観から金融政策の先行きをどう読むか?

今日はが広がり、陽射しのない分だけ気温も上がりませんでした。でも、4月に入ったこともあり、さすがに、コートを着て通勤する人の割合は大きく下がったようです。

今日は3月調査の日銀短観が発表されました。ヘッドラインの業況判断DIが、大企業製造業で+23、大企業非製造業で+22、中小企業製造業で+8、中小企業非製造業で-6と、ほぼマーケットの事前予想通りで、特にサプライズはありませんでした。また、雇用判断DIは大企業製造業を中心に、引き続き不足感が強い結果となっています。夕刊各紙で報道されていると思いますが、NIKKEI.NETのサイトから引用すると以下の通りです。

日銀が2日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス23となり、前回の12月調査より2ポイント低下した。悪化は4・四半期ぶり。米景気の先行き不透明感や円高の進行を受け、輸出関連業種を中心に景況感が下ぶれした。ただ、設備投資や雇用は増勢を続けており、景気はなお持続力を保ちそうだ。
企業の業況判断指数は景況感を「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値。景気への影響が大きい大企業製造業の指数は2006年6月調査から改善を続けていた。
大企業製造業の景況感が悪化したのは、米景気の先行き不透明感が強まったことが背景とみられる。今回の調査期間は2月23日から3月30日まで。ちょうど中国上海株の急落をきっかけに世界連鎖株安が起き、円相場も一時1ドル=115円台まで上昇した時期にあたる。

ヘッドラインの業況判断DIを見ると、大企業非製造業を除いて悪化したんですが、引用にもある通り、調査期間において円高や株安が進み、さらに、その背景として米国経済の先行き不透明感などがあったのではないかと考えられます。ですから、この業況判断DIからそのまま景気減速を読み取れるとは私は考えていません。
細かい点にわたるかもしれませんが、私が注目したのは大きく分けて2点あります。第1は、設備投資に対する意欲がまだまだ強いことです。さすがに、中小企業のマイナス幅が大きくて、全規模全産業では2007年度の設備投資計画は前年度比-0.3%となりましたが、大企業が前年度比+2.9%で中堅企業+3.0%ですから、過去の景気拡大局面と比較すると高水準であると言えます。特に大企業は、年度計画のスタートに当たるこの時期の調査としてはかなり高い水準と考えられます。知り合いのエコノミストが送ってくれたニューズレターによると、バブル期以降の最高水準だそうです。雇用判断DIで見て不足感が強まったことから、生産要素間の代替が生じて、設備投資に積極的な企業が増えているような気がします。
第2に、設備投資計画に比べて、売上高・収益計画が控えめに見えます。2007年度の売上高計画と経常利益計画はともに+1.6%となっています。経常利益計画なんかは1997年度から始まった新しい統計なので、バブル期なんかとの比較は出来ませんが、それにしても、設備投資計画と重ね合わせるとやや低い気がします。ひとつの要因として、私は価格判断DIを注視しています。価格判断DIを見ると、先行き弱含んで行くとの見通しを持っている企業が多いようです。販売価格が上昇せずに、利益も期待出来ない形になっているようです。

以上の通り、単純に今日発表の日銀短観を読んでキーワードを並べると、雇用の不足感が高まることに対しては設備投資で対応し、販売価格が上昇しないことから物価の安定が続くように見えるんですが、前者を重視して雇用の不足感から賃金上昇の可能性を言い立てれば金利引上げになりますし、後者の物価安定を考慮すれば金利引上げは必要ないとも読めます。でも、総合すれば、雇用不足感から来ているとは言え、収益性の低い設備投資をサポートしかねない低金利は、回りまわって賃金上昇を抑える形になっている可能性があることから、金融の正常化プロセスは続けるべきである、との結論に日銀が達しそうな気がします。そうなれば、中小企業へのダメージがありそうな気がしないでもありません。

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