バチェレ・チリ大統領の来日
今日は、朝からいいお天気だったんですが、昼過ぎから雲が広がり、夕方には通り雨がありました。気温は昨日より上がって、9月に入ってから上がり続けているような気がしないでもありません。雨は台風9号の影響が出始めているのかもしれません。
毎年11月に開催されるAPEC首脳会議が、今年は今週末にオーストラリアのシドニーで開催されるので、そのついでと言っては何ですが、チリのバチェレ大統領が来日し、安倍総理大臣と首脳会談を行いました。今日の朝刊各紙にそれなりの記事があったんですが、WEBサイトには見当たりませんでしたので、時事通信のサイトから引用すると以下の通りです。
安倍晋三首相は3日午後、来日中のバチェレ・チリ大統領と首相官邸で会談した。大統領は、2050年までに世界の温室効果ガス排出量を半減させる首相の「美しい星50」構想への支持を表明。両首脳は気候変動問題での協力を強化することで一致した。
会談で首相は「温暖化は地球全体で取り組む問題だ。(13年以降の)『ポスト京都議定書』の実効的枠組みづくりで協力していきたい」と述べた。これに対し、大統領は「気候変動は未来でなく現在の問題。熱心に取り組んでいきたい」と応じた。
朝刊各紙には経済連携協定のことなんかも取り上げられていたんですが、時事通信では気候変動問題がクローズアップされているようです。私が外交官として在チリ大使館に勤務していた10年余り前も今も、たぶん、日本とチリの間には何の懸案もなさそうですから、友好的な首脳会談だったんだろうと思います。
私がチリに駐在していたのは1990年代前半で、悪名高きピノチェット軍事独裁政権から民政移管された初代のエイルウィン元大統領とその次のフレイ元大統領のころでした。反ピノチェット派がキリスト教民主党と社会党を中心にコンセルタシオンという名の与党連合を組んでいました。エイルウィン元大統領とフレイ元大統領はキリスト教民主党だったんですが、その後、社会党系のロゴス前大統領と現在のバチェレ大統領に引き継がれています。自慢話なんですが、私は当時のエイルウィン大統領には着任早々の日本大使の信任状奉呈式に出席した大統領官邸で、また、フレイ元大統領には大統領就任直前の休暇中にゴルフ場で、それぞれ、お会いして親しくお話ししたことがあります。
私の在チリ大使館在任中も、当時のエイルウィン大統領が来日しました。外交上の慣例なんだと思うんですが、日本大使もチリ大統領に帯同して日本に帰国します。今回もそうなんだろうと思います。逆に、大使が何ら連絡なしに任国を離れて帰国すると、国際法上、宣戦布告をしたのと同じ効果があり、交戦状態に入ったと見なされると聞いたことがあります。私は国際公法にはまったく詳しくないので、ホントかウソか知りませんが、何となく、ホントかもしれないと思って聞いたことを記憶しています。誰から聞いたのかは忘れました。
今でもそうなんでしょうが、私がいた当時のチリは日本から見れば小さな国で、貿易取引のあるメーカーさんなんかも、まだまだ商社を通すことが少なくなく、自動車会社なんかは取引のある商社の方が自動車メーカーの名前で現地法人を仕切っていました。ブラジルなんかと違って移民がほとんどいませんでしたから、日本人社会は駐在員が多数を占め、大使館の経済アタッシェをしていた私は、現地法人の社長さんや駐在員事務所の所長さんなんかとは、ほとんど顔見知りだったりしました。
ジャカルタでは女房子供と家族で生活していましたが、サンティアゴ駐在は結婚する前の独身時代でしたので、何となく、若いころの青春の続きのような、また、外交官でもありましたので、それなりに華やかな生活を送っていましたから、ジャカルタとは違った意味で懐かしい思い出があります。
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