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2008年1月27日 (日)

インドネシアのスハルト元大統領が死去

テレビのニュースで知りましたが、インドネシアのスハルト元大統領が死去しました。86歳だったそうです。長くなりますが、取り急ぎ、いつもの asahi.com のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

インドネシアで32年にわたる長期政権を担ったスハルト元大統領が27日、ジャカルタ市内の病院で多臓器不全のため死去した。86歳だった。東西冷戦下、経済発展と安定をもたらして「開発の父」と称賛されたが、共産党弾圧など力による支配から独裁者とも呼ばれた。民主化要求の高まりで98年に辞任に追い込まれ、不正や圧政の責任追及を受けたが、健康悪化を理由に刑事裁判は打ち切られていた。
スハルト氏は昨年暮れから全身がむくんで血圧が低下し、今年1月4日に入院。肺に浮腫がたまるなどして症状が悪化、多臓器不全に陥った。一進一退を繰り返し、一時快方に向かったが、27日午前に容体が急変。午後1時すぎに亡くなった。
遺体は28日、一族の墓地があるジャワ島中部のソロに搬送され、葬儀が営まれる。インドネシア政府は27日から1週間、喪に服するよう国民に呼びかけた。葬儀委員長に就くユドヨノ大統領は会見で「国家に貢献した偉大なリーダーだった。深い哀悼の意をささげたい」と語った。
21年6月、中部ジャワ生まれ。日本軍政下で郷土防衛義勇軍に加わり、第2次世界大戦後は対オランダ独立戦争で名を上げた。65年、スカルノ政権下で起きた共産党系将校によるクーデター未遂事件(9・30事件)鎮圧を機に、実権を掌握。共産党弾圧の犠牲者は数十万人規模とも言われる。
68年3月に第2代大統領に就任。旧ソ連・中国寄りだったスカルノ外交から、外資導入と外国の援助による経済開発路線に転換し、日本や米国など西側諸国に傾斜した。東南アジア諸国連合(ASEAN)では指導的な役割を果たした。
しかし、家族や取り巻きを重用する縁故主義が目立ち始め、98年の公共料金値上げをきっかけに国民の不満が噴出。同年5月に辞任に追い込まれた。
その後、世論は在任中の不正を追及。最高検は07年7月、計約14億ドル(約1500億円)の不正蓄財の返還と損害賠償を求める民事訴訟を起こし、今も係争中だ。

私は前世紀の末から3年間にわたって、家族とともにジャカルタに赴任していました。インドネシア政府の官庁で計量経済モデルの技術協力に携わっていました。ですから、独身時代に大使館に勤務していたチリとともにインドネシアは親しみのある国です。チリとインドネシアの共通点はもうひとつあって、少し前の指導者の評価が分かれることです。チリでは一昨年2006年12月11日のエントリーでも取り上げたピノチェット元大統領ですし、インドネシアでは今日の午後に死去したスハルト元大統領です。
もっと言えば、インドネシアには第2次大戦後に2人の父がいて、上の記事の引用にもある通り、スハルト元大統領は「開発の父」、そして、独立の英雄であり初代大統領のスカルノ元大統領は「建国の父」です。現在のユドヨノ大統領の前のメガワティ前大統領はスカルノ初代大統領の長女です。どんどんスハルト元大統領から離れて行きますが、ご存じの通り、デビ夫人はスカルノ初代大統領の第3夫人です。ついつい、スカルノ元大統領の縁故者を書き連ねてしまいましたが、スハルト元大統領とともにスカルノ元大統領も立場や時期により評価が分かれるだろうと思います。軍出身の現在のユドヨノ大統領なんかからすれば、引用にもある通り、スハルト元大統領は「国家に貢献した偉大なリーダー」とも言えますし、逆の立場からすれば、別の評価があり得ます。これはスカルノ元大統領についても同じことが言えます。第2次大戦終了直後の世界的に共産党が勢力を伸ばした時期に、インドネシア共産党と国軍とのバランスを巧みな政治感覚で調整したスカルノ元大統領に対して、スハルト元大統領は圧倒的な軍事的実力を背景に、反共・親米路線をひた走って経済開発に成功しながらも、縁故主義に傾いたり不正蓄財疑惑を追及される中で、アジア通貨危機を契機とするインドネシアの経済的混乱により、やや不名誉な退陣を余儀なくされました。このあたりは名誉ある退陣を果たしたチリのピノチェット将軍とは大きく違います。どちらも、私は同時代人に近いんでしょうが、もう少し時間を経て歴史が評価を明らかにするんではないかと思います。

いずれにせよ、2006年12月11日のエントリーでピノチェット将軍の死を取り上げたエントリーと同じ最後なんですが、ひとつの時代が終わったと私は受け止めています。前例に従って、海外生活の思い出の日記に分類しておきます。

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