明後日に発表される2007年10-12月期のGDP成長率予想
今日は、朝から小雨が降る寒いお天気でした。少し前まではまたしても雪ではないかと言われていましたが、結局、雨になりました。夕方に止みました。昨日や一昨日ほど気温は上がらず寒かったです。
明後日の14日に内閣府から昨年2007年10-12月期のGDP統計が発表されます。我が業界で1次QEと呼ばれている指標です。今夜のエントリーはこの1次QEについての予想です。もっとも、政府経済見通しがあるにもかかわらず、私が独自の予想を出すわけにもいきませんし、いろんなシンクタンクのエコノミストの予想をサーベイしたいと思います。なお、こういった情報は同業者からニューズレターの形で送られて来る場合も多いんですが、証券会社のエコノミストなどからのレポートは営業用ですから対象者限定でいただくものもありますので、今回は、WEB サイトにオープンな形式で発表されているシンクタンクのレポートについて以下の通り取りまとめてみました。基本的に、私の独断でそこそこ有名な機関を中心にピックアップし、順不同なんですが、成長率見通しの低い順に並べてあります。ヘッドラインは私の見たレポートからキャッチコピー的なものを、これまた私の独断で選んでいます。私のブログですから管理者の特権です。なお、詳細にご興味ある方は左側の機関名をクリックすれば、リンクが切れていなければ pdf 形式のレポートがダウンロード出来ると思います。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
日本総研 | 0.1% (0.4%) | 内需減少により成長率が大幅に鈍化 |
みずほ総研 | 0.2% (0.8%) | 10-12月期も外需中心の成長に |
大和総研 | n.a. (1.1%) | n.a. |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 0.4% (1.7%) | 2四半期連続のプラス成長 |
ニッセイ基礎研 | 0.4% (1.8%) | 2四半期連続で外需依存の成長 |
第一生命経済研 | 0.7% (2.7%) | 外需主導で潜在成長率を上回る見込み |
私の記憶が正しければ、最新の住宅着工統計を見るまでは、ニッセイ基礎研と日本総研は2007年10-12月期はマイナス成長を考えていたように覚えているんですが、建築基準法改正による住宅着工統計のマイナスも峠を超えた気もしますので、少なくとも、私がレポートを見た範囲の有力なシンクタンクは押並べてプラスの成長を予想しているようです。でも、潜在成長率近傍かそれ以下のところが多い印象です。こうして並べると、潜在成長率を大きく上回る第一生命経済研の数字は、少なくとも、私にはやや突飛な印象です。また、私はまだマイナス成長の可能性は残っていると思います。しかし、今週発表の1次QEの段階ではプラスなのかもしれません。マイナスがあり得るとすれば、法人統計の発表後の2次QEのような気がしないでもありません。最後に、キャッチコピー的なヘッドラインでは内需の減少や外需主導の成長が目立っているように思います。
需要項目別には、個人消費が緩やかながらも着実に増加し、年率で1%に届くか届かないかの水準ながら、国内需要の中心となるようです。住宅投資は建築基準法改正の影響から、10-12月期でもまだ大幅なマイナスを続ける可能性が高いと見られています。私が見た範囲で見方が別れているのは設備投資で、日銀短観や政策投資銀行のアンケートなどから、そろそろ今年度の設備投資計画を着実に実行に移す時期が来ていることもあり、ポンとスパイクするような形で設備投資が増えると見ているシンクタンクと建築基準法改正が工場の建て屋にも影響し、やや弱含むと見ている機関もあるようです。特に、潜在成長率を超える見通しを出している第一生命経済研は設備投資の伸び率が他機関に比べて突出しているように感じます。外需は米国経済の減速からの影響もまだラグの範囲内ですし、アジア向け輸出が堅調な一方で、日本国内の内需の減速から輸入の伸びが鈍化していますから、寄与度で見てかなりのプラスと考えられています。これはどのシンクタンクにも共通していようです。
昨年4-6月期の1次QEから2次QEへのスウィングを見ている範囲では、1次QEの信頼性を損ねた気がしないでもありませんが、それにしても、景気を統計の上から判断するベストの指標であることは間違いありませんので、エコノミストとしては明後日発表の1次QEの数字が気にかかるところです。
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