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2008年4月30日 (水)

3月の鉱工業生産指数速報をどう見るか?

今日も、スッキリと晴れ上がっていいお天気でした。午前中のうちに気温は20度を超えたようです。午後からはさらに気温が上がって、春の陽気から初夏の気候に向かっているように感じます。

鉱工業生産指数の推移

本日、主要な経済の動きが3点ありました。日銀が金融政策決定会合を開催して、いわゆる「展望リポート」が発表されたことです。今年度の成長率見通しがかなり下方修正されました。統計では3月の雇用統計が発表されました。完全失業率が前月から0.1%ポイント改善して3.8%となったのに対して、有効求人倍率は0.02悪化して0.95倍となりました。このブログでは鉱工業生産指数の3月速報値が経済産業省から発表されましたので、これを取り上げたいと思います。ヘッドラインの季節調整済みの前月比は▲3.1%減と、市場のコンセンサスであった▲0.7-0.8%減を大きく下回り、ちょっとしたネガティブ・サプライズでした。上のグラフの少し太めの実線が直近で大きく下に向かっているのが読み取れると思います。出荷も▲3.9%減で、在庫率は+6.7%増と意図せぬ後ろ向きの在庫が積みあがった格好です。まず、いつもの NIKKEI.NET のサイトからヘッドラインの統計に関する記事の最初のパラだけを引用すると以下の通りです。

経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産動向(速報)によると、生産指数(2005年=100、季節調整済み)は106.8と前月に比べ3.1%低下した。輸送機械工業、一般機械工業、金属製品工業の低下が響き、前月比で2003年以降最大の下げ幅となった。ただ、予測調査では4月の低下後、5月は上昇を見込んでいることから、経産省は基調判断を「横ばい傾向」で据え置いた。

引用した記事にも言及がありますが、4月の予測指数は▲0.3%減、5月は+3.4%増となっていますから、単純に6月が5月の横ばいと仮定すると、1-3月期の実績の▲0.6%減に続いて、4-6月期は+0.4%増となります。そういう趣旨もあって基調判断は横ばいで据え置かれたんでしょうが、景気減速期には実績が予測指数を下回る確率が十分あり、4-6月期も鉱工業生産がマイナスを続ける可能性を排除できません。そうすると、少し前までの景気に対する見方が大きく変化します。このブログにおいても、4月17日付けのエントリーで鉱工業生産指数を取り上げた際はもちろんのこと、4月23日付けのエントリーで貿易統計を取り上げた際にも、景気は10-12月期がピークで足元では景気後退に入っているとの仮説は棄却される可能性が高いと書きましたが、やっぱり、景気は10-12月期がピークで足元ですでに景気後退に入っている可能性が高まったとも考えられます。私の知り合いで、この鉱工業生産指数統計を受けて「元の木阿弥」と題するリポートを送ってくれたエコノミストもいます。
3月速報を業種別に中身を詳しく見ると、素材関連の産業では、2月の大幅増の反動で鉄鋼は前月比▲0.2.%減でしたが、石油・石炭が+3.4%増、紙パが+1.0%増、窯業・土石が+0.2%増となって、底堅く推移しているのに対して、輸送用機械、一般機械等、加工組立型の主力輸出セクターの低下が目立っています。例えば、普通乗用車が▲3.4%減、小型乗用車が▲7.0%減、内燃機関が▲6.6%減、蒸気タービンが▲52.4%減、電子玩具が▲33.9%減などが代表例で、唯一、電子部品デバイスが+2.0%増だったんですが、4月予測指数は▲7.5%減となっており、評価は難しいところです。輸出から生産が鈍化しているのであれば、景気判断としては下向きにならざるを得ません。我が国の景気は瀬戸際に立たされているといえましょう。

景気判断に関して、今後の焦点は輸出動向ではないかと私は考えています。財務省のホームページでは4月上中旬の貿易統計は5月9日ころ、4月全体は5月22日ころとなっていますが、貿易統計次第では一気に景気後退懸念が高まる可能性があるんではないかと思います。

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