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2008年5月 8日 (木)

昨夜の東京ドーム巨人戦7回ウラの出来事についての感想

今日も、少し雲が多いものの、朝から五月晴れで気温も上がりました。夕方からさらに雲が広がったような気がします。お天気は下り坂で、この週末には雨が降るとの天気予報です

昨夜の東京ドームでの巨人戦7回ウラの出来事、すなわち、 YouTube のサイトから引用した上のビデオの場面に関してネット上、特に、2ちゃんねるなんかで盛り上がっているようです。おそらく、巨人ファンなんだろうと思いますが、ラミレス選手のホームラン性の当たりを阪神ファンがはたき落としたとかで、憤慨する書込みが多いように見受けました。阪神ファンの反応はさまざまで、言語道断の行為として「阪神ファンとして恥ずかしい」とする意見もあれば、まあ、言葉はともかく、「よくやった」的な論調も見受けられます。今朝のスポーツ紙でも、「神の手」などの活字が躍っており、ラミレス選手の打球はホームランであったとする論調が多いような気がします。
まず、前提として、私のこのブログでは上のビデオを見ても、事実関係については確認しようがありませんが、ホームラン性の打球であったことと、阪神ファンに見える観客がはたき落としたことの2点については、事実確認は断定できないものの、限りなくクロに近いグレーだという気がします。この前提で、2点指摘したいと思います。第1に、これは観客の問題ではなく審判の判定の問題だということです。第2に、従って、事実関係は断定しないものの、疑問のある判定に対するチーム力が勝負の分かれ目となります。以下に詳しく展開します。
第1に、昨夜のように、伝統の一戦と呼ばれる阪神・巨人戦で、かなりの接戦でしたから、興奮した観客があのような行為に及んでも責めるべきではないと私は考えます。明らかに、観客性から飛び出してプレーを妨害したとか、グランドに物を投げ込んだとかであればともかく、あの程度の行為で観客を責めるのは酷だと思います。もちろん、アノ観客に100パーセントの免責を与えようとは思いませんが、むしろ、あの観客の行為の結果に対して審判がどのような判定を下すかが問題であると私は考えます。ホームランと認定することも可能だったでしょうが、昨夜の場合は、観客のはたき落としがなくてもスタンドに達しなかったとの審判団の判断に従って、二塁打との判定を下したわけです。ですから、問題の本質は観客の行為ではなく、審判の判定が誤審だったかどうかであると考えるべきです。教育の一環とも考えられている高校野球と違って、プロ野球はショービジネスとも言えますから、誤審に対して監督が抗議するのはアリですし、広島のブラウン監督の例を引くまでもなく、ショーの一部とさえ考えることも可能です。しかし、ショービジネスを離れてスポーツと捉えれば、事実関係は審判が最終的な判断を下すのが当然です。お金を払って球場にショーを見に来る観客よりも、お給料をもらって判定を下す審判の方により大きな責任が課せられるべきであることは言うまでもありません。
第2に、私の前提からすれば、二塁打との判定は限りなく誤審に近いんですが、これまた、事実関係の断定は避けるものの、勝ち負けのあるスポーツにおいて、こういった何らかのネガティブなアクシデントに対して、これを克服して勝ちに結びつけるか、昨夜のジャイアンツのように、そのままズルズルと負けてしまうかは、チーム力に依存します。昨夜の場合は、その後、ジャイアンツは一死満塁までチャンスを広げながら、ゴンザレス内野手のライト前の当たりで阿部捕手が二塁でフォースアウトになった時点で、判断よくセカンドに投げた葛城外野手が次の8回表の攻撃で試合を決める勝越しのヒットを打つ流れになっていたんではないかと私は考えています。勝負事とはそういうものではないでしょうか。なお、このプロ野球にはめずらしいライトゴロも YouTube のサイトにアップされています。ということで、もう少し大きな舞台で日本シリーズの例を取り上げたいと思います。ひとつめは、1978年の阪急とヤクルトのシリーズです。第7戦のヤクルト大杉選手のホームランについて、阪急の上田監督が猛烈な抗議をし、疑惑のホームランと呼ばれました。結局、阪急はこの第7戦を落としてヤクルトが日本一に輝きます。もうひとつは、我が阪神が西武と対戦した1985年の日本シリーズ第1戦です。審判の判定ではないんですが、先発の松沼(兄)投手の執拗な内角攻めで、現在のタイガース監督の岡田選手がデッドボールを受けて、しばらくホームベース付近で腹ばいで倒れた後に、その次の佐野外野手の第1球で果敢にセカンドに盗塁しました。得点にはつながりませんでしたが、こういった岡田選手個人のガッツや盗塁させた吉田監督の判断といったチーム力は大いに評価すべきで、そのままズルズルと行くのとは大いに違いがあります。最終的に、1985年の日本シリーズでは阪神が西武を下して日本一に輝いたのはご存じの通りで、第1戦のこのプレーはシリーズ全体の流れを決めるのに大きく貢献したんではないかとさえ私は評価しています。なお、どうでもいいことですが、リンク先のビデオには岡田選手のデッドボールや盗塁のシーンは含まれていません。悪しからず。それから、もっとどうでもいいことですが、1985年の日本シリーズのビデオだったら、長崎外野手が1回表にいきなり満塁ホームランを打った第6戦がオススメです。さて、本題に戻って、要するに、頭にデッドボールを食らった直後の打席で、巨人ファンで埋め尽くされていることが容易に想像されるライトスタンドに、はたき落としようのない飛距離で運んだ金本外野手のガッツや力量と、同点に追い付いた直後の一死満塁でライトゴロを記録したジャイアンツとの差が昨夜の勝負を決したと私は考えています。一般論として、やっぱり断定は避けますが、誤審やネガティブなプレーがあったとしても、そのままズルズルと負けてしまうのか、選手とベンチが一体となって克服して勝ちにつなげるのかはチームとしての力量の見せどころなんだという気がします。

もちろん、阪神ファンからの見方ではありますし、ラミレス選手の一打がホームランと判定されて3点入って逆転していたなら、昨夜はジャイアンツが勝っていた確率が高かったであろうこと大いに認めますが、観客の行為を責めるのは酷ですし、最終的な勝ち負けが決まるのは、好ましくない何らかのアクシデントを克服するだけのチーム力があるかどうかではないでしょうか?

今夜もやっぱり、
がんばれタイガース!

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