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2008年8月27日 (水)

国の財務書類から見た財政の現況

昨夜のエントリーとともに今夜も先週の段階で発表されたもので、少しずつ我がブログで取り上げるタイミングが遅くなって来ていて、自分でもやや長崎っぽくノンビリになってしまっている危険を感じているんですが、それはともかく、今夜のエントリーで注目するのは、先週金曜日の8月22日に財務省から発表された「平成18年度 国の財務書類」です。平成18年度ですから、昨年度3月期の決算の貸借対照表や損益計算書などの財務書類を発表したものです。ちなみに、東証では少し前から60日ルールが適用されていて、上場企業の決算発表は決算日の60日以内に済ませるようになっているんですが、国の場合は上場企業ではないとはいうものの、決算から500日後の発表となっています。このあたりのタイミングの是非は国民の判断だろうと思います。

国の貸借対照表

発表のタイミングの是非は別にして、私がもっとも注目した貸借対照表の結果が上の通りです。平成18年度(2006年度)1年間で資産が▲2.7兆円減少して、負債が+0.3兆円増加していますから、差引きで純負債が+3兆円の増加となっています。毎年度の予算で20兆円を超える規模の国債を発行していながら、純負債の増加はこんなもんです。国のグロスの負債は1000兆円に迫りつつありますが、グロスの資産とネットアウトするとネットの負債は300兆円にもなりません。よく引用される EU のマーストリヒト基準では債務残高は GDP 比で60%としていますから、全ての資産を売り払って負債の返却に充てれば、日本も EU に加盟できたりするのかもしれません。もちろん、売るに売れない資産もあるでしょうし、これは単なる冗談です。いずれにせよ、マーケットで国債価格が暴落し、金利が急上昇することが想定されていない根拠のひとつが見出せると思います。
私はフローで毎年ごとに財政を均衡させて国債発行を否定することは意味がないと思っていますし、ストックで最後の1円まで国債を償還しなければならないとも考えていません。さらに、我が友人たちであるリフレ派のエコノミストが主張するように、ストックで見たネットの負債残高はグロスの見かけよりも大きくないことは事実ですし、フローでも毎年の国債発行額ほどにはネットの債務残高が増加していないこともこの発表資料から確認できます。財政再建派のエコノミストの主張とはかなり違った国の債務の現況が発見できると思います。
しかし、それでも私が主張しておきたいのは、プライマリーバランスが赤字である限りはネットの債務残高の GDP 比は増加を続けるという事実です。そして、今夜取り上げた計数は GDP 比ではありませんが、現実にも我が国のネットの負債は増加を続けています。もっとも重要なのは Ponzi ゲームに陥らない、あるいは、グローバルマーケットで Ponzi ゲームに陥る恐れが大きいと見なされないことです。この意味からも、消費税率引上げを安易に是認するものではありませんが、現在の財政状況のある程度の改善は必要だと私は考えています。ついでに言えば、金融政策にせよ、財政政策にせよ、私は糊しろ論を完全に否定するものではありませんから、財政出動の余地も確保しておけば安心だという気がしないでもありません。

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