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2008年8月30日 (土)

昨日発表された経済指標をどう見るか?

昨日、月の最終営業日で閣議日ということで、いろいろな経済指標が発表されました。でも、親バカの私は、昨日が下の子のお誕生日で今日に回してしまいました。まず、鉱工業生産、消費者物価、労働力調査のヘッドラインに関して、長くなってしまいますが、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産
経済産業省が29日発表した7月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は前月に比べ0.9%上昇し、107.9となった。欧州や中東向けの自動車生産の増加が寄与した。ただ米景気の減速など先行きには不透明感が増しており、7-9月期の指数はマイナス予想で、3四半期連続の低下を見込んでいる。同省は基調判断を「生産は弱含みで推移している」に据え置いた。
7月の指数は2カ月ぶりに前月を上回り、事前の市場平均予想(0.2%低下)に比べても高かった。業種別では乗用車やトラックなど輸送機械工業が前月比4.0%増と2カ月ぶりにプラスに転じた。電気機械工業も7月の猛暑でエアコンが伸び、1.8%上昇した。
出荷指数は自動車関連が増え、108.6と1.6%上昇した。在庫指数は0.2%低下し、105.7となった。
消費者物価
総務省が29日発表した7月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の激しい生鮮食品を除くベースで102.4と、前年同月に比べて2.4%上昇した。上昇率は消費税率の引き上げで物価がかさ上げされた1997年10月以来、10年9カ月ぶりの高い水準。ガソリン、食品の値上がりや電気料金の上昇が目立つ。原材料の輸入価格の上昇が国内の商品価格に波及しており、後退局面入りが濃厚な景気に悪影響を及ぼす懸念もある。
7月の上昇率は消費増税の影響を除くと92年6月(2.5%上昇)以来、16年1カ月ぶりの高さだった。前年比のプラスは10カ月連続で、日銀が物価安定の目安とする「0-2%」の範囲を超えた。
労働力調査
厚生労働省が29日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は0.89倍と前月を0.02ポイント下回り、2004年10月以来の水準に落ち込んだ。総務省が同日発表した7月の完全失業率(同)は4.0%と、前月より0.1ポイント低下したが、厚労省は雇用情勢について「失業率のトレンドは上昇傾向。雇用情勢は引き続き注意を要する」との基調判断を据え置いた。
公共職業安定所(ハローワーク)で求職者1人当たり何件の求人があるかを示す有効求人倍率は昨年6月以降、横ばいか低下が続いている。7月は職探しをしている有効求職者数が前月比0.7%増えたものの、企業の求人数を示す有効求人は1.9%減少した。雇用の先行きを示すとされる新規求人数は69万886人と前年同月比13.5%減。景気の先行き不透明感を背景に、医療福祉以外のすべての業種で減少した。
都道府県別に有効求人倍率をみると、滋賀県が前月比0.05ポイント低下し、0.97倍となった。1倍割れの都道府県は33と全国に広がりつつある。最も倍率が高かった愛知県は前月比0.07ポイント低下の1.67倍と低下幅が大きかった。

鉱工業生産指数

まず、上のグラフの鉱工業生産指数です。青い折れ線グラフが月次データで、赤い折れ線が四半期です。前月の発表時に7月の製造工業予測指数が前月比▲0.2%減でしたので、これをやや下回るとの市場の事前コンセンサスでしたが、アッとびっくりでこれを大きく上回る結果が飛び出しました。しかし、上のグラフを見る限り、7月の+0.9%増は今年に入っていからの四半期データのトレンド上にあると私は考えています。さらに、先行きの製造工業予測指数は、8月が前月比▲2.9%減、9月が+3.4%増となっていますので、これをそのまま鉱工業全体に単純に適用すると、7-9月期は前期比で▲0.5%減と算出されます。今年に入って3四半期連続の前期比マイナスですから、典型的な景気後退局面の兆候を示していると言えます。ただし、前回の景気後退局面では鉱工業生産指数のマイナス幅はもっと大きかったんですが、今回は連続でマイナスを記録しているとはいうものの、マイナス幅自体はそれほど大きくなっていません。私の持論である、今回の景気後退局面は浅くて長い可能性を示唆しているように感じています。

消費者物価上昇率の寄与度

次に消費者物価 (CPI) です。上のグラフで、青い折れ線がコア CPI、赤がエネルギーと食料を除くコアコア CPI、棒グラフがコア CPI に対する寄与度で、黄色がエネルギー、緑が食料、水色がその他です。7月の全国コア CPI は日銀の「物価安定の理解」の上限である2%を超えて2.4%になりました。須田審議委員が強気にタカ派的な発言をする根拠もないわけでもないと言えます。しかし、欧米流のエネルギーと食料を除いたコアコアの CPI ではようやく水面上に顔を出したばかりです。なお、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会 (FED) では、今回のエネルギーと食料上昇に伴う物価上昇について、エネルギーと食料を含むヘッドラインでなく、やっぱり、エネルギーと食料を除く欧米流のコア CPI が重要であるとして、かなり詳細な研究論文を発表しています。依然としてコアコア CPI の上昇率が低い日本でも参考になると私は考えています。

全国と東京都区部のコア消費者物価上昇率

なお、最近の動向として、日本流のコア CPI 上昇率でも、全国と東京都区部の乖離が大きくなっている点が指摘できます。上のグラフの通りです。青の折れ線が全国のコア CPI 上昇率で、赤が東京都区部です。赤の全国は今年4月のガソリン暫定税率が切れた際に小さなディンプルを作ったんですが、東京都区部ではこれがなく、しかも、7月では全国の+2.4%に対して東京都区部は7月+1.6%から8月+1.5%に低下しています。最近の原油価格の動向からして、7月全国の+2.4%がピークである可能性もあるように私は感じています。もちろん、世界的な商品市況次第ですが、日本のコア CPI も現在の+2.4%から年末にかけて低下する可能性が十分あると私は考えています。

完全失業率と有効求人倍率

新規求人数

3番目に、労働力統計の失業率と有効求人倍率・新規求人数です。上のグラフの通りです。上の方のグラフは赤い折れ線の完全失業率 (左目盛り) と青の有効求人倍率 (右目盛り) です。下の方のグラフのオレンジのラインは新規求人数です。いずれも季節調整済系列で、影を付けた部分は景気後退期です。労働力統計は早くから景気後退の兆候を示していたことはこのブログでも指摘して来た通りです。7月の完全失業率が6月より低下したのは、景気後退の中で職探しをあきらめた人が多く、労働力人口が3か月連続で減少する中で、特に、7月は前月比▲36万人も減少したことによる、後ろ向きの失業率の低下であると受け止められています。

最後に指摘しておきたいのは、この7月の経済統計が上振れている可能性がある点です。その大きな原因は8月21日付けのエントリーで取り上げたように、7月の輸出が意外なほど強かったことだと私は考えています。鉱工業生産は市場の想定を超えたプラスでしたし、消費者物価は関係ない可能性が高いんでしょうが、失業率の低下もひょっとしたら何らかの関係がある可能性を否定できません。

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