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2008年10月11日 (土)

激動の1週間を振り返る

激動の1週間でした。というか、私にとっては大学の後期が始まった先週も含めて激動の2週間でした。私事ながら、先週から大学の後期が始まって、新米教授の私にはいろいろとトラブルやアクシデントもありました。金融市場はほとんど崩壊寸前の状態です。米欧が協調利下げを実施しても株価の下落は止まりませんし、昨日開催された G7 で合意された5項目が、来週のマーケットでどのように受け止められるのかに興味が集まっています。我が阪神タイガースは巨人との直接対決に敗れて優勝を逃しましたし、ノーベル賞は物理学賞と化学賞が日本人の先生方に授賞されました。しかし、村上春樹さんは今年も文学賞を逃しました。
まず、私自身の専門分野に従って、9月半ばのリーマン・ブラザーズ証券の破綻などから昨日までの一連の経済と金融市場の動向について、日経新聞が PDF の号外を出したものをリストにまとめてリンクとともに示すと以下の通りです。1か月足らずで経済金融関係だけでも10余りの号外が出ています。私の知人で日経新聞の号外が出ると携帯電話に通知が来る設定にしている人がいるんですが、ある日は3つも4つもの号外が出てびっくりしたといっていました。もちろん、ノーベル賞受賞の号外も出ているようなんですが、ここからは除いてありますし、経済金融関係でも私が見逃しているものがあるかもしれません。お断りしておきます。

次に、米国のワシントン DC で開催されていた G7 で合意された行動計画5項目は次の通りです。私は米国財務省のプレスリリースで見ましたので原文のままです。確認していませんが、我が国の財務省でも日本語版が公表れているような気がします。

  1. Take decisive action and use all available tools to support systemically important financial institutions and prevent their failure.
  2. Take all necessary steps to unfreeze credit and money markets and ensure that banks and other financial institutions have broad access to liquidity and funding.
  3. Ensure that our banks and other major financial intermediaries, as needed, can raise capital from public as well as private sources, in sufficient amounts to re-establish confidence and permit them to continue lending to households and businesses.
  4. Ensure that our respective national deposit insurance and guarantee programs are robust and consistent so that our retail depositors will continue to have confidence in the safety of their deposits.
  5. Take action, where appropriate, to restart the secondary markets for mortgages and other securitized assets. Accurate valuation and transparent disclosure of assets and consistent implementation of high quality accounting standards are necessary.

上のリストで赤いフォントにして下線を引いたように、第3項目に "raise capital from public as well as private sources" とあり、一応、公的資金の注入を含まれているものの、当然ながら、具体的な時期や金額規模は明記されていませんから、たぶん、メディアなんかでは「具体策なし」とか、「従来通りでサプライズなし」なんて報道するんだと思わないでもないですが、国際会議の結論なんてそんなもんです。来週の市場の反応次第でメディアの論調も変化することは当然でしょう。

本題を終えて、まず、ノーベル賞の話題です。物理学賞と化学賞が米国籍の取得者を含めると、4人の日本人に授賞されました。誠におめでとうございます。私が勤務する本学の卒業生にも化学賞が授賞され、ノーベル賞受賞者の出身大学の仲間入りを果たして喜ばしい限りです。もっとも、今年のノーベル賞に関しては、世間的には長崎よりも名古屋が注目を集めているようです。それから、日本人4人の受賞者の中には米国籍を取得している人もいますが、ちょっとした国籍論争が生じているように見受けられます。物理学賞を受賞した南部教授が米国籍を取得していることなどから、国会では二重国籍を認めていない現在の国籍法を改正する動きが生じていると産経新聞のサイトで報じられていました。また、下村教授と同時に化学賞を受賞した UCSD のチェン教授が中国メディアから「あなたは中国人ですか。中国語は話せますか」と聞かれた際に、「私は中国人科学者ではありません」と取材に答えたと朝日新聞のサイトで報じられていましたが、南部教授はこのような発言はありませんし、科学者・研究者にとって国籍なんてどうでもいいことなんだということを理解しない人が多くて困ったものです。日本の国会議員と中国のメディアはこの点においていい勝負のような気がします。どうでもいい国籍について続けると、ノーベル財団のホームページでは、南部教授と下村教授はともに USA とされており、南部教授は "born in Tokyo, Japan" と、下村教授は同じように "born in Kyoto, Japan" と出生地を明記されていますが、チェン教授には出生地の明記はありません。ノーベル賞に関して最後に、今年も村上春樹さんは受賞を逃しました。誠に残念というほかありません。
話がもっと残念でより強く個人的な趣味の分野に移って行くんですが、我が阪神タイガースはリーグ優勝に届きませんでした。長く首位の座をキープしながら、残り数試合のところで逆転されたのは情けないとの意見もありますし、私も同感する部分がありますが、少し前までの万年最下位のころはお盆明けの死のロードの半ばにはシーズンがほぼ終わっていたこともありますし、昨年から始まったポストシーズンのクライマックスシリーズまで含めて、まだまだ野球が楽しめるのは、私のような古い阪神ファンには有り難い限りです。戦力的に長いシーズンを巨人に対抗するのは難しい可能性はありますが、短期決戦でもう一度巨人に挑戦して欲しいと思います。なお、巨人の優勝について産経新聞のサイトに、「金で買った優勝」との論評があり、私も阪神ファンとしては同意する部分もあるんですが、まあ、ヤクルトの親会社の恨み節の面がありますし、エコノミストとしては、市場経済では資金力のある経済主体が好きなものを買えるわけで、プロ野球が持つショービジネスの面からして、ペナントが終わった時点で言い出しても仕方がないような気がします。
最後に、極めつけの個人的事情で、先週から大学の後期が始まって、2週間がたちました。私の発注が悪くて授業で使う教科書が生協に入荷しなかったり、ゼミのメディア室からインターネットに接続しようとしながら、ID とパスワードを要求されて諦めたりといろんなトラブルやアクシデントに見舞われながらも、何とか週3コマ2回ずつの授業を乗り切りました。さらに授業以外では、先週は科研費補助金の申請書を書いて大忙しだったんですが、さすがに、長らく政府官庁の参事官をやって来ただけあって、申請書なんかの事務処理には自分でも驚くような能力を発揮したような気がします。あれだけ短時間で大量の文書が作成できるとは私自身も思いませんでした。

こういう大忙しで疲れる1-2週間を終えた週末の3連休はたっぷり食べて、しっかり寝るのが一番との人生哲学を実践すべく、今日の午後は少し遅く出かけてランチブッフェで思い切り食べて来て、昼寝したりしています。中年になって単身赴任で長崎に来て減量も心がけているんですが、ストレスのある新しい生活を続けている中では、まだまだメタボが続くのかもしれません。

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