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2008年12月 9日 (火)

本日発表されたGDP統計改定値と景気動向指数

今日は内閣府からGDP統計改定値と景気動向指数が発表されました。GDP統計は7-9月期、景気動向指数は10月の速報です。GDP統計改定値はエコノミストの業界で2次QEと呼ばれている指標です。今回はGDPの確報値に合わせて過去にさかのぼって改定されています。まず、GDP改定値の計数は以下の通りです。基本的に、名目GDPが名目値であることを除いて、季節調整済みの実質値の前期比伸び率をパーセント表示したもので年率化はしていません。ただし、アスタリスクを付した民間在庫と外需は前期比伸び率に対する寄与度で、GDPデフレータだけ前年同期比伸び率となっていますが、いずれも単位はパーセントです。作表の際には正確を期しているつもりですが、転記ミスがあり得ますので、より正確な計数は内閣府のホームページを参照するようオススメします。

需要項目2007/
7-9
2007/
10-12
2008/
1-3
2008/
4-6
2008/7-9
1次QE2次QE
国内総生産GDP+0.5+0.5+0.6▲1.0▲0.1▲0.5
   民間消費+0.0+0.0+0.9▲0.7+0.3+0.3
   民間住宅▲8.7▲10.1+4.7▲2.6+4.0+3.9
   民間設備+2.4+0.2+0.3▲2.1▲1.7▲2.0
   民間在庫 *+0.0+0.1▲0.3+0.0+0.0▲0.2
   公的需要▲0.8+1.8▲1.3▲0.9+0.1▲0.3
   外需 *+0.5+0.3+0.5▲0.0▲0.2▲0.2
国内総所得GDI+0.4▲0.2▲0.0▲1.5▲0.6▲1.0
名目GDP+0.3▲0.2▲0.4▲1.4▲0.5▲0.7
雇用者所得+0.7+0.0+0.0▲0.9▲0.2▲0.2
GDPデフレータ▲0.5▲1.3▲1.4▲1.5▲1.6▲1.6

続いて、グラフなんですが、上のパネルは折れ線グラフで示したGDP前期比伸び率に対する各コンポーネントの寄与度を積み上げ棒グラフにしたもので左軸のパーセント表示、下のパネルは実質値の国内総生産 (GDP) と国内総所得 (GDI) の実額の折れ線グラフ、そして、その差額の交易利得の実額の棒グラフです。下のパネルの単位はいずれも兆円で、GDP と GDI は左軸、交易利得は右軸です。各グラフの色分けは凡例にある通りです。交易利得は現在2000年である基準年からさかのぼるに従ってプラス幅が大きくなり、離れるに従ってマイナス幅を大きくする統計的な特徴があるんですが、それにしても、最近時点での交易利得のマイナス幅が約30兆円と大きいのが見て取れます。しかし、これも原油価格の大幅な下落などにより、そろそろ一息つきそうな予感はします。

GDP統計改定値

先週12月5日付けのエントリーでは「消費と設備投資が下方改定され、在庫投資は上方改定される」と書いたんですが、消費はほぼ変わらずで、設備投資は下方改定されたにもかかわらず、在庫は下方改定されました。鉱工業生産や法人企業統計調査などを見る限りは在庫投資が下方改定されることは考えられないんですが、GDP確報の発表に合わせた季節調整指数の改定の影響か、流通段階にある在庫の考慮なのか、私にはよく分からない何らかの技術的な要因で在庫投資が下方改定されています。従来から、私は売行き不振に起因する後ろ向きの売残り在庫が積み上がって来ていて、在庫調整が本格的に始まるとドカンと在庫が大きくマイナスに転じる可能性を指摘していましたが、ひょっとしたら、この心配は減じたのかもしれません。よく分かりません。いずれにせよ、1次QEから2次QEに大きく下方改定された要因のかなりの部分は在庫で説明できるような気がします。

景気動向指数

次に、景気動向指数です。上のグラフの通りです。青い折れ線が一致系列、赤が先行系列です。影を付けた部分は景気後退期で、直近はいつもの通り昨年10月のピークと仮置きしています。景気動向指数は今年4月から以前の DI に代わって CI が採用されるようになり、方向感だけでなく量感も読み取れるようになりました。そこで、上のグラフに現れるうち、1990年以降の景気後退期における山谷とその間の CI 一致系列の下落幅を比較すると、以下のような表が出来ます。なお、この表の山と谷はあくまで CI 一致系列におけるものであり、いわゆる景気循環日付とは微妙にズレを生じています。

下落幅
1991年1月 103.51993年12月 79.9▲23.6
1997年5月 95.81998年10月 84.0▲11.8
2000年12月 95.42002年1月 84.0▲11.4
2007年10月 105.5?年?月 ?▲?

バブル後の景気後退局面では CI 一致系列はさすがに▲23.6ポイント下げましたが、1990年代終わりと2000年代に入ってからの2回の景気後退局面では▲11ポイントほどの下げ幅で止まっていました。現在の景気後退局面では、一致系列は直近の2008年10月に97.6を記録しましたので、ピークの昨年10月からすでに▲7.9ポイント下げていますし、実は、先行系列に至っては、2007年6月の99.1から2008年10月の85.0まで、早くも▲14.1ポイントも下げています。従来から、私は今回の我が国における景気後退局面は浅くて長いと主張して来たんですが、このあたりで大きく主張を変更します。この先、現在の雇用情勢などを考え合わせると、来年ないし来年度いっぱいは景気が反転する兆しもなく、このまま景気後退が長引くことが十分に予想されます。今回の景気後退局面は長いのはいうまでもありませんが、決して浅くはありません。バブル後の景気後退と比べるのは時期尚早な気もしますが、やっぱり、深くて長い景気後退であると考えを変えます。

今夜はいつもの通りの火曜日で帰宅が遅くなったんですが、GDP統計という重要指標が発表されたのに加え、景気動向指数などに従って、来週の日銀短観を待たずに私の今次景気後退局面に対する考えを大きく変更しましたので、少し時間をかけて図表も入れて長くなってしまいました。

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