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2009年2月25日 (水)

貿易統計の暗い面と明るい面?

本日、財務省から今年1月の貿易統計が発表されました。昨年の最終四半期から引き続いて輸出入とも激減しており、輸出は前年同期で品目別・国別とも、あらゆる対象でほぼ半減近くなっています。貿易収支は赤字が定着しつつあるようにも見受けられますが、欧米との景気サイクルのズレにより、今年後半のいずれかの月で黒字を回復することは十分考えられます。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインに関する記事を引用すると以下の通りです。

財務省が25日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)では、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が9526億円の赤字となった。赤字額は統計がさかのぼれる1979年以降で過去最大となった。米欧向け自動車、アジア向け半導体などの出荷が振るわず、輸出金額が前年同月比45.7%減の3兆4826億円となったことが響いた。
貿易収支が赤字になるのは4カ月連続。赤字額は第2次石油ショックの影響があった1980年1月の8248億円を上回った。毎年1月は正月休みの影響で日本の生産が減るうえ、今年は中国の旧正月が1月だったことも響いた。

ということで、いつもの総括的な指標のグラフは以下の通りです。上のパネルは金額ベースの輸出入とその差額の貿易収支です。青の折れ線が輸出額、赤が輸入額、緑色の棒グラフがその差額の貿易収支で、いずれも単位は左軸の10億円です。輸出も輸入も急減しているものの、輸出の減り方の方が激しく、貿易赤字が膨らんでいるのが見て取れると思います。下のパネルは輸出金額の推移を貿易指数の価格と数量に分解したものです。赤い折れ線が数量指数、青が同じく価格指数、両者を合わせた緑色の折れ線が金額指数です。いずれも前年同月比の伸び率で、単位は左軸のパーセントです。輸出の減少は数量が大きな寄与を示していることが見て取れます。

貿易統計の推移

いつも、私は輸入は生産や生活に必要なのだから増えようと減ろうとそんなに注目はせず、輸出を景気の動向と合わせて見ているんですが、およそ、輸出は全滅であり回復を示す数字はどこにも見当たりません。まず、地域別の輸出金額では、対米国が前年同月比▲52.9%減、対欧州が▲47.4%減、対アジアが▲46.7%減で、数量は同じ順番でそれぞれ、▲48.6%減、▲42.0%減、▲39.3%減と、いずれも加速度的な減少が続いています。我が国の主要な輸出先いずれも前年同月比でほぼ半減といったところです。商品別に見ても、話題の自動車が前年同月比▲66.1%減となっただけではなく、半導体等電子部品が▲52.8%減、一般機械も▲40.8%減と主要な加工組立型の輸出セクターが軒並みほぼ半減で、加えて素材関連も化学製品が▲47.0%減、鉄鋼ですら▲21.3%減など、ほとんど全ての品目別輸出額が前年同月比2桁の減少を記録しています。長崎ローカルで注目度の高い船舶もとうとう前年同月比▲3.6%減と減少に転じました。船舶が前年同月比で減少を記録したのは昨年7月の統計以来です。なお、総トンで計った船舶輸出の数量も1月統計では前年同月比でマイナスを記録しています。昨年12月10日のエントリーで機械受注統計を取り上げた際や同じく12月15日付けのエントリーで日銀短観を解説した際には、船舶については資源高の「余熱」が残っていると書きましたが、さすがにそろそろ冷めて来たのかもしれません。

最後に2点指摘しておきたいと思います。第1に、多くのエコノミストが予想している点ですが、今週末に発表される今年1月の鉱工業生産指数は前月比でマイナスの2桁がほぼ確定しました。第2に、そんなに多くのエコノミストが認識しているわけではないように私には見受けられますが、今年後半からは我が国と欧米との景気にズレを生じる可能性が高く、平たく言えば、日本よりも欧米の方が景気回復の兆候が早く現れるでしょうから、今年中に日本の貿易黒字が復活する可能性は控え目に言っても十分あると私は考えています。

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