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2009年4月18日 (土)

ESP フォーキャストの平均見通し

今週は大学の授業の開講とともに少し忙しくなって、このブログで取り上げるトピックが遅れがちなんですが、今日は4月14日に発表された(社)経済企画協会の ESP フォーキャスト調査結果を簡単に見てみたいと思います。まず、先行き四半期別の年率換算の成長率見通しの平均を示したグラフは以下の通りです。

ESP フォーキャスト成長率見通し

まず、一見して明らかなんですが、私が景気後退期の中でも景気の大底と呼んで来た時期は、やっぱり、昨年末から今年年初にかけての2四半期くらいだったとのコンセンサスがあるようです。私は少し前まで、今年前半くらいまでの3四半期が大底かと考えないでもなかったんですが、最近ではやや強気に、4-6月期はプラス成長の可能性もあると考え始めていますので、今年4-6月期の前半まで大底が続くことはないと考え直しています。理由は、極めて景気の悪かった自動車などで在庫や生産の調整が4-5月くらいまでに一巡することと、定額給付金や地方高速道路料金の一律1000円などの経済対策の効果です。ESP フォーキャストの調査結果が私の見通しと少し違うのは、マイナス成長ながらも4-6月期にポンと上がってから、その後は成長率は緩やかながら淡々と上昇を続けると平均的に予想されていることです。私は秋口から2番底をうかがう W 字型の成長率パスも無視できない可能性があると見込んでいることは、前々からこのブログで表明している通りです。要するに、私は、言葉として適当かどうかは分かりませんが、メリハリの利いたというか、浮き沈みの激しいというか、起伏に富んだというか、そういった景気のパスを考えないでもありません。でも、40人の ESP フォーキャスターの平均を取ると、私のような考えのエコノミストがいるかどうかは分からなくなってしまいます。

ESP フォーキャスト消費者物価見通し

次に注目したのは生鮮食品を除くコア消費者物価の見通しで、四半期別の推移は上のグラフの通りです。平均的には、今年年央がマイナス幅がもっとも大きく、調査対象期間の2011年1-3月期までマイナスが続くとの結果になっています。高位平均でゼロに達するのが2010年4-6月期です。物価については私もまったく同じパスを考えています。しかし、他方で、2010年3月以降に日銀が金利引上げを実施するとの予想が8割近くに達しています。もちろん、2010年3月にすぐ利上げという意見ではないんでしょうが、オーソドックスな経済学における物価安定の定義からして、私はデフレという意味で足元における物価安定がすでに損なわれていると感じていて、平均を取った集計上の綾でないと仮定すれば、思いっ切り矛盾した調査結果であると断じざるを得ません。

最後に、この3月調査から初めて今後1年以内に景気転換点を迎えるとの回答結果が過半数に達しました。現在は景気の大底を超えつつあり、2番底の可能性があるとしても、徐々に景気転換点に向かって日本経済が動き始めているのは、多くのエコノミストが感じているところだという気がします。

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