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2009年6月 9日 (火)

やや強引ながら景気動向指数から今年3月を景気の谷と判定

本日午後、内閣府から4月の景気動向指数が発表されました。先行指数・一致指数ともに前月から1.0ポイント上昇して先行指数は76.5、一致指数も85.8となりました。先行指標は2月が底でしたので、3か月後方移動平均は0.10ポイントの上昇と、22か月ぶりの上昇に転じました。一致指数のうち現時点で公表されている9指標を見ると、マイナスを続けているのは投資財出荷指数と有効求人倍率だけとなっており、残る7指標は鉱工業生産指数をはじめとして大口電力使用量や所定外労働時間指数などがプラスとなっています。
いつものグラフは下の通りです。赤い折れ線が一致指数、青が先行指数です。なお、影を付けてある景気後退期は、暫定的に、今年3月を景気の谷としています。もう少し指標を見る必要があるのはいうまでもありませんが、あくまで暫定です。ですから、5月15日付けのエントリーで取り上げたミッチェル的な景気の2分法に従えば、景気は回復局面に入ったと考えています。

景気動向指数

1990年からのバブル崩壊後の景気後退から直近に終了した景気後退まで、4回の景気後退のエピソードを表に取りまとめると以下の通りです。

下落幅 (率)
<月当たり下落率>
1990年10月 104.31993年12月 79.9▲24.4 (▲23.4%)
<▲0.62%/月>
1997年5月 96.01998年12月 84.0▲12.0 (▲12.5%)
<▲0.66%/月>
2000年12月 95.62001年12月 84.0▲11.6 (▲12.1%)
<▲1.01%/月>
2007年8月 105.22009年3月 84.8▲20.4 (▲19.4%)
<▲1.02%/月>

今回の景気後退は、まず、深さという点からすれば1991年からのバブル崩壊後にかなり近く、調整のスピードという点からは今世紀初頭のITバブル崩壊後とほぼ同等のものでした。1991年からのバブル崩壊後の景気後退の83%に当たる調整をほぼ半分の期間で、すなわち、猛烈なスピードにより済ませてしまったのが、強烈な景気後退との印象を強くしたんではないかと思います。日本経済の景気後退だけについて言えば、深さという点からは100年に1度は誇張であるかもしれませんし、調整スピードという意味でも過去にほぼ同様の例がありますが、この猛烈なスピードで20か月近くに渡った景気後退局面という意味では100年に1度くらいなのかもしれません。国内から世界に目を転ずれば、ちょうど1週間前の6月2日付けのエントリーで取り上げたように、GMの経営破綻という歴史的なイベントもありましたし、この世界的な景気後退局面で、エコノミストとしては貴重な瞬間を目の当たりにしたような気がしないでもありません。

今日から九州も梅雨入りし、授業に行くのも傘が手放せなくなりました。まだ長崎で四季を通じて生活したわけではない私にとって、ある意味で、もっともツラい季節かもしれません。

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