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2009年6月29日 (月)

鉱工業生産指数に見る W 字型の景気回復パス

本日、経済産業省から5月の鉱工業生産指数が発表されました。ヘッドラインの季節調整済みの月次指数は前月比で5.9%増と3か月連続のプラスとなりました。プラス幅は4月と同じで、過去2番目の高さとなっています。経済産業省では基調判断を「持ち直しの動きが見られる」に据え置いています。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインに関する記事を引用すると以下の通りです。

経済産業省が29日発表した5月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は79.2となり、前月に比べて5.9%上昇した。上昇は3カ月連続で、伸び率は過去2番目だった今年4月と同水準。在庫調整の進展などで自動車や電子部品などの生産が持ち直しているのが背景。ただ生産の水準は昨秋の金融危機前の8割弱となお低い。需要の先行きも不透明で、経産省は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
鉱工業生産指数は昨秋以降に金融危機や世界的な景気後退の影響を受けて急速に低下。今年2月には69.5まで落ち込んだ。その後は主要国などによる需要喚起策などが徐々に浸透、在庫調整に一巡感も出て、3月以降は上向いている。

次に、いつもの鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。いずれも月次の季節調整済み系列で、上のパネルは生産指数、下のパネルは出荷指数と在庫指数です。影を付けた部分は景気後退期なんですが、暫定的に今年3月を景気の谷としています。

鉱工業生産指数の推移

今日の統計発表から読み取るべき点は以下の4点です。第1に、生産と出荷は回復基調にあるものの、相対的に在庫の調整がまだ進展していないことです。知り合いのエコノミストから送られて来たニューズレターに前年同月比で描いた在庫循環図がありましたが、いわゆる45度線はまだ越えていません。第2に、生産や出荷が回復しているとはいえ、まだ水準が低いことです。ですから、資本財出荷指数は5月も前月比でマイナスとなり8か月連続の前月割れです。資本係数や労働係数がまだ高い水準にあり、設備投資や雇用が増加する局面まで今しばらくタイムラグがありそうです。第3に、引用した記事にもある通り、先行きの増産幅が減速する見通しになっていることです。私は従来から今年年末から来年年始にかけて2番底を付けに行く W 字型の景気パスを想定していますが、実現する可能性が大きいんではないかと考えています。ただし、第4に、まだ6月が終わろうとしている段階ですが、4-6月期の経済活動は大幅に拡大し、GDP成長率も大きなプラスを記録する可能性が高いことです。潜在成長率が1%程度に低下した一方で、4-6月期の成長率は年率で3%を超えるものと想定しています。

先週土曜日のエントリーの最後でも触れましたが、今日の鉱工業生産は明るい話題と受け止めることが出来るものの、明日の労働統計は暗い展望を示すものとなり、さらに、明後日の日銀短観は大きく改善するものと私は考えています。ミッチェル的な景気拡大の初期はまだシュンペーター的な不況の末期に当たり、いろいろと混在する指標が現れる時期でもあります。

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