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2009年7月29日 (水)

ランダムウォークに関するペーパーを書き終える

先日、ランダムウォークに関するペーパー "An Essay on Random Walk Process: Features and Testing" を書き上げて、紀要の編集会議向けに提出しておきました。もっとも、12月発行号の研究ノートの予定ですから、もう少し時間的な余裕があり、英語の表現は書き直すつもりです。一応、大学のホームページにアップしてあります。何について書いたのかといえば、タイトル通り、ランダムウォークについて、その特徴と検定について書きました。久し振りの英語のペーパーですから、やや時間がかかった気がします。印刷に出すまでの間に、もう少し英語の表現は見直すつもりです。最近、大学教授になってからの数本のペーパーは全部日本語で書いていたので、英語のペーパーは久し振りです。しかも、テーマがテーマですから英語でかつ数式がギッシリ詰まったペーパーです。多くの人は読む気がしないと思います。書いていて自分でも驚いたんですが、ベルヌーイ数についても取り上げました。しかも、n=50 の時のベルヌーイ数ですから巨大なもんでした。なお、Wikipedia には n=20 までのベルヌイー数が紹介されています。ペーパーにも書きましたが、私は pari/GP で計算しました。知らない人は知らないと思います。また、かの有名なフォン・ノイマン博士の論文も引用しています。普通のエコノミストは扱わないような気がしないでもありません。

Random Walk

内容は、まず、ものの順序として、確率分布について、NIDiid などを簡単に取りまとめ、次に、マルチンゲールを取り上げます。さらに、ペーパーのコアとなる部分でランダムウォークの数理統計的な特性について述べ、私のペーパーの特徴として、実際の数値例が検定に付されています。上のグラフがその数値例で、ボックス・ミューラー法により発生させた正規乱数を基にしています。通常、ランダムウォークの誤差項は εt∼iid(μ, σ2) なんですが、正規乱数ですから εt∼NID(μ, σ2) になっています。上のグラフの青い折れ線はドリフトなし、下の赤線はドリフトあり (μ=0.1) です。誤差項は共通です。発生させた標準誤差は500系列なんですが、全部を対象にするとタイヘンですので、この誤差項の最初の50系列に限定して連検定、ランク検定、平均平方逐次階差 (MSSD) の3方法による無規則性と独立性の検定をしています。ペーパーの中身は大したことはなく、いくつかのテキストから標準的な説明を取り出して、私なりに取りまとめたものです。繰返しになりますが、ミソは実際の数値例に検定を加えていることです。英語で書いたのは、後々引用するときに便利だからなんですが、久し振りの英語でしたし、内容的に通常の英文チェックに向かないので、紀要掲載論文という気安さもあって、自分で適当に校正しようと考えています。

1か月に3本のペーパーを書き上げたのはさすがに初めてです。粗製乱造のそしりを免れないんですが、ここまで研究を進めたんですから、期末試験の後は本格的な夏休み体制に入ります。

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