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2009年7月 8日 (水)

機械受注統計から占う設備投資の動向

本日、内閣府から5月の機械受注統計が発表されました。ヘッドラインとして注目され、設備投資の先行指標となるコア機械受注、すなわち、船舶・電力を除く民需の季節調整値は事前の市場コンセンサスの前月比+2%に対して▲3.0%減の6682億円となり、3か月連続で減少しました。内閣府は基調判断を「減少のテンポが緩やかになってきている」で据え置いています。まず、いつもの日経新聞から記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が8日発表した5月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は前月比3.0%減の6682億円となり、3カ月連続で減少した。非製造業が設備投資を減らしている影響が大きく、受注額は比較可能なデータがある1987年4月以降で最低となった。
発注企業を業種別でみると、製造業は5.4%増えたが、非製造業は6.9%減。非製造業は内需の本格回復に時間がかかるとみているためで、3カ月連続でマイナスとなった。運輸業や金融・保険業からの受注が2カ月連続で減ったほか、卸・小売業など「その他非製造業」も2けた減となった。

いつものグラフは以下の通りです。青い折れ線がコア機械受注、赤がその後方6か月移動平均、影を付けた部分は景気後退期ですが、今年3月を景気の谷と暫定的に仮定しています。

コア機械受注の推移

引用にもありますし、上のグラフからも見て取れるんですが、比較可能なデータがある1987年4月以降でコア機械受注額は最低を記録しています。さらに、極めて短いこの先行きについて考えると、もしも、6月の機械受注が5月と同じで横ばいと仮定すると、4-6月期は前期比▲7.9%減となります。逆に、先月公表された4-6月期の見通し▲5.0%減を達成するためには6月は前月比で+9.5%増を必要としますから、見通しの達成は困難になったと言わざるを得ません。しかし、これで機械受注の底は7-9月期に確定したような気もします。機械受注から遅れるGDPベースの設備投資について考えると、年内いっぱいから年度末くらいが底と受け止めるべきです。まだまだ低い水準ですが、底が見えて来たのは明るい話題かもしれません。

景気ウォッチャー調査の推移

次に、同じく内閣府から6月の景気ウォッチャー調査の結果が発表されました。上のグラフの通り、昨年12月を底に現状判断DIも先行き判断DIもグングン上昇しています。エコノミストとして、DIの水準を論じるのは意味がないと知りつつ、現状判断DIが40を超えたのは景気が山を付けた2007年10月以来です。内閣府は基調判断を「景気の現状は、厳しいながらも、下げ止まっている」と、前月までの「景気の現状は厳しいものの、悪化に歯止めがかかりつつある」から上方修正しています。景気ウォッチャーの現状判断DIは家計動向、企業動向、雇用の3つのコンポーネントから成るんですが、今年に入ってから、この3つともグングンと上昇を示しています。前回の2001年景気後退を終了した時点では、現在と同じデフレの局面でDIの水準が50に達する前に少し反転した経験があるんですが、今回はどうなるのか、歴史の浅い統計だけにやや不明な点も残されています。

何度も繰り返しているように、ミッチェル的な景気回復の初期はシュンペーター的な不況にあることが多く、エコノミストには強弱入り混じった指標を的確に分析する能力が要求されます。

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