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2009年9月18日 (金)

基準地価の下落幅は何を表しているか?

09年基準地価(住宅地)の変化昨日、国土交通省から今年2009年7月1日現在の都道府県地価調査、いわゆる基準地価が発表されました。左の日本地図は住宅地の前年比地価変化率を色分けしたもので、水色が0-4%未満の下落、黄色が4-8%未満の下落、ピンクが8%以上の下落を示しています。我が長崎県は黄色になっています。見れば分かると思いますが、すべての都道府県で地価は下落しており、全国約22,435の調査地点で上昇したのは3地点だけだそうです。住宅地も商業地もともに地価は下落しており、特に、商業地の下落が大きくなっています。昨年まで地価が上昇して来た東京、大阪、名古屋の3大都市圏はいずれも4年振りに下落に転じ、他の都道府県でも下落率が拡大しています。すでに景気回復過程に入っている確率が高いとはいうものの、当然ながら、昨年9月のリーマン・ショック以来の景気や金融情勢が反映されています。ただし、地価が高いところはやっぱり高くて、商業地の地価全国1位は、4年連続で東京都中央区銀座の「明治屋銀座ビル」で、1平方メートル当たり2500万円、住宅地のトップは千代田区五番町12の6で同じく1平メートル当たり302万円でした。地価が下がっているとは言え、私なんかの普通のサラリーマンや大学教員からすれば、さすがに、途方もない金額に感じられます。もっとも、銀座の明治屋前に家を建てようとは思いません。なお、左上の地図は朝日新聞のサイトから引用しています。引用ついでに、統計の概要について報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

国土交通省が17日発表した2009年の基準地価(7月1日時点)は、全国の全用途平均で前年比4.4%下落した。下落率は08年(1.2%)から拡大した。昨年まで上昇してきた東京、大阪、名古屋の三大都市圏はいずれも05年以来4年ぶりに下落に転じた。商業地の不振が目立つ。景気低迷で企業のオフィス需要が縮小したほか、「リーマン・ショック」で冷え込んだ投資マネーも戻っていない。
全国の基準地価の下落は1992年から18年連続。今回は調査開始以来初めて、すべての都道府県で下落率が拡大、もしくは上昇から下落に転じた。全国2万3000の調査地点のうち上昇は3地点にとどまり、地価下落が全国に広がったことがうかがえる。
特に商業地と大都市圏の不振が目立った。商業地の下落率は5.9%と住宅地(4.0%)を上回った。オフィスビルの空室が増えて賃料が下がり、福岡県では商業地2カ所で下落率が30%を超えた。昨年までの上昇の反動もあり、三大都市圏は全用途の平均で6.1%下落し、地方圏(3.8%)よりも下げがきつかった。

上の地図に戻り、4%未満の下落を示している県はその他大勢としても、きちんと確認したわけではありませんが、首都圏の1都4県、愛知県、大阪府の4%以上の下落は昨年までの反動と考えられる一方で、その他の黄色の県は景気悪化に伴う地価下落と見ることが出来ます。すなわち、上の地図で4-8%の地価下落を示す黄色になっているのは東北4県、北陸3県、四国3県、山口県と我が長崎県です。上の地図は住宅地だけを取り出していますので、人口減少も寄与している可能性があるものの、それも含めて、かなり深刻な地方経済の中でもさらに疲弊が激しい地域である可能性が高く、少なくとも長崎県に住んでいる私の実感と一致しているような気がしないでもありません。

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