« パリーグでクライマックスシリーズ始まるも興味なし | トップページ | 新しい NHK 朝の連続テレビ小説「ウェルかめ」の視聴率やいかに? »

2009年10月17日 (土)

2010年度概算要求の取りまとめ

今週は大学の仕事がそれなりにあって忙しく、昨夜なんかは twitter 並みの「つぶやきブログ」で終始した気もしますが、ようやく土曜日の休みになって、本格的に経済を論じようと思います。今日のテーマは新政権が発足してから初めての予算となる2010年度の概算要求です。まず、財務省のホームページにある概算要求額の一覧は以下の通りです。なお、この画像は実際には毎日新聞のサイトから引用しています。

2010年度概算要求

いつもと順番が逆ですが、次に、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

財務省は16日、2010年度予算の概算要求の概要を発表した。政策的経費に当たる一般歳出の要求額は過去最大となる54兆9929億円で、2009年度当初予算を3兆2619億円(6.3%)上回った。国債費と地方交付税交付金はいずれも増額要求となり、国の財政規模を示す一般会計ベースの要求総額は09年度当初予算比7.3%増の95兆381億円に膨らんだ。
野田佳彦副大臣が同日夕の記者会見で発表した。副大臣は世界的な金融危機の影響で、09年度の税収が当初見込みの46兆円から大きく落ち込み、「場合によっては40兆円を下回る可能性がある」とも指摘。減収に伴う赤字国債の追加発行を示唆した。新規国債の発行額は初めて50兆円の大台に乗る可能性が高まっている。
民主党が衆院選のマニフェスト(政権公約)で、来年度からの実施を明記していた子ども手当の創設などの新規政策の要求合計額は4兆3767億円。来春に予定する暫定税率の廃止に伴う税収減と合わせると、概算要求段階では公約実現には来年度に約6兆9000億円の財源が必要になる計算だ。

日経新聞の別の記事では藤井財務大臣が「このままじゃまずい」と発言したと報じられています。まさにその通り。上の表にはいわゆる「事項要求」として額を明示せずに要求しているものが含まれておらず、数兆円あるとの報道も見かけました。そうすると、概算要求時点で100兆円を超える可能性もあります。他方、概算要求の細かな点まで承知しているわけではありませんが、いわゆる公共投資予算はかなり減額される見通しのようにも報じられています。政策とは経済政策に限らず希少な資源を配分して市場の均衡点を歪めるものというのが本質だと私は考えています。こんなことを記憶している人はもういないと思いますが、戦後、高度成長の初期にもっとも希少な資源は外貨でした。この外貨をどのように配分するかを経済政策のテコにしていたことは歴史的に明らかです。そして、現時点で経済政策に用いることの出来るもっとも希少な資源のひとつは予算といえます。
別の観点から、総額としての概算要求を見ている限りでは、マニフェストに盛られた政策を従来の政策に上乗せしたかのような印象があります。要求額が大幅に増えたのですから、これは政策の転換ではなく上乗せに見えます。その上乗せを各省のレベルでは政治主導で容認したわけです。細かな実情に関する情報を持ち合わせない私から見て、各省レベルの概算要求策定作業では政治主導が失敗したような印象も受けます。要するに、官僚の言いなりに既存予算の上に新規予算を積み上げたが如き印象があります。例えば、メディアでも東京新聞の記事で「合格は前原国交相のみ 『査定大臣』になり切れず…」といったものも見かけました。私の見方を裏付けているようにも見受けられます。もしも、「政治主導の失敗」との私の見方が正しいと仮定すれば、財務省の査定レベルで政治主導が貫けるのか、それとも従来と同じように一律カットかそれに近い手法を取るのか、大いに興味のあるところです。

いずれにせよ、私の観察するところ、今までの政策を官僚が主導していた部分があることは確かで、ではどうしてそうなっていたのかというと、政治主導するだけの力量が政治の側に不足していた面もあるからです。堂々と政策論争をして国民の審判を受けたわけですから、もっとも希少な資源のひとつである政府予算の配分において、現政権の奮闘を期待します。

|

« パリーグでクライマックスシリーズ始まるも興味なし | トップページ | 新しい NHK 朝の連続テレビ小説「ウェルかめ」の視聴率やいかに? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2010年度概算要求の取りまとめ:

« パリーグでクライマックスシリーズ始まるも興味なし | トップページ | 新しい NHK 朝の連続テレビ小説「ウェルかめ」の視聴率やいかに? »