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2009年12月28日 (月)

輸出に支えられた鉱工業生産はどこまで伸びるか?

本日、経済産業省から11月の鉱工業生産指数が発表されました。季節調整済みの生産指数が88.3、前月比で+2.6%の増産となりました。市場の事前コンセンサスを少し上回りました。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

経済産業省が28日発表した11月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は88.3となり、前月に比べて2.6%上昇した。指数が上昇するのは9カ月連続で、中国などアジアや北米向けの自動車生産の増加が全体の伸びをけん引した。ただ、生産の水準はピーク時の8割程度にとどまっており、本格回復にはなお時間がかかりそうだ。
11月の生産は市場予測の平均(前月比2.4%上昇)をやや上回った。生産の伸び率は10月には0.5%に縮小したが、輸出の回復などに支えられて上昇傾向が続いている。経産省は基調判断を「持ち直しの動きで推移している」に据え置いた。
生産の増加をけん引したのは自動車などの輸送機械工業で、前月に比べて5.9%上昇した。エコカー補助などの国内の政策効果に加えて、中国を中心とするアジアや北米向けの普通乗用車の生産が伸びた。国内向けの小型乗用車も堅調だった。

いつもの鉱工業生産のグラフは以下の通りです。季節調整済みの系列です。

鉱工業生産指数の推移

まず、11月実績が前月比で+2.6%なんですが、製造工業予測指数で見て、12月が+3.4%、来年1月が+1.3%と増産が続くと見込まれています。要するに、生産は堅調に推移するようです。しかし気になるのは円相場の先行きです。輸出に支えられた生産増であることは確かです。しかし、私も日銀の白川総裁総裁と同じで、「『外需依存から内需主導への抜本的な転換が必要』とする見方には与していない」からです。引用は必ずしも正確ではありませんが、日銀のサイトからで、この発言は日本経済団体連合会評議員会における講演の p.9 冒頭にあります。

項目2009年度2010年度
実質成長率▲2.6+1.4
内需寄与度▲2.2+1.1
外需寄与度▲0.5+0.4
失業率5.45.3
消費者物価▲1.6▲0.8
鉱工業生産▲11.2+8.0

上の表は一昨日に掲載した政府経済見通しなんですが、一昨夜と違って、鉱工業生産指数を入れてみました。来年度、生産は+8%の増産と見込まれています。単純にGDPに占める比率を20%とすれば、鉱工業生産だけで+1.5%を上回る成長率を達成してしまいます。輸入に漏れるのかもしれません。

稼働率指数の推移

最後に、引用した記事に生産はピークの8割とありますが、実は、上のグラフに見る稼働率指数は7-8月の夏場以降足踏み状態にあります。8月の79.0から9月80.3、10月80.5と、生産が順調に回復しているにもかかわらず稼働率は上がりません。グラフからも1次微分が正で2次微分が負であるように見えると思います。残業時間も11月は10月に比べて減少しました。雇用も回復過程にありますから、ひょっとしたら、景気循環の局面として、機械設備を労働で代替している段階にあるのかもしれませんが、この稼働率が上がらなければ設備投資が本格的に増加しないことは言うまでもありません。

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