3月11日に発表される10-12月期GDP統計2次QEは小幅の下方修正か?
日曜日ながら、来週は月曜日の国際収支・経常収支と景気ウォッチャーに始まって、火曜日に景気動向指数、水曜日に機械受注の発表があり、木曜日の10-12月期GDP統計2次QEの発表まで取り上げる機会がないかもしれませんので、今日のうちに2次QEの予想について概観しておきます。すなわち、内閣府による3月11日の発表を前に、先週の法人企業統計など2次QEに必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから昨年2009年10-12月期の2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。今回は、設備投資や先行きを示唆するものがあれば、それを優先的に拾ったつもりです。詳細な情報にご興味ある方は左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
内閣府1次QE | +1.1% (+4.6%) | n.a. |
日本総研 | +0.9% (+3.8%) | 設備投資と在庫投資が下方修正 |
みずほ総研 | +1.0% (+4.0%) | 1-3月期以降について、輸出が増加基調を維持して生産を下支えするものとみられるが、エコポイントなどの耐久財購入支援策の限界効果が次第に薄まってくる中で民需は牽引役を失うだろう |
ニッセイ基礎研 | +1.1% (+4.3%) | 10-12月期・GDP2次速報は小幅下方修正を予測 |
三菱UFJ証券 | +1.1% (+4.5%) | 景気回復はすぐには途切れず、10年いっぱい続くことになろう |
第一生命経済研 | +1.1% (+4.5%) | 1次速報から小幅下方修正ではあるが、前期比プラスは確保できる見込みであり、設備投資の下げ止まりが改めて確認される |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | +1.0% (+4.2%) | 民間企業設備投資は、需要サイドの統計である10-12月期の法人企業統計の結果を受けて、1次速報値の前期比+1.0%から同-0.3%に下方修正 |
三菱総研 | +0.9% (+3.5%) | 法人企業統計調査の結果を受け、民間企業設備投資と民間在庫品増加は下方修正を予想 |
大幅な改定が予想されていない中で、私がもっとも注目したのは設備投資だったんですが、表に取り上げた7機関のうち、私の直感と同じで、1次QEの+1.0%よりも下方修正されるものの、プラスを維持するとしたのが、みずほ総研、三菱UFJ証券、第一生命経済研の3機関、マイナスに転じるとしたのが、日本総研、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、三菱総研の同じく3機関、そして、上方修正されると予測するのが、ニッセイ基礎研の1機関ときれいに分かれました。興味がますます募ります。もうひとつの注目点は在庫の動向なんですが、下方修正を見込む機関が多いようです。
いずれにせよ、昨年末までの順調な景気回復が裏付けられる内容となると私は受け止めていますが、上の表で引用したヘッドラインの中にあるように、今年年央くらいにかけて景気の踊り場的な成長率の低下を予想する向きもあることは事実です。私も同感です。
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