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2010年3月31日 (水)

あす発表の日銀短観の予想やいかに?

明日4月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから3月調査の日銀短観予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、もっとも注目される大企業の業況判断DIを取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。詳細な情報にご興味ある方は左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
ヘッドライン
12月調査実績▲25 (旧▲24)
▲21 (旧▲22)
n.a.
日本総研▲14
▲18
輸出や生産の持ち直しを背景に、製造業を中心とした企業マインドの改善が持続
みずほ総研 *▲16
▲20
景気対策の効果や輸出回復の恩恵を受けた業種を中心に、マインドの改善が続く
ニッセイ基礎研▲13
▲18
輸出を起点に生産が堅調に推移し、国内景気も大企業、製造業を中心に回復を続けている姿が明確になる
三菱UFJ証券景気循環研究所▲10
▲14
業況判断DIの全般的かつ大幅な上昇が確認されよう
第一生命経済研▲12
▲17
二番底懸念が大きく後退し、輸出拡大が収益環境を好転させているのが改善の背景
三菱総研 *▲14
▲18
円高への懸念やデフレ圧力などが企業マインドにとってマイナス要素となる一方、海外需要の強まりや二番底懸念の後退などがプラス要素
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲17
▲18
中国向け需要を中心とした輸出の回復を受けて生産が堅調に増加していることが背景
新光総研▲12
▲16
輸出増の恩恵を直接的に享受しやすい製造業(特に大企業)に比べて、内需の回復が緩やかなものに留まっていることや販売価格のデフレが続いていることなどから、相対的にみると非製造業の改善ペースは緩やかなものに留まる
富士通総研▲16
▲17
輸出財産業が好調であるのに対し、消費財産業の回復は遅れており、非製造業の改善は製造業より小幅に留まる

まず、この3月調査で調査対象企業の定例見直しが実施されます。前回の12月調査では新旧の両方のベースの集計値が公表されています。でも、困ったことに、アスタリスクを付したみずほ総研と三菱総研はよく分かっていないのか、旧ベースの計数のような気がします。それはさて置き、第1に、12月調査以降の経済を見ていて分かるように、輸出や政策効果にけん引された生産の伸びが大きくなっており、製造業におけるマインドが大幅に改善する予想となっています。他方、内需に依存する割合の高い非製造業のマインドの改善はわずかに止まると見込まれています。各機関ともほぼ同様で、こういった見方をしていると私は受け止めています。
ただし、第2に、強気の嶋中所長率いる三菱UFJ証券景気循環研究所でも、3月調査時点では足元は言うに及ばず、先行きでも業況判断DIがプラスに転ずるとは予想しておらず、企業マインドがプラスに転ずると弾き出した機関はまだありません。2番底の懸念はほぼなくなったと考えられますが、年央から輸出や生産がやや鈍化する可能性が指摘されており、本格的な景気回復は2011年からという気の長いことになりそうな中、企業マインドの改善プロセスも長期にマイナスを続ける可能性があります。

いずれにせよ、3月の金融政策決定会合で日銀は追加緩和策を小出しにしましたから、この短観を受けて何かの政策議論が始まるとは私は考えていません。

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