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2010年5月28日 (金)

再び悪化に転じた雇用統計とデフレの続く消費者物価

本日、総務省統計局から失業率が、また、厚生労働省から有効求人倍率などの職業安定業務統計が、さらに、統計局から消費者物価が、それぞれ発表されました。いずれも4月の統計です。失業率が上昇する一方で、有効求人倍率が低下し、雇用統計は再び悪化に転じました。消費者物価も公立高校無償化の影響を除いてもなおマイナスのデフレが続いています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

失業率の悪化続く 4月5.1%、求人倍率も低下
総務省が28日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は5.1%と前月に比べ0.1ポイント上昇した。悪化は2カ月連続。厚生労働省が同日まとめた有効求人倍率(同)は、0.01ポイント低下の0.48倍と8カ月ぶりに下がった。失業率は「女性」の上昇が目立った。家計を助けようと仕事を求める主婦が増えているが、受け皿が少ないため、失業率を押し上げた。
完全失業率は15歳以上の働く意欲のある人のうち、職に就いていない人の割合。男女別では男性が5.5%と0.1ポイント低下。一方、女性は4.7%と0.4ポイント上昇した。
4月の完全失業者は前年同月比10万人増の356万人。このうち、世帯主の配偶者は58万人と12万人増えた。総務省は「仕事を求める女性が増えているが、職に就けず失業者としてカウントされている」と説明している。今春に大学を卒業した人を含む学卒未就職者は21万人と1万人増えた。
就業者数は6269万人と53万人減った。公共事業の削減の影響を受け、建設業は14万人減の492万人。製造業は31万人減り、1066万人だった。政府が新たな雇用の受け皿として期待する医療・福祉は645万人と31万人増えた。
4月の有効求人倍率は、求職者数が前月に比べ0.5%の微減だったのに対し、求人数が1%減ったため悪化に転じた。雇用の先行指標となる新規求人倍率は0.88倍と0.04ポイント上昇したが、就職に結びついておらず、雇用のミスマッチは解消されていない。長妻昭厚労相は閣議後の会見で「雇用情勢は依然として厳しい」と述べ、雇用政策の周知を徹底するよう指示する考えを示した。
消費者物価、4月1.5%低下 14カ月連続マイナス
高校無償化も影響

総務省が28日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の大きい生鮮食品を除くベースで99.2となり、前年同月比で1.5%低下した。マイナスは14カ月連続。4月から高校授業料が無償になった影響で指数が0.54ポイント押し下げられた特殊要因があったものの、物価下落基調は続いている。
個別品目をみると、家電などの価格下落が依然として物価を押し下げている。薄型テレビの価格が前年同月比28.3%低下したほか、ノート型パソコンも36.2%値下がりした。
一方、物価が上昇したのはエネルギー関連が中心で、ガソリンが前年同月比17.0%上昇した。
食料とエネルギーを除いた指数(欧米型コアCPI)は前年同月比1.6%低下した。そのうち、高校無償化の影響がマイナス0.78ポイントあった。
物価の先行指標である東京都区部の5月のCPI(中旬速報値)は生鮮食品を除いたベースで前年同月比1.6%低下した。食料とエネルギーを除いた指数では1.4%低下となった。

次に、いつもの雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルから順に、パーセント単位の失業率、倍率表示の有効求人倍率、万人で示した新規求人数です。いずれも季節調整済みの系列で、影を付けた部分は景気後退期ですが、直近の谷は2009年3月と仮置きしています。

雇用統計の推移

失業率が上昇し、有効求人倍率も低下し、一般的な雇用情勢が悪化を始めたように見えますが、景気回復期の一時的な現象であり、引用した記事にもある通り、世帯主の配偶者、多くは主婦が職を求めた結果であり、私はそれほど心配していません。雇用の先行指標である新規求人数は増加を続けており、もう少し長い目で見れば、失業率や有効求人倍率を含めた雇用情勢は景気の回復とともに好転すると考えるべきです。

産業別雇用者数の推移

上のグラフは産業別に雇用者数の増加を前年同月と比べたものですが、4月は一時的に減少を示しましたが、これも景気の回復に伴って、早晩、本格的な増加に転じると私は予想しています。4月統計は雇用について弱い結果となりましたが、年内には本格的な景気の回復に伴う雇用情勢の好転が望めるという私の考えに変化はありません。

消費者物価上昇率の推移

雇用よりも深刻なのが、あるいは、雇用にさらに悪い影響を与えるのがデフレです。4月の消費者物価上昇率は全国のコア CPI で前年同月比▲1.5%の下落となりました。もっとも、総務省統計局の「消費者物価指数における高校授業料無償化の影響」に報告されている通り、公立高等学校の授業料無償化や私立高校授業料への高等学校等就学支援金支給の影響などの寄与が▲0.54%ありましたから、マイナス幅は着実に縮小しています。しかし、先行きどれくらいまでマイナスのデフレが続くかについては、最近のIMFやOECDなどの国際機関に比べて、かなり日銀は甘い物価見通しを持っていると考えざるを得ません。3月から再び上昇に転じたエネルギー価格の寄与を大きく見積もっていたりするんでしょうか。金融政策に引締めバイアスがかかる可能性が懸念されます。消費者物価見通しは以下の表の通りです。なお、日銀のみ財政年度で、IMFとOECDは暦年です。

機関20102011
IMF▲1.4%▲0.5%
OECD▲0.7%▲0.3%
日銀▲0.5%+0.1%

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