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2010年5月31日 (月)

鉱工業生産も所定外労働時間も鈍化の兆し、楽観的な景気見通しは下方修正すべきか?

このところ、普天間問題の報道を論評なく取り上げて来ましたが、今夜はこのブログ本来の姿に戻ります。本日、経済産業省から鉱工業生産指数が、また、厚生労働省から毎月勤労統計調査が、それぞれ発表されました。いずれも4月の統計です。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産、4月は1.3%上昇 5月は0.4%予想 経産省「今後の動向、注視必要」
経済産業省が31日発表した4月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は前月より1.3%高い96.0だった。半導体や自動車関連などが伸びたため、2カ月連続で前月の水準を上回った。ただ、市場予測は下回った。5月、6月は伸びの鈍化が見込まれている。国内の政策効果が一巡してきたことなどから、企業経営者が生産計画に慎重になり始めた。経産省も「今後の動向を注視する必要がある」と指摘している。
4月の鉱工業生産指数は事前の市場予測の中央値(前月比2.5%増)を大きく下回った。経産省は基調判断を「生産は持ち直しの動きで推移している」に据え置いた。
業種別では一般機械工業が2カ月ぶりに12.0%上昇。中国や台湾など主にアジア向けの半導体製造装置やフラットパネル・ディスプレー製造装置などの生産が増加した。太陽光パネルに使われる産業用アルミニウム製品の生産増にけん引され、金属製品工業も好調だった。
一方、4月にエコポイント対象商品が切り替わった影響で、液晶テレビの生産が3.8%低下。輸送機械工業全体では0.3%増えたが、乗用車は1.6%下がり、小型乗用車は6.3%低下した。国内の環境対応車は好調だったが、海外向け生産は自動車会社によってばらつきがあったという。新学期に合わせた学校向け大量納入が終わり、ノート型パソコンの生産も18.9%下がった。
出荷指数は1.6%高い98.2で、2カ月連続の上昇。在庫指数も0.3%上昇し、94.3になった。
先行きの生産予測指数は5月に0.4%、6月に0.3%の上昇になる見通しで、生産の伸びはやや鈍化する。経産省はギリシャの金融危機について「国内製造業に影響が及ぶかもしれない」とみている。
4月の現金給与総額、2カ月連続プラス 残業時間伸びる
厚生労働省が31日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、従業員1人当たり平均の現金給与総額は全産業ベースで前年同月比1.5%増の27万5985円となった。生産活動の回復を受けて残業時間が伸び、2カ月連続のプラスとなった。基本給を示す所定内給与は0.4%減っており、賃金が本格回復するにはなお時間がかかる。
残業代などの所定外給与は11.3%増の1万8650円。4カ月連続の増加となった。就労形態別の現金給与総額は一般労働者(正社員やパート以外の非正規社員を含む)が2.1%増、パートが0.2%増だった。
残業時間を示す所定外労働時間は10.8%増の10.3時間。4カ月連続で増えた。製造業の所定外労働時間は13.8時間で、53.4%の大幅増。5カ月連続のプラスだ。
雇用者数では一般労働者が0.5%減の3206万3000人。パートは1205万人と1.7%増えた。

次に鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。2005年=100となる季節調整済みの指数です。影をつけた部分は景気後退局面なんですが、直近の景気の谷は2009年3月と仮置きしています。

鉱工業生産指数の推移

グラフから明らかですが、2月の春節効果でマイナスを記録した後、やや伸びが緩やかになり、4月の生産は市場の事前予想の+2.5%増を大きく下回る+1.3%増にとどまりました。この伸びのほとんどが一般機械で占められており、それ以外はゼロに落ちたと受け止めています。引用した記事にもある通り、家電エコポイントの一部が3月末に終了したこともあり、政策効果の剥落から5-6月はさらに伸びが鈍化するとの予測となっています。季節調整指数で見て1-3月期は前期比+7.0%の増産だったんですが、5-6月の製造工業生産予測指数をそのまま当てはめれば、4-6月期は+2.2%増と大きくブレーキがかかる予想となっています。鉱工業生産は2009年2月の底から四半期ベースで前期比6%前後の増産を続けて来たんですが、2010年4月が大きなターニングポイントになりそうです。

所定外労働時間指数の推移

次に、毎月勤労統計調査の中で、もっとも景気に敏感な所定外労働時間指数のグラフは上の通りです。5人以上事業所の季節調整済み指数を取っています。影をつけた部分は鉱工業生産指数と同じです。こちらもハッキリと鈍化の兆しが読み取れます。生産に連動する部分が大きいので当然です。

私はかなり単純かつ楽観的なエコノミストですので、少し前まで、景気の順調な拡大が続いて、年央くらいから要素需要、すなわち、設備投資や雇用の本格的な回復が始まると予想していて、ギリシアの財政危機に端を発する欧州発の金融混乱があっても、それが少し後ズレするだけだろうと考えていましたが、政策効果の剥落がこれほど顕著にネガティブな影響を及ぼすとは想定外でした。楽観的な私の景気見通しを少し修正する必要があるのかもしれません。

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