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2010年6月 3日 (木)

法人企業統計から何を読み取るか?

本日、財務省から1-3月期の法人企業統計が発表されました。売上高と経常利益は順調に回復を示していますが、設備投資は反転して回復に転じつつある段階に止まっており、力強さはまったくありません。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

法人企業、約3年ぶり増収増益 1-3月
設備投資は12四半期連続で減少

財務省が3日発表した1-3月期の法人企業統計によると、企業の売上高は前年同期比10.6%増の344兆円となり、9四半期ぶりのプラスとなった。経常利益も2.6倍となり、日本企業は11期ぶりに増収増益を確保した。ただ設備投資は11.5%減と12期連続で前年同期の水準を下回っており、企業の投資意欲は依然として限定的だ。
売上高は製造業、非製造業とも増えた。製造業は前年同期比19.1%増。内外の景気刺激策や中国向け輸出増で自動車などの輸送用機械が伸びたほか、半導体も好調だった。非製造業は7.5%増。エネルギー価格の上昇で商社の売上高が増えた。
経常利益は前年同期比163.8%増の11兆2565億円と2期連続プラス。売上高の伸びに比べ、経常利益の拡大が大きいのは、企業のコスト削減が奏功したためだ。製造業は前年同期の赤字から黒字に転じた。自動車が増収効果で稼ぎが増えたほか、化学も好調だった。非製造業は2期連続のプラス。運輸業や小売業が伸び、5.2%の増益になった。
一方、設備投資は前年同期比で12期連続マイナスの11兆1429億円になった。製造業が31.2%減と大幅減少が続いた。売り上げこそ好調だが先行き不透明感から自動車など輸送用機械などが投資を手控えた。非製造業は0.4%増とほぼ横ばい。建設業などは伸びたが、広告などのサービス業が落ち込んだ。
財務省は今回の結果について「業況の改善が続く一方、設備投資は低水準で推移しており、法人企業は依然として厳しさが残っている」との判断を示した。国内総生産(GDP)の改定値に影響する設備投資の季節調整値は前期比2.6%減と期ぶりにマイナスに転じている。

次に、グラフは以下の通りです。いずれも金融業と保険業を除く全産業についての季節調整済みの系列で、上のパネルは売上高と経常利益、下はソフトウェアを除く設備投資額です。影をつけた部分は景気後退期なんですが、直近の景気の谷は2009年1-3月期と仮置きしています。

法人企業統計の推移

法人企業統計に限らず、経済指標についてはほぼすべて同じ傾向ですが、売上高も経常利益も力強い上昇モメンタムにありますが、Great Recession に入る前の過去最高を記録した水準には届いていません。従って、設備投資と雇用に対する要素需要は少し遅れて回復することになります。GDP統計とは少しベースが異なることもあって、設備投資は季節調整していない系列の前年同期比で▲12.9%減と減少を続けており、季節調整済みの系列では10-12月期にプラスに転じたんですが、1-3月期には再びマイナスとなっています。雇用や設備の過剰感はかなり改善して来ているんですが、私が想定していた年央から少し後ズレして、年後半から要素需要が本格化するんではないかと見込まれる一方で、時を同じくして年後半くらいから生産の鈍化が生じる可能性が大きく、今年後半の景気は予断を許さない状況に差しかかりつつあります。

来週6月10日に公表予定の2次QEでは設備投資が下方修正されることを主因として、GDP成長率も下方修正されるものと私は考えています。

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