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2010年6月25日 (金)

いつまでデフレは続くのか?

本日、総務省統計局から5月の消費者物価指数が発表されました。生鮮食品を除く全国のコアCPIの前年同月比上昇率は▲1.2%でした。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価1.2%低下 5月、15カ月連続
家電、食料品など幅広く下落

総務省が25日発表した5月の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の大きい生鮮食品を除くベースで99.3となり、前年同月と比べて1.2%低下した。低下は15カ月連続。高校の授業料無償化が0.54ポイント分の押し下げ要因になったほか、家電や食料品なども幅広く下落傾向が続いている。
5月のCPIの低下幅は4月(前年同月比1.5%低下)に比べ縮小した。資源価格の上昇で灯油やガソリンが値上がりしたことが背景。ただ食料とエネルギー価格を除いた総合指数(欧米型コア)は1.6%低下と4月から横ばいで、需要不足によるデフレ基調は引き続き鮮明だ。
品目別では家電類の価格低下が顕著。薄型テレビが27.5%下落したほか、ノート型パソコンも35.2%値下がりした。衣料品も男児用ズボンが前年同月に比べ13.0%安くなった。
生鮮食品を除いた食料では、ビスケットが12.6%値下がりしたほか、食用油は12.3%、ミネラルウオーターも8.4%それぞれ下落した。
生鮮食品を含む総合指数は0.9%低下だった。
物価の先行指数となる東京都区部の6月のCPI(中旬速報値)は生鮮食品を除く総合指数で前年同月比1.3%低下した。食料・エネルギーを除いた総合指数(欧米型コア)は1.4%低下と4月以降、低下基調が続いている。

続いて、いつものグラフは以下の通りです。青い折れ線グラフが全国の生鮮食品を除く、いわゆるコアCPI、赤がエネルギーと食料を除く欧米流のコアコアCPI、灰色が東京都区部のコアCPIのそれぞれ前年同月比上昇率です。棒グラフは全国コアCPI前年同月比上昇率を寄与度で分解したものです。黄色がエネルギー、緑が食料、水色がエネルギーでも食料でもない「その他」となっています。

消費者物価上昇率の推移

グラフから明らかな通り、4月以降は高校実質無償化の影響もあるんでしょうが、エネルギーでも食料でもない「その他」分類の寄与がグングン高まっているのが見て取れます。全国と東京都区部のコアCPIのマイナス幅は縮小していますが、特に5月はエネルギーの寄与が大きくなっています。全国のコアCPIの前年同月比は4月の▲1.5%のデフレから、5月は▲1.2%へと0.3%ポイント、マイナス幅が縮小しましたが、エネルギーの寄与度は0.38%となっており、エネルギー以外はデフレが悪化していることを見逃すべきではありません。もちろん、高校実質無償化の影響が大きいのは言うまでもありませんが、全国のコアコアCPIの前年同月比はエネルギーが除かれていますから4月5月と横ばいにとどまっています。デフレは一向に改善する兆しすらないと受け止めるべきです。日銀の現在の金融政策スタンスでは、エネルギー価格に頼る以外は永遠にデフレが続きそうな気がして怖いです。

ブレークイーブン・インフレ率の推移

デフレが続く中で、長期金利が低下を続けています。上のグラフは日本相互証券のサイトから引用したブレークイーブン・インフレ率の推移です。それぞれ10年物の国債の名目イールドと物価連動債の実質イールドの差として算出されています。最近、大きく低下しているのが見て取れます。このブレークイーブン・インフレ率はインフレ期待の代理変数として用いられるんですが、恒等式ですから、実質金利が高いとも解釈できます。最近では、言うまでもなく、リーマン・ブラザーズ証券破たん直後に実質金利がハネ上がり、逆に、ブレークイーブン・インフレ率が落ち込んだんですが、欧州のソブリン・リスクの広がりなどにより、円建て国債の安全性がさらに高く評価されて名目金利が下がっていますから、よく似た金融市場動向になりつつあるのかもしれません。

消費者物価地域差指数

最後に総務省統計局の消費者物価指数に戻って、上のグラフはこれも今日発表された2009年を通じた地域差指数です。県庁所在市について物価が高い順にソートしてあります。世間一般では、東京都区部を抜いて横浜市の物価が最も高いと注目していますが、実は、この分野では長崎市も健闘しています。2-3年前までは全国15位近辺につけていたんですが、2009年は19位まで下がりました。長崎県の1人当たり県民所得は全国でボトム5県に入るんですが、長崎市の物価の高さでは全国の上位、九州トップだったりします。長崎県ではなくて長崎市ですから、離島での物価がどの程度含まれているのか私は知りませんが、所得が低くて物価が高いというのでは、暮らし向きが苦しいのも当然です。

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