改定された政府経済見通しと消費税増税・財政再建の関係やいかに?
本日、内閣府から「平成22年度の経済動向について (内閣府年央試算)」と題して、政府経済見通しの改定版が発表されました。2010年度だけでなく、2011年度についも参考試算として公表されています。まず、2010年度については以下の通りです。

私の方で主要な項目について2010-11年度を抜粋したテーブルは以下の通りです。ただし、タイプミスもあり得ますので、計数の完全性は無保証です。正確かつ詳細な計数を必要とする向きは出典である内閣府のサイトを参照下さい。
| 2010 (政府見通し) | 2010 (今回試算) | 2011 (参考試算) | |
| 実質成長率 | +1.4 | +2.6 | +2.0 |
| 名目成長率 | +0.4 | +1.6 | +1.7 |
| GDPデフレータ上昇率 | ▲1.0 | ▲1.0 | ▲0.3 |
| 完全失業率 | 5.3 | 4.8 | 4.4 |
| 消費者物価上昇率 (総合) (除 高校実質無償化の影響) | ▲0.8 | ▲0.9 (▲0.4) | 0.0 |
デフレがかなり長期にわたって persistent であることを除けば、順調な景気回復パスが示されていると受け止めています。特に、雇用を重視する私としては、2011年度に4%台半ばまで失業率が下がるのは、やや信じがたい気すらします。
誠についでながら、本日午前の政府税調において専門家委員会から神野委員長名で「議論の中間的な整理」が報告されました。日経新聞を含む多くのメディアで所得税の累進性強化と消費税率引上げの必要性を強調する論調が目立っています。さらにさらに、ついでで、本日の閣議では「財政運営政略」が決定されており、国・地方のプライマリーバランスの赤字のGDP比を遅くとも2015年度までに半減し、2020年度までに黒字化する目標を定めています。
しかし、私は今こそ「シルバー・デモクラシー」のバイアスを排して、引退世代と勤労世代の世代間不公平を改善する政策を実行すべきであると考えています。この観点から子ども手当は極めて重要な政策であると私は受け止めていますので、子ども手当に関する研究ノートを書いているところなんですが、最後に、参照した Adema, Willem and Maxime Ladaique (2009) "How Expensive is the Welfare State?: Gross and Net Indicators in the OECD Social Expenditure Database (SOCX)," OECD Social, Employment and Migration Working Papers No. 92, Organisation for Economic Co-operation and Development, November 2009 の p.26 Chart 4.3 から社会政策支出のうちの現金給付のGDP比で見て、年金と勤労世代の所得サポートの差が、いかに日本では大きいかを示しておきたいと思います。

消費税率引上げは言い出しても、高齢者の年金を削減する政策をどの政党も取り上げないのは、ホントに分かっていないか、それとも、囚人のジレンマに陥っているか、どちらなのでしょうか?
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