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2010年7月30日 (金)

本日発表された経済指標を振り返る

本日、経済産業省から鉱工業生産指数が、総務省統計局から失業率などの労働力統計が、厚生労働省から有効求人倍率などの職業安定業務統計が、また、総務省統計局から消費者物価指数が、それぞれ発表されました。いずれも6月の統計です。鉱工業生産指数の季節調整済み系列の前月比は▲1.5%の減産となり、失業率は上昇して5.3%に達した一方で、有効求人倍率は0.52倍まで改善しました。生鮮食品を除くコア消費者物価は下落幅がやや縮小したとはいえ、まだ▲1.0%と大幅です。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから関連する記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産指数、6月1.5%低下 4カ月ぶり
経済産業省が30日発表した6月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は94.7と前月比1.5%低下し、4カ月ぶりにマイナスになった。輸出の落ち込みなどが響き、輸送機械工業や電子部品・デバイス工業など幅広い業種で低下した。経産省は基調判断を「生産は持ち直しの動きで推移している」と据え置いたものの、「足踏みの動きもみられる」との表現を付け加えた。同日発表になった6月の完全失業率は5.3%と前月比0.1ポイント悪化、消費者物価指数も16カ月連続でマイナスになった。
鉱工業生産指数について、事前の市場予測の中央値は前月比0.2%上昇だったが、1.5%の低下となった。
業種別では輸送機械工業が2カ月連続のマイナスで3.0%低下した。普通乗用車や車体部品などの輸出が伸び悩んだほか、エコカー購入補助などの消費刺激策の効果も一巡したためとみられる。
電子部品・デバイス工業は4カ月ぶりにマイナスに転じ、4.3%低下。中国と韓国向けの携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)関連部品の落ち込みが目立ったほか、液晶テレビなどに使う大型パネルのアジア向け輸出も振るわなかった。
化学工業や鉄鋼業なども、アジア向け輸出などが落ち込み、低下した。一方、一般機械工業は中韓向けの輸出が堅調で、3カ月連続でプラスを維持した。
併せて発表した4-6月期の生産指数は95.6と前期比1.4%上昇した。ただ1-3月期は前の期比7.0%上昇しており、全体的な生産の伸びは鈍化している。
出荷指数は2カ月連続のマイナスで96.2と0.2%低下した。在庫指数は0.7%上昇し、97.2と3カ月連続で上がった。
先行きの生産予測指数をみると、7月が前月比0.2%低下するものの、8月は同2.0%の上昇になる見通し。7月は幅広い業種で低下が予想されているが、8月以降は輸送機械工業をはじめ多くの業種で生産が持ち直すとみられている。
失業率、4カ月連続悪化 6月5.3%
総務省が30日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は5.3%と前月と比べて0.1ポイント上昇した。悪化は4カ月連続。若年層の雇用情勢の厳しさが影響した。一方、厚生労働省が同日まとめた6月の有効求人倍率(同)は前月を0.02ポイント上回り、0.52倍だった。求人倍率の改善は2カ月連続だが、依然として水準は低い。求人には回復の兆しもみえるが、雇用は依然として厳しい情勢が続いている。
完全失業率は15歳以上の働く意欲のある人のうち、職に就いていない人の割合。男女別では男性が0.1ポイント上昇し5.6%、女性は4.9%と0.2ポイント上昇した。
年齢別の完全失業率(季節調整値)をみると、15~24歳が11.1%と前月と比べ0.6ポイント上昇したのが目立つ。学校を卒業したが就職できない人が多いほか、失業率は仕事を求めている人を分子に置いて算出するため、職探しをする人が増えているのも失業率を押し上げた。
就業者数は6280万人と前年同月と比べ20万人減少した。業種別にみると、公共事業の削減などを背景に、建設業は487万人と19万人減少した。一方で、医療・福祉は24万人増え、640万人だった。
6月の有効求人倍率は、有効求人数が前月と比べ2.7%増えたのに対し、有効求職者が1.2%減ったため改善した。新規求人を業種別にみると、宿泊業・飲食サービス業を除く、すべての業種で前年同月と比べ増加した。ただ求人が就職に結びついていないケースも多く、雇用のミスマッチは依然として解消されていないもようだ。
消費者物価1.0%下落、6月 16カ月連続
5月より下落幅縮小もデフレ状況続く

総務省が30日発表した6月の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が99.3となり、前年同月に比べて1.0%低下した。マイナスは16カ月連続。食料品や家電など幅広いモノの値段が下がっている。ガソリン価格の上昇などがあり、5月に比べると下落幅は0.2ポイント縮小したが、依然として物価の下落が続くデフレの状況にある。
生鮮食品を含めた物価の総合指数は前年同月比0.7%低下した。食料とエネルギー価格を除いた総合指数(欧米型コア)も1.5%下がった。それぞれ低下幅は前月よりも0.2ポイント、0.1ポイント縮まったものの、需要不足が響きマイナスが続いている。
品目別でみると、食料品では食用油が11.6%下がったほか、スパゲティやビスケットなども安くなった。家電では薄型テレビが27.2%、ノート型パソコンも31.1%それぞれ下がった。高校の授業料無償化は0.54ポイント程度の押し下げ要因となった。一方でガソリン価格は13.6%上昇した。
物価の先行指数となる東京都区部の7月のCPI(中旬速報値)は生鮮食品を除く総合指数で前年同月比1.3%低下した。

まず、鉱工業生産指数のグラフは以下の通りです。上のパネルがヘッドラインの季節調整済生産指数の推移で、影を付けた期間は景気後退期です。下のパネルは在庫循環図です。もうすぐ第1象限に入りそうです。引用した記事にもある通り、家電エコポイントやエコカー減税・補助金などの政策効果の剥落、世界経済の減速に伴う輸出の伸びの鈍化などにより、生産は減速局面に入っています。目先の話としては、製造工業予測指数を見ると、7月も減産が続いた後、8月は少し増産に戻ると考えられています。

鉱工業生産の推移

雇用は、本来は逆に動く失業率と有効求人倍率がともに上昇し、やや錯綜した様相を呈していますが、私は基本的には雇用は改善に向かっていると判断しています。いつものグラフは以下の通りです。上から順に失業率、有効求人倍率、新規求人数です。影を付けた期間は景気後退期です。失業率だけが少しハズレの動きを示していますが、有効求人倍率と新規求人数は着実に改善を示していることが読み取れます。

雇用統計の推移

産業別に雇用者数の増減を見ると、引き続き建設業が減少しているのを別にすれば、製造業の減少幅は画期的に縮小しました。相変わらず医療・福祉で雇用が増加している他、情報通信業でも増加に転じています。以下のグラフの通りです。

産業別雇用者数の推移

最後に、消費者物価は相変わらず▲1%に達するデフレが続いています。全国のコアCPIは下落幅を縮小していますが、エネルギーに負っている部分が大きく、コアコアCPIは一向に改善に兆しすら見せません。

消費者物価の推移

月末の閣議日ということで、一気に発表された経済指標につき、簡単に見ておきました。

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