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2010年10月19日 (火)

夏川草介『神様のカルテ 2』(小学館) を読む

夏川草介『神様のカルテ 2』 (小学館)

夏川草介さんの『神様のカルテ 2』 (小学館) を読みました。言うまでもありませんが、昨年11月21日付けのエントリーで取り上げた『神様のカルテ』の続編です。従って、栗原一止・榛名夫妻を主人公に、信州松本の「24時間、365日対応」をモットーにしている本庄病院や御嶽荘を舞台に物語は進みます。まず、小学館のサイトからあらすじを引用すると以下の通りです。

医師の話ではない。人間の話をしているのだ。
栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。
そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。かつて"医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。

ついでながら、登場人物の相関図は以下の通りです。これも小学館のサイトから直リンで引用しています。ヨソさまのサイトに置いてあるフラッシュに直リンするのは私のブログの特徴だったりします。人物名をクリックすると詳細なキャラクターが現れます。

前回の『神様のカルテ』の読書感想文の時もそうでしたし、今回も登場人物相関図を引用するのは、基本的に、「小学館が作ってくれるから引用しているだけ」というのもありますが、この小説では各々のキャラが際立っているからです。物語の舞台が病院ですから、そのまま死ぬ人と病気やケガを克服して回復する人に分かれます。おそらく、事実を少しデフォルメするだけで、どちらにも人間としてのドラマがあるんだろうと思います。しかし、自動車や電機製品のようなレディメイドの出来上がり品と違って、100人の患者がいれば100通りの治療があり、もちろん、医者と呼ばれる人間が治療に当たっています。ですから、一般化できる部分はあるいは科学的な説明が可能なのかもしれませんが、一般化できない部分で人間ドラマが生まれそうな気がします。純粋な文学作品としては、やや疑問が残らないでもない作品ですが、泣きたい人には泣けそうですし、別の観点から、ある意味で、楽しめる物語でもあります。終わり方は明らかに続編があることを示唆していると私は受け止めています。

いずれにせよ、前作と同様に老若男女すべてに受け入れられる素地を持った作品です。我が家の中学生や小学生にも読ませたいと考えています。前作は直木賞の候補作となり、本屋大賞の2位に上げられましたが、この作品もいいところに行きそうな予感がします。

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