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2010年10月 7日 (木)

そろそろ下降線をたどる景気動向指数とIMF「世界経済見通し」

まず、本日、内閣府から8月の景気動向指数が発表されました。一致指数が103.5と上昇した一方で、逆に先行指数は99.1と低下しました。また、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlook の見通し編第1章と第2章が発表されました。月曜日にこのブログで取り上げた分析編の続編です。まず、景気動向指数について日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気先行指数2カ月連続マイナス 8月
内閣府が7日に発表した景気動向指数(2005年=100)は、景気に対し数カ月先に動く先行指数が前月に比べ0.9ポイント低い99.1となった。急激な円高や株安を背景に、マイナスは2カ月連続。2カ月以上続けて低下したのはリーマン・ショックの影響が残る09年2月以来となる。
先行指数の内訳をみると、中小企業売り上げ見通しDIが前月と比べ8.9ポイント急落したほか、消費者態度指数も0.9ポイント低下した。日経商品指数や東証株価指数といった市況に関する指標もマイナスに寄与した。
一方で景気の現状を示す一致指数は前月比0.5ポイント高い103.5となり、17カ月連続で上昇。比較可能な1980年以降のプラス期間の最長を更新し、内閣府は11カ月連続で「改善を示している」との基調判断を維持した。
ただ一致指数の内訳をみると、猛暑の冷房需要を反映した大口電力使用量や商業販売額が下支えした側面が強い。逆に鉱工業の生産指数は前月比0.3%、生産財の出荷指数は0.7%それぞれ低下した。内閣府は「生産面が少し弱含んでおり、来月以降の動向を注視する必要がある」と説明している。
景気の動きに遅れて反映される遅行指数は、雇用や家計の消費支出が上向き、前月比0.4ポイントプラスの87.8だった。

次に、景気動向指数のグラフは以下の通りです。上のパネルは赤い折れ線がCI一致指数、水色が先行指数です。下のパネルの緑の折れ線はDI一致指数です。いずれも影を付けた部分は景気後退期を表しています。

景気動向指数の推移

グラフを見れば明らかですが、8月まで一致指数は傾きが緩やかになりつつも上昇を続けている一方で、先行指数は明らかにピークアウトして低下局面に入っています。エコカーの補助金終了間際の駆込み需要が8月まであったものの、9月7日付けまでで補助金受付は終了しました。減税はまだ残っているにしても、補助金ほどのインパクトはありません。もちろん、ディーラー各社による独自インセンティブが自動車需要を下支えする可能性もありますが、それも本来の補助金の締切である9月末を大きく越えるとはとても思えません。また、自動車に比べて単価で大きな違いはありますが、タバコが10月から値上げされる駆込み需要も考えられます。従って、何度か繰り返した私の足元から目先の景気観ですが、消費は8月をピークとして9月から下がり始め、特に10月はドカンと下がる、と考えるべきです。生産は一部にこれを先取りした動きを示しています。また、昨今の円ドル為替を見ている限り、この消費の動きを打ち消すような輸出の増加を期待するのはムリな気がします。追加の経済対策などによる財政金融政策でどこまで支えられるかも不透明です。日銀の追加緩和策は一昨日のブログで取り上げましたが、政府の経済対策については、昨日、民主党から海江田経済財政担当大臣に対して総額4.8兆円程度の「円高・デフレ対応緊急経済対策」が手交されたところです。要するに、現在すでに低下を初めているCI先行指数に見られるように、8月まで上昇したCI一致指数も9月以降は低下する可能性が高く、特に、10月は大きく低下すると受け止めています。

Latest IMF Projections

ということで、話題を国際通貨基金 (IMF) の「世界経済見通し」 World Economic Outlook に転じると、大雑把に、日本を含めて今年2010年の成長率が上方改定された一方で、来年2011年が下方改定されています。中でも、米国は今年も来年も下方改定されています。上の総括表の通りです。なお、上の総括表をクリックすると、全文リポートの p.2 Table 1.1. Overview of the World Economic Outlook Projections に示された詳細な総括表が別画面で開きます。ラインハート教授とロゴフ教授の一連のペーパーで示された通り、金融危機後の景気回復のペースは遅々として進まず、先進諸国の失業率は2015年になっても6%を超えたままであることが p.10 Figure 1.8. Prospects for Near-Term Activity に示されています。以下のグラフの通りです。

Figure 1.8. Prospects for Near-Term Activity

最後に、専門外ながら、北海道大学の鈴木教授とパーデュー大学の根岸教授にノーベル化学賞が授賞されました。誠におめでとうございます。もうすぐ、日本時間8時にノーベル文学賞の発表です。今年こそ村上春樹さんに期待しています。

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