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2010年12月20日 (月)

日本経済の見通しやいかに

今週金曜日の予算案の閣議決定に向けて、同時に、政府経済見通しも着々と進んでいることと思いますが、政府だけでなく多くのシンクタンクや金融機関、さらに、国際機関でもすでに来年以降の日本経済の見通しを明らかにしています。今夜は取りあえず成長率について、いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。単位は成長率のパーセントです。なお、アスタリスクを付した2つの国際機関はカレンダーと同じ歴年の見通しですが、それ以外は政府と同じように4月から始まる財政年度の見通しです。ご注意ください。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。かなり長めに取ったつもりですが、さらに詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名201020112012ヘッドライン
経済開発協力機構*
(OECD)
+3.7+1.7+1.3deflation is projected to continue, with unemployment remaining above its pre-crisis level.
国際通貨基金*
(IMF)
+2.8+1.5n.a.In Japan, fiscal stimulus and the rebound in global trade and strong demand elsewhere in Asia have boosted output growth since the fourth quarter of 2009, but activity weakened significantly in the second quarter of 2010.
日本総研+3.3+0.3n.a.これまでの景気回復は、内外の政策効果に依存していたところが大部分。2011年度は、耐久財購入刺激策などのプラス効果が剥落し、日本経済の脆弱さが浮き彫りになる局面
ニッセイ基礎研+3.3+1.6+1.9足もとの景気は足踏み状態にあるが、海外経済の回復や円高の是正に伴い輸出の伸びが高まること、反動減の影響一巡により個人消費が持ち直すことから、2011年1-3月期はプラス成長に復帰し、景気後退局面入りは回避されるだろう
大和総研+3.0+1.0n.a.2011年度の経済成長率が2010 年度を下回るのは所謂「成長のゲタ」が低下することによる影響が大きく(2010年度: 前年比+1.9%→2011年度: 同▲0.2%)、「ゲタ」を除いた成長率は、2010年度、2011年度共に前年比+1.1%と底堅い成長が続く
みずほ総研+3.3+1.4n.a.2010年度高の日本経済は、需要・生産が停滞し、景気は一進一退の展開を辿る可能性が高い。…(中略)… 2011年度に入ると、景気は緩やかな回復軌道に戻る見通し
三菱総研+3.1+1.0n.a.10年10-12月期以降、日本経済は踊り場入りし、11年4-6月期にかけて足踏みの状況が続くと予想する。その後の回復テンポについても、為替相場など金融市場の動向に加え、米国経済の回復のスピードや中国経済の軟着陸の成否など海外経済の行方に大きく依存しており、先行きの不確実性は高い
野村證券金融経済研究所+2.7+1.2+2.1金融緩和策の一部奏功による円高傾向の一巡と海外経済の持ち直しを背景に、2011年半ばから輸出は再び回復傾向に転じよう。追加経済対策の効果や内需持ち直し傾向が持続する中で、輸出が牽引役を果たす形で国内景気は2011年7-9月期に「踊り場局面」を脱し、再び浮揚しよう
第一生命経済研+3.3+1.0+2.4景気が後退局面入りする可能性は低いと考えている。米国では景気の減速傾向に歯止めがかかりつつあることを示唆する経済指標が見られるようになってきたことに加え、中国でも景気の好調さを示す指標が増えてきた。海外経済の失速によって日本からの輸出が失速する可能性はかなり低下した
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所+3.4+2.0+3.0景気は、すでに調整局面に入っているが、景気後退には至らず、11年4-6月期にかけての踊り場的な調整局面を経て、11年夏場に再加速し、12年度も堅調に推移する、との見通しに変更はない
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+3.2+1.5+2.02010年度下期は景気対策効果の剥落によって景気が足踏み状態に陥る可能性が高いが、2011年度には内需の拡大を背景に景気は自律的な回復軌道に乗り、デフレ圧力も薄らいでくるという見方に大きな変更はない
みずほ証券リサーチ&コンサルティング+3.2+1.6n.a.回復基調が途絶える可能性は低く、11年半ば以降については、内外における在庫調整が一巡するとともに、米国経済の回復ペースが徐々に高まっていくことなどから、日本経済の回復モメンタムは再び高まっていく
農林中金総研+2.8+1.1+2.4欧米経済には不安定さが残っているほか、堅調だった中国経済も調整が続いており、わが国からの輸出が再加速する状況にはない。とはいえ、世界経済全体が再び悪化するリスクは大きくはないと見られるが、わが国の輸出にとって好材料は少なく、当面は輸出の伸びが鈍化する可能性は高い
富士通総研+3.3+1.6n.a.日本経済は、輸出の減速と政策効果の一巡により踊り場に入っていますが、世界経済の再加速が見込まれる来年春以降は、輸出の増加を通じ、再び緩やかな回復軌道に戻っていくと予想
伊藤忠商事+3.3+0.8+2.4「踊り場的な状況」は2011年前半も続く見込みである。その後、2011年後半以降は、アジア向けを原動力に輸出が再加速へ転じ、日本経済の基調は上向くと予想
帝国データバンク+3.2+1.3+2.22011年度は、外需に下振れリスクがあるものの、住宅投資が7 年ぶりにプラスとなるなど、設備投資と住宅投資が成長を支えると予測される。2012 年度は、設備投資や住宅投資がけん引するほか、個人消費も安定した伸びを示し、バランスのとれた成長プロセスになると予測

一見して明らかなように、今年度2010年度はいわゆるゲタもあって高成長を記録した後、年明けから来年半ばくらいまで踊り場が続き、来年後半から景気は再加速して回復軌道に復帰し、2012年度は順調に成長率が上昇するという穏当な見通しが多くなっています。私は年央よりももう少し早めに成長率がピックアップするように見ています。大きな違いはありません。程度問題だという気がします。かなりの程度に外需に依存した成長経路だと思いますので、為替は引き続きリスク要因です。

ただし、いくつかのリポートを拝見していて、ハッキリと「デフレが緩和する」と書いていたものがあったんですが、私は見通し期間の2012年までデフレから脱却はしないと考えています。昨年の今ごろに政権交代後の鳩山内閣が「デフレ宣言」しましたが、2012年度までその逆の「デフレ脱却宣言」は出ないと受け止めています。もし出たら、私は眉に唾を付けて聞きたいと思います。

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