読書に飽きてDVDで「たそがれ清兵衛」を鑑賞する
読書にも飽きて、今日は朝から自転車で近くの図書館に行って借りて来て、午後からDVDで「たそがれ清兵衛」を鑑賞しました。言うまでもありませんが、藤沢周平さんの短編集『たそがれ清兵衛』に収録された「たそがれ清兵衛」と「祝い人助八」、さらに、別の短編集に納められた同じ作者の「竹光始末」を基に映画化されています。私は最後の「竹光始末」は読んでいないんですが、短編集『たそがれ清兵衛』は愛読書のひとつであり、何度か読み返しています。ストーリーとしては「たそがれ清兵衛」よりは「祝い人助八」が中心になっている気がします。どうでもいいことですが、短編集『たそがれ清兵衛』の中では、2番目の「うらなり与右衛門」が私は一番好きだったりします。
映画として封切られたのが2002年11月2日ですから、我が家が一家そろって南の島のジャカルタでのんびり暮らしていたころです。当然、私はロードショウでは見ていません。いろんなデータを並べておくと、山田洋次監督が初めて手がけた本格時代劇であり、舞台は庄内地方海坂藩、主人公の井口清兵衛に真田広之さん、その後妻役の朋江に宮沢りえさん、ラストの音楽は井上陽水さんです。2002年度第26回の日本アカデミー賞において、助演女優賞などのごく一部を除いて、各部門の最優秀賞を総なめにし、今世紀における時代劇映画の最高傑作のひとつと言えます。
さすがに素晴らしい出来栄えでした。特に、最後の方の白眉となる余呉と清兵衛の果たし合いのシーンは、いきなり両者が酒を飲みながら話を始めるなど、原作にはない大胆な解釈が施されていて、それはそれで興味深いものがありました。ただし、原作は当然のように標準語で書かれているのに対して、「がんす」言葉が聞き取りにくかったのは致し方のないところでしょうが、清兵衛の家や果たし合いの場となった余呉の家が、私が想像していたような武家屋敷ではなく、まったくの農家そのものに見えたのには少し違和感がありました。でも、東北地方の下士の家はこんなもんだったのかもしれません。
ヒマに過ごしている3連休も2日目まで終えました。あすは雨らしいので、再び読書に戻るのかもしれません。
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