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2011年5月31日 (火)

またも始まったゼロ行進、守備も攻撃も阪神が負けるベクトルで試合が進む!

  HE
阪  神000000000 052
日本ハム00020003x 560

またまたゼロ行進が始まりました。サッパリ点が取れそうな気配すらありません。8回の攻防が典型的な今夜の試合でした。阪神の攻撃では2点差あるとはいえ、3ボール2ストライクで自動的にランナーがスタートを切るくらいで、特に何の策もなく単調に打つだけという攻撃でした。9回もそうらしいです。というのは、私は8回ウラに3点入れられた時点でお風呂に入ってしまいましたから、9回表の阪神の攻撃は見ていません。いずれにせよ、点差があるとはいえ、単調に漫然と打つだけではゲッツーで終わる確率が高いということを、そろそろ阪神首脳陣は学習すべきではないでしょうか。8回ウラの入浴直前のプレーもよく分かりませんでした。私は打った瞬間に平凡なセンターフライと見ましたが、かなり極端な前進守備で頭を越されました。誰がどのような意図で前進守備を取ったのかは不明です。見事に、守備も攻撃も阪神が負ける方のベクトルで試合が進んでいる見本のような気がします。

何とか連敗は避けて1勝1敗で終えるべく、明日は、
がんばれタイガース!

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震災の影響が薄れつつある4月の経済指標はこの先どう動くか?

今日は、月末美の閣議日ということで、各種の経済指標が発表されました。昨夜には第9回社会保障改革に関する集中検討会議が総理大臣官邸で開催され、消費税率引上げの議論がなされたりしていますが、取りあえず、今日のところは経済指標を取り上げ、社会保障改革などについては日を改めたいと思います。
ということで、すべて4月の統計ですが、経済産業省から鉱工業生産指数が、総務省統計局から失業率などの労働力調査、厚生労働省から有効求人倍率などの職業安定業務統計、これらを合わせて雇用統計が、また、同じく厚生労働省から毎月勤労統計と総務省統計局から家計調査が、それぞれ発表されています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産4月1.0%上昇 消費支出は3.0%減
東日本大震災後の生産・消費の停滞が続いている。経済産業省が31日発表した4月の鉱工業生産指数は前月比1.0%上昇。過去最大のマイナス幅を記録した3月からはわずかに持ち直したが、部品不足が深刻な自動車や電子部品の生産減少が続いた。家計の消費支出も前年同月比で3.0%減と自粛ムードが根強く残っている。生産は5月以降に本格回復に向かう見通しで、消費者心理の改善が景気先行きのカギを握る。
経産省が発表した4月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)は83.5で、震災の影響で過去最大のマイナス幅となった3月(前月比15.5%低下の82.7)から小幅に上昇した。経産省は基調判断を3月の「急激に低下」から「停滞している」に変更した。4月の生産指数は事前の市場予測の中心値(2.8%上昇)を下回った。
業種別では、3月は全業種がマイナスだったが、4月は上昇と低下が8業種ずつになった。3分の2の工場が被災地にある半導体製造装置が4割回復し、一般機械工業が12.8%上昇した。電気機械工業も2カ月ぶりにプラスに転じ、4.6%の上昇となった。
復興需要を先取りする動きも出ている。「その他工業」が6%上昇。システムキッチンの3割増産が押し上げた。非鉄金属工業でも電力用電線・ケーブルが19.3%増産だった。
一方で、主力業種の生産回復は遅れた。情報通信機械工業は17.2%低下した。部品供給網の寸断が響き、携帯電話が4割、液晶テレビが3割、それぞれ減産したためだ。普通乗用車や小型自動車の生産も回復せず、輸送機械工業は1.5%低下した。
生産は5月以降に持ち直す見通しだ。同日発表した製造工業生産予測調査では5月は8.0%上昇、6月は7.7%上昇する。部品供給の回復を見込む輸送機械工業が上昇をけん引する。予測通りなら6月の鉱工業生産指数は97.1となり、震災直前の2月(97.9)の水準に近づく。ただ、4-6月の鉱工業生産指数は前期比2.2%低下する見込みだ。
今回調査票が提出できなかったり連絡が取れなかったりしたのは、東日本大震災の被災地にある事業所の約3%だった。推計値を作成するなどして指数を計算した。
総務省が31日発表した4月の家計調査速報によると、2人以上の世帯の消費支出は29万2559円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比3.0%減少した。減少は7カ月連続。過去最大の減少となった3月(8.5%)に比べ下落幅は縮小したが、総務省は「消費は底をはっている状態」としている。
国内パック旅行費や宿泊料を含む教養娯楽サービスは、自粛ムードの影響で2.6%減少。和食や飲酒代など外食は3.6%減った。一方、被服及び履物は春物衣料が順調で5.0%増えた。不要不急の消費を抑える実態が鮮明だ。
4月の失業率、6カ月ぶり悪化 新規求人数はプラスに
総務省が31日発表した4月の完全失業率(季節調整値、被災3県除く)は4.7%となり、前月に比べて0.1ポイント上昇し、6カ月ぶりに悪化した。勤め先の都合で失業した人が増えた。厚生労働省が同日発表した有効求人倍率は0.61倍で、前月に比べて0.02ポイント低下と17カ月ぶりに悪化した。東日本大震災の被災地の宮城県や福島県では新規求職者数が急増し、過去最高の人数となった。
細川律夫厚労相は同日の閣議後記者会見で「雇用情勢は相変わらず厳しい」との認識を示した。ハローワークで仕事を探し始めた新規求職者数は宮城県で2.4倍の2万3755人、福島県で1.8倍の1万5636人と膨らんだ。いずれも1963年以降で最大だ。
被災3県を除く全国ベースでみると、完全失業者は292万人と前月に比べ2万人増えた。自発的な離職者は減ったが、勤め先の都合で離職した人が4万人増えた。就業者は5969万人となり、前月比14万人減と2カ月連続で前の月を下回った。
ハローワークに新たに寄せられた求人動向を示す新規求人数は前月比5.8%増と前月のマイナスからプラスに転じた。被災地の復興需要などで建設業を中心に新たな雇用が生まれている。同指標は雇用の先行指数との位置づけで、今後は底入れ感が出そうだ。

まず、鉱工業生産のグラフは以下の通りです。上のパネルが鉱工業生産指数、真ん中のパネルは財別出荷指数のうち輸送機械を除く資本財の出荷、一番下のパネルは同じく耐久消費財の出荷です。いずれも季節調整済みの指数の水準そのもので、影をつけた部分は景気後退期です。

鉱工業生産指数の推移

一見して、鉱工業生産の震災からのリバウンドは、4月の時点では、わずかしか見られないんですが、資本財の出荷はかなり大きくリバウンドしています。生産全体でも本格的な増産は5月からと見込まれており、引用した記事にある通り、復興需要を先取りした動きもありますから、生産は間もなく回復過程に復帰するものと期待できます。我が国ではまだまだ生産が景気をけん引します。特に、資本財と耐久消費財の出荷を見比べると、4月までの時点では明らかに資本財に対する設備投資マインドが耐久消費財に対する消費マインドを上回っていることが示唆されていると私は受け止めています。

雇用統計の推移

次に、雇用統計の指標のグラフは以下の通りです。上から順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数、所定外労働時間指数のそれぞれのグラフでです。いずれも季節調整済みの指数の水準そのもので、影をつけた部分は景気後退期です。ただし、失業率だけは岩手県・宮城県・福島県の被災3県を除外しています。先行指標である新規求人を別にすれば、それぞれの指標は悪化の兆しを示していると考えられますが、先行指標の新規求人は増加の兆しがあり、さらに、5-6月から生産の本格的回復に伴って雇用も改善する可能性を忘れるべきではありません。

家計調査と給与総額の推移

最後に、所得と消費支出は上のグラフの通りです。上のパネルは家計調査から名目と実質の季節調整済みの消費支出指数で、下のパネルは毎月勤労統計から季節調整していない原系列の給与総額指数の前年同月比上昇率です。見れば明らかですが、お給料が下がって消費が減少している形になっています。もちろん、震災に伴う自粛ムードに姿を変えた消費マインドの悪化が背景にあります。もともと、消費は動きが鈍い需要項目ですが、生産が増加し、雇用が改善し、所得が回復して、最後に消費が伸びる、というプロセスをたどる可能性が高く、マインドの改善もすぐに進まないでしょうし、本格的な消費の回復には時間がかかると覚悟すべきです。

特に、最後の消費は社会保障改革で議論されている消費税率と無関係ではあり得ません。繰返しになりますが、日を改めて注目したいと考えています。

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2011年5月30日 (月)

消費者マインドと供給制約における震災の影響はいかに現れたか?

従来からこの私のブログで主張している通り、極めて大雑把に言って、震災の影響は第1に供給サイドでは資本ストックの棄損などに伴う供給制約、第2に需要サイドでは消費者マインドの低下、に大きく表れると私は考えています。この震災が需給に及ぼす影響について、かなり旧聞に属する話題ですが、いくつか簡単なリポートが発表されていますので、やや遅きに失しましたが、軽く取り上げておきたいと思います。

需給ギャップ試算値 (みずほ総研)

まず、上のグラフはみずほ総研のリポート「震災後の需給ギャップは約22兆円 - 供給制約を織り込んだ需給ギャップの推計 -」の図表1を引用しています。リポートは5月20日に発表されています。試算推計の詳細はリポートに譲りますが、潜在GDP水準は生産関数で推計されています。震災がなかったと仮定した場合の需給ギャップが明らかではないので、震災が需給ギャップに及ぼした限界的な影響は不明ですが、直観的に、潜在供給のマイナスよりも需要のマイナスがかなり強めに推計されていると私は受け止めています。例えば、日経新聞のサイトで報じられているように、内閣府試算の1-3月期需給ギャップは直前四半期と同じ▲3.9%で、それなりに私の実感にも合致するんですが、みずほ総研試算では1-3月期に需給ギャップのマイナスが拡大しているのは、やや違和感を感じるエコノミストがいそうな気がします。もちろん、資本ストックの棄損のみを考慮したパターン1よりも電力不足や部品不足を加えたパターン2の方が需給ギャップは上振れします。当然です。結論として、2012年度中に需給ギャップが正になることはなく、供給制約がデフレ脱却につながるわけではない、というのは大方のエコノミストが合意するところだという気がします。

景気ウォッチャー現状判断DI (地域別)

一方、震災後の地域別のマインドが収束 converge しつつある可能性を示唆しているのが内閣府の「今週の指標」No.990です。5月12日に公表されています。上のグラフは図4を引用しています。地域別に景気ウォッチャーの現状判断DIを見て、当然ながら、2月から3月にかけては被災地域の下げ幅が大きかったんですが、九州ブロックだけを例外として、逆に、3月から4月には被災地域がマインドを改善させている一方で、被災していない地域のマインドが悪化しています。大雑把に、西日本のDIがまだ高いんですが、東日本との差は大きく縮小しています。私は少し意外に受け止めています。すなわち、被災地域と被災地域以外と、ともにマインドが改善する中で、相対的に被災地域のマインド改善が進むことから収束が生じると考えていましたが、被災地域以外でマインドが一段の悪化を見せるとは想定外だった気がします。原因は私にはよく分かりませんが、マインドの収束が進むことについては結果的には同じなのかもしれません。

供給サイドを考えると、みずほ総研の1-3月期需給ギャップが拡大するのに少し違和感あるものの、震災によってたとえプラス方向に振れたとしても、2012年中、もしくは2012年度中まで需給ギャップがプラスに転ずる蓋然性は低く、物価はデフレ圧力を受け続ける可能性が高いと受け止めるべきです。需要サイドのマインド悪化については、ジグザグした動きを示しながら地域レベルで収束するかどうかはともかく、徐々に改善に向かうことを期待しています。

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2011年5月29日 (日)

久し振りの勝ちパターンで先発からいきなりクローザーにつないで東北楽天に逆転勝ち!

  HE
阪  神000000200 251
楽  天100000000 150

ここまで打てない打線になってから、少ない得点を守り切るための久し振りの勝ちパターンの投手リレーでした。昨日の試合で榎田投手でサヨナラ負けして、唯一残された先発から最終回だけいきなりクローザーにつなぐ継投です。そこまで中継ぎ陣がボロボロだとは私は思いませんが、打たれれば外すという極端な投手起用に見えなくもありません。
打つ方は相変わらずです。結果的には金本選手が逆転の決勝2ランを打ったんですが、実力的にこれからも確度高く打っていただけると期待すべきではないような気もします。DHを使えるのでしたらいいんですが、守備に神経を使わねばならない試合では期待度は下がります。もう少し若手を起用して欲しいものだと思います。

交流戦は1勝1敗のペースを守るべく、
がんばれタイガース!

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高嶋哲夫『首都感染』(講談社) を読む

高嶋哲夫『首都感染』(講談社)

高嶋哲夫さんの『首都感染』(講談社) を読みました。H5N1型の強毒性新型インフルエンザが中国から世界に伝染した際、東京を封鎖するという近未来SF小説です。まず、出版社のサイトからあらすじを引用すると以下の通りです。

内容紹介
東京を封鎖せよ!
致死率60%新型インフルエンザ出現
講談社創業100周年記念出版

20xx年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、熱狂するスタジアムから遠く離れた雲南省で、致死率60%の強毒性新型インフルエンザが出現。中国当局による必死の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスが世界に、そして日本へと向かった。インフルエンザ・パンデミック(世界的大流行)阻止のため、政府対策本部のアドバイザー・元WHOの優司は空港での検疫を徹底させるが、ついに都内にも患者が発生。総理の瀬戸崎は空前絶後の"東京封鎖作戦"を決断した。

面白い小説です。将来のある時点で中国でサッカーのワールドカップ開催中に、中国南部で致死率60%のH5N1型強毒性新型インフルエンザが発生した、という設定で、まず、我が日本は水際でこれを食い止めようと努力しますが、そんなことが出来るわけもなく、東京及び国際空港のある名古屋・大阪・福岡で患者が発生し、結局、東京を封鎖するというストーリーです。もちろん、ハッピーエンドで終わりがちな小説ですから、我が日本は新型インフルエンザの封じ込めに成功し、米国から1ケタ、中国から2ケタ少ない死者数でパンデミックを乗り切る、という結末となっています。ネタバレかもしれませんが、軽く想像されるところでしょう。
人物のキャラはくっきりとよく書けています。しかし、あり得ないくらいに日本がインフルエンザ封じ込めに成功するような設定になっています。総理大臣の息子がWHOのメディカル・オフィサーを辞めて国内に帰国しており、厚生労働大臣も一家そろってのお付き合いがあり、世界的な新型インフルエンザのパンデミックが始まってからは、次々とワクチンやタミフルやリレンザを上回る強力な抗インフルエンザ薬が東京の封鎖地域内で開発・実用化される、というのは出来過ぎです。

パンデミックのストーリーは小説よりも映画の方が迫力ありそうです。感染が広がるシミュレーション画面などは小説では表現力が限られます。しかし残念ながら、私はその昔にダスティン・ホフマン主演でエボラ出血熱を扱った「アウトブレイク」を見ただけで、最近の「感染列島」は見ていません。

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2011年5月28日 (土)

とうとう榎田投手も落城して連敗街道はまだまだ続くのか!

  HE
阪  神1000001000 270
楽  天0000020001x 350

無失点でがんばっていた榎田投手が10回に打たれて東北楽天にサヨナラ負けです。先発の能見投手から信頼できる投手をつないだんですが、いかんせん、点が取れませんから試合には勝てません。ブラゼル内野手にホームランが出たのは明るい話題ですし、相変わらず、先発投手はよく抑えているんですが、終盤の弱さが目につきます。終盤に入ると打線は打てず、投手は失点しています。選手交代も少なく、投手もかなり節約して使っている気がしますが、私が指揮官であれば、ここまで勝てないともっとジタバタしそうな気がします。真弓監督にも、もう少しいろいろと動いて欲しい気がします。

明日こそ、
がんばれタイガース!

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Deauville G8 Summit Declaration

2011 Deauville G8 Summit logo

G8 DECLARATION
RENEWED COMMITMENT FOR FREEDOM AND DEMOCRACY
G8 Summit of Deauville - May 26-27, 2011

PREAMBLE
1. We, the Leaders of the Group of Eight, met in Deauville on 26 and 27 May 2011. In this period of change, we reaffirmed our profound commitment to the values of freedom and democracy, and their universality.
2. In light of the recent developments in the Middle East and North Africa, and in Sub-Saharan Africa, we renewed our commitment to support democratic reform around the world and to respond to the aspirations for freedom, including freedom of religion, and empowerment, particularly for women and youth. Democracy lays the best path to peace, stability, prosperity, shared growth and development. We met with the Prime Ministers of Egypt and Tunisia, and decided to launch an enduring partnership with those countries engaging in a transition to democracy and tolerant societies. Our common goal is to develop the rule of law and citizen engagement as well as foster economic and social reforms to meet the aspirations of the people. We have adopted a declaration on the Arab spring.
3. In Deauville, we have renewed a strong partnership with Africa, building on commitments made for over a decade. We have emphasized our mutual responsibilities and decided to be even more accountable regarding our respective commitments to development, peace and security. We reaffirmed our commitment to transparency and governance -- critical drivers of progress. We welcomed the new dynamism of our African partners and the spread of democracy, and committed to stand even more strongly side-by-side with the people of the African continent. We welcomed the democratically elected Presidents of Côte-d'Ivoire, Guinea and Niger. For the first time, we have adopted a joint declaration together with African Leaders.
4. In the aftermath of the earthquake and tsunami that struck Japan on March 11, we expressed our heartfelt sympathy for the victims and solidarity with the people and government of Japan, and paid tribute to the courage and dignity which they have shown in the face of the disaster. We are fully confident in the ability of the Japanese authorities to respond to the challenge and build a speedy and lasting recovery, and we stand ready to assist as needed.
5. We discussed new issues such as the Internet which are essential to our societies, economies and growth. For citizens, the Internet is a unique information and education tool, and thus helps to promote freedom, democracy and human rights. The Internet facilitates new forms of business and promotes efficiency, competitiveness, and economic growth. Governments, the private sector, users, and other stakeholders all have a role to play in creating an environment in which the Internet can flourish in a balanced manner. In Deauville in 2011, for the first time at Leaders' level, we agreed, in the presence of some leaders of the Internet economy, on a number of key principles, including freedom, respect for privacy and intellectual property, multi-stakeholder governance, cyber-security, and protection from crime, that underpin a strong and flourishing Internet. The "e-G8" event held in Paris on 24 and 25 May was a useful contribution to these debates.
6. Our advanced and closely integrated economies face common challenges and opportunities. Recovery is strengthening. Our priority remains to promote job creations for our citizens. We pledged to continue our efforts to generate strong, sustainable, and balanced growth and will work with our partners in the G20 to this end.
7. New growth drivers are required. We committed to prioritizing growth-enhancing policies such as research, education and innovation, which are crucial to our knowledge economies. We will foster green growth as it is essential to fight global warming, represents a promising source of jobs for our societies, and reflects a shared aspiration for more sustainable development.
8. Building on our experience, we marked our determination to draw all the lessons from the nuclear accident in Japan, including the necessity to promote the highest levels of safety, consistent with the principles of the Convention on Nuclear Safety. We noted the necessity to consider strengthening the Convention on Nuclear Safety and the Convention on Early Notification of a Nuclear Accident, as well as upgrading norms and standards of nuclear safety. Meanwhile, we noted with great satisfaction that this year, which marks the twenty-fifth anniversary of the Chernobyl accident, the international community was able to pledge substantial financial resources for the completion of the international effort to convert the Chernobyl site into a stable and environmentally safe condition.
9. We will continue to act in support of peace and international security.
10. We demand the immediate cessation of the use of force against civilians by the Libyan regime forces and support a political solution that reflects the will of the Libyan people. We call on the Syrian leadership to stop using force and intimidation against the Syrian people and to engage in dialogue and fundamental reforms in response to the legitimate expression of the demands of the Syrian people. We are convinced that the historic changes throughout the region make the solution of the Israeli-Palestine conflict through negotiations more important, not less. We urge both parties to engage without delay in substantive talks with a view to concluding a framework agreement on all final status issues.
11. We renew our commitment to implement all our obligations under the NPT and to support and promote the global non-proliferation architecture in all its aspects. We are committed to stemming the severe proliferation challenges, particularly in Iran and DPRK, which represent a threat to global stability. We ask our experts to explore ways of ensuring fair and responsible access to the benefits of the peaceful uses of technologies. We will consolidate progress in the fight against violent extremism, international terrorism and drug trafficking and will continue our common efforts to tackle these scourges. We renew our commitment in favour of a stable, peaceful and sovereign Afghanistan and of stability and cooperation throughout the region.
12. We will meet next year under the presidency of the United States of America.

***

I. SOLIDARITY WITH JAPAN
1. On 11 March, an earthquake and tsunami of unprecedented magnitude struck Japan, taking more than fifteen thousand lives and causing massive destruction and disruption including at the Fukushima Daiichi nuclear power plant. More than a hundred thousand people still remain displaced and living in temporary evacuation shelters. We expressed to the Prime Minister of Japan our condolences for the victims of this tragedy and our most heartfelt sympathy for their families and the people affected by the disaster. The courage and dignity shown by the people of Japan stirred admiration and respect in our people. The support and solidarity extended by people around the world in turn brought warmth, strength and hope to the people of Japan. The Prime Minister of Japan expressed his deep gratitude for the generous support and friendship extended by G8 members and by the entire international community. He expressed his firm determination to overcome the challenges including the nuclear accident and remain fully engaged with and committed to contributing to the rest of the world.
2. We also expressed our confidence in the resilience of the Japanese economy and our readiness to continue to provide assistance and cooperation. The Prime Minister of Japan explained that his country would make every effort to minimize the uncertainty that the disaster might add to the global economy, including as a result of the nuclear accident. In particular, he committed to provide all relevant information regarding the nuclear emergency in a timely manner, and he ensured that products exported from Japan are safe. We stressed that measures on goods and travel should be based on scientific evidence.
3. We are fully confident in the ability of Japan to swiftly recover from this crisis and come back stronger, and we are determined to draw all necessary lessons from this calamity, including the necessity to promote the highest levels of nuclear safety worldwide.


以下省略

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2011年5月27日 (金)

プラスに転じたコア消費者物価上昇率をどう考えるべきか?

本日、総務省統計局から消費者物価指数 (CPI) が発表されました。4月の全国と5月の東京都区部です。最も注目される4月の戦線食品を除く全国コアCPIの前年同月比上昇率は+0.6%と2年4か月振りにプラスに転じました。5月の東京都区部も+0.1%と、4月の+0.2%に続いてプラスをキープしています。また、経済産業省から4月の商業動態統計が発表され、小売販売は前年同月比で3月の▲8.5%減からやや減少幅を縮小しましたが、4月も引き続き▲4.8%減と減少を続けています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価2年4カ月ぶりプラス 4月0.6%上昇
総務省が27日発表した4月の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の大きい生鮮食品を除くベースで99.8となり、前年同月比で0.6%上昇した。前年比でプラスとなるのは08年12月以来2年4カ月ぶり。原油高騰などでエネルギー価格が上昇したほか、高校授業料の実質無償化の影響が4月で一巡したことも物価指数を押し上げた。
4月の上昇率は、民間エコノミストの予測中央値と同じだった。生鮮食品を含む総合は0.3%上昇の99.9。食料とエネルギー価格を除いた総合指数(欧米型コア)は0.1%低下の97.2だった。
消費者物価がプラスに転じたのは資源高の影響が大きい。エネルギーは前年比7.3%の上昇となり、全体の消費者物価指数(生鮮食品を除くベース)を0.60ポイント押し上げた。品目別にはガソリンが13.2%上昇。電気や都市ガスも4月からの値上げを受けて、それぞれ1.5%、1.4%上がった。
昨年4月に始まった高校授業料の実質無償化の影響が一巡したことも、プラス転換の一因。3月までは高校授業料が指数を0.53ポイント押し下げていたが、4月はこのマイナス要因がなくなった。
東日本大震災で製造工場が被災し、出荷が落ち込んだ鶏卵や納豆、ヨーグルトは価格が上昇した。その一方で、消費自粛の広がりでホテルなどの宿泊料は2.9%の下落となった。総務省は5月に入ってからは食料価格が落ち着いていることなどから「いまのところ震災の影響は大きくない」とみている。
耐久財の下落傾向は変わっていない。薄型テレビは40.2%、電気冷蔵庫は25.0%それぞれ下落した。「家電エコポイント制度の終了後の量販店などの値下げも影響した」(バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミスト)とみられる。
総務省が27日発表した東京都区部の5月のCPI(05年=100、中旬速報値)は、生鮮食品を除くベースが0.1%上昇の99.0と、2カ月連続で前年を上回った。食料とエネルギー価格を除いたベースでも0.1%の上昇だった。
4月の小売販売額、4.8%減 大型既存店は1.9%減
経済産業省が27日発表した4月の商業販売統計速報によると、小売業販売額は前年同月比4.8%減の10兆8550億円で、2カ月連続の減少だった。
大型小売店の販売額は、百貨店とスーパーの合計で0.9%減の1兆5657億円。既存店ベースの販売額は1.9%減だった。うち百貨店は1.8%減、スーパーは1.9%減だった。
コンビニエンスストアの販売額は3.0%増の6630億円。既存店ベースは1.0%増だった。

次に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは以下の通りです。青い折れ線グラフが生鮮食品を除く全国のいわゆるコアCPI、、赤が食料とエネルギーを除くいわゆるコアコアCPI、グレーが東京都区部のコアCPIのそれぞれの前年同月比上昇率で、棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。色分けは凡例の通りです。引用した記事にもある通り、昨年4月から実施された高校実質無償化の影響が剥落して、コアCPI上昇率はプラスに転じています。しかし、コアコアCPIはまだマイナスのままであることが読み取れます。黄色の棒グラフで示されたエネルギーに支えられた物価上昇といえます。

消費者物価上昇率の推移

消費者物価上昇率については、まだ、プラスが定着するかどうかに疑問が残っています。すなわち、第1に、すでに今年2月22日付けのエントリーで取り上げているところですが、今夏の基準改定に伴って▲0.6-0.7%程度ポイントの下方修正となることから、この程度の物価上昇であれば、数か月で再びマイナスに舞い戻ることはほぼ確実となっています。第2に、今月5月6日付けのエントリーで取り上げたように、国際商品市況が高止まりしているものの、上昇のモメンタムを失っていることです。例えば、原油に関しては、5月に入ってバレル100ドルを挟んだ動きとなっており、先行き、さらに上昇を続けるかどうかは不透明です。現在の水準で横ばいに推移すると仮定すれば、9-10か月くらいは前年同月比で物価上昇要因となりますが、徐々にその寄与度は縮小することになります。もちろん、国際商品市況が低下に転じることがあれば、物価の低下要因となることは明らかです。

財分類別消費者物価上昇率の推移

しかしながら、マクロとは別のマイクロな観点から物価上昇が国民生活に影響を及ぼし始めていることに注目すべきです。そのため、いくつかの統計的なエビデンスを上のグラフから読み取ることが出来ます。上のグラフのうち、上のパネルは基礎的支出と選択的支出に分けた消費者物価上昇率、下のパネルは購入頻度別に分け、年間9回以上購入する財と9回未満の財に分けた消費者物価上昇率です。見れば明らかですが、選択的支出よりも基礎的支出の方が、また、購入頻度の高い財の方が物価上昇率が高くなっています。すなわち、マクロの物価上昇率以上に頻度高く購入する財の上昇率が高く、生活実感としてCPI以上に物価が上がっている感触が生じる可能性があります。そして、選択的な支出よりも基礎的な支出の比率が高いと想像される低所得者層により大きなダメージを及ぼしかねない物価の動向であると言えます。ですから、統計に表れるマクロの消費者物価上昇率以上にマイクロな国民生活や国民マインドに悪影響があるのではないかと心配されます。

商業販売統計の推移

最後に、報道の方も短くしか取り上げませんでしたが、商業販売統計の推移は上のグラフの通りです。私は主として卸売よりも小売の方を重視しているんですが、震災に伴う消費者マインドの低下などで3月に大きく減少した小売販売も4月から少しずつ上向きかけている可能性があります。4月の小売販売について、上のパネルから季節調整していない原系列の前年同月比のマイナス幅が縮小し、下のパネルから季節調整した指数はリバウンドしていることが読み取れます。消費はマインドの改善とともに徐々に増加し始める可能性が高いと私は受け止めています。

今夜のエントリーではGDPの過半を占める消費に関連する指標を取り上げましたが、ボリュームが大きいだけに震災の影響を脱するには時間がかかる可能性が私は高いと考えています。物価の動向も消費に好ましいものとは言えませんし、少し長い目で回復を見通すべきと考えられます。

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2011年5月26日 (木)

余りにもボロい試合でロッテに連敗する!

  HE
ロ ッ テ300000010 441
阪  神000001000 170

かなり泥沼に近いチーム状態ではないでしょうか。簡単に先取点を与える先発投手、ゲッツーが多くてチャンスに打てない打線、不要な点を与える緊張感のない守備、打線を組み替えた他は代打や投手リレーに何の工夫もない采配、今シーズンは見飽きたシーンが繰り返されます。もっとも、マートン右翼手の8回のプレーは初めてでした。あきれ返ってしまいました。
せっかくの先発出場で2併殺では関本内野手の状態も決してよくないんでしょうし、投手では、エラーの出塁とはいえ、何回先発しても序盤に先取点を与える岩田投手には失望しました。そろそろ、使い方を考えるべきではないんでしょうか。昨年活躍していた西村投手、鶴投手、秋山投手なんかはどうしているんでしょうか。榎田投手は先発に回してもいいような気もします。どちらにせよ、私のシロート考えです。
横浜が勝つと最下位ですか。そんなもんかもしれません。

最下位にめげず、
がんばれタイガース!

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震災を織り込んだ OECD と国内シンクタンクなどの経済見通しやいかに?

国際協力開発機構 (OECD) の創設50周年ということで、昨日、幸福度指標を取り上げましたが、私にとってはより注目度の高い「経済見通し」 OECD Economic Outlook, No.89 が発表されています。後ほど、国内のシンクタンクなどの経済見通しも取り上げますが、まず、国際機関ということで、OECDのプレス資料 p.3 からヘッドラインとなる加盟各国の成長率見通しの表を引用すると以下の通りです。

OECD Economic Outlook No.89, Country projections

広く報じられている通り、震災の影響を織り込んで、日本の成長率は今年2011年が▲0.9%、来年2012年は+2.2%と見込まれています。もっとも、これはカレンダー通りの歴年の成長率であり、すなわち、後に見る国内のシンクタンクなどの見通しとは1-3月期の扱いが異なります。例えば、今年の1-3月期はマイナス成長を記録した一方で、来年1-3月期は復興需要などで高成長になると予想されています。ですから、プレス資料 p.2 の四半期別成長率を用いて4月から翌年3月の年度に引き直して試算してみましたが、プラス成長にこそならないものの、マイナス幅は大きく縮小し、2011年度はほぼゼロ近傍の成長率に近づくことが確かめられます。

OECD Economic Outlook No.89, Japan: Demand and output

ということで、日本経済のより詳しい見通しは上の表の通りです。国別経済見通しのサイトから引用しています。需要項目別に見ると、なぜか、公共投資が減り続ける見通しなんですが、今年については消費がマイナスとなり、来年は消費がプラスに戻るとともに設備や住宅も大きく伸びるように見込まれています。輸出の回復が来年にズレ込むことから、純輸出は今年も来年もマイナスの寄与を示し、決して輸出主導ではなく内需主導の成長になっています。

国際機関のOECDから国内のシンクタンクなどに目を転じると、ちょうど1週間前の5月19日に1-3月期GDP速報、いわゆる1次QEが発表され、3月11日の東日本大震災とそれ以降の経済的な影響を織り込んだGDP統計が明らかになったことから、国内でも震災の影響を織り込んだ経済見通しの改定版がいろいろと発表されています。政府でも与謝野大臣が今年度の成長率で従来見通しから1%ポイントほど下げて0.7%くらい、といった相場観を醸成しようとしているように見受けられます。ということで、今夜のエントリーのもう一つの主眼として、今年度から来年度にかけての経済見通し、私が見通すわけではありませんが、シンクタンクや金融機関などの発表したものを取りまとめると以下の表の通りとなります。なお、いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめています。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名20112012ヘッドライン
日本総研▲0.1+3.22011年度全体の成長率は▲0.1%と、マイナス成長に転じると予想。公共投資と政府消費はGDP押し上げに寄与するものの、個人消費と輸出が全体を押し下げ。2012年度の実質成長率は、鉱工業生産の回復と復興需要の押し上げにより、+3.2%にまで高まると予想。
ニッセイ基礎研+0.1+2.7景気回復が本格化するのは、電力不足の問題が一段落し、官民による復興需要が顕在化する2011年度下期となるだろう。
大和総研▲0.3+3.4日本経済は、当面下振れ圧力の強い状態が続くものの、2011年度下期以降は、復興需要に支えられて回復軌道を辿る見通しである。
みずほ総研+0.6+2.62012年度は復興関連の公的需要の伸びは鈍化する一方、個人消費など民間需要の伸びが高まる形で、年率+1-+2%程度のペースで景気回復が続く見通し。ただし、復興財源を捻出するために2012年度から所得税や消費税の増税が行われれば、個人消費が下振れ
三菱総研+0.3+2.4先行きについては、夏場にかけて電力不足が一定の抑制要因となるものの、①棄損した資本ストックの復旧に伴う需要増や、②企業によるサプライチェーンの普及努力から、生産、最終需要ともに徐々に回復に向かうとみられる。
第一生命経済研▲0.1+3.0今回の大地震により、①被災地の経済活動抑制、②サプライチェーンの寸断による生産停滞、③電力不足による経済活動の抑制、④家計・企業のマインド落ち込み、などが生じており、経済活動は当面悪化が避けられない。特に②-④の影響が大きい。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.3+2.9足元の月次の動きをみれば、景気はすでに最悪期を脱したと考えられる。震災からの復旧作業が急ピッチで進められ、寸断されたサプライチェーンが元に戻りつつある。懸念された電力不足も当初ほどの深刻な状態に陥らずに済みそうだ。復興需要と好調な外需に支えられ、景気は供給力の回復に合わせて持ち直し傾向を強めていくであろう。
みずほ証券リサーチ&コンサルティング+0.2+2.8日本経済は短期間に大幅な悪化に見舞われたものの、持続的に悪化していく事態は回避され、復旧が進むにつれて景気は持ち直しに転じていく可能性が高い。
伊藤忠商事+0.6+2.5足元2011年1-3月期の成長率が予想以上のマイナス成長となったことが下方修正要因となる一方で、設備投資の早い立ち上がりや電力需給懸念の後退、サプライチェーン途絶の早期解消により、その後の成長テンポがこれまでの想定よりも速まる点が上方修正要因となる。
農林中金総研0.0+2.6復旧は徐々に進捗しているものの、官民による本格的な復興需要は年末近くまで後ズレする可能性があり、当面、景気は停滞気味に推移するリスクが高いといえるだろう。
帝国データバンク+0.5+2.62012年度は、財政支出にともなう公的需要の拡大のほか、外需の拡大や震災復興の本格化などで、復興需要が経済全体の成長率を押し上げる要因になると見込まれる。

どこかのメディア風にタイトルをつけるとすれば、明らかに「今低来高」ということになります。要するに、今年度は低成長で終わる一方で、来年度は高成長が見込める、ということになります。どうしてこうなったかは震災の影響に尽きます。ただし、私は直観的に今年度はプラス成長を維持すると見込んでいますが、この点は微妙です。私が集めた上の表では極めてクリアなんですが、ひとつの特徴は読み取るべきで、今年度がマイナス成長と見通している場合、来年度は+3%超の高成長、今年度がプラス成長の場合、来年度は2%台の成長、とハッキリと分かれると受け止めるべきです。もちろん、例外もないわけではなく、私の手元にメールでいただくニューズレターを見る範囲で、BNPパリバ証券とドイツ証券の外資系証券会社2社は今年度マイナス成長の上、来年度もプラス成長ながら+3%には達しないと見込んでいるようです。こういった例外もありますが、極めて大雑把に、逆の見方をすれば、今年度と来年度を均して考えれば、各機関とも大きな違いはない、ともいえます。

震災前後のGDP成長率見通し

ですから、典型的な四半期パターンは、今年度マイナス来年度+3%超と見通している例ですが、上のグラフの通りとなります。第一生命経済研究所のリポートの p.3 から引用しています。見れば明らかですが、第1に、発射台の今年2011年1-3月期が大きく下振れして、マイナスのゲタを持った上で、第2に、今年度前半は震災前見通しよりも下振れし、第3に、今年度下半期から来年度にかけては上振れする、という形になります。より具体的には、第4に、今年度2011年4-6月期がもっとも大きくかつ最後のマイナス成長であり、第5に、今年7-9月期からはプラス成長に復帰し、最後に第6に、今年度下半期から徐々に景気回復軌道へ復帰に向かう、という以上6点の震災に伴う経済見通しの改定の方向と今後の景気の動向の予測に関しては、私も含めて、多くのエコノミスト、さらに、ほとんどすべての見通し機関で共通だと考えて差し支えありません。
そして、この先2年ほどの間のリスク、アップサイドにもダウンサイドにもなり得るリスクとして、経済に影響の大きい順に以下の7点が考えられます。第1に、エコノミストの考慮対象外ですが、福島第一原発のクール・シャットダウンが工程表通りかどうかです。第2に、電力供給の見通しです。第3に、サプライ・チェーンなどの生産ネットワークの復旧に伴う供給能力の回復です。第4に、為替相場の動向です。第5に、原油などの国際商品市況の動向です。第6に、国内の政治情勢です。第7に、最後もエコノミストには分からない点で余震がどの程度続くかです。国内政治情勢は、メディアで注目しているほどには経済への影響は小さいと私は受け止めていますが、もちろん、需要ショックではないんですから供給ショックの際には公債発行に伴うクラウディング・アウト防止がより重要というエコノミストの常識がどこまで理解されているかは不明ですし、復興財源の制度設計などの行方次第では日本経済が不要のストレスを負担させられる可能性も否定できません。

震災の影響も含めて、今年度と来年度の経済見通しは、多くのエコノミストでかなり緩やかなコンセンサスがあるように私は感じていますが、内外で発信された経済見通しの情報を整理していて、2次補正も決まらないうちからコンマ以下の成長率を、しかも、四半期パターンとともに論じられるのは、さすがに、広い世界には優秀なエコノミストが多いということを実感しました。

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2011年5月25日 (水)

今夜はロッテに力負けして交流戦初白星を献上!

  HE
ロ ッ テ010020200 5100
阪  神100001000 271

交流戦に入って勝ち星のなかったロッテに阪神が力負けだった気がします。数日前にもソフトバンクの誰やら投手に初完封を献上しましたし、タイガースを踏み台に調子を上げていくチームや選手がいっぱいいそうな気がします。このままではセリーグの中で横浜とともに2弱を形成しそうな勢いです、というか、勢いのなさです。万年最下位のころを知っている私のような古くからのファンは、それでも応援するのみです。

明日こそ、
がんばれタイガース!

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経済協力開発機構 (OECD) の幸福度指標の少しヘンテコな読み解き方

昨日、経済協力開発機構 (OECD) から幸福度指標 Well-being Indicator が発表されました。OECD創設50周年記念の一環です。いろいろな指標がバラバラに発表されており、加盟各国をランク付けする総合指数のような指標は公表されていません。今夜は要約リポートからいくつかグラフを引用しつつ、私なりに日本国民の幸福度についてヘソの曲がった読み解き方を紹介したいと思います。そのポイントは、「勤労世代の日本人は幸福度が低く、引退世代の日本人は幸福度が高い」可能性がある、という読み解き方です。
その前、まず、一般的な我が国メディアの論調を紹介しておくと、ひとつの典型は日経新聞に見られます。すなわち、「客観的な各種指標では恵まれているのに、主観的な満足度が低い」という捉え方です。それはそれで見識ある解釈だという気がしないでもありません。日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

日本人、豊かでも生活に不満 OECD幸福度指標
満足40%どまり、加盟国平均は59%

経済協力開発機構(OECD)は24日、加盟各国の国民の暮らしの「幸福度」を新指標を使って評価した結果を公表した。日本は家計や雇用、高等教育、健康など多くの指標で平均を上回る位置につけたものの生活への満足度は低く、豊かな暮らしのなかにも不満を抱えながら生活する日本人の姿が浮き彫りとなった。
同日、パリで開いたOECD設立50周年記念行事にあわせて発表された。経済面でみると日本人の家計可処分所得はOECD平均を上回り、さらに家計資産は同平均の約2倍と恵まれていた。
15-64歳までの労働年齢人口で有給の仕事に就いている日本人は約70%。OECD平均の65%を超えた。失業率も同平均より低かった。また日本人の年間労働時間は1714時間とOECD平均の1739時間より少なく、指標からみると日本人の働く環境は悪くはない。
教育面では、日本人の学歴や読解力はOECD内の上位に入った。平均寿命は82.7歳と加盟国中最も長かった。OECDは日本について「多くの幸福指標で平均以上」と高く評価している。
一方、生活に満足している日本人は40%にとどまり、平均の59%を大きく下回った。満足度はデンマーク(90%)やフィンランド(86%)、ノルウェー(84%)など北欧で高い。日本より低いのは韓国(36%)や旧東欧諸国だった。
OECDは国内総生産(GDP)に代わり国民の幸福の尺度となる新指標づくりを進めており、今回の公表結果もその一環。

以下では、最初に書いた通り、要約リポートなどからいくつかグラフを引用して私なりの解釈を示したいと思います。ただし、あくまで私なりの解釈ですので、異論は大いにあり得ようと思います。私の方でも自分の解釈が絶対に正しいというつもりもなく、あくまで、ひとつの見方と受け止めていただくようお願いします。

Income and Wealth

まず、要約リポート p.13 から引用した家計の所得と資産のグラフは上の通りです。上のグラフは購買力平価で換算した家計の可処分所得、下は同様に購買力平価で換算した金融資産です。もちろん、年金所得も含まれますが、勤労世代を中心とするフローの所得はOECD平均以下ですが、引退世代などに蓄積されている資産はトップ5に入っていたりします。この所得と資産のギャップは勤労世代と引退世代の豊かさのギャップに通ずるものがあると私は受け止めています。

Work and Life Balance

次に、要約リポート p.23 から引用したワーク・ライフ・バランスのうち、余暇とパーソナル・ケアの時間数のグラフは上の通りです。日本はメキシコに次いでOECD加盟国で2番目に少なく、勤労世代の過酷な生活実態が浮き彫りになります。

Life Satisfaction

というわけで、主観的な充足度のうち、生活に対する満足感のグラフは、要約リポート p.35 から引用して、上の通りです。不満足の多い順で見て加盟国の12番目、平均よりかなり低い主観的な満足度となっています。

Country Note, Japan

さらに、OECDから公表されている Country Note のうち、日本を取り上げている p.19 は上の通りです。今夜の引用はすべて縮小をかけていますので、上の日本のページについて見づらい向きはクリックすると日本だけの pdf ファイルが別タブで開きます。環境ではPM10を指標にしていますが、日本は加盟国平均よりも悪いとなっていたりします。この国別ノートは今夜のこのブログのエントリーとしてはあくまで参考です。また、繰返しになりますが、日経新聞の記事にあった良好な日本の労働市場環境などは、従来から指摘されているように、我が国の失業率は過小推計されているバイアスも国際比較の際には無視できませんから、このエントリーでは取り上げませんでした。私の解釈も当然ながらバイアスがあります。あくまで、ひとつの見方と受け止めていただくようお願いします。

貿易統計の推移

最後に、本題と離れますが、本日、財務省から公表された4月の貿易統計の推移は上のグラフの通りです。4月の貿易収支は大きな赤字を計上しましたが、何ら悲観するに及びません。震災による供給制約が解消されるに従って、順調な世界経済の拡大に伴う輸出の増加が見込めると私は考えています。

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2011年5月24日 (火)

フィッツジェラルド『夜はやさし』を読む

フィッツジェラルド『夜はやさし』

フィッツジェラルドの『夜はやさし』を読みました。オリジナル版は1934年、エコノミスト的に言うと世界不況の真っ只中の出版です。なお、どうして読んだかと言うと、先週、「読書感想文の日記」としてアップした『村上春樹 雑文集』に「器量のある小説」というタイトルでこの本の「あとがき」だか、「解説」だかが収録されていて、ホーム社から2008年に森慎一郎先生の新訳が出版されていることを知ったからです。このあたりの小説に関しては、村上春樹さんの手になるものが多いんですが、ここ数年で新訳が出るたびに読んだりしています。例えば、その昔のサリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』の新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、新訳の『グレート・ギャッツビー』、そして、買ってあるもののまだ読んでいないチャンドラーの『ロング・グッドバイ』などなどです。この『夜はやさし』もかなり前に文庫本の上下で読んだ記憶があります。今回は近くの図書館で借りました。
さて、私はごく一般的なフィッツジェラルドの作品のファンですので、これまた一般的な作品評価が当てはまります。すなわち、完成度の高さや文学作品としての質は圧倒的に『グレート・ギャッツビー』に指を屈するが、なぜか『夜はやさし』に心惹かれるものを感じる、と言ったところでしょうか。私が表現した「心惹かれる小説」というのを村上春樹さんが表現すると「器量のある小説」ということになるんだろうと、私なりに解釈しています。もちろん、読む人によっては、男女関係のもつれとか、堕落していく男、しか読み取れない場合もあるかもしれませんが、黄金の20年代から真っ逆さまに転落した時代背景を感じるべきです。
よく知られた通り、私が読んだオリジナル版は Book 1-3 から成る一方で、Book 1 と 2 の順番を入れ替えて、クロノロジカルに編集した別バージョンのカウリー版もあります。出版された1934年という時代背景、すでに忘れ去られたフィッツジェラルドの栄光などを主たる要因として、この小説は余り売れなかったことが歴史的な事実として残されています。だからこそ、作家自身がエディタになり代って別バージョンを試みたと考えられますが、出版された当時にあまり売れなかったからといって、その文学的な価値が低いと考えるべきではありません。80年近くたって新訳が出ることの意味を考えれば、その歴史的な存在感に圧倒されます。

邦訳の新訳がすでに3年前に出版されていることもあり、私は手軽に図書館で借りることが出来ました。私のように既読の方も含めて、多くの方が手に取って読むことをオススメしたいと思います。

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2011年5月23日 (月)

本日の日経新聞経済教室の主張を支持します!

本日の日経新聞の経済教室に「震災復興政策 - 経済学者が共同提言」との副題付きで、「持続可能社会への市場活用」と題するコラムが、「現代経済研究グループ」を代表して伊藤隆俊教授と伊藤元重教授の連名で掲載されています。内容の詳細はお読みいただくしかないんですが、軽く想像されることながら、エコノミストとして私もかなりの点で賛同する部分があります。
タイトルの通り、眼目は震災復興に対する2つの重要な視点の提供であり、それは市場活用と持続可能性です。特に、現在の内閣は浜岡原発の停止を唐突に求めるなど、コンセンサスやインセンティブなどを無視して強権的な指令に基づく手法により政策を進める方向に傾いている懸念があり、やや私も危惧を感じます。最も被害が大きいのが有無を言わさず給与を切り下げられる我々公務員ですし、強い規制の対象となっている電力会社や銀行なども含めるべきかもしれません。
まず、コラムでは、震災からの復興のコスト負担について将来世代にツケを回さないことを提唱しており、復興国債の発行と10年後の償還では「退職、年金生活に入る比較的高所得の団塊の世代の人は負担を逃れ、これから労働市場に参入する比較的低所得の若年層に負担を押しつけることになる」と示し、私とまったく同じ問題意識を明らかにしています。増税項目として、先週17日のエントリーで私が主張した資産税が消費税に次いで2番目の候補として上げられています。特筆しておきます。次に、電力対策としては、一律削減という計画経済的な政府の手法を批判し、ピーク・ロード・プライシングなど、価格シグナルによる市場を活用した需給調整を軸に、自家発電設備を持ち余剰電力を送電網に供給できる企業からの供給増も期待できることから、電力料金引上げは「東電をもうけさせるだけ」という批判は当たらないと結論しています。もっともです。最後に、町づくりでは、少子高齢化も視野に入れ、震災前と同じ行政サービスを一律に提供するのは財政的に困難として、ある程度、都市の集積の利益を実現できるような人口の集中を提唱しています。一例として「コンパクト・シティ」のビジョンや特区の活用やなどが上げられています。

現在の民主党内閣に限ったことではなく、その昔の自民党と公明党の連立内閣でもよく似たもんだったんですが、最近の我が国の政権の政策運営にエコノミストとして違和感を覚えるのは、昔からの「政府万能論」や政府の「無謬神話」に基づいて、強権的に指令を出して従わせる、すなわち、役所は言うまでもなく、銀行や電力会社などの強い規制下にある企業にムチを多用する一方で、なお、ついでながら、現在の民主党内閣では「政治主導」の名の下に、この点がいっそうの強化がなされたような気もしますが、それはともかく、他方で、投票してくれる高齢者などの支持者に対しては露骨な世代間格差をもってアメを与えまくることです。国民意識がかなり成熟に向かっている一般国民の目には、政治が極めて未熟な民主主義しか実践していないように映りかねません。しかも、この「政治主導」に基づく強権的な指令は限定的にしか用いられず、中国人船長の釈放は那覇地検に任せ、福島第一原発への注水中止は東京電力の判断に委ねる始末です。もしも、支持者に奉仕するのが「政治主導」の帰結のひとつであるのなら、私は決してそうは思いませんが、もしそうであるのなら、「政治主導」はヤメにしていただきたいと思います。決して、私は市場原理主義者ではないつもりですが、利害の調整者としての役割を有する政府に勤務する官庁エコノミストとして、もう少しスマートでバランスの取れた政策運営が出来ないものかと不思議に感じてしまいます。

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2011年5月22日 (日)

阪神タイガース、敗北の方程式の完成か?

 十一 HE
西  武00000100001 270
阪  神00000100000 181

その昔に、「勝利の方程式」というのがありました。今もあるのかもしれません。阪神でいうと6-7年ほど前のJFKがそうだった気がします。でも、今年の阪神は当時のJFKに匹敵するような、ほぼ完璧な「敗北の方程式」を完成させたようです。打てない打線をバックに、競った終盤に小林投手が出て来て、バッテリー・エラーで塁を進めた上に、決勝点を献上する、というものです。もちろん、2イニングスも続けて投げさせた監督の判断は考慮すべきですが、古巣のパリーグの球団相手に調子を取り戻させる、という考えもあったのかもしれません。小林投手は、金本外野手とともに、そろそろ別の使い方を考えるべき時期に来ているのではないでしょうか。また、終盤は捕手の守備固めを考えるのも一案かと思います。それにしても、今日も湿気た点の取り方で、打てないのが大きな敗因なんですから、もっと柔軟に、というか、大胆に打線を大きく変更するのも監督の考えるべき采配かもしれません。

明日は涌井投手だから望み薄とはいえ、
がんばれタイガース!

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首都圏における震災2か月後の生活と消費の意識に関するアンケート

先週金曜日の5月20日にクロスマーケティング社から「首都圏における震災2ヶ月後の生活と消費の意識に関するアンケート」が発表されています。対象は被災地ではなく首都圏在住者ですが、いくつかの質問と回答で4月の調査結果と5月が比較対照されていますので、この間の我々の被災後の生活に関する意識の変化がよく理解できます。サイトにはpdfファイルの全文リポートもアップされています。週末らしく、のんびりとアンケート調査の結果を紹介したいと思います。

暮らし・社会全体の回復の認識

まず、上のグラフは震災の影響がなくなったか、残っているかについての問の結果です。上野2つの棒グラフの組合せが個人の生活に関するもので、下は社会全体です。対象者が首都圏在住者ですから、個人の暮らしの面ではかなり震災の影響は払拭されたように受け止められていますが、社会全体では改善しつつあるとはいえ、5月調査でもまだまだ残っています。

今後の不安や心配

次に、今後の不安や心配についての回答は上のグラフの通りです。景気、余震、物価などは4月調査よりも5月調査ではかなり改善したように見受けられますが、電力不足への不安だけは時を追って増加しています。本格的な電力需要期である夏季に向かって不安は募る一方かもしれません。

節電のため減らしてよいもの

そこで、節電のために減らしてよいもののリストが上のグラフの通りです。もっともな回答が並びますが、一見して、東京都の石原都知事の影響も見逃せません。

節電のため減らしてほしくないもの

逆に、節電のためであっても減らしてほしくないもののリストは上の通りです。駅のエスカレーターやオフィス・家庭の空調などは「減らしてもよい」と「減らしてほしくない」の両方に出現しています。分かる気がします。

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2011年5月21日 (土)

外出の多い週末に第一生命のサラリーマン川柳を鑑賞する

恒例の第一生命のサラリーマン川柳のベスト10が発表されました。以下の通りです。トップと第2位は票数でものすごく競っていたりします。実は、私は第2位の方を推していたりしました。

第一生命サラリーマン川柳ベスト10

今日はいろいろと外出する用が多くて、結局、阪神の試合も見ていないんですが、簡単に第一生命のサイトから画像を引用してお手軽に済ませておきます。

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2011年5月20日 (金)

ホークス山田投手に軽くひねられて初完封を献上!

もはや、スコアボードを書く気もしません。ソフトバンクの山田投手に余裕を持って投げ切られて初完封を献上しました。投手戦か貧打戦か知りませんが、タイガースは4安打なんですが、ホークスだって5安打なんですから、大きな違いはありません。むしろ、守る方です。レフトへの狙い撃ちを徹底したホークスの戦法が功を奏した気がします。完封負けしかかっているのに、代打も出さないタイガースの作戦と好対照でした。でもまあ、交流戦は2連戦ですから2連敗する可能性は低いと高をくくっておきます。

明日は、
がんばれタイガース!

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『村上春樹 雑文集』(新潮社) を読み、音楽CDについて考える

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』(文藝春秋) と『村上春樹 雑文集』(新潮社)

取りあえず、今夜のエントリーのタイトルは片方だけにしておいたんですが、村上春樹さんの『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』(文藝春秋) と『村上春樹 雑文集』(新潮社) を読みました。昨年11月ころにインタビュー集である『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』を読んで、最近、『村上春樹 雑文集』の方を読みました。ですから、今夜のエントリーでは後者の方に主眼を置きます。
この『雑文集』でもっとも注目を集めるのは、おそらく、2009年2月のエルサレム賞授賞式でのスピーチ「壁と卵」であろうと私は考えています。さすがに、文字に落としても重厚な仕上がりで、イスラエルに対して表明すべきことがすべて表現されている気がします。何度読み返しても、心に響く名文といえましょう。ただし、「壁と卵」のスピーチはあらゆるメディアで取り上げられていますので、私のこのブログでは簡単に取り上げるにと止めたいと思います。
ということで、、村上春樹さんと言えば1979年の『風の歌を聴け』を書いて作家になる前はジャズ・クラブを経営していたのは有名なところであり、音楽について、特に、ジャズについて、いろいろと考えさせられる「雑文」がありました。ジャズを聞くきっかけは3管時代のジャズ・メッセンジャーズのコンサートに行ったことだそうです。私は団塊の世代の村上さんと比べて10歳くらい年下だと思うんですが、私も3管時代のジャズ・メッセンジャーズは大好きでCDを持っています。「スリー・ブラインド・マイス vol.1」というアルバムです。なぜか、国内ではこの vol.2 が入手できません。全体の音楽監督的な役割を果たしていたであろうテナー・サックスのウェイン・ショーターもさることながら、トランペットのフレディー・ハバードが素晴らしいという点については同感です。コルトレンなども含めて1960年代のモダン・ジャズの黄金期の音楽を中学生から高校生のころに聴いて育った、という点では私と村上さんは共通するものがあります。しかし、私自身については、最近は、ホーンの入るコンボよりもピアノ・トリオを聞く機会が多くなった気がします。30年くらい前まで大好きだったコルトレーンなんかは、精神的にも肉体的にも調子のいい時に覚悟を決めて聞くようになってしまいました。
『雑文集』の中で、村上さんは音楽を収録するメディアについてはCDよりもLPを評価しているんですが、音質やハンドリングなどの点で疑問がないわけではないものの、LP時代を知っている古くからの音楽ファンには同意できる点がないでもないような気がします。私だけの視点かもしれませんが、CD化する際のボーナス・トラックでアルバム全体の構成が歪むことがあるような場合も見受けられます。典型的には、ビル・エバンスのアルバムで見られるように、別テイク曲がいっぱい入って、アルバム全体の構成がわけ分からなくなったりしています。また、私の好きなジャズのアルバムで、アート・ペッパーの「モダン・アート」というのがあります。どうでもいいことですが、アート・ファーマーの方の「モダン・アート」ではなく、アート・ペッパーの方です。「ブルース・イン」で入って、「ブルース・アウト」で出るという8曲のLPの構成だったんですが、最初にCD化された際に、最後の9-10曲目にボーナス・トラックが入りました。その後、オリジナルの8曲構成のCDも売られているようですが、「ブルース・アウト」の後にボーナス・トラックを入れるなんて、フィッツジェラルドの『夜はやさし』の book 1 と book 2 を入れ替えた別バージョンの本と比べものにならないくらいタチが悪いと私は思います。もっとも、コルトレーンの「セルフレスネス」のように、LPのころからカップリングの悪いアルバムはありましたが、CD化される際のボーナス・トラックも良し悪しだという気がします。ジャズ以外でも、ボン・ジョビの「ハヴ・ア・ナイス・デイ」のように、日本版と米国版と英国版ですべて構成が違う、なんて例もあります。これなんかは熱心なファンに重複して買わせようということなのかもしれません。

週末前のゆったりした金曜日に、のんびりした話題の本を読んで、くつろいだ雰囲気を出してみました。我が家の中学生2人は中間試験で勉強に大忙しです。

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2011年5月19日 (木)

1-3月期GDP統計1次速報は震災の影響でマイナス成長も年内にリバウンドの見込み

本日、内閣府から今年1-3月期のGDP統計1次速報、いわゆる1次QEが発表されました。季節調整済みの実質系列で見て、前期比▲0.9%、前期比年率▲3.7%のマイナス成長となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1-3月実質GDP、年3.7%減 震災で2期連続マイナス
内閣府が19日発表した2011年1-3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%減、年率換算で3.7%減となった。マイナス成長は2期連続。東日本大震災の影響で消費や投資が落ち込んだ。サプライチェーン(供給網)の混乱を受けて自動車などの生産が減少したほか、家計や企業のマインドが冷え込んだ。企業は生産体制の復旧を急いでいるが、4-6月期もマイナス成長が続く公算が大きい。
与謝野馨経済財政担当相は同日の記者会見で、2期連続のマイナス成長となったことについて「世界需要が蒸発したリーマン・ショックとは状況が全く異なる」と強調。景気後退局面には当たらないとの見解を示した。
前期比年率でみた1-3月期の実質成長率は、日経グループのQUICKがまとめた民間予測の中央値(1.8%減)を大幅に下回った。生活実感に近い名目成長率は1.3%減、年率換算では5.2%減で、2期連続のマイナスとなった。
前期比0.9%減となった実質成長率のうち、内需が0.8%分押し下げた。
GDPの6割近くを占める個人消費は前期比0.6%減った。耐久財は7.3%減と大幅に落ち込んだ。震災で自動車の出荷が滞り、消費者が購入を見合わせた。外食や行楽地などサービスも自粛ムードの広がりを受けて0.9%減った。非耐久財はミネラルウオーターなどの買いだめの影響もあり前期より増えた。
設備投資は0.9%減少し、6期ぶりのマイナスとなった。設備投資に含まれる企業の自動車購入が震災後に大きく落ち込んだことが主因だ。部品供給網の混乱を受けて企業が手持ちの在庫を取り崩したため、民間在庫が急激に減少し、実質成長率を0.5%分押し下げた。
外需では、輸出が前期比0.7%増えた。2月までは新興国を中心に持ち直していた。内閣府は「震災がなければ、輸出はさらに伸びた可能性がある」と指摘した。輸入は2.0%増えた。
総合的な物価の動向を示すGDPデフレーターは前年同期を1.9%下回り、6期連続でマイナスとなった。前期比では0.4%低下し、物価が持続的に下落するデフレ基調はなお続いている。

次に、いつものGDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者所得を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、アスタリスクを付した民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。なお、計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンクからお願いします。

需要項目2010/
1-3
2010/
4-6
2010/
7-9
2010/
10-12
2011/
1-3
国内総生産GDP+2.2+0.1+0.9▲0.8▲0.9
民間消費+0.9▲0.3-2+0.8▲1.0▲0.6
民間住宅+1.4▲0.6+1.9+3.2+0.7
民間設備+1.4+2.7+1.1+0.1▲0.9
民間在庫 *+1.0▲0.5+0.5▲0.0▲0.5
公的需要▲0.4+0.2▲0.3▲0.6+0.6
内需寄与度 *+1.7▲0.2+1.1▲0.7▲0.8
外需寄与度 *+0.6+0.2▲0.1▲0.1▲0.2
輸出+6.7+5.2+1.6▲0.8+0.7
輸入+2.9+4.1+2.9▲0.3+2.0
国内総所得GDI+1.8▲0.5+1.0▲0.8▲1.6
名目GDP+2.2▲1.0+0.6▲1.1▲1.3
雇用者報酬+1.3+0.6+0.6▲0.2+0.2
GDPデフレータ▲2.8▲2.0▲2.1▲1.6▲1.9
内需デフレータ▲1.4▲0.9▲1.4▲1.0▲1.0

さらに、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。季節調整済みの系列の前期比成長率に対する寄与度で、左軸の単位はパーセントです。棒グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された1-3月期の最新データでは赤い棒グラフの民間消費やグレーの民間在庫が目立ったマイナスの寄与を示していることが読み取れます。

GDP前期比成長率と需要項目別寄与度の推移

市場の事前コンセンサスが前期比年率で▲2%程度のマイナス成長でしたから、これを下回る大きな下振れと言えます。他方、やや驚きを持って受け止められたのは輸出がプラスを記録したことです。私の直感では、在庫をかなり大幅に取り崩してがんばって生産して輸出に回した気がしないでもありませんので、4-6月期はほぼ確実に輸出が大きく減少し、外需の寄与度がマイナス幅を拡大することになると考えるべきです。
先行きの4-6月期や7-9月期を考える際の第1のポイントはこの輸出の動向です。少なくとも4-6月期は外需はマイナス寄与を強めると覚悟すべきです。第2のポイントは生産なんですが、例えば、極端なところでは自動車生産は4-6月期には通常の半分を少し超えるくらいと言われています。3月の機械受注は強く出ましたが、やっぱり、先行き設備投資は低迷する可能性が高いと受け止めるべきです。第3に消費のリバウンドがいつになるかです。私は夏季の節電を乗り切った10月くらいからと踏んでいますが、分野によってはもう少し早く、消費の基礎となるマインド改善が見られる可能性があります。第4に復興需要の大きな部分を占める公的需要です。「お盆までに仮設住宅入居」との総理大臣の公約もありますが、第1次補正予算の4兆円の主たる部分は7-9月期から始まります。その意味で4-6月期は生産面からも予算面からもエアポケットになる可能性があります。他方、1次補正予算の執行状況いかんでは、2次補正予算を8月に予定していたのではタイミングとして遅きに失する可能性もゼロではありません。私の考えでは今年の景気は4-6月期を大底にして7-9月期から急激に上向く可能性が高いんですが、政府の補正予算の策定や執行、また、サプライ・チェーンの回復に伴う在庫積増し次第では、4-6月期にマイナス幅が縮小する可能性もあります。第5に大きく取り崩された在庫の積増しは、繰返しになるものの、サプライ・チェーンなどの生産ネットワークの回復いかんによりますが、早ければ4-6月期にも始まる可能性があります。

今日の1-3月期GDP速報を見て、早ければ明日から来週早々は各シンクタンクや金融機関などの経済見通しの改定が発表されると思います。おそらく、今年度はプラス成長をギリギリ維持できそうな気がしますが、例年になくしっかりと注目したいと思います。

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2011年5月18日 (水)

オリックス投手陣に完封リレーを食らって完敗!

  HE
阪  神000000000 080
オリックス11000000x 250

4回くらいまではそこそこチャンスはありましたが、終盤8-9回はオリックスのリリーフ陣にピシャリと抑えられて完敗でした。昨夜の試合と比べて、8-9回の抑えの投手陣の安定度が参考になった気がします。引き続き、上本内野手が好調のようですし、いきなり引っ込んだ平野選手は、鳥谷選手のケガとともに大いに心配なんですが、センターラインに位置する二遊間の攻守の要を両方とも負傷で欠くのは想定外かもしれません。やっぱり、2連戦の交流戦では1勝1敗が多くなりそうな予感です。ヘンに大きく負け越さないだけ、3連戦よりマシかもしれません。

明日はゆっくり休んで、明後日からも、
がんばれタイガース!

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明日発表の1-3月期GDP1次QEは震災の影響でマイナス成長か?

内閣府による明日5月19日の発表を前に、GDP統計1次速報に必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2011年1-3月期の1次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。特に、震災の影響と今後の見通しを優先的に取ったつもりです。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.3%
(▲1.4%)
震災に伴い、1-3月期は▲5%ポイント程度下振れ
みずほ総研▲0.7%
(▲2.9%)
4-6月期は輸出の減少を主因にマイナス成長が続く可能性大
ニッセイ基礎研▲0.5%
(▲2.0%)
東日本大震災発生以降、経済活動は急速に落ち込み、それまでの回復基調は完全に途切れてしまった
第一生命経済研▲0.7%
(▲2.7%)
1-2月までの景気は底堅く推移しており、震災がなければプラス成長が展望できる状況にあったが、大震災の影響により3月の経済活動が急激に冷え込んだ結果、2010年10-12月期に続いてマイナス成長になったものと予想
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.5%
(▲1.9%)
東日本大震災以降の生産活動の落ち込みが大きく影響
三菱総研▲1.0%
(▲3.9%)
東日本大震災の影響から、3月の各種経済指標の結果は軒並み大きく落ち込んでおり、2四半期連続のマイナス成長を見込む
伊藤忠商事▲0.3%
(▲1.1%)
大震災の悪影響は輸出減少を通じ4-6月期に最大となり、日本経済は3四半期連続のマイナス成長

実際の数字は少しバラツキがあるんですが、以下の何点かはほぼコンセンサスがあるんではないかと私は受け止めています。第1に、「震災なかりせば」という非現実的な前提の下では、1-3月期はプラス成長を展望できたんでしょうが、現実には震災があったわけですし、1-3月期は2四半期連続のマイナス成長を記録したと考えるべきです。第2に、震災のダメージは1-3月期ではなく4-6月期がもっとも大きく、4-6月期は1-3月期よりもさらに大きなマイナス成長となる可能性が高いと考えるべきです。第3に、震災の影響が大きい需要項目は消費と輸出と取り崩された在庫であると考えるべきです。消費についてはマインドの悪化が、輸出については生産の停滞が主たる原因です。設備投資については6四半期振りにマイナスに転ずる可能性がありますが、需要サイドを織り込んだ2次QEでは少なくとも上方改定される可能性が高いと受け止めています。

第3次産業活動指数の推移

最後に、上のグラフは経済産業省から本日発表された第3次産業活動指数の推移です。今年3月の前月比下落率は▲6.0%と、消費税が導入された1989年4月以来22年振りの大きな下げを記録しました。

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2011年5月17日 (火)

セットアッパーが不安定ながら関西ダービーを先勝!

  HE
阪  神004100000 5100
オリックス101002000 490

途切れ途切れでしか野球観戦していないんですが、今夜は節電の必要ない関西のドーム球場でオリックス相手の関西ダービーの交流戦の始まりです。小林投手が相変わらず不安定ながら、何とか終盤を逃げ切り先勝です。
7時からのNHKニュースを見終えた時点で、すでに阪神が序盤をリードしており、何となく私は勝手に楽勝ムードだったんですが、お風呂から上がって9時過ぎにテレビをつけると一気に接戦になっていました。しかも、8回ウラのマウンドには小林投手という、エアコン要らずの背筋が凍りつくような場面でした。役者がそろったところに、いつものワイルドピッチまであって、スリル満点でしたが、何とかゼロに切り抜けて、9回が藤川投手で逃げ切りました。

明日もこの調子で、
がんばれタイガース!

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家計調査の資産編に見る高齢者の資産蓄積の現況

本日午後、総務省統計局から2010年の家計調査報告 (貯蓄・負債編) が発表されました。普段はほとんど注目しない指標なんですが、高齢者層に貯蓄が蓄積されていることを明々白々たる統計で示す機会ですので、ごく簡単に取り上げておきたいと思います。
いずれも、2010年家計調査報告 (貯蓄・負債編) のリポートの p.3 から引用していますが、下のグラフは世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高をプロットしたものです。我が国家計の負債については住宅ローンがかなりの部分を占めるんですが、このために40歳代の世帯の負債が大きく、その後減少する一方で、貯蓄は年代を経るごとに積み上がっています。もちろん、このグラフでは60歳以上でくくられていますので、高齢世帯になるほど貯蓄の取崩しが生じているであろうと想像するんですが、少なくとも、家計の資産ストックとしては高齢者世代がかなり恵まれていることは明らかです。

2010年家計調査報告 (貯蓄・負債編) 世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高

同じことですが、世帯主が60歳以上の家計の貯蓄現在高階級別の世帯分布を見たのが下のグラフです。すべての2人以上世帯の貯蓄の平均は1657万円、中央値が995万円であるのに対して、60歳以上世帯では平均2286万円、中央値1563万円と大きな差があります。縮小をかけてあるので見にくいんですが、下のグラフの60歳以上世帯を見ると、貯蓄現在高4000万円以上が60歳以上全世帯の16.5%、3000-4000万円が9.0%、2500-3000万円が6.7%ですから、3000万円以上が25%を超え、2500万円以上が 1/3 近いという結果となっています。

2010年家計調査報告 (貯蓄・負債編) 60歳以上世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布

私の独自の観点として、我が国財政の現状から考えて、もしも増税を行う必要があると仮定すれば、資産課税がひとつの選択肢になり得ると受け止めています。いかんともしがたく、固定資産税が地方税であるため資産税は増税項目の候補にすら上がっていませんが、いままでの高齢者優遇で蓄積された資産に対する課税の強化は相続税の重課とともに世代間公平の観点から十分あり得る選択肢と考えるべきです。

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2011年5月16日 (月)

設備投資は先行き減るのか増えるのか、どちらに向かうか?

本日、内閣府から3月の機械受注統計と4月の消費動向調査の結果が、また、日銀から4月の企業物価指数が、それぞれ発表されました。なぜか、震災後を含む3月の機械受注統計はコア、すなわち、船舶と電力を除く季節調整済みの民需で見て前月に比べて増加しました。市場の事前コンセンサスが▲10%の減少だったのに比べて、何とも理解し難い結果となりました。他方、消費動向調査のうち、消費者態度指数は先月の3月に大きく落ち込んだ後、さらに真っ逆さまに落ちて行っています。企業物価は資源高を背景に7か月連続でプラスの上昇率が続いています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注3月2.9%増 震災後も投資堅調
内閣府が16日発表した3月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は7776億円となり、前月に比べ2.9%増えた。4-6月期の見通しも前期比10.0%増と大幅な伸びを見込む。東日本大震災を理由とする発注の解約は3月調査時点では少なく、民間企業の設備投資姿勢はいまのところ緩やかな持ち直し傾向を維持している。
「船舶・電力を除く民需」の前月比プラスは2カ月ぶり。民間予測平均は同9.0%減で、機械受注は市場の予想を上回って堅調だった。震災の影響について、内閣府は「調査対象の機械メーカーに、大きな発注のキャンセルはなかった」としている。
業種別では製造業は同0.4%減。半導体製造装置など電気機械は伸びたが、自動車・同付属製品や一般機械からの工作機械の受注が減った。非製造業(船舶・電力除く)は同7.1%増。金融・保険や通信で、コンピューター関連投資が増えた。
四半期ごとにみると、1-3月期は前期比3.5%増と、2期ぶりのプラス。昨年12月時点の見通し(同2.7%増)を上回った。内閣府は「持ち直し傾向にあるものの、非製造業で弱い動きがみられる」との判断を据え置いた。
4-6月期の見通しは同10.0%増。実現すれば、1989年10-12月期(同10.2%増)以来の高い伸びとなる。製造業は同7.9%増、非製造業は同10.3%増を見込む。
新興国の旺盛な需要を満たすための生産設備の増強や、被災した工場や建物の再建など復興需要が設備投資を下支えするとみられる。一方、「震災で先行き不透明感が強まり、新規投資を見送る動きが出る可能性もある」(農林中金総合研究所の南武志主任研究員)。
2010年度の合計は前年度比7.0%増で、4年ぶりに増加した。製造業が同18.4%増と全体をけん引した。
4月消費者態度指数、震災響き落ち込み最大 基調判断も下方修正
内閣府が16日発表した4月の消費動向調査で、消費者心理を示す消費者態度指数(季節調整値)は5.5ポイント低下の33.1だった。3カ月連続で前月を下回った。比較可能な2004年4月以降、最大の落ち込み幅だった。東日本大震災の影響や、物価上昇への懸念が指数に反映した。
指数を構成する「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4つの構成項目全てが、調査方法の違いを補正したうえで比較可能な2004年4月以来、最大の落ち込みだった。内閣府は基調判断を「悪化している」に下方修正した。
1年後の物価見通しについては、公共料金やガソリンの値上がりを反映し「上昇する」と答えた消費者の割合が73.2%と前月(69.3%)から3.9ポイント上昇、一方、「低下する」と答えた消費者の割合は5.7%と0.3ポイント低下した。
調査は全国の6720世帯を対象に「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目について、今後半年間の見通しを「良くなる」から「悪くなる」までの5段階評価で集計している。今回の調査基準日は4月15日、有効回答数は4981世帯(回答率74.1%)だった。震災の影響で3つの調査区で中止となったが統計上は大きな影響はないと説明している。
4月の企業物価2.5%上昇 資源高で7カ月連続プラス
日銀が16日発表した4月の国内企業物価指数(2005年=100、速報値)は105.6となり、前年同月に比べて2.5%上昇した。プラスは7カ月連続。上げ幅は08年10月(4.5%)以来、2年6カ月ぶりの大きさだった。新興国の需要増などを反映した資源価格の高騰で、石油関連製品の価格が上昇した。東日本大震災による影響は限定的だった。
企業物価指数は企業が出荷や卸売り段階でやりとりするモノの価格水準を示す。調査対象の855品目のうち、359品目(42.0%)で前年比プラスとなった。3月の349品目(40.8%)より増えた。
業種別では石油・石炭製品(18.7%)、鉄鋼(8.3%)、非鉄金属(7.0%)などで上昇が目立った。一方、情報通信機器が4.8%、電子部品・デバイスが3.4%それぞれ下落した。
4月は前月比では0.9%上昇し、3月(0.6%)からプラス幅を拡大した。東日本大震災の影響で鶏卵価格が上昇し、仮設住宅需要から普通合板が前月比プラスになったが、指数全体への影響は小さかった。

まず、船舶と電力を除いたコア機械受注の推移は下のグラフの通りです。民間設備投資の先行指標と考えられています。下のパネルの需要者別機械受注の推移を見れば明らかですが、製造業がけん引する受注増となっています。震災後の3月に受注が増加したということ自体が私には大きな驚きなんですが、引用した記事にあるように4-6月期は前期比で+10%を見込んでいますので、ひょっとしたら、設備投資はこのまま増加を続ける可能性があるかもしれません。例えば、3月に大きな伸びを示したのは鉄鋼、化学、造船、電機、情報サービスなどですから、いかにも復興需要や工場移転などに関係しそうな業種であり、このまま設備投資が増加を続ける可能性はゼロではありません。しかし、3月の鉱工業生産指数における輸送機械を除く資本財出荷は2月の88.4から▲13.8%減の76.2に大きく落ち込んでおり、資本財出荷と機械受注の間にまったく整合性は見られません。3月統計を並べて、微増ながらプラスのコア機械受注と激減した資本財出荷を見比べて、多くのエコノミストは後者の方に信頼感を覚えそうな気もします。

機械受注統計の推移

次に、消費者態度指数は3月に続いて4月も極めて大きな下げを記録しました。同様のマインド調査である景気ウォッチャー調査が4月からはややリバウンドの動きを見せているのに対して、消費者態度指数は4月の方が3月よりもさらに落ち込みました。タクシー運転手さんが典型例で持ち出される景気ウォッチャー調査がやや供給サイドのマインドであるのに対して、今日発表の消費者態度指数は家計を対象とするほぼ純粋に需要サイドのマインド調査ですから、復興需要などの波及は遅れそうな気もします。4月調査ではほぼ真っ逆さまに落ちているように見えます。基調判断が下方修正されたのも当然と言えます。また、下のパネルはブロック別に3月と4月の累積の低下幅を示しましたが、いうまでもまく、震災の直撃を受けた北海道・東北や関東の低下幅が大きくなっています。

消費者態度指数の推移

最後に、企業物価上昇率の推移は下のグラフの通りです。原油や食料などの国際商品市況の高騰に起因する物価上昇といえますが、最近時点での銀の下落に端を発して、商品市況の動向が反転する可能性が出て来ており、私はこのまま下落を続ける可能性も十分あると見ています。先行きは極めて不透明です。我が国のコア物価はエネルギーや食料を含みますから、必ずしも需給ギャップには敏感でない場合もあります。今週開催される日銀の金融政策決定会合も注目したいと思います。

企業物価上昇率の推移

今週発表される経済指標の中で、何といっても、木曜日の1-3月期のGDP統計1次QEに最大の注目が集まります。大雑把に震災の影響は四半期90日の中の20日しか含まないんですが、大きな落ち込みを示した生産と消費がどのように反映されるか、私を含む多くのエコノミストが着目しています。

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2011年5月15日 (日)

万城目学『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫) を読む

万城目学『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫)

万城目学さんの『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫) を読みました。面白かったです。この作者の作品はデビュー作の『鴨川ホルモー』と『鹿男あをによし』も読んでいて、京都・奈良・大阪のそれぞれを舞台にしたストーリーを楽しんでいます。まず、出版社のサイトからあらすじを引用すると以下の通りです。

内容紹介
このことは誰も知らない - 400年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京から来た会計検査院の調査官3人と大阪下町育ちの少年少女だった。秘密の扉が開くとき、大阪が全停止する!? 万城目ワールド真骨頂、驚天動地のエンターテインメント、ついに始動。特別エッセイ「なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪」も巻末収録。

私は京都の生まれで、『鴨川ホルモー』の主人公と同じように、というか、作者と同じように京都大学に通っていましたし、『鹿男あをによし』は主人公が奈良の女子高の臨時教師を務めた際の物語ですが、私は中学・高校と奈良の男子校に6年間の長きに渡って通っていましたから、それぞれのバックグラウンドについてはよく理解できました。しかし、『プリンセス・トヨトミ』は大阪が舞台で、タイトルから明らかなように太閤豊臣秀吉にまつわる物語です。それに、というわけでもないですが、前2作は主人公の一人称で書かれていた小説だったんですが、『プリンセス・トヨトミ』は三人称で書かれています。その上、前2作にあったような超常現象はいっさい現れません。また、前2作と違って勝負事は関係しません。宣伝に見られる「大阪全停止」も小説を読む限りは、反則技に近いウルトラCが使われるわけではありません。従って、私から見れば全2作からかなり雰囲気の違う作品に仕上がっているように見受けられました。もっとも、私のような凡人には理解できないようなシステムが作り上げられている、という点については全3作で共通しているような気がします。
すでに、この作品は映画化されており5月28日に小説と同じ「プリンセス・トヨトミ」というタイトルで封切られる予定です。私は今週にでも前売り券を買って見に行くつもりです。この本を読み始めた時点では詳細な映画のキャストは知らなかったんですが、綾瀬はるかさんが旭・ゲーンズブールの役ではなく、鳥居役と男女を逆にしていることはつい最近知りました。映画ですから、テレビドラマと違って、ものすごい人数を集めるのなんかは比較優位がありそうな気がします。「大阪全停止」なんて宣伝文句も踊っていますが、大がかりな映画らしい楽しみ方が出来そうな気もします。逆から考えれば、そういった原作になりそうな小説です。私自身としては映画も楽しみです。

原作者の万城目さんの長編3作をすべて読んでいる私としては、完成度が最も高いと受け止めています。超常現象もありませんし、勝負事を奇跡的に勝ち進む設定でもありません。もちろん、小説や映画の内容を荒唐無稽と退ける向きもあるでしょうが、リアリズムだけがすべてでもないことは理解すべきでしょう。

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新しいバッティング・オーダーが大当たりで中日に一矢を報いる!

  HE
中  日010000000 070
阪  神00011001x 370

藤川俊介外野手を上位に、マートン外野手を5番に入れてブラゼル内野手を大きく下げるという新しいオーダーで中日に一矢を報いました。やっぱり、5番打者が点を取る上でキーポイントになるんだという実例を見せつけられた気がします。それだけに、ブラゼル内野手には調子を上げて早くクリンナップに戻って欲しい気がします。相変わらず、小林投手は不安定な出来で、どうして使い続けるのかやや不思議だった一方で、上本内野手の活躍には見るべきものがありました。そろそろ、年俸の高いロートル選手優先から、こういった若い選手を使う気にはならないものでしょうかね?
取りあえず、鳥谷遊撃手のケガの具合次第ではあるんですが、DHを使える試合も含めて交流戦はこれに近いオーダーで臨むんでしょうね。同一リーグの3連戦と違って2連戦ですから、どうしても1勝1敗で終わるパターンが多い気もしますが、逆に、2敗する可能性も低いわけで、大きく負け越さずに済むといった消極的な思考も可能です。日程に余裕ある交流戦ですから、ボチボチやってればいいような気もします。特に、今年は大きな期待もしません。

そうはいいつつも、
がんばれタイガース!

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2011年5月14日 (土)

監督の采配で勝負が決する試合はほとんど負ける!

  HE
中  日010000210 480
阪  神000000201 380

昨年のシーズン後半の黒ユニでダイナマイト打線が復活したころから感じていたんですが、要するに、一昨日の広島戦のような打線爆発で作戦も采配もクソもないような一方的な試合展開が阪神の勝ちパターンとなってしまい、昨夜や今日のような競った試合で監督の采配が大きなカギを握る試合は負けパターンになったようです。特に、巨人や中日を相手にした時、惜しくもあと一歩及ばなかった、という今日のような試合が何と多いことでしょうか。
代打などの攻撃の作戦は昨日今日と当たっている気もしますが、投手交代の采配がサッパリです。終盤の中継ぎが必ず失点しています。各投手の調子や相手打者との相性、ゲームの展開やせめて打順くらいは首脳陣が把握した上で起用しているんでしょうか。単に、適当に投げさせているんでしょうか。それとも、誰を出しても打たれてしまうレベルの投手陣なんでしょうか。テレビ桟敷で観戦している私にはよく分かりません。
それにしても、「久保投手が先発する時は、金本外野手はスタメンを外れる」というのはウワサだけでなく、かなり確度の高い事実だったような気がします。

明日はともかく、交流戦で気分転換目指して、
がんばれタイガース!

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今年のクールビズ、スーパークールビズはどこまで過激になるか?

今夏の節電対策の一環として、スーパー・クールビズが環境省から発表されています。詳細は環境省の記者発表資料に譲るとして、概要は産経新聞のサイトから下の画像の通りです。

スーパー・クールビズ

取りあえず、このドレス・コードが適用されるのは現時点では環境省だけで、私の勤務する役所にまで及んで来るかどうかは不明です。しかし、正式なドレス・コードにならなくても、一定の影響力は持ちそうな気もします。少なくとも、内容的には何ら問題ないと私は考えています。先週のゴールデンウィーク、我が家の中学生と同じように私もカレンダー通りに出勤しましたが、季節なりに長袖のタンガリー・シャツをジーンズの外に出してスニーカーをはいて出勤した日もありました。お客さんの来訪などの外部との接触の有無にもよりますが、許容される範囲と考えています。さらに言えば、私は上の画像では「短パン」は△ではないかという気がしています。その昔に「ホットパンツ」と称されたような短いものはともかく、ヒザ下まである七分丈のものはOKでいいように感じます。

最後にどうでもいいことですが、現行のクールビズでサンダルが禁止されているとは知りませんでした。私は公務員になって以来、執務室では靴を脱いでサンダルです。今はクロックスです。これはドレス・コード違反なんでしょうか?

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2011年5月13日 (金)

今シーズンはBクラスを強く予感させる力負け!

  HE
中  日000101200 470
阪  神000000110 280

広島3連戦は雨で2試合流れ、来週からは日程に余裕のある交流戦を控え、投手陣の使用法がポイントとなる中日3連戦に大いに注目していたんですが、大事な第1戦を力負けしました。点差以上に大差で負けた実感があります。作戦としては決して無策ではなく、代打策はやや成功と評価できる一方で、継投は結果論として失敗したように見受けられます。5月半ばの時点で順位に注目するのは早過ぎるのかもしれませんが、今までの1か月の戦い振りを見る限り、今シーズンはBクラス濃厚という気がします。残念ながら、私の虎ブロも回数が減りそうです。

そうは言いつつも、
がんばれタイガース!

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2011年5月12日 (木)

豪快な打棒が戻って広島に快勝!

  HE
広  島201000010 460
阪  神33300110x 11131

帰宅してテレビを見た瞬間、エラい雨の中でやっていると、いつもの「営業第一主義」のタイガースの姿勢を疑問に思わないでもなかったんですが、終わってみれば13安打11得点と今シーズン振るわなかった打棒が復活して広島に大勝でした。余りまじめに観戦していたわけではないんですが、このくらいの調子で勝つと気持ちがいいです。

明日からの中日3連戦も、
がんばれタイガース!

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震災による供給制約から経常収支が大きく落ち込みマインドも低水準

本日、財務省から3月の経常収支などの国際収支が、また、内閣府から4月の景気ウォッチャー調査結果が、それぞれ発表されました。震災の影響により輸出が激減して経常黒字が縮小する一方で、景気ウォッチャーのマインドは先行き大きく改善を示しています。予想された通りの反応と言えます。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の経常黒字、2カ月ぶり縮小 東日本大震災で輸出落ち込む
財務省が12日発表した3月の国際収支(速報)によると、経常黒字は前年同月比34.3%減の1兆6791億円だった。前年同月と比べて黒字幅が縮小したのは2カ月ぶり。東日本大震災の影響で自動車メーカーなどのサプライチェーン(供給網)が断絶し、輸出が落ち込んだため。世界的な国債利回りの低下などの流れを受け、所得収支の黒字額が減少したことも影響した。
貿易収支は2403億円の黒字だったが、前年同月と比べ77.9%減、額にして8487億円の大幅な落ち込みとなった。黒字幅の縮小は3カ月連続。うち、輸出は前年同月と比べ1.4%減の5兆6367億円だった。2009年11月以来、16カ月ぶりにマイナスとなった。輸入は16.6%増の5兆3964億円。原油など資源価格の高騰が影響した。
所得収支は1兆5347億円の黒字で、前年同月と比べ8.0%減少した。利子収入の減少に加え、海外企業への直接投資に対する株式配当の減少などが要因という。
このほか、サービス収支のうち旅行収支は1395億円の赤字だった。前年同月は1347億円の赤字。海外旅行者が減ったことなどにより、赤字幅がやや拡大した。
あわせて発表した2010年度の経常黒字は前年度と比べ0.9%増の15兆9210億円だった。1-3月期の経常黒字は貿易黒字額の減少などにより、前期比で24.8%減の3兆7820億円となった。
街角景気、4月0.6ポイント上昇 「厳しい状況続く」
内閣府が12日発表した4月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は28.3となり、前月比0.6ポイント上昇(改善)した。改善は2カ月ぶり。東日本大震災の影響で3月は過去最大の落ち込みだった。
基調判断は「東日本大震災の影響で急激に厳しい状況になっている」から「東日本大震災の影響により厳しい状況が続いている」に変更した。

次に、経常収支のグラフは以下の通りです。青い折れ線グラフが経常収支を推移をプロットし、棒グラフがその経常収支の内訳を示しています。3月の震災に起因して、サプライ・チェーン、というか、私は「生産ネットワーク」という言葉を使う方がより正しいと思ってますが、いずれにせよ、供給制約のために輸出が伸びず貿易収支がほぼゼロとなり、経常収支は激減しています。もっとも、これは復興とともに生産が伸び始めれば輸出は回復します。しかし、逆に復興に伴って輸入が伸びを高めることから、貿易収支は下押し圧力を受けることとなります。実際に、今日、財務省から発表された4月上中旬の貿易統計も輸出が2ケタ減、輸入が2ケタ増で、貿易収支は▲8000億円近い赤字になっています。

経常収支の推移

他方、景気ウォッチャー調査は現状判断DIこそ低迷しましたが、先行き判断DIは大きく回復を示しています。国民マインドはかなり正確であると私は受け止めています。すなわち、今から2-3か月くらい先の夏あたりから復興が本格化して、7-9月期はまだゼロ近傍としても、10-12月期には大きなプラス成長を記録する可能性が高いとの見通しは多くのエコノミストと同じです。もっとも、最大の懸念材料は原子力発電所です。

景気ウォッチャー調査の推移

足元では今しばらくの景気悪化要因が残っているような気がしますが、夏を過ぎたあたりから生産の回復と復興需要もあって景気は回復局面に戻ると私は考えています。不透明さが残るとすれば、繰返しになりますが、原発と政治情勢かもしれません。

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2011年5月11日 (水)

景気動向指数は大幅な落ち込みを示す

本日、内閣府から3月の景気動向指数 が発表されました。CI一致指数は103.6と前月から3.2ポイント下降し、先行指数は99.5と同じく4.5ポイント下降しました。いずれも5か月振りの下降です。内閣府は基調判断について「景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している。ただし、東日本大震災の影響により、CI一致指数の単月及び3ヶ月後方移動平均の前月差がマイナスに転じている。」としています。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインなどを報じる記事を引用すると以下の通りです。

景気指数、現状・先行きとも落ち込み最大 3月
内閣府が11日発表した3月の景気動向指数速報(CI、2005年=100)は、景気の現状を示す一致指数が前月比3.2ポイント低下の103.6だった。東日本大震災の発生を受け、5カ月ぶりに低下した。数カ月後の景気の先行きを示す先行指数は4.5ポイント低下の99.5。ともに落ち込み幅は過去最大だった。
内閣府は基調判断を「改善を示している。ただし東日本大震災の影響によりCI一致指数の単月および3カ月後方移動平均の前月差がマイナスに転じている」とした。
CIは、指数を構成する経済指標の増減率を合成して算出。景気の方向性と量的な動きを示す。

次に景気動向指数のCI一致指数と先行指数、さらに、DI一致指数をプロットしたグラフは以下の通りです。いずれも影をつけた部分は景気後退期です。3月の一致指数では有効求人倍率などの例外を除いて、鉱工業生産指数、同じく出荷指数、大口電力使用量、所定外労働時間指数、商業販売額(小売業及び卸売業)などが軒並みマイナスに寄与しています。

景気動向指数の推移

景気動向指数はいわゆる2次統計で、すでに発表されてい3月の統計から合成して作成されるわけですから、まあ、こんなもんだろうという気がします。震災や原発事故の市場への影響を世界的なスケールで見るため、今夜は少し趣きを変えて、VIX指数のグラフを書いてみました。下の通りです。

VIX Indexの推移

VIX指数とはシカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P 500 を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出している指数で、大きいほど投資家が相場の先行きに不透明感を持っているとされる指標です。別名で「恐怖指数」とも呼ばれます。私は Yahoo! Finance からデータを取っています。福島第一原発の事故を主因として3月16日に30近くまで跳ね上がりましたが、その後は落ち着いた動きを示しています。

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2011年5月10日 (火)

経済協力開発機構の先行指標 (OECD/CLI) は先行き減速を示唆

昨日、経済協力開発機構 (OECD) から先行指標 Leading Indicator (OECD/CLI) が発表されました。3月の指標で、日本は震災の影響により推計されていません。"Because of the exceptional circumstances the country is facing, it is not possible to provide reliable estimates of the CLI for Japan at this stage." というわけです。世界経済は一時的な踊り場から脱却しつつあるものの、まだまだ減速局面が継続することが示唆されていると受け止められています。まず、Wall Street Journal のサイトから統計のヘッドラインなどを報じる記事を引用すると以下の通りです。

OECD Leading Indicators Point to Slowdown
The world economy may be slowing, with early signs that the pickup in growth in China and Brazil is coming to an end, the Organization for Economic Cooperation and Development said Monday.
The Paris-based think tank's composite leading indicator of economic activity in its 31 members rose to 103.9 in March, from 103.3 in February.
However, the leading indicator for France was unchanged, while the leading indicators for Brazil and China-which aren't OECD members-fell slightly.
"OECD composite leading indicators ... point to a slowdown in the pace of economic activity," the think-tank said. "In most OECD countries signs of slowing growth are tentative, but stronger signals have appeared in France and Italy, and some evidence of a potential halt in expansion is emerging in China and Brazil."
Most major economies emerged from recession in the second and third quarters of 2009, and the OECD's leading indicators suggest that recovery will continue, although at a slower pace.
The OECD's leading indicators are designed to provide early signals of turning points between the expansion and slowdown of economic activity, and are based on a wide variety of data series that have a history of indicating swings in future economic activity. Two hundred and twenty-four series are used in total, or between 5 and 10 for each country.
According to the leading indicators, economic activity in the G-7 and Russia hit a trough in May 2009, recovering thereafter. In China, the trough came in February 2009, while in India it occurred a month earlier.

OECD のサイトからグラフを引用すると、以下の通りです。主として先進国しか念頭にないんですが、世界経済は2009年初頭に Great Recession から回復局面に移行した後、2010年初頭から踊り場に入り、昨年10-12月期ころに踊り場を脱したものの、明らかに再び減速局面を迎えようとしています。

Expansion in the OECD area

日本経済については震災の影響により、世界経済の減速を上回って、一時的な下降局面に入る可能性が高いんですが、これは短期間で終了し、供給制約の緩和や復興需要の実現とともに景気は上向きになると私は受け止めています。おそらく、来週金曜日の5月20日に発表される今年1-3月期のGDPはマイナス成長を示し、昨年10-12月期に続いて2四半期連続のマイナス成長となるものと考えられますが、期間や深さの観点から「景気後退」に同定 identify する必要はないと私は考えています。いずれにせよ、明日、内閣府から発表される景気動向指数、特に、その基調判断を注目したいと思います。

最後に、菅総理が中部電力の浜岡原子力発電所の運転停止を要請したことについて「思考の過程がブラックボックス」と、日本経団連の米倉会長が発言したと報じられています。メディアの論調では「結論が気に食わないので方法論に注文をつけた」ように取り上げる向きもありますが、私も従来から現政権では予算編成時の「新規国債44兆円枠」とか、社会保障と税制の「6月決着」とか、経済合理的かどうか大いに疑わしい結論だけが突如として出て来ると感じていましたので、結論の合理性はあえて別と考えるとしても、現政権の結論の出し方という意味での方法論への批判には共感する部分がありました。例えば、私のこのブログの1月21日付けのエントリーは「経済政策が密室で策定されているとは決して思いませんが、最低限、情報をオープンにして議論することは出来ないものなのでしょうか」と締めくくられています。ご参考まで。

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2011年5月 9日 (月)

アジア開発銀行の Asia 2050: Realizing the Asian Century

ゴールデンウィークも本格的に明けて、役所では去年よりも1か月早くノーネクタイのクールビズが始まりました。1週間余りのこの間に、一応、遅れてもフォローしておくべきイベントはアジア開発銀行の総会であろうかと考えています。ベトナムのハノイで開催され、超長期予測を示したAsia 2050: Realizing the Asian Century が発表されています。もちろん、pdf の全文リポートもアップされています。
このリポートはアジアと世界経済の関わりを1750年から300年に渡って解き明かしています。もっとも、1750-1990年はかなり大くくりにされていたりします。ある意味で当然なんですが、1950年くらいまでは日本もアジア新興国の中に位置づけられています。この期間において、世界経済に占めるシェアで見て、19世紀前半くらいまではアジアの経済規模は過半を占めていたんですが、その後、20世紀の半ばには世界のシェアの15%くらいまで急激に低下し、その後、最近時点では25%くらいまで回復してきています。下のグラフはリポートの p.15 Figure 1 Asia's share of global GDP has bottomed から引用しており、アジアが世界経済に占めるシェアは底を打ったことを示しています。

Figure 1 Asia's share of global GDP has bottomed

そして、アジアの世紀 Asian Century のメイン・エンジンは中国、インド、インドネシア、日本、韓国、タイ、マレーシア7国であると推定しています。下の表の通りです。リポートの p.31 Box 1 The engines of the Asian Century are the Asia-7 economies から引用しています。どうでもいい些細なことですが、2050年時点で日本は中国とインドだけでなくインドネシアにも追い抜かれる見通しとなっています。

Box 1 The engines of the Asian Century are the Asia-7 economies

このようなアジアの世紀を実現するために、いくつかのリスクと課題が取り上げられていますが、特に私が注目したのは p.119 第16章 The Asian Century vs. the Middle Income Trap: Opportunity Cost で指摘されていtる「中所得国の罠」です。この「中所得国の罠」に陥らずに「アジアの世紀」シナリオに沿った場合の2050年の世界経済の姿は以下の通り、アジアの経済規模が148兆ドル、シェアが51%に達するのに対して、「中所得国の罠」シナリオでは61兆ドル、32%に止まると見込んでいます。下のグラフはリポートの p.119 Figure 1 Asian Century vs. Middle Income Trap から引用しています。

Figure 1 Asian Century vs. Middle Income Trap

「中所得国の罠」は2007年に世銀から発表された An East Asian Renaissance: Ideas for Economic Growth において包括的に取り上げられています。例えば、クルーグマン教授が "The Myth of Asia's Miracle" で指摘したように、労働投入や資本蓄積による成長から技術革新や知識を利用した全要素生産性の向上による成長へ転換すべきであるとか、あるいはそのためには、基礎的な初等中等教育の整備から大学や研究機関などの高等教育や研究機関へ教育リソースをシフトすること、などを提唱しています。ですから、このアジア開発銀行のリポートが何か目新しい視点を提供したわけではなく、リポートの中ではわずか2ページですが、環境対策や格差是正を盛り込んだ点を私は評価しています。実際に、一部のアジアの新興国について「中諸国の罠」が話題になっていることも事実です。

ゴールデンウィークの最後の方は少し体調を崩して、今日の朝からも医者に行ったりしていたんですが、ややリハビリの期間を要する可能性はあるものの、少しずつ遅れを取り戻したいと思います。

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2011年5月 8日 (日)

横浜相手にまさかの3タテを食らう!

  HE
阪  神000000110 290
横  浜011000001x 371

何と、お得意さんのハズだった横浜相手に3タテを食らいました。我がタイガースは負け星3つ先行の借金地獄に陥ってしまいました。
打つ方も投げる方もこれだけの陣容を集めながら、この程度の成績で終わっているのは、何かがおかしいと私は思っています。主として、監督の責任です。今年のシーズンが始まるころから、それほど期待していなかったんですが、今年は明らかに用兵も作戦も疑問だらけです。よく知りませんが、キャンプの失敗もあったんでしょう。そろそろ真弓監督は休養を考えてはいかがでしょうか?

それでも、やっぱり、
がんばれタイガース!

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青山七恵『わたしの彼氏』(講談社) を読む

青山七恵『わたしの彼氏』(講談社)

青山七恵さんの『わたしの彼氏』を読みました。作者はいうまでもなく芥川賞作家です。受賞作は「ひとり日和」だったと記憶しています。この最新作『わたしの彼氏』は、繊細かつ純情な美男子である中里鮎太郎の恋の物語です。彼は姉3人の下の長男として育ちます。もっとも親しい2番目の姉のゆり子からの影響が強く、しっかり者の姉とのんきな弟の組合せは有川浩さんの『フリーター、家を買う』を思い出させます。まず、出版社のサイトからあらすじを引用すると以下の通りです。

内容紹介
恋は理不尽。恋は不条理。
鮎太朗(主人公)には気の毒だけど、美男な彼の女難は最高に面白くって、恋愛文学の“型破り”な傑作が生まれました。
大学2年の繊細美男子、鮎太朗。美人で怖い姉3人。女たちはみな彼に恋をする。けれどいつも鮎太朗が振られてしまう。何もしていないのに包丁で刺されたり、貢がされたりする。彼を慕い続ける可愛い同級生には、どうしても心が惹かれない - 。
恋は理不尽。恋は不条理。
だけど、ひなたを走りたくなるくらいあったかい気持ちになるのは、何故なのだ?

純文学の作家の中で私はこの作者は好きな方で、芥川賞を受賞した「ひとり日和」をはじめとして、デビュー作の『窓の灯』のほか、『やさしいため息』、『かけら』、『魔法使いクラブ』、『お別れの音』は読んでいます。というか、これでこの作者の出版された作品はすべてではないかという気もしますので、青山さんの作品は全部読んでいるといっても間違いではありません。段々と本が分厚くなっている気がします。特に、『魔法使いクラブ』とこの『わたしの彼氏』はそうです。ただし、読書感想文をアップしているのは「ひとり日和」を別にすれば『かけら』だけで、2009年11月22日付けのエントリーです。もっとも、『わたしの彼氏』を含めて、すべて図書館で借りて読んでいて作者の印税収入には貢献していない可能性があります。
あらすじの最後の「ひなたを走りたくなる」というのは、小説の最後の表現に拠っています。ラストに時点における鮎太郎の気持です。大学の同級生のリリーに振られたところから始まり、姉のゆり子のゴーストラーターに雇った児鳥さんに刺され、姉の桃子がインストラクターをしているジムに通う高校生のサッちゃんに貢がされ、いろいろと遍歴を重ねていく中で、最後はやっぱり同級生のテンテンに収束している鮎太郎の姿が微笑ましく、同時に、作者のややコミカルな表現力や描写力に感心させられます。

とってもきれいなストーリーと表現力で、スラスラと一気に読めます。読後感もさわやかで、文句なしの5ツ星です。消極的に表現しても、これだけ話題になっている作品ですので、読んでおいて損はありません。多くの方が手に取って読むよう願っています。

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2011年5月 7日 (土)

映画「まほろ駅前多田便利軒」を見に行く

まほろ駅前多田便利軒ポスター

今日は午後から出かけて、「まほろ駅前多田便利軒」を見に行きました。いうまでもありませんが、三浦しをんさんの直木賞受賞作品です。私は図書館で借りて読みました。
ゴールデンウィークの映画は、先週末に一家そろって見に行った名探偵コナンのシリーズの「沈黙の15分」の他に、大人向きの映画というわけでもないんですが、自分1人で見に行こうと考えた候補が3作あって、今日見た「まほろ駅前多田便利軒」以外に、「八日目の蝉」と「阪急電車」を考えていました。この3作とも角田光代さんと有川浩さんの原作を私は読んでいます。期せずして3作とも女性作者の原作なわけですが、やや宣伝に影響されたところがあります。「阪急電車」については中谷美紀さんのウェディング・ドレス姿に違和感を覚えてパスし、「八日目の蝉」についてはポスターなどに井上真央さんが登場する一方で、物語の中心は誘拐された少女が小学校に上がるまでではないか、という疑問があったのでパスしました。結局、消去法というわけではないんですが、「まほろ駅前多田便利軒」にしました。
原作を読んでいるものの細かいディテールまで覚えていないんですが、原作をかなり忠実に取り入れた映画に仕上がっていた気がします。この「まほろ駅前多田便利軒」のテーマは作品中で「まほろ」と擬せられている町田の街と血縁関係なんだと私は理解しているんですが、その点からもとってもいい映画に仕上がっていました。また、映画では、かつて安倍総理大臣のころによく耳にした「再チャレンジ」というか、「人生のやり直し」のような含意も盛り込んだように見受けました。十分に監督や製作者の意図が汲み取れます。小説としても映画としてもオススメです。映画を見る前に原作を読んでいればもっとオススメのような気もします。

最後に、5時前に帰宅してNHKの地上波の放送を見ると阪神はリードしていたんですが、性懲りもなく調子の悪い小林投手を出してボロく打ち込まれて逆転され、横浜相手に連敗です。明日は何とかして欲しいものです。

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米国雇用統計のグラフィックス

昨日、米国の労働省から4月の米国雇用統計が発表されました。ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数は季節調整済みの前月差で+244千人の増加、失業率は同じく季節調整済みの系列で前月よりも+0.2%ポイント上昇して9.0%となりました。まず、Wall Street Journal のサイトから記事の最初の7パラを引用すると以下の通りです。

Job Engine Shifts to Higher Gear
Companies cranked up hiring in April to the fastest pace in five years, easing fears that a recent lull in economic growth would mean fewer new jobs.
The government snapshot of the labor market showed the U.S. created 244,000 jobs in April. The private sector added 268,000 positions-the largest jump since 2006-offset by continued cuts at all levels of government. Most economists saw the month's strong job gains as confirmation that a recent slowdown in the economic expansion was likely temporary and that growth will pick up.
The report cheered investors and helped ease worries of a slowdown that sparked a selloff in commodities earlier this week. The Dow Jones Industrial Average rose 54.57 Friday, to close at 12638.74.
Even with strong hiring, the unemployment rate rose to 9% from 8.8% in March and remains stubbornly high. This apparent contradiction results from the Labor Department's two surveys-one of employers and one of households. The household tally, a smaller sample, is used to calculate the jobless rate. Over time, the results of the two surveys tend to converge, but in some months they move in opposite directions.
The jobless rate's climb in April isn't due, as it sometimes is, to more people rejoining the work force. Instead, the benchmark rose because the household survey found fewer people with jobs, including a sharp drop in farm and self-employed workers.
Friday's report appears to be in line with the Federal Reserve's view: The economy is growing fast enough to produce steady but unspectacular job growth that won't bring the unemployment rate down quickly. Before the report, many Fed officials were doubtful that the pace of unemployment improvements-the rate fell from 9.8% in November to 8.8% in March-could be sustained.
The Fed plans to end a $600 billion Treasury bond-buying program in June and keep short-term interest rates near zero for a while. Friday's report is unlikely to change that course.

次に、いつもの米国雇用統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整済みの非農業部門雇用者数の前月差増減、赤い折れ線が非農業部門全体で、水色がそのうちの民間部門です。下のパネルはこれも季節調整済みの失業率です。影をつけた部分はいずれも景気後退期です。

米国雇用統計の推移

何とか、雇用者数が20万人を超えて増加を始めましたが、逆に、雇用を諦めて労働市場から退出していた層が再び労働市場に戻って労働参加率が高まって、失業率は上昇しています。雇用者数の増加のペースが極めて緩やかであることも失業率上昇の一因です。その緩やかな雇用者数の増加を New York Times のブログ・サイトである Economix のサイトを真似て書いたのが以下のグラフです。景気循環のピークをベースに、雇用者数の増減をプロットしています。今回の景気後退のひとつの特徴ですが、雇用が大きく減少した上に、その後の回復のペースが極めて遅いことが見て取れます。

jobless recovery

最後に、Los Angels Times のサイトにある州別の失業率のフラッシュに直リンしておきます。サイトでは3月の計数のようなタイトルになっていますが、4月の間違いだと思います。

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2011年5月 6日 (金)

商品市況は高止まりか、ミニバブル崩壊か?

昨日、国際連合食糧農業機関 Food and Agriculture Organization, FAO から4月の FAO food price index が発表され、基調判断として、"Global food prices hold steady" と示されました。やや FAO の論調に引っ張られているような気もしますが、まず、Wall Street Journal のサイトから記事の最初の6パラを引用すると以下の通りです。

World Food Prices Remain High; Weather Threatens Grains
Global food prices hovered near record highs in April as a rise in cereals prices was offset by declines in sugar and rice, and the United Nations' food body warned weather problems in the world's top grain exporters could keep prices high next year as well.
The Food and Agriculture Organization's food-price index, which tracks a basket of commodity prices, averaged 232 points last month, little changed from March but still 36% higher than the same time the year before. The index hit 236 points in February, the record high in real and nominal terms since the FAO started monitoring prices in 1990.
Grain prices climbed sharply in April, with the FAO's cereal-price index rising 5.5%, led by an 11% gain in the price of corn and a 4% increase in wheat. Prices are now 71% higher than the same time last year after a series of weather problems slashed global output and sent markets soaring.
However, while grain prices remain at historically high levels, a 7% decline in the FAO's sugar index and a 2.4% fall in the price of dairy helped to keep the overall index stable.
Large exports of rice also helped to keep prices for the world's most widely consumed grain subdued, the FAO said.
Secretary of the FAO's Intergovernmental Group on Grains, Abdolreza Abbassian, said dryness and delays to plantings in Europe and the U.S. could cause more production problems in the 2011-12 crop year. And with world cereals stocks forecast to fall to their lowest level since the food crisis of 2008 this year, markets will be vulnerable to any supply shocks.

ということで、天候不順まで含めて FAO はまだ警戒体制を解いていないようなんですが、一応、この FAO food price index の主要な品目をプロットしたのが以下のグラフです。青い折れ線が日本の消費者物価四季に表現すると「総合」の FAO food price index で、赤が肉類、緑が穀物、グレーが砂糖、となっています。見れば分かりますが、この総合指数のピークは2月でした。3月に少し下がって、4月は反発していますが、2月の水準には届きません。

FAO Food Price Index

他方、食料も含めて、代表的な商品価格を Wall Street Journal の Market Data Center で今日の昼休みに書いてみました。以下の通りで、少し分かりにくいんですが、上から順に原油、銀、コーン、砂糖について期近もの先物価格の最近1年間の推移を並べています。データの横軸は日次 daily で、縦軸の単位はバレルヤブッシュルなどの体積当たりか、重量当たりのドルとなっています。昨日の段階で WTI がバレル100ドルを割ったと報じられていますが、このグラフでも大雑把に100ドルの水準を示しているのが読み取れます。

主要な商品価格の推移

最近の国際商品市況の下落は銀が先導したような感触がありますが、実は、砂糖は今年に入ってから急落ではないかもしれませんが、ずいぶんと軟化しているのはグラフから読み取れる通りです。急落した銀や原油はもちろん、砂糖にしてもまだまだ価格水準は高いので、FAO のお説の通り「高止まり」と見ることも出来ますし、別の見方をすれば、日経新聞の記事のように「ミニバブルの崩壊」と捉えることも出来ます。そして、この2つの見方は相反するわけではありません。昨日から今日にかけての株式市場の下落も商品市況に連動した面があります。上がっても下がってもやっかいな商品市況だったりします。さらにやっかいなことに、私には先行き見通しがサッパリ分かりません。ひょっとしたら、 dead cat bounce はあるかもしれないものの、下げ基調に入ったのかもしれません。そうでないのかもしれません。でも、もっとも望ましくない帰結は円高なのだろうとほのかに考えています。

最後に、商品市況とは何の関係もなく、挑戦者森内九段の2連勝の後、名人戦第3局が今日から宮崎のシーガイアで始まりました。羽生名人は後手番で「ゴキゲン中飛車」戦法を取りました。かつては高い勝率を誇った戦法ですが、森内九段は中飛車に安定して強い印象がありますので、羽生名人には何か策があるのでしょうか。今夜の米国雇用統計以上に私は興味を持って注目していたりします。

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序盤に久保投手が打ち込まれて、3安打では勝てません!

  HE
阪  神000000010 130
横  浜03000000x 380

お得意さんの横浜相手に完敗です。序盤に右腕のエース久保投手が3失点した上に、打線が3安打の1得点では勝てるハズありません。こんな試合もあります。明日がんばりましょう。それにしても、節電対策で試合開始がとっても早くて、仕事を終えて帰宅して7時過ぎからテレビ観戦を始めると、ほとんど終盤で敗色濃厚だったりしました。

明日は勝利を目指して、
がんばれタイガース!

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2011年5月 5日 (木)

伊藤計劃『ハーモニー』(ハヤカワ文庫) を読む

伊藤計劃『ハーモニー』(ハヤカワ文庫)

故・伊藤計劃さんの『ハーモニー』(ハヤカワ文庫) を読みました。多くの国内メディアで報じられた通り、日本で初めてフィリップ K. ディック賞の特別賞を受賞したSF小説です。私が知る限り、こういった分野での文学賞としては、2006年に世界幻想文学大賞 World Fantasy Award が授賞された村上春樹さんの『海辺のカフカ』以来の大きなワールド・クラスの賞ではないかという気がします。なお、以下にはネタバレを含む可能性があります。未読の方が読み進む場合は自己責任でご注意ください。
この小説は、etml すなわち emotional text markup language で書かれています。でも、タグを無視しても読みこなせることは確かです。私も etml ブラウザを持っていませんし、プリントアウトされた本というデッド・メディアですので、ブラウザがあったとしても見られない可能性もあります。というのは冗談としても、この作品は21世紀の初頭に「大災禍」 Maelstrom なる核戦争を経験した世界が、生命の尊重や健康の維持、あるいは、共同体的な調和を重視する社会に変貌し、「生府」 Vigorment がその合意員 agreements に WatchMe をインストールして健康を管理しているような社会です。個人情報を広く開示し、空気を読み合って「個人」ではなく社会的なリソースとして振る舞うことを要求され、もちろん、喫煙や飲酒は忌み嫌われています。また、個人のレベルの「プライバシー」という言葉が少しネガティブな意味に変化していたりします。
主人公である霧慧トァンは WHO の螺旋監察官をしています。この場合の「螺旋」は DNA の螺旋の寓意となっています。いろいろと経緯はありますが、最後は、高校時代の同級生である御冷ミァハと主人公のトァンがチェチェンで再会します。ミァハの生まれは日本人ではなく養子縁組で日本に来ており、チェチェンはミァハの生まれ故郷という設定です。トァンがミァハを倒して、「大災禍」後の最終目的ともいえる究極の人間社会の建設が着手されることが示唆されてお話は終わります。実は、これはミァハの目的だったりします。どのような社会かはネタバレありとはいえ伏せておきますが、最後に「望みうる最高に天国に近い状態」とか、「社会と自己が完全に一致した存在への階梯を登る」と表現されています。もちろん、婉曲に表現されているだけで、作者がこの究極の社会を否定的に捉えていることは明らかです。1か月ほど前の高野和明『ジェノサイド』でも扱われていた「人類の進化」の問題について、またまた考えさせられるSF作品でした。

設定やストーリーや表現力など、いろんな意味で00年代日本のSF小説を代表する作品です。まだまだ話題になっているところですし、読んでおいて損はありません。でも、昨年暮れに酒の席で「日本最高のSFはドラえもんである」と喝破してしまった私のことですので、ある程度は割り引いてお考え下さい。

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何とか終盤を逃げ切って岩田投手が初勝利!

  HE
阪  神000011000 2100
読  売000100000 171

久々に監督の采配で勝ったような気がします。今シーズンの勝ちパターンと負けパターンといろいろあるんでしょうが、私が見ている範囲で、この東京ドーム3連戦の第1戦と第2戦が典型的でした。すなわち、第1戦のように、エースが完投して中軸打者のホームランで得点して、監督の采配が何ら必要ない試合は勝ちパターンで、逆に、昨日の第2戦のように、1点を守り切る継投や1点を取りに行く代打策など、監督の采配が勝負を決する試合は負けパターン、という結果だったような気がします。
果たして、今日の試合は終盤に1点を守って逃げ切る継投が要求される試合となりました。7回まで先発の岩田投手ががんばって1点に抑え、打線は特に作戦もなく城島捕手のホームランで勝ち越して、ブルペンでの投手陣の調子が分からないテレビ桟敷の私には8回は久保田投手、9回最後は藤川投手と予想しましたが、まさか、昨日の逆転負けのA級戦犯の1人である小林投手が出て来るとは思いませんでした。小笠原選手に2000本目のヒットを打たれたのは仕方ないとしても、カウントを悪くしては塁上を賑わせる不安定なピッチングで、何よりも、不安の残る監督の采配にヒヤヒヤしながら見ていたのは私だけでしょうか。最後の藤川投手までヒヤヒヤを持ち越したように見えました。

明日からの横浜3連戦は3タテ目指して、
がんばれタイガース!

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2011年5月 4日 (水)

競った試合をサヨナラで落とす!

  HE
阪  神300000000 381
読  売000020011x 490

今日は負けました。最後の、藤川投手までつぎ込んでサヨナラ負けでした。8回の小林投手で失点して追いつかれたのが痛かったんですが、打線もブラゼル内野手に一発が出た以外は、打てない打線に逆戻りです。まあ、こんなんこともあります。明日はがんばりましょう。

明日こそガンガン打って、
がんばれタイガース!

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東京国立近代美術館の岡本太郎展に行く

岡本太郎展ポスター

今日は、混雑を承知の上で早めに出かけて、竹橋近くの国立近代美術館でこの日曜日まで開催されている岡本太郎展を鑑賞して来ました。生誕100年記念です。
ものすごい人出でした。私も十分に意識して開館の10時にかなりの余裕を持って着いたんですが、すでにチケット販売のブースは長蛇の列をなしており、展覧会は始まっていました。私は前売券を買ってありましたので、チケットを握りしめてすぐに会場に飛び込みました。なお、会場脇のガシャポンを売っているところにも長蛇の列が出来ていました。
岡本太郎画伯といえば、我が家のある青山とは縁が深く、我が家の子供達の卒業した小学校に入学しています。もっとも、すぐに学校を移って慶応幼稚舎が長いことはよく知られた通りです。作品もいくつかあり、国連大学というか、こどもの城の前には「こどもの樹」のオブジェがありますし、渋谷駅のマークシティ前には「明日の神話」があります。最近の原発事故に imspire されたのかどうか、イタズラ書きされたと報じられていました。私は昨日見に行ったんですが、警備員さんが警戒していました。もちろん、我が家からほど近い南青山6丁目に岡本太郎記念館があります。青山とは関係なく、私は子供のころに大阪万博に行って「太陽の塔」を見て、それ以前に新聞やテレビで見知っていたハズなんですが、それでも、やや軽いショックを受けた記憶があります。
なお、展覧会の構成は以下の通りです。プロローグとエピローグを入れて全部で9章構成となっていて、それぞれにていねいな解説があります。なぜか、「対決」は赤い字で表示されています。なお、岡本太郎展のサイトには作品リストが pdf ファイルでアップしてあります。ご参考まで。

  • プロローグ ノン!
  • 第1章 ピカソとの対決/パリ時代
  • 第2章 「きれいな」芸術との対決/対極主義
  • 第3章 「わび・さび」との対決/日本再発見
  • 第4章 「人類の進歩と調和」との対決/大阪万博
  • 第5章 戦争との対決/明日の神話
  • 第6章 消費社会との対決/パブリックアート、デザイン、マスメディア
  • 第7章 岡本太郎との対決
  • エピローグ 受け継がれる岡本太郎の精神

上の構成にある通り、時代を追って岡本作品の流れを把握できるようになっている上に、平面作品と立体作品のバランスもよく、「明日の神話」や「太陽の塔」といった知名度の高い作品のミニチュアもあり、何といっても、日本を代表する世界的な芸術家の生誕100年を祝って母国の首都で開催されている展覧会ですから、多くの作品が展示され解説なども十分で、すばらしい展覧会に仕上がっています。私は音声ガイドは利用しませんでしたが、図録は買い求めました。残り日数わずかな開催ですが、まだ間に合いますので多くの方にオススメします。

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2011年5月 3日 (火)

能見投手が抑えて主軸のホームラン攻勢で巨人に打ち勝つ!

  HE
阪  神014010010 7120
読  売001000002 360

東京ドームの今季第1戦で、左腕のエース能見投手を押し立てて、主軸のホームラン攻勢で巨人に完勝でした。能見投手は9回を完投して3失点ですが、うち2点は東京ドーム特有のフラフラと上がったソロホームランですから、1失点完投に近い内容と言えます。ほぼ完璧でしょう。打つ方はドームの地の利を生かした見事なホームラン攻勢でした。クリンナップと6番金本外野手が打ちまくり、特に、不振をかこっていたブラゼル内野手に文句なしのホームランとその後もヒットが出ましたから、少しずつ当たりを取り戻してくれればと願っています。

明日も連勝目指して、
がんばれタイガース!

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g.u. ジーユー池袋東口店に買い物に行く

g.u. ジーユー池袋東口店

g.u. ジーユーでお買い物をして自転車へ

今日は夕方から雨が降るという天気予報でしたので、朝から g.u. ジーユー池袋東口店に行きました。「g.u. ジーユー」とは、知っている人は知っていると思いますが、ユニクロを展開するファーストリテイリングの完全子会社GOVリテイリングが展開するファスト・ファッションの店舗で、ユニクロよりもさらに低価格帯の衣料品を扱っています。その東池袋店は、いわゆる旗艦店として4月29日にオープンしたばかりです。ただ今セール中だったりします。
どうして行ったのかというと、理由は2つあり、ひとつはメディアで報じられているように、今年は節電のためにクールビズを前後1か月ずつ拡大して、5月1日から10月31日の6か月の長きに設定されましたから、今日くらいの20度に達しない気温の日もあるわけで、クールビズ向きの長袖ワイシャツが欲しかったからです。これは失敗でした。ユニクロよりもさらに低価格のファスト・ファッションですから、オフィスに着て行ける長袖シャツは見当たりませんでした。東池袋店は1-2階が女性向けで、3階がメンズになっているんですが、まあ、この季節は半袖のTシャツやポロシャツが中心でした。
もうひとつの理由は、先週2月28日のエントリーで取り上げた経済指標の中でも、生産とともに消費は大きく落ち込みましたし、このゴールデンウィークの消費マインドを確認したかったからです。ゴールデンウィークの谷間の後の3連休初日の午前中だったんですが、評価の難しいところでした。でも、どちらかというと、もう少し人出があってもいいような気がしないでもありませんでした。長崎にいたころの2008年10月にオープンしたばかりのショッピング・モールに出かけて、大いに失望させられた記憶があり、さすがに、それよりはずっとマシでしたが、もっと、押すな押すなの大盛況で入場制限するくらいではないかと、勝手に希望的観測を膨らませていた私のようなエコノミストにしては、やや物足りないと考えられなくもありませんでした。でもまあ、関西人的にはボチボチの人出だったような気もします。

自転車で明治通りを池袋まで往復した後、家に戻って雨に無縁の東京ドームの野球をテレビ観戦しています。狭いドームらしくホームランが乱れ飛ぶ中で、我が阪神が大きくリードしていい調子に見受けられます。

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2011年5月 2日 (月)

毎月勤労統計調査に見る3月の労働市場ほか

連休の谷間ながら、今日は月の第1営業日であり、厚生労働省から3月の毎月勤労統計調査結果が発表されました。私がいつも注目している所定外労働時間と給与は震災の影響もあり弱い動きとなりました。また、震災3県の提出調査票による特別集計「被災3県における労働者の増減状況別事業所割合」が公表されています。メディアによっては大きく取り上げているようですが、特に見るべきものはなかったように私は受け止めています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1人当たり現金給与、13カ月ぶり減 3月勤労統計
厚生労働省が2日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、1人当たり現金給与総額は27万4886円と前年同月比0.4%減った。マイナスは13カ月ぶり。残業代の増加を背景に改善が続いていたが、東日本大震災による供給網(サプライチェーン)の混乱などを受けて労働時間が短くなった。
給与の減少は卸売り・小売業や飲食・サービス業などで目立った。消費の自粛ムードもあり、給与水準の悪化が続く可能性もある。
製造業の所定外労働時間(季節調整値)は前月比6.8%減と5カ月ぶりにマイナスに転じた。落ち込み幅はリーマン・ショック後の景気後退期である2009年2月(13.7%減)に次ぐ大きさだった。計画停電や運送網の復旧の遅れが響いた。前年同月比で見ても0.8%の減少だった。
被災した岩手・宮城・福島の3県の企業に対する特別調査では、30%が「労働者を減らした」と回答した。調査に回答しなかった企業も37%に上る。一部は営業に深刻な打撃を受けたため回答できなかったとみられる。厚労省は「回答しなかった企業を含めると、最大で67%の企業が解雇に踏み切った可能性がある」と指摘した。

まず、景気に敏感な所定外労働時間指数と所得として消費の原資となる現金給与総額のグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整した所定外労働時間指数そのものを、下は季節調整していない原系列の現金給与総額の前年同月比増減率を、それぞれプロットしています。いずれも5人以上事業所の統計で、影をつけた部分は景気後退期です。

毎月勤労調査結果の推移

見れば明らかですが、引用した記事にもある通り、所定外労働時間はリーマン・ショック後の景気後退期に次ぐ大きなマイナスを記録し、この残業時間の減少を主たる要因として現金給与も13か月振りに減少に転じました。先週は家計調査に見る消費が史上最大の落ち込みだったんですが、所得もさえなかったことが裏付けられました。震災の経済的な影響はスタグフレーション圧力であり、労働市場にはデフレ圧力となって作用しています。

被災3県における労働者の増減状況別事業所割合

そして、上のグラフは3月調査の調査票を被災3県において特別集計し、労働者の増減状況別に見た事業所の割合を円グラフにプロットしたものです。毎月勤労統計調査の「報道発表用資料」の「資料2」にあるデータを基にしています。注釈に「未提出事業所は被災した事業所であり、労働者数が減少している可能性が高く、未提出事業所がすべて雇用を減少させていると仮定すれば、最大で67%の事業所で減少の可能性がある」といった旨の記述が見られますが、増加と減少の差を取った、いわゆるDIはわずかに▲2であり、無理やりに導き出した結果ではなかろうかという気がしないでもありません。この注釈の結論は極めて怪しいと私は受け止めています。
先月4月17日付けのエントリーで、関係の薄い官庁まで復興貢献に走っていると書き、また、4月25日付けのエントリーで企業向けサービス物価の下落幅拡大、すなわち政策の失敗をかなり無理やりに震災の影響に結び付ける論調を批判しましたが、毎勤のこの特別集計も少し強引な論理の展開になっています。民間企業もそうなのかもしれませんが、ホンの少しだけ「我田引水」と「唯我独尊」の気味がありがちな役所らしい表現と言えばそれまでですが、メディアは役所の発表をそのままキャリーすることも少なくないので、受け取る側で十分な注意が必要です。

国内新車販売台数の推移

最後に、自販連から発表されている国内新車販売台数の推移は上のグラフの通りです。軽自動車を除く計数で、季節調整していない原系列の前年同月比増減率を自販連のサイトから取ってプロットしています。影をつけた部分は景気後退期です。労働市場と違って財市場は震災により供給制約を強く受けており、生産が販売に追いつかない状態です。

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2011年5月 1日 (日)

一家そろって名探偵コナンの劇場版映画「沈黙の15分」を見に行く

「名探偵コナン 沈黙の15分」ポスター

今日は午後から一家そろって、名探偵コナンの劇場版映画「沈黙の15分」を見に行きました。副題は「ラスト15分、予測不能!」となっています。今回の舞台は冬、雪山です。かなりアクションの多い作りになっています。「名探偵コナン」の劇場版映画の第15作目です。もちろん、ゴールデンウィークの家族サービスですが、そろそろ家族サービスなんかは不要になりそうな年齢に子供達が差しかかっているような気がしないでもありません。
映画は都知事に脅迫状が届き、新しい地下鉄トンネルが爆破されるところから始まります。この爆発はコナンが高速道路をスケボーで逆走して警視庁に知らせてケガ人は出ませんでしたが、都知事の国土交通省時代のダム建設に起因する可能性が示唆され、新潟県のダム建設で水没した村での移設5周年記念フェスティバルにコナンらが乗り込みます。8年振りに村出身の5人の幼馴染みが再会したものの、8年前の交通事故が影を落とし、同じ日に崖から転落して意識を失い8年間にわたって意識が戻らなかった子供が目を覚ます一方で、5人の幼馴染みの1人が死体で発見されます。今回の映画が以前と違うのは、最後の最後に真相に迫るのではなく、真相に近いラインには終了から少し余裕のある時点で達して、その後、実は真相はコナンの推理と少し違っていたりしたんですが、事実がかなり明らかになった後で、ものすごいアクションであり得ないくらいに危険なスケボーとスノボーのテクニックを駆使してコナンが破滅的な事態を食い止めるところです。どうしようもなく、子供向けの映画でしかないんですが、それはそれなりに楽しめます。ゴールデンウィークの映画については、我が家の子供達は「クレヨンしんちゃん」を卒業して「名探偵コナン」に乗り換えたんですが、程なくこれも卒業しそうな気がします。

映画を見終えた後、エコポイントでせしめた図書カードを持って書店に行き、子供達とともに本を買いまくりました。私は狙いを定めて欲しい本をアマゾンなんかで注文するのはやや苦手で、ベストセラーなんかが分かりやすく平積みになっている大きな書店で、本屋さんでの売られ方にも注意しながら買うのが好きです。やっぱり、東京の大きな書店で本を選ぶのはいいなあと感じてしまいました。

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