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2011年6月 6日 (月)

木曜日発表の1-3月期2次QEは1次QEから小幅の改定か?

内閣府国民経済計算部による今週木曜日6月9日の発表を前に、被災地域が入っていない速報バージョンながら先週発表された法人企業統計を含めて、GDP統計2次速報に必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2011年1-3月期の2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。2次QEですから、特筆すべき内容は見受けられませんでした。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE▲0.9%
(▲3.7)
n.a.
日本総研▲0.9%
(▲3.6%)
設備投資と公共投資が下方修正される一方、在庫投資は上方修正される見込み。
みずほ総研▲1.0%
(▲4.0%)
民間在庫投資がGDP下方修正の主因であるが、公共投資についてもわずかながら下方修正される見込みである。
ニッセイ基礎研▲0.9%
(▲3.6%)
GDPベースの設備投資は今回の法人企業統計の結果をかなり割り引いて考える必要がある。
第一生命経済研▲1.0%
(▲3.9%)
月次で見れば3-4月を底として明確な持ち直しが展望できる状況になっており、事態は既に改善に向かっている。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.7%
(▲3.0%)
上方修正される見込みである。
三菱総研▲0.9%
(▲3.4%)
小幅上方修正を予想する。
伊藤忠経済研▲0.9%
(▲3.6%)
2次推計での設備投資は過小に推計される可能性がある。

以上の通り、各機関の予想では上方修正もあれば、下方修正もあるというところで、要するに、修正幅は小さいと私は受け止めています。もっとも、私が直観的に下方修正を見込んでいる背景は、本質的な経済実体というよりも技術的な推計方法に関する要因が大きいと受け止めています。例えば、伊藤忠経済研究所のリポート Economic Monitorから基礎統計及び推計方法における大震災対応について引用すると以下の通りです。なお、引用元では強調のためにゴシック字体や下線が使われていますが無視しました。悪しからず。

基礎統計及び推計方法における大震災対応
設備投資や在庫投資の基礎統計である法人企業統計について、被災3県などについて調査困難の現状を踏まえ調査が延期されている。加えて、被災に伴う回答延期(通常→6月末日)も認められており、多くの法人が現時点で回答していない模様である。今回公表された4-6月期の法人企業統計はそうした調査延期及び回答延期分(合計で全国3万社中の1千社程度)を全国平均値で補完し推計された「速報値」である。全国平均値による補完のため「速報値」では大震災の影響が十分に反映されず、いずれの計数も実勢より高めとなっている可能性が高い。こうした法人企業統計における対応を踏まえ、内閣府では法人企業統計の調査延期分について3月11日以降の設備投資が行われていないと仮定して、GDP統計の2次推計では対応する旨を明らかとした。

そして、この先行きの景気シナリオについては、第一生命経済研究所のように「月次で見れば3-4月を底として明確な持ち直しが展望できる状況」というのはやや言い過ぎとしても、四半期GDPをベースにすれば、明確に、4-6月期を底として7-9月期から持ち直す可能性が高いと私は受け止めています。しかも、7-9月期と10-12月期は復興需要次第では極めて成長率を示す可能性が十分あります。
意見が分かれるのは、昨年10-12月期から今年の4-6月期までの3四半期連続のマイナス成長を景気後退と判断するかどうかです。NBER の FAQ の通り、景気後退は2つのDですから、期間 duration はやや短いものの、深さ depth を含めて総合的に考え合わせると、景気後退と同定すべきであると考えています。もちろん、実際に景気後退を判断するのは内閣府の研究会ですから、何らかのエコノミスト的なるもの以外の判断要因が加わる可能性は否定できません。経済学が科学になり切れない要因のひとつです。

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