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2011年6月30日 (木)

日銀短観に見る企業マインドは一時的に低下した後、秋には回復に向かうのか?

明日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから6月調査の日銀短観予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業の業況判断DIと設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、富士通総研以外は pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。なお、富士通総研は html 形式のリポートとなっています。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
3月調査先行き+2
▲1
<▲0.4>
n.a.
日本総研▲8
▲10
<+6.4>
工場や施設の復旧で供給制約は解消に向かうほか、個人消費も消費マインドの改善を受けて持ち直しが見込まれる。
みずほ総研▲2
▲4
<+1.1>
先行きについては、幅広い業種で改善が予想される。夏場の電力不足問題が東京・東北電力管内のみならず、近畿地方などにも拡大しつつあることは懸念材料である。
ニッセイ基礎研▲7
▲4
<+2.0>
震災によって企業マインドが大きく下振れした姿が示される結果になりそうだ。同時に先行きの改善も顕著に現れ、底割れの回避ならびに今後の順調な回復の兆しが示されるだろう。
第一生命経済研▲8
▲4
<+0.9>
6月調査では、まだ震災前の状態には戻り切っておらず、さすがに3月対比では大きく落ち込むと見込んでいるとみる。
三菱総研▲9
▲3
<n.a.>
3月調査比では大幅な悪化が予想されるものの、生産・販売体制体制の正常化への動きが進むなか、企業の景況感は足元既に改善へ向かっている可能性が高い。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲2
▲1
<+4.9>
深刻な影響を受けた自動車でも供給網の立て直しがこのところ急ピッチで進んでおり、企業の生産活動は早晩正常化されると見込まれる。また、需要面でも世界経済の堅調な回復を背景に輸出が持ち直し、国内でも復興需要が徐々に現れてくると見られる。
モルガン・スタンレー・リサーチ▲10
▲5
<+4.0>
前回3月対比では悪化するものの、現状判断の悪化にあまり意味はなかろう。むしろ、先行き判断の改善幅に注目したい。
みずほ証券リサーチ&コンサルティング▲5
▲5
<+4.0>
足元では、サプライチェーンの復旧が想定よりも前倒しで進んでいることやマインドの悪化にも歯止めが掛かってきていること、復旧・復興需要への期待などから、先行きの業況判断DIは改善するものと見込んだ。
伊藤忠商事▲7
▲4
<+0.7>
企業景況感は月次で考えれば4月をボトムとして持ち直しつつある。しかし、当然ながら6月時点では業況が震災前水準には回復しないため、6月短観の現状判断DIは総じて悪化しよう。一方、先行き判断DIはサプライチェーン復旧などを映じての反転が見込まれる。
富士通総研▲3
▲2
<+4.5>
先行きについては、サプライチェーンが当初見込みに比べ順調に復旧し、秋口には生産が正常化する見込みとなっており、また、消費も次第に通常のパターンに戻っているため、業況判断DIは改善すると考えられる。

見れば分かると思いますが、大企業の製造業・非製造業の業況判断DI、さらに、大企業全産業の2011年度設備投資計画の前年度比です。設備投資計画は土地を含みソフトウェアを除けベースです。
これまた、見れば分かると思いますが、大企業は製造業・非製造業とも足元の業況判断DIはマイナスと予想されています。しかし、上の表には取り上げませんでしたが、先行きについてはほぼゼロ近傍か小幅のプラスを予想する機関が多くなっています。さらに特徴的なのは、大企業の設備投資計画は軒並みプラスに上方修正されると見込まれています。もちろん、被災したセブ美の復旧に加えてインフラなどの復興需要も含めての結果ですが、もしも、この設備投資がプラス修正という予想が正しければ、景気には上向きのドライブがかかる可能性が高いと考えるべきです。

明日は日銀短観に加えて、失業率や有効求人倍率などの雇用統計や消費者物価指数といった政府統計がいっせいに公表されます。3月の震災から2か月を経た5月の統計にも注目が集まります。

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