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2011年6月22日 (水)

今夜は消費を占ういくつかの調査から!

昨夜は産業を取り上げましたので、今夜は今後の消費動向を占う上で参照すべき調査について、いくつか取り上げたいと思います。まず、今日の日経新聞の朝刊にあった2011年上期の日経MJヒット商品番付は以下の通りです。日経新聞のサイトから引用していますが、このサイトを見るには何らかの無料登録が必要かもしれません。悪しからず。

2011年上期ヒット商品番付

見た通りなんですが、東の大関である節電ツールについては該当なしにするんであれば横綱でもいいような気もします。これが一番であるのは衆目の一致するところです。以下、それらしい顔ぶれです。前頭のマッコリについては、流行っていることは知っているんですが、私自身がお酒を飲まないもので、2-3週間前に職場の同僚に「マッコリとは何だ?」と聞いた記憶があります。いまだによく分かっていません。幕尻のトーニングシューズは「トレーニングシューズ」のミスタイプではありません。Googleに聞いてもいまだに「もしかして: トレーニングシューズ ?」と聞き返されます。Toning Shoes と綴り、極端には「履くだけで痩せる」と宣伝されています。私はかろうじて知っていましたが、持っていません。

順位商品・サービスシェア
① 国内旅行22.2%
② LED電球9.6%
③ 贅沢な外食7.6%
④ ブルーレイディスクレコーダー6.1%
⑤ 海外旅行5.7%
⑥ 地デジ対応テレビ4.8%
⑦ 扇風機4.7%
⑧ スマートフォン4.4%
⑨ 節電・節水家電3.9%
⑩ 冷却マット3.2%

次に、電通総研から発表された『消費者気分調査』レポートVol.10から消費者マインドを占うひとつのポイントである夏季ボーナスの使い道ランキングについて、1-10位を表にすると上の通りです。朝日新聞のサイトでも取り上げられていました。ボーナスの使途ですから、普段買いを含むヒット商品とは少し違って、① 、③ 、⑤ などは明らかにストレス解消の意味合いを含んでいると私は受け止めています。電通のリポートでは「ハレ系サービス」と称しています。もちろん、節電関係もいっぱいランクインしていることは見ての通りです。

消費気分指数(自粛意識あり層・なし層比較)

そのストレスをもたらす一因は明らかに震災と節電なんですが、自粛も大きな要因です。自粛と消費者マインドの関係について、私が従来から注目している時系列的な動向を観察した結果が上のグラフです。『消費者気分調査』レポートVol.10 p.5 ②  消費気分指数(自粛意識あり層・なし層比較) のグラフを引用しています。震災1か月後から3か月後への2か月の変化で、自粛意識ありグループはマインドを改善させているのに対して、自粛意識なしグループは逆に悪化させていることが読み取れます。私はマインドや心理学的な専門知識は持ち合わせていませんが、次の地域別とともに非常に興味深い結果です。

消費気分指数(地域別比較)

よく似た推移を地域ごとに見たのが上のグラフで、これも『消費者気分調査』レポートVol.10 p.5 ③  消費気分指数(地域別比較) を引用しています。震災被害やその後の節電の影響が相対的に大きい北海道・東北・関東甲信越ではマインドの改善が見られ、逆にそれ以外の地域では近畿を除いてマインドが悪化していることが観察されます。この地域別の動向は景気ウォッチャー調査でもまったく同じ傾向が観察されます。

ある意味で収束 convergence と見られなくもないんですが、私が考える convergence はともにマインドを改善する中で、自粛意識のあるグループや被災地の改善幅が相対的に大きく、自粛意識の薄いグループや震災被害の小さかった地域に追いつく、というのが思い描いていたパスなんですが、どの調査を見てもそうなっていません。私にはパズルです。

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